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電子決済とは?支払いタイミングが異なる9種類、導入のメリット・デメリット

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電子決済とは?

電子決済とは、電子的な手段を用いて商品やサービスの支払いを行う方法のことです。現金払いと比べてスピーディかつ便利な支払い方法として注目されています。電子決済にはさまざまな種類があり、それぞれ支払いタイミングや付帯サービスも異なります。

事業者側としては、自社のターゲット層を明確にし、彼らの好むであろう電子決済を導入することが大切です。

電子決済は支払いのタイミングで3種類に分けられる

電子決済は、支払いのタイミングによって大きく3つの種類に分けられます。先払い式の電子決済、即時払い式の電子決済、後払い式の電子決済です。

9種類の電子決済

代表的な9種類の電子決済を、支払いタイミングごとに分けて紹介します。

【先払い式】

  • チャージ系の電子マネー
  • 前払い式のコンビニ決済
  • 口座振込

【即時払い式】

  • デビットカード
  • インターネットバンキング

【後払い式】

  • クレジットカード
  • 後払い式の電子マネー
  • 後払い式のコンビニ決済
  • 口座振替

先払い式の電子決済

先払い式の電子決済では、電子マネーやプリペイドカードに事前にお金をチャージしたり、代金を支払ってから商品発送やサービス提供が行われたりします。

後払い式と比べると、ユーザーにとってはお金の使い過ぎてしまう心配がありません。少なくとも、クレジットカードを許容範囲を超えて使ってしまい、翌月の請求を支払えないというような事態は起こらないでしょう。

事業者にとっては、代金を受け取ってから商品発送やサービス提供を行うため未回収リスクがなく、督促業務も発生しません。

具体的にどんな支払方法があるのか、先払い式の電子決済を3種類紹介します。

チャージ系の電子マネー

チャージ系の電子マネーは、あらかじめ電子マネーにチャージ(入金)を行い、その残高を利用して支払いをする方法です。Suicaや楽天Edy、WAONなどが代表的なチャージ系の電子マネーです。

前払い式のコンビニ決済

前払い式のコンビニ決済では、商品やサービスの利用前に、コンビニエンスストアや銀行ATMで支払いをします。事業者は支払いの確認が取れてから商品の発送やサービス提供を行います。

なお、ユーザーに郵送されるコンビニ決済には払込票を使うものと、オンラインで発番される支払い番号を使うものがあります。前払い式では、申し込みから支払いまでに時間がかからない支払い番号を使うのが普通です。

代表的な前払い式のコンビニ決済として、ローソンの「ローソンチケット」が挙げられます。

口座振込

口座振込は、自分の銀行口座から相手の口座へ直接送金、もしくは現金を相手の口座に振込する方法です。最近は窓口やATMからだけでなく、インターネットバンキングを使ってPCやスマホから振込手続きをすることもできます。

なお、口座振込は後払い式の決済で活用されることもあります。

即時払い式の電子決済

即時払い式の電子決済では、取引と同時に支払いが行われます。支払い金額は銀行口座から即座に引き落とし・送金され、現金授受はないものの、現金払いに近い感覚で使える決済方法です。

具体的にどんな方法があるのか、即時払い式の電子決済を2種類紹介します。

デビットカード

デビットカードは、銀行口座に直接連動したカードで支払いをする方法です。VIZAやJCBなどのクレジットブランドがついたカードで、基本的にクレジットカードと同じように使えます。中にはクレジットカードのようにポイントが付くものもあります。

デビットカードで支払ったお金は連動した口座から即座に引き落とされます。クレジットカードのように分割払いをしたり、利用分を翌月まとめて支払ったりはできません。

いわゆるブラックリスト状態のような、クレジットカードを持てない人でも利用できます。クレジットカードと併せて導入しておくことで、幅広い客層に対応できるようになるでしょう。

