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個人事業主の廃業届とは?出し方・書き方と必要手続きを解説

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廃業届とは?

廃業届とは個人事業の廃止を税務署に届け出る書類

廃業届とは、個人事業をやめたことを税務署に正式に伝えるための届出書です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。

個人事業主は、事業を始めるときに開業届を提出します。同じように、事業をやめるときにも廃業届を提出することで、税務署上の登録を終了させます。

廃業届の提出が必要になるケース

廃業届が必要になるのは、主に次のようなケースです。

  • 事業を完全にやめる場合
  • 副業として行っていた事業を終了する場合
  • フリーランスを辞めて会社員になる場合
  • 法人成りして個人事業を終了する場合

一時的に仕事がないだけでは、必ずしも廃業とは限りません。「今後も再開する予定があるかどうか」が一つの判断基準になります。

休業との違い

廃業と休業は似ているようで、意味が異なります。

項目内容
廃業事業を終了し、再開の予定がない状態
休業一時的に活動を停止している状態
廃業と休業の違い

1年以内に再開する見込みがあるなら休業、再開予定がないなら廃業がおすすめです。

休業を選ぶ場合、廃業届の提出は不要です。ただし、前年の所得が15万より多く予定納税の対象になっている人は、今年の収入見込みに応じて予定納税の減額申請を検討します。

一方、再開予定がない場合は廃業を選びます。この場合は、廃業届の提出に加えて、青色申告の取りやめ届出書を提出し、廃業した年の確定申告を行います。

再開の見込みがあるかどうかで選択肢と必要手続きが決まる、と考えれば迷いません。

廃業時に必要な書類や手続き

事業をやめるときは、廃業届の提出に加えて、状況に応じていくつかの手続きが必要です。ここでは、廃業時に行う主な手続きをまとめます。

廃業届の提出

まず行うのが、廃業届の提出です。

事業を廃止した年分の所得税の確定申告期限までに、納税地を管轄する税務署へ提出します。
これにより、税務署上も事業が終了したことが明確になります。

廃業届は「個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁」からダウンロードできます。

青色申告の取りやめ届出書

青色申告をしている場合は、青色申告の取りやめ届出書をあわせて提出します。

廃業届だけでは青色申告の承認は自動で整理されません。青色申告を終了する場合は、別途取りやめの届出が必要です。

青色申告の取りやめ届出書は「所得税の青色申告の取りやめ手続|国税庁」からダウンロードできます。

消費税や個人事業税の手続き

消費税の課税事業者やインボイス登録事業者は、廃業時に消費税の届出(事業廃止届出書など)の提出が必要です。

また、個人事業税は都道府県税のため、都道府県税事務所へ事業廃止の届出が必要になることがあります。提出先や期限、様式は自治体ごとに異なるため、管轄の県税事務所に確認します。

廃業届を出さないとどうなる?提出しないリスク

税務署上は事業継続扱いになる

廃業届を出さない場合、税務署の記録上は「まだ事業を続けている人」として扱われます。

つまり、あなたは事業をやめていても、税務署から見ると「継続中」です。

予定納税の通知が届くことがある

前年の所得税が15万円以上だった人は、今年の税金を前払いする「予定納税」の対象になります。

廃業届を出していないと、今年ほとんど収入がなくても、前年基準で前払いの納付書が届く可能性があります。

払った税金は最終的に精算されますが、一時的にお金を出す必要があります。

青色申告の前提も残る

青色申告の承認は、廃業届を出しただけでは自動で消えません。
取りやめの届出をしなければ、制度上は青色申告前提のままです。

その結果、帳簿管理や申告の整理が曖昧になりやすくなります。

廃業届を提出するメリットデメリット

廃業届は「出さなくても罰則はない」と言われますが、提出することで整理できる点と、注意すべき点があります。ここでは、実務上のメリットとデメリットを整理します。

提出するメリット

最大のメリットは、税務上の状態をはっきり終了できることです。

廃業届を提出すると、税務署の管理上も事業が終了したことが明確になります。その結果、事業継続を前提とした通知や確認が止まり、管理がシンプルになります。

また、再開する場合も「一度終了して再スタートする」という整理が明確になるため、手続きの区切りがはっきりします。事業の区切りを正式に付けられる点は、実務上の大きなメリットです。

