OMOとは|定義や意味/O2O/オムニチャネル戦略の違い/ツールマップ
OMOとはOnline Merges with Offline(オンライン マージズ ウィズ オフライン)の略で日本語に直訳するとオンラインとオフラインの融合という意味で、これまでのO2Oやオムニチャネルとは異なりネット・リアルの垣根を超えたマーケティングを指す新しい概念です。
元Google中国の代表が提唱した言葉で2018年前後から注目を集めた言葉ですが、近年は新型コロナウイルスの感染拡大も相まって新しい顧客体験の提供としても認知されています。
今回はOMOに関する言葉の定義や意味についてO2O・オムニチャネルとの違いから概念を理解し、OMOマーケティングが注目されている理由やメリット・成功事例・施策実施のポイントについて解説いしていきます。
O2O/オムニチャネル戦略との違い – オフライン誘導からオンラインの融合
まずはこれまでのマーケティング戦略用語として聞きなじみのあるO2O・オムニチャネルとの違いについて見ていきます。
O2OとはOnline to Offlineの略称でスマホやPCなどネット上で情報を顧客に提供し、店舗に誘導し購買に導くマーケティング手法を指し、ネット・リアルを切り分けた発想であることがわかります。
例えばスマホに送付したクーポン配信やポイントを実店舗で利用できるようにすることで、来店誘導を行う施策などがわかりやすい例です。
オムニチャネルの場合はSNSやメルマガなど様々なチャネルを介して顧客の囲い込みを行い、リアル・ネットの両方で購入ができるようチャネルの違いを意識させずにサービス提供を行う販売戦略です。
ネット×リアルデータの統合で新たな顧客体験の創造を実現するOMO
O2Oはネット・リアルを切り分けた考え方で、オムニチャネルは顧客の行動を軸にしたマーケティング戦略であるのに対してOMOはオンライン・オフラインのデータを統合し購買を含めた顧客体験が軸となります。
簡単にこれまでのマーケティング戦略の違いをまとめると次のようになります。
- O2O:ネットから実店舗への誘導
- オムニチャネル:購買を軸にしたチャネル活用による囲い込み
- OMO:ネット・リアルデータを統合し垣根を超えた顧客体験の創造
上図のようにOMOはオンライン・オフラインデータの区別をせず1つのものとして捉え、ネットとリアル店舗の購買・販促を含めて顧客体験を提供していくのが特徴といえます。
OMOストア&マーケティング施策の実施に必要な店舗DXツールのカテゴリーマップ
既にニュースメディアなどで事例が出ていますがOMOストア・マーケティングを実現していくためのシステムやツールは様々なものがあります。
既存のPOSレジ・予約システムに加えて次のようなソリューションが新たなDX領域として注目されるでしょう。
- モバイルオーダー・NFCタグ
- 事前決済・テイクアウトプラットフォーム
- インストア・動線分析ツール
- Beacon(位置情報)・Iot活用
- セルフレジ・無人レジ
- ウォークスルー決済
- ダイナミックプライシング
- デジタル&オンライン接客/アバター&バーチャル接客(VR)
店舗のオンライン購買を加速させるオーダー領域や、人手不足を解消するウォークスルー・無人レジはトレンドといえます。
また店舗体験という観点では上記と合わせて、需給に応じて単価の自動調整を行うダイナミックプライシングや、購買行動データをヒートマップとして可視化する動線分析ツールも顧客ニーズに即した店舗体験の実現で注目です。
OMOマーケティングの注目理由&背景|変わる消費者行動/メガトレンド/市場規模
ではOMOマーケティングはなぜ注目されているのでしょうか。必要とされる背景について市場環境や消費者行動・ニーズの変化の観点から見ていきます。
1. 消費動向に関する5つの変化 – コロナで求められる店舗運営・顧客アプローチ
1つ目は新型コロナウイルス感染症対策による消費者行動の変化です。当然顧客行動が変われば集客・アプローチの手段も変革が求められるようになります。
短期的には外出自粛ムード・また倹約意識も長期的な消費者意識として芽生えることが想定できます。
一方で消費者行動は少なからずポジティブに作用することで、上昇トレンドを生むことも考えれます。次のデータはユナイテッドアローズ社の売上セグメントに関するデータです。
