※この記事には一部PRが含まれます。
決済手数料の消費税は課税?非課税?クレジットカード加盟店手数料の扱いと仕訳を解説のアイキャッチ画像

決済手数料の消費税は課税?非課税?クレジットカード加盟店手数料の扱いと仕訳を解説

最終更新日:

決済手数料の消費税は課税?非課税?

キャッシュレス決済やクレジットカード決済を利用すると、売上金額から決済手数料が差し引かれて入金されます。このとき事業者が確認する必要があるのが、その決済手数料に消費税がかかるのかどうかです。

なぜなら、決済手数料が課税取引か非課税取引かによって、消費税の計算や会計処理が変わるためです。課税取引であれば、手数料に含まれる消費税は仮払消費税として計上でき、納める消費税から差し引くことができます。一方で、非課税取引の場合は消費税が含まれないため、原則としてこの処理はできません。

つまり、決済手数料の消費税の扱いを誤ると、消費税の計算や申告に影響する可能性があります。そのため、決済手数料がどの税区分に該当するのかを理解しておくことが重要です。

決済方法ごとの消費税の扱いは、一般的には次のように整理されます。

決済方法の例消費税の扱い ※一般的な傾向主なブランド例
クレジットカード非課税になるケースが多いVisa / Mastercard / JCB / American Express / Diners Club
QRコード決済課税になるケースが多いPayPay / 楽天ペイ / d払い / au PAY / メルペイ
電子マネー(前払型)課税になるケースが多いSuica / PASMO / WAON / nanaco / 楽天Edy
電子マネー(後払型)非課税になる場合があるiD / QUICPay
デビットカード契約形態により課税・非課税が分かれるVisaデビット / JCBデビット / Mastercardデビット
※上記は一般的な傾向であり、実際の消費税区分は契約内容や手数料の内訳によって異なる場合があります。正確な税区分は、契約書や請求書を確認し、決済会社・決済代行会社に問い合わせて確認してください。

非課税になる決済手数料のケース

表で示した通り、決済手数料の中でもクレジットカード決済の加盟店手数料は、非課税として扱われるケースが多いです。

これは、クレジットカード決済の仕組みが税法上、金銭債権の譲渡として整理されるためです。

消費税法では、金融取引など一定の取引については、課税対象であっても政策的な理由などから非課税取引とされています。代表的な例は次の通りです。

非課税取引の例内容
土地の譲渡・貸付土地の売買や賃貸
金融取引利子や保険料など
金銭債権の譲渡売掛金などの債権の譲渡

このうち、クレジットカード決済と関係があるのが金銭債権の譲渡です。

クレジットカード決済では、店舗が商品やサービスを販売すると、カード会社が売上金額を立て替えて店舗に入金します。このときカード会社は、売上金額から加盟店手数料を差し引きます。

この仕組みは税法上、店舗が持つ売上債権(クレジットカード売上)をカード会社に譲渡している取引と考えられています。そのため、この差額に相当する加盟店手数料は、金融取引に類するものとして非課税取引として扱われるケースがあります。

ただし、すべてのカード関連費用が非課税になるわけではありません。例えば次のような費用は、役務提供の対価として課税取引になる場合があります。

  • 決済代行会社に支払う手数料
  • 決済システムの利用料
  • カード端末のレンタル料や事務手数料

このように、誰に対して何の対価として支払っているかによって税区分が変わる点に注意が必要です。

課税になる決済手数料のケース

一方で、QRコード決済や一部の電子マネー決済などの手数料は、課税取引として扱われるケースが多いです。

これは、これらの手数料が決済サービスの利用に対する役務提供の対価と考えられるためです。消費税法では、事業者が提供するサービスの対価として支払う料金は、原則として課税取引になります。

例えば、QRコード決済や一部の電子マネー決済では、決済会社が次のようなサービスを提供しています。

  • 決済処理
  • 売上データの管理
  • 店舗への入金処理

店舗はこれらのサービスを利用する対価として手数料を支払っているため、その手数料には消費税が課税されるケースがあります。

そのため、課税事業者の場合は、手数料に含まれる消費税を仮払消費税として計上することが可能です。

決済手数料の税区分は決済手段の名前だけで決まるわけではありません。実務上は、次のような点によって課税か非課税かが判断されます。

  • 前払方式(プリペイド)か後払方式(ポストペイ)か
  • 手数料が債権譲渡に伴う差額なのか
  • 決済処理などの役務提供の対価なのか
  • 決済代行会社を経由しているか