提出するデメリット

デメリットは、将来再開する場合に手続きが必要になることです。

廃業すると、再開時には改めて開業届を提出します。青色申告を利用したい場合は、青色申告承認申請書も再提出が必要です。

つまり、「とりあえず廃業しておく」という選択をすると、再開時にもう一度手続きをやり直すことになります。

そのため、近いうちに再開する可能性が高い場合は、廃業ではなく休業という選択のほうが合理的な場合もあります。

廃業届の提出期限

廃業届は、事業を廃止した年分の所得税の確定申告期限までに提出します。

法令上の期限は上記のとおりですが、税務署上の処理を早めるため、廃業後はできるだけ早く提出するのが実務上は一般的です。

廃業届の2つの提出方法

税務署へ持参または郵送で提出する方法

廃業届は、納税地を管轄する税務署に提出します。

提出方法は次のいずれかです。

  • 税務署の窓口へ持参
  • 郵送で提出

郵送する場合は、控えを返送してもらうために、以下の2つを同封します。

  • 控え用の届出書
  • 返信用封筒

提出時には、マイナンバーの記載と本人確認書類の提示または写しの添付が必要です。

e-Taxで廃業届を提出する方法

e-Taxを利用してオンライン提出も可能です。

e-Taxを利用する場合は、こちらの準備が必要になります。

  • マイナンバーカード
  • ICカードリーダーまたは対応スマートフォン

すでに確定申告をe-Taxで行っている場合は、同じ環境で提出できます。

廃業届の書き方と記入ポイント

廃業届は記入項目自体は多くありませんが、選択欄や日付の記載ミスが起こりやすい書類です。制度に沿って、間違えやすいポイントを整理します。

基本情報欄の書き方

主に記入するのは次の項目です。

  • 納税地
  • 氏名
  • 個人番号
  • 職業
  • 屋号

納税地は、原則として自宅住所です。開業時に事業所を別に届け出ている場合は、その住所を記載します。
開業届の内容と一致しているかを確認してから記入することが重要です。

また、提出時には個人番号の記載が必須となるため、記入漏れに注意しましょう。

廃業日や理由欄の記入方法

廃業日は、実際に事業を終了した日を記入します。
迷う場合は、業務を終了した日を基準にします。

理由欄は詳細に書く必要はありません。
「一身上の都合」「就職のため」「法人成りのため」など、事実が分かる程度で十分です。

あわせて、「所得の種類」欄では廃止する事業を選択します。
複数の事業を行っている場合は、

  • 事業の全部を廃止するのか
  • 一部のみ廃止するのか

を正しく選択する必要があります。

記入時の注意点

提出前に次の点を確認します。

  • 個人番号の記入漏れがないか
  • 所得の種類と全部/一部の選択が正しいか
  • 廃業日と確定申告の内容に矛盾がないか
  • 控えを保管する準備ができているか

特に廃業日は確定申告にも影響する重要項目です。実態として事業活動が終わった日に合わせて、帳簿や取引の最後の日付と整合するかをチェックしましょう。

廃業後に再開する場合の手続き

一度廃業したあとに事業を再開することは可能です。ただし、税務上は「以前の続き」ではなく、「新たに事業を開始する」扱いになります。そのため、再開時には改めて手続きが必要です。

開業届の再提出

事業を再開する場合は、開業届を再度提出します。廃業によっていったん事業は終了しているため、再開時は新規開業と同じ扱いになります。再開日を決めたうえで、納税地を管轄する税務署へ届け出ます。

青色申告の再申請

青色申告を利用したい場合は、青色申告承認申請書をあらためて提出します。以前に青色申告をしていたとしても、廃業によって承認は継続しません。再開年から青色申告を適用するには、所定の期限内に申請する必要があります。

よくある質問

廃業届を出さないと罰金はありますか?

廃業届を提出しなくても、直ちに罰金が科されるわけではありません。

ただし、提出しない限り税務署上は事業継続扱いになります。予定納税の通知や各種案内が届き続けることがあるため、廃業を決めた場合は提出しておくほうが実務上は安心です。

廃業届はいつまでに出せばいいですか?

廃業届は、事業を廃止した年分の所得税の確定申告期限までに提出します。

法令上の期限は確定申告期限までですが、税務上の整理を早めるため、廃業後はできるだけ早く提出するのが一般的です。

廃業届の提出に費用はかかりますか?

廃業届の提出自体に費用はかかりません。

税務署への提出やe-Taxでの手続きに手数料は不要です。ただし、税理士に依頼する場合は別途報酬が発生します。

廃業した年も確定申告は必要ですか?

廃業した年でも、その年の所得が申告基準を超える場合は確定申告が必要です。

廃業日までの売上や経費を集計し、通常どおり申告します。廃業届は事業終了の届出であり、確定申告とは別の手続きです。

廃業後にまた開業できますか?

はい、再び事業を始めることは可能です。

ただし、税務上は新規開業扱いになるため、開業届の再提出が必要です。 青色申告を利用する場合は、青色申告承認申請書もあらためて提出します。

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この記事の著者

OREND運営事務局|店舗DXの専門家集団

OREND運営事務局|店舗DXの専門家集団

「OREND」は飲食店や小売業界・ネットショップに関する業界トレンドを図解・解説しながらツール紹介を行う専門メディアです。 キャッシュレス決済や予約管理システム・ネットショップ作成ソフトなど、店舗の効率化やECサイトの立ち上げに必要なツールの仕組みや機能・トレンド背景を解説します。

この記事の監修者

中島 崚|店舗DX・IT化の専門家

中島 崚|店舗DX・IT化の専門家

慶応義塾大学商学部卒業後、フロンティア・マネジメント株式会社で経営計画の策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社で事業企画、2022年にステップ・アラウンド株式会社にて店舗ビジネス向けメディア「OREND」を監修。

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