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インストアマーチャンダイジングとは?マーケティングやプロモーションの違い・事例・動線分析ツール比較4選

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インストアマーチャンダイジングとは

インストアマーチャンダイジング(ISM)とは小売業や店舗において、データを活用し、科学的に購買意欲を高めることを目的とした販売促進の活動を指します。

今回はインストアマーチャンダイジングに関する詳しい説明と、具体的な事例・動線分析ツールについてまとめていきます。

インストアマーチャンダイジングの種類や概要を図解

インストアマーチャンダイジングについて
  • インストアプロモーション:ライフスタイルに対する積極的な提案
  • スペースマネジメント:顧客の動線を意識した、販売棚の計画と管理

インストアマーチャンダイジングは、上記の2つの要素によって成り立っています。

インストアプロモーションは「非価格主導型」「価格主導型」の二つに分けられ、「非価格主導型」では、店頭イベントやPOP・陳列・サンプリングなど、価格に影響しない活動を。「価格主導型」では、特売や値引き・増量パックなど商品の売値に関わって来る活動を行います。

スペースマネジメントは「スペースアロケーション」「プラノグラム」の二つの要素に分けられ、「スペースアロケーション」では売り場全体のレイアウトの設計、「プラノグラム」では個々の商品のサイズや販売データを元に棚の中での販売位置や分量を決めていきます。

これらを総合し、顧客に対し商品の魅力をアピールしていく行為が、インストアマーチャンダイジングです。

インストアマーケティング・マーチャンダイジングの違い

店舗販促促進
  • インストアマーチャンダイジング:購買行動を分析し単価を引き上げる戦略
  • インストアマーケティング:売り場のセールス力を重視

店舗における販売促進活動には、インストアマーチャンダイジングのほかに、インストアマーケティングと呼ばれるものも存在します。

インストアマーケティングは、「売り場のセールス力を高める事で売り上げを上げよう」という考え方です。

インストアマーチャンダイジングは、その考えとは逆に「顧客の動きやニーズに注目することで単価を上げよう」という顧客の購買行動に焦点を当てたものです。

売り場と顧客、どちらに重点を置いて戦略を練るかという点が、両者の考え方の大きな違いといえます。

インストアマーチャンダイジングのメリット

では、インストアマーチャンダイジングに力を入れるメリットとは、どういった点になるのでしょうか。

インストアマーチャンダイジングの方程式と考え方

インストアマーチャンダイジングにおいて重要になってくるのは、顧客行動から1人あたりの単価をいかに高くするかという点です。

そこで、インストアマーチャンダイジングにおいては以下のような方程式がよく用いられます。

客単価=動線の長さ×立ち寄り率×視認率×買上率×買上個数×商品単価

  • 動線の長さ・店舗内を顧客が歩いた距離
  • 立ち寄り率・店を歩く過程で、売り場に立ち寄った割合
  • 視認率・立ち寄った売り場で、商品を認識してもらった割合
  • 買上げ率・顧客が実際に商品を購入した割合
  • 買上げ個数・顧客が購入した商品の個数
  • 商品単価・購入された商品の価格

つまり「短い距離で1つの売り場を目指し、1つの商品だけを手にして帰った顧客」よりも、「店内をじっくり歩き回り、複数の商品を確認し購入した顧客」の方が単価が高いという考え方です。

来店時の顧客単価を引き上げる

インストアマーチャンダイジングとは、上述の方程式で求められる顧客単価を引き上げていくという考え方です。

つまり「実際に商品を購入してもらう」だけでなく、「どうすれば顧客が店内をじっくり歩き回るか?」「どうすれば顧客が棚の商品に目を向けてくれるか?」といった部分に焦点をあて、その結果として顧客単価を上げていくという考え方です。

低コストで売上増加を期待できる

この考え方に基づいた活動を行う場合、高い広告費などは必要がありません。

なぜなら、手を加えるべきは売り場のレイアウトや販売方法なのですから。

あまり元手のかからない方法で売り上げ上昇の効果を期待点が、インストアマーチャンダイジングの考え方を導入する最大のメリットと言えます。

ツールを活用したインストアマーチャンダイジング・プロモーションの事例

では、実際にどのような活動を行えば成果が得られるのでしょうか?