そのため、請求書や契約書に記載された手数料の税区分(課税・非課税)や内訳を確認して判断することが重要です。

決済手数料の消費税が課税か非課税かを判断する基準

決済手数料の消費税は、すべて同じ扱いになるわけではありません。
その取引が消費税の課税要件を満たしているかどうかによって、課税取引か非課税取引かが判断されます。

消費税法では、次の条件を満たす取引は原則として課税取引になります。

判断基準内容
国内取引であること日本国内で行われる取引である
事業として行われること事業者が対価を得て行う取引である
資産の譲渡や役務提供の対価であること商品の販売やサービス提供の対価である

例えば、QRコード決済や一部の電子マネー決済の手数料は、決済会社が提供する決済処理サービスなどの役務提供の対価として支払われるものです。そのため、これらの手数料はサービス提供の対価に該当し、課税取引として扱われるケースが多くなります。

一方で、クレジットカード決済の加盟店手数料のように、売上債権の譲渡に伴う差額として整理される取引は、金銭債権の譲渡に関する取引として非課税取引になる場合があります。

このように、決済手数料の消費税区分は、決済方法の名称だけで決まるわけではありません。
手数料が「役務提供の対価」なのか、それとも「金銭債権の譲渡に伴う差額」なのかといった取引の性質によって判断されます。

決済手数料の消費税の仕訳と会計処理

決済手数料の消費税の扱いを理解したら、次に重要になるのが会計処理と仕訳です。
決済手数料は売上から差し引かれて入金されるため、売上と手数料を分けて処理する必要があります。

決済手数料の基本的な仕訳

決済手数料の仕訳は、手数料が課税取引か非課税取引かによって処理が異なります。
そのため、決済方法や契約内容に応じて税区分を確認したうえで仕訳を行う必要があります。

まず、QRコード決済などのように、手数料が課税取引になる場合の仕訳を見てみましょう。

例えば、次のようなケースです。

内容金額
売上10,000円
決済手数料330円
入金額9,670円

この場合、決済手数料には消費税が含まれています。内訳は次の通りです。

内訳金額
手数料300円
消費税30円

このときの仕訳は次のようになります。

借方貸方
普通預金 9,670円
支払手数料 300円
仮払消費税 30円
売上 10,000円

このように、手数料部分と消費税部分を分けて処理します。

次に、クレジットカード決済の加盟店手数料のケースです。
クレジットカードの加盟店手数料は、売上債権の譲渡に伴う差額として整理される場合があり、非課税取引として扱われるケースが多くなります。

例えば、次のようなケースです。

内容金額
売上10,000円
クレジットカード手数料300円
入金額9,700円

このときの仕訳は次の通りです。

借方貸方
普通預金 9,700円
支払手数料 300円
売上 10,000円

このように、クレジットカード決済の場合は仮払消費税は計上せず、支払手数料のみを処理します。

なお、カード決済でも、決済代行会社の手数料やシステム利用料などは課税取引になる場合があります。
その場合は、課税手数料として仮払消費税を計上する必要があります。

このように決済手数料の仕訳は、課税取引か非課税取引かによって処理が異なるため、契約内容や請求書の税区分を確認することが重要です。

決済手数料に含まれる消費税の処理方法(仮払消費税と仮受消費税)

決済手数料が課税取引に該当する場合は、手数料に含まれる消費税を仮払消費税として処理します。

仮払消費税とは、仕入や経費の支払い時に事業者が支払った消費税のことです。

消費税の計算では、売上で預かった消費税(仮受消費税)から、経費などで支払った消費税(仮払消費税)を差し引いて納税額を計算します。

種類内容
仮受消費税売上時に受け取った消費税
仮払消費税経費などで支払った消費税

最終的な消費税の納税額は、次のように計算されます。

納税する消費税 = 仮受消費税 − 仮払消費税

そのため、QRコード決済などのように課税取引に該当する決済手数料については、手数料に含まれる消費税を仮払消費税として計上します。

一方で、クレジットカード決済の加盟店手数料のように非課税取引として扱われる手数料には消費税が含まれないため、仮払消費税として計上することはできません。

なお、課税手数料の消費税を仕入税額控除する場合は、原則として適格請求書(インボイス)などの保存が必要です。決済明細や請求書の内容を確認して処理することが重要です。

