POSデータとは
POSレジを用いると、さまざまなデータを取得できます。これが「POSデータ」です。
ここではまずPOSデータの定義と収集できる情報について解説します。
POSデータの定義
POSデータとは、POSレジで取得した「どのような商品が売れたのか」という情報を指します。得られたデータは本部を含めたPOSシステム全体で連携され、売れ筋商品の把握や顧客の購買傾向の分析、在庫の最適化、効果的なキャンペーンの実施などに用いられます。
なお、POSシステムについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
POSシステムとは?仕組みと機能・種類別クラウドレジの価格比較12選・5つのメリット
POSデータに含まれる情報の種類
POSデータで収集する主なデータは次のとおりです。
- 購入した商品名
- 価格
- 個数
- 購入店舗
- 購入日時など
キャッシュレス決済やポイントカード、会員証に対応するレジでは、顧客の年齢層、性別、来店日時などの情報も取得可能です。
特に、顧客の属性情報と紐付けられたPOSデータは「ID-POSデータ」とも呼ばれ、より詳細な顧客分析が可能になります。
POSデータを分析するメリット
POSデータは単に情報を収集するだけではありません。収集した情報を分析し、さまざまな分野で役立てることができます。
ここではPOSデータを分析するメリットを5つ紹介します。
売上予測の精度向上
POSデータを活用することで、日別や時間帯別の売上データをもとに、将来の売上を予測できるようになるでしょう。例えば、「週末は平日の1.5倍の売上になる」「12時台が最も売上が高く、15時以降は落ち着く」といった傾向を過去のデータから把握できます。
連休中でも、過去の売上データや客層、混雑時間帯などを参考に計画を立てることができます。具体的には「ゴールデンウィーク初日はファミリー層が多く、後半はカップルや友人同士の来店が増える」といった傾向を把握し、それに合わせた商品展開やキャンペーンを計画できます。
売上予測の精度が上がることで、仕入れ量や人員配置を最適化することができます。売上が高い時間帯には人員を増やし、レジ待ちの時間を減らすことで顧客満足度向上に繋げられます。また、売上が低い時間帯には人員を減らすことで、人件費の削減につながります。
在庫管理の最適化
POSデータを分析すると、売れ筋商品の在庫を十分に確保し、機会損失を防ぐことができます。反対に、売れ行きの悪い商品の在庫を減らし、過剰な在庫を抱えるリスクを軽減することができます。さらに、季節や天候、イベントなどによる需要の変化を捉え、それに合わせて在庫量を調整することも可能です。
例えば、飲食店では、過去の売上データや天候などの情報から、翌日の来客数や売れるメニューを予測し、必要な食材の量を算出することができます。食材の過剰在庫を防ぎ、常に新鮮な食材を使用できるため、食品ロス削減にも繋がります。
新たな商品開発
POSデータは過去の売れ行きデータを分析し、顧客が求める商品像を明確化できます。飲食店であれば、POSデータから「ランチタイムはパスタが人気で、夜は肉料理の注文が多い」といった傾向を把握し、新たな料理の開発に活かすことができるでしょう。
また、顧客の反応をリアルタイムで把握できます。売れ行きが好調な場合はさらに強化したり、類似商品の開発を検討したりできますし、売れ行きが不調な場合は原因を分析し、商品改良や販売戦略の見直しを行うことが可能です。結果として顧客満足度が高まり、既存顧客のリピート化や新規顧客の獲得につながるでしょう。
適切なキャンペーンの実施
顧客の購買履歴や傾向を把握することで、ターゲットを絞ったキャンペーンを展開できます。さらに、曜日や時間帯、天候などによる売上変動を把握し、それに合わせてキャンペーンを実施することも可能です。例えば、「平日の夕方は仕事帰りのサラリーマンが多い」という傾向が分かれば、その時間帯に割引キャンペーンを実施することで売上増加を狙えます。
季節的なキャンペーンの企画にも過去のデータが役立ちます。過去のPOSデータから「夏にはビールの売上が増加する」という傾向が分かれば、夏にビールの割引キャンペーンを実施したり、ビールに合うおつまみのセット販売を企画したりすることができるでしょう。
人件費の削減
POSデータの時間帯や曜日ごとの売上情報を分析することで、どの時間帯にどれくらいの人員が必要なのかを正確に把握できます。例えば、「平日の午前中は比較的空いていて、夕方は混雑する」という傾向が分かれば、午前中は少人数で対応し、夕方は人員を増やすといった、柔軟な人員配置ができます。