ユナイテッドアローズ社ではネット通販セグメントが大幅に上昇し、オンラインに関する購買は活性化していることがわかります。生活必需品・娯楽商品の購入は増加が期待ができるでしょう。
2020年から発出された緊急事態宣言は現在解除され、外出自粛ムードも緩やかになりマスク着用も徐々に必須ではなくなっています。
当時予測されていたアフターコロナの移行期に入っていることが予想できます。上述で触れたように既にコロナをきっかけに様々なソリューションが登場しており、今後はオンライン・オフラインともに顧客アプローチの手法は変化が求められていくことでしょう。
2. 外部環境の変化 – 店舗の効率化/エンタメ/コロナ後の4つのメガトレンド展望
また新型コロナウイルス対策に加えて、日本全体に関わるメガトレンドによる外部環境の変化も注目の理由といえます。
人口構造の変化と労働人口減少に伴う、生産性効率化に関するトレンドです。少子高齢化による人手不足は国内全体での課題です。人手不足に対する方法として、セルフレジやセミセルフといった無人レジが徐々に浸透しています。
また事前注文を行うモバイルオーダーシステムやテイクアウトアプリ、フードシェアリングも注目されています。店舗で会計せずにアプリ上で注文から決済まで完結するため、非接触かつ席数に縛られない集客が期待できます。
オンライン購買がトレンドとなり店舗で活用できるデータが増えると、これまでリアル店舗を起点に行っていたマーケティングも変わっていきます。
OMOの考え方は2つの購買情報を分けず1つのデータとして捉え両者を融合させたマーケティングを展開し、より顧客起点型のモデルを模索していきます。
そのためデータ管理・顧客への活用が重要となるため、DMP(データマネジメントプラットフォーム)やMA(マーケティングオートメーション)ツール活用などデータマーケティングの概念も重要になるでしょう。
また消費者はスマホ1つで注文から決済までを完結し、アプリやサイト上でクーポンを活用しておりモバイルコマースもさらに加速するでしょう。
フィッティングが課題であったアパレルECではVRを活用したバーチャル試着室も登場し、オンライン試着を提供しているVirtusizeではサイズの比較から自分にあった商品の検索が可能です。
こうしたオンライン購買はさらに拡大し、新たな価値体験の創出も注目ポイントといえます。
外出ができない環境下で購買のオンライン移行が加速していくため、店舗に求められる価値も変わってきます。
接客やコーディネート提案に特化したショールーミングストアの事例も増え、蔦屋家電エンタープライズが運営している次世代型ショールーム「蔦屋家電+ (ツタヤカデンプラス)」では店舗で売ることだけをゴールとせず、プロダクトや商品を展示し五感で体験を楽しむエンタメ要素を提供しています。
店舗には動線分析カメラを設置し、来店者の行動データや表情を分析、店頭の意見が出店店舗へフィードバックされる仕組みになっています。
アフターコロナの店舗を取り巻くメガトレンドについてはこちらの記事で解説しています。
3. 80挑円の市場規模へ、右肩上がりのオムニチャネル/加速するオンラインシフト
次のグラフは三井住友カード株式会社が実施したコロナ禍の消費者行動に関する調査レポートです。
高年齢層の購買はネット環境へのリテラシー対応の課題もあり、これまでは実店舗が中心でした。しかし高年齢層においてもスマートフォンなどの普及・緊急事態宣言の影響もありECモールや通販を利用する増加傾向であることがわかります。
加えてWEB・オンライン接客の市場やBtoBのEC市場は大きく成長すると予測されています。ITRが調査したWEB接客市場に関するレポートでは2016年に17億円から毎年150%近く成長しており、2021年には75億円に近い市場になると予測されています。
また野村総合研究所の調査結果ではBtoBEC市場は2021年に64.6兆円、2026年に80兆円市場へ成長が見込まれ、リアルとネットを横断したマーケティング概念である、オムニチャネル市場も19.5兆円から2026年に約30兆円になると予測されています。
オンライン接客の市場は大きな成長が予測され、様々なツールを活用したオンライン購買もコロナトレンドで追い風となり拡大していくでしょう。
4. 店舗様式の変化 – 来店不要で注文&接客・非接触/非対面の顧客体験ツールの登場