このように、決済手数料の消費税の処理は、課税取引か非課税取引かによって処理方法が異なる点に注意が必要です。

決済手数料の消費税の処理をミスなく行う方法

決済手数料の消費税は、決済方法や取引の内容によって課税・非課税が異なるため、会計処理でミスが起こりやすいポイントです。
特に、複数のキャッシュレス決済を導入している場合は、手数料の税区分を誤って処理してしまうケースも少なくありません。

そのため、決済手数料の消費税の処理を正確に行うには、処理をシンプルにする仕組みを整えることが重要です。ここでは、ミスを防ぐための代表的な方法を紹介します。

決済代行会社を利用する

キャッシュレス決済を導入する場合、決済サービスごとに直接契約する方法と、決済代行会社を利用する方法があります。

決済サービスと個別に契約すると、決済方法ごとに手数料の条件や明細の形式が異なるため、会計処理が複雑になりやすくなります。

一方で、決済代行会社を利用すると、複数の決済方法を一括で管理できるため、手数料の確認や会計処理が整理しやすくなります。

導入方法特徴
決済サービスと直接契約決済ごとに管理が必要
決済代行会社を利用手数料や入金を一括管理できる

決済方法が増えるほど管理が複雑になるため、複数のキャッシュレス決済を導入する場合は決済代行会社を利用した方が処理を整理しやすくなります。

お店にキャッシュレス決済を導入したい方にはこちらの記事がおすすめです。

ECサイトやWebサービスなどにオンライン決済を導入したい方にはこちらの記事がおすすめです。

会計ソフトと連携する

決済手数料の会計処理を正確に行うには、会計ソフトと決済サービスを連携する方法も有効です。

最近のクラウド会計ソフトでは、銀行口座や決済サービスと連携することで、入金データや手数料を自動で取り込むことができます。

これにより、次のようなメリットがあります。

  • 入金額と手数料を自動で記録できる
  • 手動入力によるミスを防げる
  • 仕訳作業の手間を減らせる

特に、キャッシュレス決済の件数が多い場合は、手動で仕訳を入力するとミスが発生しやすくなります。会計ソフトと連携することで、決済手数料の処理を効率的かつ正確に行うことができます。

まとめ

決済手数料の消費税の扱いは、決済方法の名称だけでなく、取引の内容や契約形態によって異なります。

一般的に、クレジットカード決済の加盟店手数料は、売上債権の譲渡に伴う差額として整理される場合があり、非課税取引として扱われるケースが多いです。一方で、QRコード決済や一部の電子マネー決済などの手数料は、決済サービスの利用に対する役務提供の対価と考えられるため、消費税の課税対象になるケースが多くなります。

また、課税取引に該当する決済手数料については、手数料に含まれる消費税を仮払消費税として処理することが可能です。これにより、売上で預かった消費税(仮受消費税)から差し引いて、最終的な納税額を計算します。

ただし、実際の税区分は決済方式(前払・後払)や契約内容、手数料の内訳によって異なる場合があります。また、課税手数料の消費税を仕入税額控除する場合は、原則として適格請求書(インボイス)などの保存が必要です。

このように、決済手数料の消費税は決済手段ではなく取引の性質で判断することが重要です。契約書や請求書の内容を確認し、正しい税区分で処理することで、会計処理や消費税申告のミスを防ぐことができます。

この記事にはタグがありません。

この記事の著者

木下 環|決済端末と予約システムの専門家

木下 環|決済端末と予約システムの専門家

「OREND」の運営に携わる、キャッシュレス決済端末と予約システムの専門家です。飲食店やスパなどの実店舗で店舗責任者を務めた経験があり、決済端末や予約システムをはじめとする店舗ツールの現場活用にも精通しています。その実体験をもとに、各サービスの比較や効果的な活用法を発信しています。

この記事の監修者

中島 崚|店舗DX・IT化の専門家

中島 崚|店舗DX・IT化の専門家

慶応義塾大学商学部卒業後、フロンティア・マネジメント株式会社で経営計画の策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社で事業企画、2022年にステップ・アラウンド株式会社にて店舗ビジネス向けメディア「OREND」を監修。

この記事がよかったらシェアをお願いします!
記事のURLとタイトルをコピーする
OREND(オレンド)編集部にLINEでシステムの困りごとを直接相談

OREND(オレンド)では、「自分のお店にはどのサービスが合うのかわからない」といった方のために、OREND編集部がLINEで直接相談に乗ります!

店舗の業種や規模、現在抱えている課題などをお伺いした上で、おすすめのサービスや導入のポイントなどをアドバイスさせていただきます。

orend-stock

© 2026 STEP AROUND .Inc All Right Reserved