クレジットカードをはじめとするキャッシュレス決済のシェア率は高まり続けています。シェア率の高いクレジットカードに対応すること、自社の顧客に合ったキャッシュレス決済を導入することは売上アップに欠かせません。各決済手段のシェア率を紹介します。
クレジットカードの国際ブランドとは?
クレジットカードの国際ブランドとは、世界中に加盟店を持つカードブランドのことです。代表例として、VISAやMasterCardなどが挙げられます。
国際ブランドのクレジットカードは、世界中のさまざまな国で使えるカードです。普及率も高く、国際ブランドのカードに一通り対応しておけば、顧客にとって支払いがしやすくなるでしょう。
カード会社との違い
クレジットカードのブランドとカード会社は異なるものです。簡単にいえば、VISAやMasterCardなどがクレジットカードのブランド、三井住友カードやエポスカードなどがカード会社です。
三井住友カードのようなカード会社が、VISAやMasterCardなどの国際ブランドと提携することで、これら日本のカード会社発行のクレジットカードを海外でも使用できるようになっています。
国際ブランドのクレジットカードのシェア率は?
VISAやMasterCardなどのブランドの加盟店になることで、そのブランドのクレジットカードでの支払いを受け付けられるようになります。
決済手段を充実させることには集客や客単価アップの効果もあります。国際ブランドのクレジットカードの加盟店になることは、売上アップにも直結するでしょう。観光地など旅行客の多い店舗では、国際ブランドの加盟店になることは特に重要です。
次の7つの国際ブランドはシェア率も高く、まずはこれらの加盟店になることをおすすめします。クレジットカードの国際ブランドのシェア率と、それぞれの特徴を紹介します。
なお、各ブランドのシェア率はNolson Reportの調査を参考にしています。
参考:Card and Mobile Payment Industry Statistics | Nilson Report Archive of Charts & Graphs
VISA(61%)
VISAカードは61%もの圧倒的なシェア率を誇るクレジットカードです。少なくとも、VISA・MasterCard・JCBの3ブランドには対応しておくべきでしょう。
VISAは使用できる国と地域も、加盟点数も世界トップクラスです。特にアメリカで普及しているカードといわれており、アメリカからの観光客が多い地域では確実に対応しておくべきでしょう。
MasterCard(26%)
MasterCardはシェア率26%と、世界No2の国際ブランドです。特にヨーロッパで普及しているカードといわれており、ヨーロッパからの観光客が多い地域では確実に対応しておくべきでしょう。
JCB(2%)
JCBは日本で生まれた国際ブランドです。世界でのシェア率は2%と高くはないものの、国内での利用率は約30%と高いです。国内で開業するなら、VISA・MasterCardと併せて加盟しておきたいブランドでしょう。
American Express (11%)
American Expressはシェア率11%と中堅程度の国際ブランドといえます。ハイステータスのカードとして認知されており、一流のホテルやレストランなどではぜひ対応しておきたい国際ブランドです。
Discover(2%)
Discoverはシェア率2%と低いものの、アメリカでは認知度が高い国際ブランドです。観光客の多い地域では対応しておくべきでしょう。
また、Diners Clubを傘下に保有し、JCBや銀聯との提携もしています。利用できる店舗も増えており、早めに加盟店になっておくといいでしょう。
Diners Club
Diners Clubはグルメやエンタメ市場での優待サービスが充実した国際ブランドです。シェア率は高くないものの、優待サービスを目当てに使うユーザーも多いです。グルメ・トラベル・エンタメ系のビジネスなら対応しておいた方がいいでしょう。
銀聯
銀聯は発行総数80億枚を超える世界トップクラスの国際ブランドです。本記事で参考にした調査には銀聯に関する記述がないためシェア率を記載していませんが、確実に対応しておくべきブランドでしょう。
中国を中心に展開されているカードであるため、中国からの観光客が多い地域では特に導入すべきです。
キャッシュレス決済のシェア率・比率は?