上記のようなトレンドもありコロナをきっかけに新しい店舗の接客・注文に関するソリューションも次々に登場しています。
下記の図はGoogleのキーワードプランナーから取得した「オンライン接客・遠隔接客」関連のキーワードを集計し、月次の検索トレンドをグラフ化したものです。
1度目(2020年4月)の緊急事態宣言の発出に伴い大きく検索数が増加しており、多くの企業が新型コロナウィルスをきっかけに新たな接客を探していることがわかります。
また2度目の宣言が出された2021年の1月にも検索数は上昇し、関連キーワード検索数もこの一年で約10倍に増加しています。
また店内注文に関するツールも新たなトレンドが生まれています。下記のグラフはQRオーダーやモバイルオーダー・事前注文に関する月間検索数の推移をまとめたものです。
新型コロナウィルス対策としての蔓延防止や緊急事態宣言の発令に伴い、飲食店でのコロナ対策の必要性の高まりに応じて検索数も増えています。
モバイルオーダーは非接触で行列回避を実現できるため、顧客だけでなく従業員へ感染予防施策としても注目されていること伺えます。
また近年は居酒屋などで目にするQRオーダーシステムも普及していますが、NFCタグ(近距離無線通信)を活用したデジタル&電子メニューブックも登場し、QR読込も不要でメニュー表を立上げ注文ができます。
5. 限られた好立地の競争激化 – 出店ハードルが高まる店舗/省スペースでの接客体験
加えて実店舗のみに軸足を置いた戦略の足かせになるのが、人口減少と平行して起こるの都市部への人口の集中化・インバウンド客の集中に伴う、リアル店舗の出店エリアの競争激化です。
人口減少・都市部への人口集中が激化すると今後の店舗出店はハードルが高くなり、本来求めていた立地ではなく必要なスペースを確保できない・店舗スタッフの不足といった問題が浮き彫りになることが予想できます。
こうした背景を踏まえると、リアル店舗では省スペース・省力運営が求められるようになりこれまでとは違った価値提供・顧客体験の検討が必要となることが考えられるでしょう。
6. 65%以上が回答 – コロナ禍で消費者が求める”店舗サービスのデジタル融合”
新型コロナウィルスの感染防止対策・緊急事態宣言をきっかけに、消費者は店舗サービスのデジタル化を期待しています。New Innovationsが実施した調査によると消費者の65%はデジタルだけでなく、リアルとデジタルの融合した接客体験を求めています。
また店舗サービスで人によるサービスで良いと思うこ理由としては、「個人に合わせた接客対応・人の温かみを感じる・スタッフとの会話」といった回答が上位にきています。
これは店舗を単純にデジタル化をするのではなく、消費者それぞれを理解し一人ひとりに合わせた接客を望んでいるニーズの現れといえます。
7. 店舗に求められる役割 – ネット×リアル融合によるデータ活用&OMOデジタルストア
省力・省スペース・ネット×リアル融合を実現する新たな店舗スタイルとして注目されているのがデジタルストアという概念です。
デジタルストアで最初に考えられるのは自動販売機型店舗が考えられますが、顧客とのコミュニケーションがとれず良質な顧客体験が提供できず販売商材が限定的となり、事業拡大に関する課題に直面するでしょう。
そうした中で必要とされるのが顧客対応から決済までが1つで完結するオンライン接客やアバター接客といった遠隔での顧客対応を行う新しい顧客体験です。
省力・省スペースでの店舗運営を実現しデジタルコンテンツを活用した表現力の向上で、これまでとは違った顧客コミュニケーションを可能にし、幅広いジャンルの商材・サービス提供が可能となります。
また接客データをAIが評価・分析を行うことで継続的な改善サイクルが回り、店舗ではネットとリアルを組み合わせた新たな接客体験の領域へ入り、企業と消費者のコミュニケーションのあり方も変化することが予想されます。
これまでの購買ファネルはSNSやWeb上でサービス・商材を認知し、口コミやキャンペーンサイトで評判を比較し店舗で購入を行うため、店舗は最終的なゴールに近い立ち位置でした。
しかし今後のリアル店舗はショールーミング・デジタル化が進むことで、どのような顧客体験を提供できるかが消費者ニーズを捉える点で重要になってきます。
これまでは商品の購入やサービス体験がメインであった店舗の役割は、デジタル化により消費者はネット環境があれば接客を受けれる状態となります。