必要なときに必要な人員を配置することで、顧客の待ち時間を減らし、スムーズなサービスを提供できるようになるでしょう。
売上管理に役立つPOSレジの機能
POSレジにはさまざまな機能があります。ここではより具体的にPOSレジをイメージしてもらうために、売上管理に役立つ機能をいくつか紹介します。
売上の集計機能
POSレジは商品をスキャンするたびにデータが記録され、売上金額や販売数量、時間帯別の売上などが自動的に計算されます。そのため、レジ締め作業の効率化や人為的なミス削減に繋がり、正確な売上把握が可能になります。
売上情報が自動で計算されるため、作業時間が短縮され、業務を効率化することが可能です。また、手作業と比べて計算ミスのリスクもほとんどありません。
収集したデータの分析機能
POSレジにはデータをグラフや表で視覚化し、わかりやすくまとめる分析機能が搭載されているものが多くあります。数値だけでは見えにくい問題点も、グラフや表で可視化することで明確化できます。例えば、時間帯別の売上推移をグラフ化することで、売上が低迷する時間帯を把握し、その時間帯に特化したキャンペーンを検討する、といった対策も可能です。
課題がはっきりすると、具体的な解決策を導き出しやすくなり、店舗運営の指針決定に役立ちます。
複数店舗の管理機能
複数店舗を展開している場合、各店舗から売上データを収集すると、集計・分析する作業は煩雑になり、ミスが発生する可能性も高くなります。POSレジの複数店舗の管理機能を使えば、売上情報の一元管理が可能となり、本部にいながら各店舗の売上状況、在庫状況、顧客情報などを把握し、必要な指示を迅速に出すことが可能です。
例えば、ある店舗で特定の商品が品薄になっている場合、他の店舗から商品を移動させる指示をすぐに出すことができます。また、地域ごとの売れ筋商品を把握し、効果的な販促キャンペーンを展開することも可能です。
POSデータの分析方法
POSデータで収集した情報を分析するには、さまざまな方法があります。ここでは主な方法を4つ紹介します。
ABC分析(パレート分析)
ABC分析(パレート分析)とは、商品や顧客を重要度に応じて分類し、限られた経営資源を効率的に活用するための分析手法です。イタリアの経済学者パレートが提唱した「80:20の法則」、つまり「全体の80%の結果は、全体の20%の原因から生み出される」という考え方がベースになっています。
具体的には、商品を重要度に応じてA、B、Cの3つのグループに分類します。Aグループは売上に大きく貢献する重要度の高い商品、Cグループは貢献度の低い商品、Bグループはその中間です。
RFM分析
RFM分析とは、顧客の購買行動を分析する手法です。顧客を「最近の購入日・来店頻度・購入金額」でグルーピングすることで、それぞれの顧客層に共通する傾向を把握し、より効果的な販売戦略を立てるために役立ちます。
トレンド分析
トレンド分析とは、過去のデータや現在の状況を分析し、将来的な傾向や変化を予測することです。例えば、アイスクリームの売上データを見てみると、夏季に売上が増加し、冬季に減少するという傾向が見られるでしょう。これはアイスクリームの需要が季節によって変動することを示しています。
季節ごとの変化を把握できれば、事前に適切な販促活動を行い、売上増加を図ることができます。
バスケット分析
バスケット分析とは顧客の購買行動を分析する手法の一つです。顧客の「同時購入率の高い商品」を調べ、共通する傾向を取得し、販売戦略に活かすことを目的としています。
例えば、スーパーマーケットで、ビールとおつまみがよく一緒に購入されていると分かれば、それらの商品を近くに陳列し、売上増加に繋げることが期待できます。
POSデータを分析する際の注意点
POSデータの分析には注意点もあります。ここで紹介する3つの注意点を事前に把握しておきましょう。
継続的にデータ収集と分析を行う
POSレジから得られるデータはリアルタイムで蓄積されます。データ量が増えるほどより詳細な分析が可能になり、顧客のニーズを深く理解できます。
しかし、POSデータの分析結果は即座に得られるものではありません。一回だけの分析では一時的な傾向や偶然の出来事に左右され、正確な状況把握や将来予測が難しくなります。顧客のニーズを把握し、売上アップにつなげるためには、導入後も根気よくデータの収集と分析が重要です。
正確にデータを入力する
POSデータをもとに仕入れを調整して売上アップを図るためには、システムに入力するデータの正確性が重要です。入力ミスや漏れがあった場合、分析結果が歪められ、誤った判断を招いてしまうでしょう。
例えば、商品コードや単価、数量などの入力ミスは、売上額や在庫状況の誤認識に繋がり、適切な在庫管理や発注業務を妨げる可能性があります。POSシステムに情報を入力する際は、データの誤りがないかしっかり確認することが必要です。