インターネットバンキング

インターネットバンキングは、インターネットを通じて銀行の口座管理や取引を行うサービスです。支払いの際には、自分のインターネットバンキングの口座から相手の口座に送金をします。

支払い側はインターネットバンキングの口座がなければなりませんが、受領側の口座はインターネット非対応でも構いません。

もちろん、振込だけでなく自動振替にも利用できます。

後払い式の電子決済

後払い式の電子決済では、商品やサービスを利用した後に支払いを行います。手元に現金がなくても支払いができること、請求をひとまとめにできることなど、ユーザーにとってのメリットも多いです。

特にこのタイプの電子マネーやコンビニ決済はクレジットカードが作れない人でも利用できることがあり、このような人たちでも使える後払い決済として注目されています。

詳しくは後述しますが、ユーザー側の「支払いを後回しにできる」というメリットは、事業者にとって「客単価アップ」のメリットにつながります。

具体的にどんな方法があるのか、後払い式の電子決済を4種類紹介します。

クレジットカード

クレジットカードは日本でもっとも使われている電子決済です。クレジット会社が発行するカードで支払いを行い、後日一括または分割で利用分を返済します。

支払いを翌月以降に回したり分割したりできるほか、ポイントが付くカードや付帯サービスが充実したカードもあるなど、ユーザーにとってのメリットが多いです。

普及率の高さ、ユーザーにとってのメリットの多さから、事業者にとっては最低限導入しておくべき電子決済といえます。

後払い式の電子マネー

後払い式の電子マネーでは、商品やサービスの代金を電子マネーで支払い、その金額の合計を後日まとめて清算します。中には支払いを分割できる電子マネーもあり、感覚的にはクレジットカードに近いです。

代表的な後払い式の電子マネーとしては、Paypayあと払いやメルペイスマート払いなどがあります。

後払い式のコンビニ決済

後払い式のコンビニ決済では、商品やサービスの利用後に、コンビニエンスストアで支払いを行います。先述の通り、払込票を使う方法とオンライン発番の支払い番号を使う方法があります。

電気やガスなどの公共料金を払込票で支払ったことがある人は多いでしょう。これも、後払い式のコンビニ決済の一種です。

支払い番号を使うタイプの後払い式コンビニ決済には、たとえば「NP後払い」が挙げられます。1ヵ月の合計利用額を翌月初旬にまとめて支払えるサービスです。

口座振替

口座振替は、指定された銀行口座から決まったタイミングで、自動的に支払い(引き落とし)を行う方法です。定期的な支払いや会員費の支払いに利用されることが多いです。

銀行口座はほぼ誰でも持てること、銀行を介するという安心感があることから、未成年者から高齢者まで幅広い層に対応できます。

電子決済を導入する5つのメリット

電子決済は現金授受がないため支払いがスムーズで、EC系のサービスでもPCやスマホから手軽に支払いを済ませられます。ほかにもポイントが付く、支払いを後回しにできるなどユーザーにとってのメリットが多く、これはそのままターゲット層の拡大や集客といった事業者にとってのメリットにもつながるでしょう。

事業者が電子決済を導入するメリットを、マーケティング・業務効率化の両面から紹介します。

ターゲット層が広がる

電子決済を導入する1つ目のメリットは、「ターゲット層が広がる」ことです。電子決済を導入することで、それぞれの決済方法をよく使う消費者を取り込みやすくなります。

ただ、電子決済といっても紹介してきたように種類はさまざまです。クレジットカードの利用が苦手な人やポイ活に取り組む人などさまざまな層に対応できるよう、電子マネーから銀行振込まで幅広く対応するといいでしょう。

集客・客単価アップ

電子決済を導入する2つ目のメリットは、「集客・客単価アップ」です。先述の通り、決済方法を充実させることで幅広い層を取り込めるようになります。

集客だけでなく客単価アップも考えるなら、特に後払い式の電子決済を充実させましょう。人間には将来の支出を過小評価する心理傾向があります。クレジットカードはもちろん、後払い式の電子マネーやコンビニ決済を導入することで、クロスセルも狙いやすくなるでしょう。