VRやAIを活用したアバター・バーチャル接客を利用する店舗では、オンラインで顧客とのコミュニケーションを行うため認知・関心といった上位ファネルとしての役割を果たし、実店舗での接客体験をもとにECサイトやライブコマースなどネット上での購入・サービス利用を行うでしょう。
店舗のデジタルストア化による新しい接客体験の浸透によりネット・リアルの役割はこれまでと違った住み分けとなっていくことが考えられます。
リアル店舗×EC連携で実現するOMOマーケティング施策実施のメリット
実店舗と変わらないオンライン購買で販売機会ロスの減少
OMOに関するソリューションは既にいくつも登場していることを紹介してきましたが、OMO型ストアではオンライン注文・接客をどこからでも体験することができるのが特徴です。
例えばモバイルオーダー・テイクアウト&デリバリー予約はどこにいても顧客は注文ができ、商品の購入・受取ができるようになり待ち時間も短縮することができます。
オンライン・バーチャル接客も同様にスタッフや顧客は店舗にいなくても、これまでと変わらない接客を受けることができます。
次の事例で詳細をみていきますがビデオ通話を活用し建築業界ではオンラインショールームの提供も行っており、不動産業界ではVR技術を活用して自宅にいながら内見ができるサービスもあります。
これまでは店舗や現地に行く必要があり場所や時間に制限がありましたが、制約をなくすことで販売機会ロスを抑えてオンライン購買の拡大につながります。
顧客行動・購買データの集客で顧客満足度の上昇/好循環サイクルによる改善
冒頭で触れたようにOMO戦略の強みはネット・リアルのデータ統合にあります。実店舗やIot・スマホ・PCなど様々なデバイス経由の購買データを1つのデータベースに集約することで、これまで見えなかった顧客ニーズも見えてくるでしょう。
また真の顧客ニーズを理解しECサイトや実店舗での購買・顧客体験を高めていくことで顧客満足度の上昇も期待ができます。
別々に管理していたデータを1つに集約すれば上記のようにこれまでと違った新しい視点で、顧客体験の改善サイクルを回していくことにもつながります。
EC通販×実店舗の連携でLTVの最大化が期待できる
そしてデータを集約した改善サイクルが回っていけば、実店舗・ネットともに購買頻度を増やしLTV(顧客生涯価値)を最大化していくことも期待できます。
オンライン・オフラインの垣根を超えた購買や接客といったシームレスな顧客体験を実現していくことで、ファンを増やし継続的な収益を生む顧客層を増やすことができます。
日本国内でのOMOマーケティング活用&導入・ストア成功事例5選
量販店 – 蔦屋家電・AIカメラヒートマップ/導線分析によるショールーミング型店舗
蔦屋家電エンタープライズが運営を行う二子玉川にある蔦屋家電+(プラス)では、店頭に並べる小遺品は、万博・美術館・博物館」といった概念を基に、コンシェルジュと呼ばれる店員が選定し、様々なライフスタイルの提案を行う場所となっています。
店舗で商品を確認しネット上で購入を行うショールーミングが増える中で、蔦屋家電+にはメーカーが直接出店し、店舗が体験とコミュニケーションの場となるよう工夫を凝らし、展示する製品は定期的に入れ替えられ来店のたびに新しい体験を提供されています。
また店内にはAI導線分析や画像解析・ヒートマップを導入し、メーカーは匿名化された来店者の滞留時間や属性情報を取得できるようになっています。
加えて販売員が接客によって引き出した顧客の生の声も開発に活かすことができ、1製品につき30日間で約7,000件の顧客属性、50件ほどのアナログ接客データをフィードバックされ実店舗の情報も販売や製品改善に活用されています。
小売/百貨店 – 西武/そごう・スマホで注文できるメディア型OMOストア
大手百貨店を運営する西部/そごうではCHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベース シブヤ)というD2Cブランドと連携したメディア型のアパレルOMOストアを西部渋谷店にオープンしています。
CHOOSEBASE SHIBUYAではスマホでWebカタログをみながら、QRコードを読込み商品カートに追加・購入ができるようになっており店舗スタッフの代わりにスマホが店員の機能を果たしています。