ツールを活用したプロモーションの事例をご紹介します。

京王電鉄:顧客導線の分析でリアルタイムに状況把握

京王電鉄株式会社は、NTT東日本と連携して株式会社アドインテの高精度ビーコン「AIBeacon」を導入しました。このビーコンは、Wi-Fiセンサーを搭載し、専用アプリ不要でスマートフォンを検知できるという特徴があります。これにより、京王グループの様々な店舗でフロア単位の顧客動線分析が可能となり、マーケティング施策の精度向上や広告配信の最適化ができるようになりました。

詳細はこちら:https://business.ntt-east.co.jp/case/2021/n004/

ビジョンメガネ:データ活用で潜在顧客を発掘

「ビジョンメガネ」では、商品を購入してくれた顧客のデータは把握することが出来ていたものの、購入に至らなかった顧客に関してはデータを得る手段が無かったそうです。

そこで潜在顧客の情報を把握するため、「ABEJA Insight for Retail」というシステムを導入。これまで購入に至っていなかった顧客の来店数や年齢・性別を確認することで、売り場の陳列や発注に活かせるようになったようです。

詳細はこちら:https://www.abejainc.com/insight-retail/case/visionmegane

動線分析ツール比較4選

動線分析ツールを用いることで、顧客動線の改善を行えた事例をご紹介しました。

では、実際にツールを活用したインストア施策を実施するにはどのようなものがあるのでしょうか?

店舗動線を可視化し、効果的な売場作りにおすすめの動線分析ツールをご紹介します。

ABEJA Platform for Retail

●特徴

  • 年齢性別推定機能
  • リピート推定機能
  • データ活用も支援

ビジョンメガネの事例でも登場したこちらのツール「ABEJA Platform for Retail」。

顧客一人ひとりの年齢や性別を推定可能で、更にはリピーターであるかどうかを推定することも可能という優れものです。

データ活用に関してもアドバイスしてくれるので、安心して導入することが出来ます。

詳細はこちら:https://www.abejainc.com/insight-retail-main

トリノ・ガーデン

●特徴

  • Wi-Fiによる行動分析
  • 低い導入コスト
  • リピーターの確認も可能

「トリノ・ガーデン」はWi-Fiを設置することによって、顧客の動線や滞在時間を測るシステムです。

センサーを使用するツールに比べて導入コストが低く、またリピーターを確実に見分けることが可能なので、顧客属性も把握しやすいといえます。

詳細はこちら:https://tollino-garden.com/

RETAILNEXT

●特徴

  • 多数の視点によるデータ確保
  • データの視覚化
  • 従業員行動の明確化

「RETAILNEXT」では、ビデオカメラやPOSシステム、Wi-Fiなどといった様々なデータを統合することで、顧客データを確保・管理することが出来ます。

従業員の行動などに関しても確認できるため、より効率的な作業を目指す事が可能となります。

詳細はこちら:https://retailnext.net/ja/product/shopper-journey

アロバビュー

●特徴

  • 500機種以上の対応カメラ
  • 操作性の高いインターフェース
  • 高い効果実績

「アロバビュー」は、ネットワーク監視カメラを用いた総合ツールの名称です。

中でも「アロバビューコーロ」と呼ばれるシステムによって、顧客層の詳細なデータを確認することが出来ます。

多くのカメラに対応しているため、新規でカメラを購入する必要は無いと言って良いでしょう。

詳細はこちら:https://www.arobaview.com

売場を科学し「つい買いたくなる」お店づくりを

ここまで、様々な事例やシステムをご紹介してきました。

顧客は自分の意志や判断で行動していると考えることが一般的ですが、その意志や判断を左右する環境や情報は、店舗側で作っていくものです。

科学的なアプローチを試みることで、顧客の判断を購買に傾かせることが出来る。それを実現するのが、インストアマーチャンダイジングの基本的な考え方なのです。

ツールを導入し多くのデータを活用することで、店舗の顧客動線も見直してみてはいかがでしょうか。

顧客の動きを見定めることで、最適な売場作りを心がけましょう。

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この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
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