個人情報の取扱には細心の注意を払う
POSシステムに蓄積された顧客情報は個人情報を含むため、取り扱いには細心の注意が必要です。氏名、住所、電話番号、クレジットカード情報、購入履歴など、顧客に関する様々な情報が記録されている可能性があり、漏洩してしまうと多大な迷惑をかけるだけでなく、企業の信用も失墜してしまいます。
また、POSシステムはオンラインでデータを管理しているため、不正アクセスやサイバー攻撃に備えて、セキュリティ対策を徹底することが重要です。総務省のデータによると、サイバー攻撃は増加傾向にあります。
パスワード管理の徹底やアクセス権限の設定、セキュリティソフトの導入など、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。
データの分析に強いおすすめのPOSレジ5選
POSレジによって収集できるデータや分析機能は異なります。自店舗に合ったPOSレジを導入することが大切です。
ただ、「どのようなPOSレジを選べばよいかわからない」という方も多いでしょう。ここではおすすめのPOSレジをいくつか紹介します。
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かんたん注文 | お問合せ | 0円~ ※キャンペーン価格 | IOS Android | 電話 LINE | STORES決済 (クレジットカード、 交通系電子マネー) IntaPay (QRコード国内主要12ブランド、 海外3ブランド) | Mfクラウド会計 弥生会計 freee会計 | |
CASHIER | 0円~ 端末費用のみ ※端末レンタルあり | スタンダードプラン:0円 プロフェッショナルプラン:4,000円(税抜) | Android | 電話 | Square Spayd StarPay | お問合せ | |
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ユビレジ | 0円 ※無料 ※周辺機器別売り | フリー:0円 プレミアム:6,900円 飲食店向け:8,400円 小売向け:11,400円 | iOS iPadのみ | 電話(有料) メール | Square STORES 決済 楽天ペイ 食べログPay StarPay オムニカード・ペイメント おてがるPay | MFクラウド会計 弥生会計 freee会計 | |
Padpos | 0円 ※無料 | フリー:0円 ライト:1,900円 Padpos:3,800円 | Android | メール | STORES 決済 | お問合せ | |
USENレジ | 0円 ※無料 | 9,980円~/1台 | iPadのみ | 電話 | USEN PAY USEN PAY QR | MFクラウド会計 弥生会計 freee会計 |
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店舗の業種や規模に適したハードウェアと管理機能を選択し、自由自在に販売環境の設計が可能です。また、小売業の店舗様に重宝される高度な在庫管理機能を搭載。
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CASHIERはクラウド型POSレジでレシートプリンター一体型とタブレット型の2種類から選べます。どちらもコンパクトでレジ周りで邪魔をしないモデルですが、よりコストを抑えたい方や個人店舗の方にはタブレット型がおすすめです。
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導入前では初期設定や不安な操作方法まで0円からサポートを受けることが可能です。また導入後も電話、メールでのサポートを0円で受けることができるため、POSレジを提供するだけでなく、導入企業様が安心して営業できるよう店舗の一員としてサポートするというサポート体制なので導入後に疑問や不具合がある時でも安心できるでしょう。
初期費用 | 月額費用 | 主要機能 | 販売連携 |
0円~ 端末費用のみ ※端末レンタルあり | スタンダードプラン:0円 プロフェッショナルプラン:4,000円(税抜) | 多彩なレジ/顧客管理 /在庫管理/本部管理/ 大規模複数店舗管理/ 発注・仕入れ管理/その他 | セルフレジ/セミセルフレジ/ハンディ/ スマホレジ/タッチパネル券売機/ スマホ・テーブルオーダー/ モバイル・テイクアウトオーダー |
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