これまでは買い物かごを持ち歩きながらショッピングを行うのが一般的でしたが、CHOOSEBASE SHIBUYAではかごの持ち歩きが不要で店内の商品を閲覧ができます。
メーカー – サントリー・LINEモバイルオーダー×SNSによるエンタメ
大手飲料メーカーのサントリーでは東京・日本橋にテイクアウト専門のカフェ「TOUCH-AND-GO COFFEE」をオープンしています。
サービス設計のコンセプトは、”Custom But Fast”で自分好みのコーヒーにカスタマイズをして押しボトルを作り直ぐに受取ができる仕組みの店舗になっています。
順番待ちをせずに予約注文ができるモバイルオーダーが2019年頃から注目され、LINE上で注文から決済までができるためオリジナルコーヒーでありながら簡単受取という新しい顧客体験を生み出しています。
ECモール – Amazon Go・ウォークスルー決済で無人店舗/ECサイトもデータ連携
Amazon Goは来店客の行動を各種センサーで分析し、商品バーコードスキャンが不要な無人店舗決済ができるスーパーマーケットです。
コロナ禍で非接触が注目される中「手のひら認証」という技術を導入しており、入り口に“かざす”ことで本人認証を行なっていたものが、入り口のAmazon Oneに登録済みの“手のひら”を“かざす”だけでゲートの通過と退店後の決済も実現しています。
そのため店内には買い物かごやレジは設置されておらず、カメラセンサーが自動で商品を読取り決済ができます。
人件費も抑え購買履歴もAmazonのECサイトと連携させることで、リアル店舗の購買情報を含めたレコメンドがネット上でも行われマーケティング観点でもまさに融合したOMOストアといえます。
オンライン接客 – ニトリ・ビデオ通話を活用した自宅でのショールーム体験
大手家具店のニトリではビデオ通話を活用してリフォームサービスのオンラインショールームを提供しています。
通常ショールームは店舗で実施されるものでしたが店舗とオンラインの垣根をなくすことで、自宅に居ながらこれまでの接客と同様の体験をできるように高品質のサービス提供を目指しています。
現在はPCやタブレット端末も普及しており、利用者はショールームスタッフとすぐにリフォーム相談ができるようになっています。
新たな店舗体験OMOマーケティング成功のポイント・課題
データ分析基盤の整備 – オンライン&オフラインを統合したデータベース構築
OMOで重要になるのはオンライン・オフラインも含めたデータ基盤を統合していくことです。解説してきたようにネット・リアルを区別せずに顧客がシームレスに購入できる状況を作ることが重要です。
そのため商品・店舗・売上・購買・来店頻度といった様々なデータを活用しマーケティングに活かす必要があります。
あらゆるデータを集約し全ての購買起点において顧客毎にパーソナライズされた体験を提供することが大切なポイントです。
OMO/店舗DXツールの導入・検討 – 決済/接客/注文のデジタル化を図る
データ環境の整備を整えてからは具体的にどのようなツールを導入し、顧客体験の充実を図っていくかです。
小売や飲食店のDXに関するツールはコロナ禍の非接触・非対面で様々な種類のソリューションが登場し、それぞれのカテゴリーでも機能性の異なるものがあります。
1つの顧客体験を作りあげるためには、活用方法や具体的なマーケティング施策もイメージしていく必要があるでしょう。
導入検討の場合は上記のように自社で実現したい体験の具体化を行ってから、必要な機能・セキュリティといった要件定義に入りましょう。
販売チャネル&デバイスのマルチ化 – 顧客接点/接触頻度の拡大/シームレスな導線設計
OMOマーケティング戦略を成功させるにはあらゆるチャネルを連携させ顧客接点を増やし、豊富なデバイスに対応するマルチデバイス化も大切です。
同一のID・パスワードで利用できる設計にすることでユーザーストレスを感じさせない状況を作る必要があります。
また実店舗や自社ECサイトに限らずSNS・チャットなど豊富なチャネルから顧客ニーズに応え、幅広い角度から消費者の行動・声を収集し分析しなければ体験は分断されOMOの実現はできません。
データ基盤だけでなく販売チャネルも一貫性を持たせ、よりよい顧客体験を作りあげるPDCAサイクルと関係性を深める視点がOMOマーケティングでは非常に重要となります。