最近ではクレジットカード以外のキャッシュレス決済も普及し、支払い方法の多様化が進みました。
詳しくは後述しますが、決済手段の充実は売上アップに直結します。キャッシュレス決済全体のシェア率は次の通りです。
キャッシュレス決済全体の比率(32.5%)
キャッシュレス決済全体の比率は32.5%と、約3分の1の支払いが現金以外でなされています。
クレジットカードのシェア率が圧倒的なのは変わりませんが、ほかの決済手段のシェア率は徐々に伸びてきています。また、キャッシュレス決済全体の利用額も増え続けており、今後は現金のみ対応の店舗が生き残るのは難しくなっていくでしょう。
クレジットカード(85.3%)
キャッシュレス決済の中でクレジットカードのシェア率は85.3%と圧倒的です。手元に現金がなくても使えること、スマホを使ったキャッシュレス決済と異なりカード1枚あれば支払いができることなど、利便性が高い決済手段です。
何より、クレジットカードは古くからあるキャッシュレス決済です。ほかのキャッシュレス決済とは信頼・安心感の点で優位であり、年齢層にかかわらず受け入れられているといえます。
電子マネー(6.3%)
キャッシュレス決済の中で電子マネーのシェア率は6.3%です。電子マネーにはSuicaやWAONなどのプリペイド(前払い)式と、メルペイスマート払いやPayPayあと払いなどの後払い式があります。
プリペイド式は比較的古くからある決済手段のため普及率が高く、キャッシュレス決済に抵抗のある層でも利用しやすいと思われます。
後払い式は手元に現金がなくても使えるため、客単価アップにつながりやすいです。人間には将来得られる利益や損失(支出)を低く見積もる心理があるためです。
コード決済(5.6%)
キャッシュレス決済の中でコード決済のシェア率は5.6%です。コード決済は電子マネーの支払い方法の一種で、スマホの画面に表示されたQRコードを読み取ることで支払いを行います。
スマホひとつあれば決済が完了するため、消費者にとっての利便性が高いです。財布も鞄も持たず、スマホさえポケットに入れておけば買い物に行けます。スーパーやコンビニなど、日常の買い物に使うような店舗ではぜひ導入しておきたいです。
デビットカード(2.8%)
キャッシュレス決済の中でデビットカードのシェア率は2.8%です。シェア率は高くないものの、クレジットカードと同じ感覚で使えることから、顧客にとっても店舗にとっても扱いやすいでしょう。クレジットカードと併せて導入しておきたい決済手段です。
決済方法を充実させ、集客や客単価アップにつなげるために
決済方法の充実は集客や客単価アップにつながります。キャッシュレス決済にはポイントがつくものも多く、ポイント目当てで決済手段を決めている消費者もいます。手元に現金がなくても使えること、金銭授受の手間がないことなど、利便性も高いです。
決済手段が少ないということは、このような消費者をとり逃す可能性が高いということです。
まずはシェア率の高いクレジットカードに対応しよう
まずはシェア率の高いクレジットカードに対応しましょう。キャッシュレス決済全体の中でのクレジットカードのシェア率は85.3%と圧倒的で、各ブランドのクレジットカードに対応するだけで顧客のとり逃しが大きく減ります。
ターゲット層に合ったキャッシュレス決済を充実させよう
クレジットカードに対応したら、次はほかのキャッシュレス決済を充実させましょう。ターゲットそうに合ったキャッシュレス決済を導入することで、集客や客単価アップなどの効果を得やすくなります。
グラフは三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が調査し、消費者庁が公表したオンライン決済に関する資料です。支払い額や利用デバイスごとに、使われやすい決済方法が異なっています。EC系のビジネスなら、このような資料も参考にしながら導入する決済手段を決めるといいでしょう。
決済方法を充実させるには、決済代行会社を活用しよう
シェア率の高いクレジットカードにまとめて対応するにしても、その他の決済方法を充実させるにしても、決済代行会社の活用がおすすめです。
決済代行会社とは、カード会社や決済機関と加盟店の間に入り、手続きや管理などを仲介してくれる会社のことです。代行会社を活用することで契約や管理を一本化し、手間をかけずに決済方法の充実と入金管理ができるようになります。
決済代行会社の選び方やおすすめはこちらの記事で紹介しています。決済手段を増やし集客や客単価アップを目指したい方は、ぜひお読みください。