リピーター獲得

電子決済を導入する3つ目のメリットは、「リピーター獲得」です。電子決済を導入することで、新規客がリピーターになりやすくなります。

「ポイントを貯めたい」「家計の管理をスッキリさせたい」などと考える消費者の中には、支払い方法を固定したいと考える人も多いです。いつもの支払い方法で買い物ができるとわかれば、再来店を促しやすくなるでしょう。

特にECサイトをはじめとするWeb系のサービスでは、二度目以降の注文では支払い情報の入力を省けるようになります。少しでも手間を省きたいと、使い慣れたお店(ECサイト・ネットショップ)を選ぶ人は多いです。

業務効率化

電子決済を導入する4つ目のメリットは、「業務効率化」です。電子決済の導入により、現金授受や領収書の発行などの手間を省けるようになります。また、自動化された処理により、業務の効率化が図れます。

支払い方法によっては未回収リスクの軽減にもつながり、回収業務にかかる労力も削減で着るでしょう。

金銭授受のミス防止

電子決済を導入する5つ目のメリットは、「金銭授受のミス防止」です。電子決済では、金銭の授受が自動的に行われるため、受け取り金額の入力や釣り銭の金額などの間違いがありません。

電子決済のデメリット

電子決済の導入は業務効率化だけでなく、売上アップにもつながります。ただ、費用がかかる、情報漏えいリスクがあるなどのデメリットもあります。

電子決済の3つのデメリットを紹介するので、メリットと照らし合わせて導入やその方法を検討しましょう。

費用や手数料がかかる

電子決済を導入する1つ目のデメリットは、「費用や手数料がかかる」ことです。電子決済を導入するには、システムの構築や手続きのために費用が発生することもあります。支払いのたびに決済手数料も発生し、その多くは事業者負担です。

どのくらいの人件費削減や売上アップなどの効果が期待できるのか、自社にとって費用対効果の高いサービスはどれなのかなど、比較・検討のうえで導入しましょう。

情報漏えいのリスクがある

電子決済を導入する2つ目のデメリットは、「情報漏えいのリスクがある」ことです。電子決済では、個人情報や金融情報がインターネットを経由してやり取りされるため、情報漏えいのリスクが懸念されます。セキュリティ対策や暗号化技術の導入などが重要です。

情報漏えいのリスクを抑えるには、信頼できる決済代行サービスの活用がおすすめです。

オペレーションが煩雑になることも

電子決済を導入する3つ目のデメリットは、「オペレーションが煩雑になるかもしれない」ことです。

実店舗で電子決済を導入すれば現金授受の機会は少なくなります。ただ、スタッフは電子決済用の端末の操作を覚えなければならなくなり、オペレーションが煩雑になったり教育コストが上がったりすることも考えられます。

決済代行サービスを活用すれば、使いやすい端末のレンタル・購入も可能です。費用や対応した決済方法だけでなく、端末の操作性や機能もよく確認し、どのサービスを活用するのか決めましょう。

電子決済の導入には決済代行サービスがおすすめ!売上アップや業務効率化のための選び方

電子決済の導入には決済代行サービスがおすすめです。決済代行サービスは電子決済を提供する金融機関との契約や入金管理、回収業務などを代行してくれるサービスです。

金融機関と直接契約をする場合、入金のタイミングは機関ごとにバラバラ、管理システムも機関ごとに使い分けなければなりません。

決済代行サービスを活用すれば契約を一本化でき、自社専用の管理システムも提供してもらえます。電子決済サービスにはそれぞれ特徴があるので、次のような指標から、自社に合ったものを選びましょう。

  • 対応した決済方法
  • 対応した課金方式
  • 手数料
  • 入金サイクル
  • システム連携
  • セキュリティ要件

各選定ポイントについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。業種・目的別のおすすめサービスも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
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