※この記事には一部PRが含まれます。

クリニックの労務管理の問題と解決策、働きやすい環境をつくる5つのアイテム

更新日:
クリニックの労務管理の問題と解決策、働きやすい環境をつくる5つのアイテムのアイキャッチ画像
記事のURLとタイトルをコピーする

クリニックの労務管理における問題点

クリニックは「トップ(経営者)が医師であり、経営の専門家ではない」という、少し特殊な業態です。これが根となり、労務管理に関するさまざまな問題が芋づる式に浮き彫りになることもあります。

クリニックの労務管理における問題点を5つ紹介します。

トップの経営者意識が薄い

多くのクリニックは医師を中心とした専門職が経営を行っています。一般的な企業では経営者は経営に専念することが多いですが、クリニックにおいては「経営者=プレイヤー(医師)」であることが多く、経営者意識が希薄なケースもよく見られます。

この「経営者意識が薄い」という問題は、労務管理におけるさまざまなトラブルにつながる根本となり得ます。

労務の専門家がいない

クリニックの従業員は医療スタッフが中心であり、労務の専門家がいない・不足していることが多いです。労務管理においては法的な知識が必要であり、給与計算や労働契約などに関する広範な専門知識が求められます。これらの専門家がいない場合、労務管理に関する誤解や問題が起こりやすくなります。

労務の専門家を雇用するだけで解決する問題ですが、先述の「トップの経営者意識が薄い」という問題もあり、労務担当者がいないままのクリニックは少なくありません。

法的知識の不足

法令はそもそも複雑なうえ、頻繁に改正されます。専門家・担当者がいない場合、クリニックの経営者や一般の事務スタッフだけで法令に対応するのは難しいでしょう。

知識不足は法令違反のリスクを高め、法的な処分を受けたり社会的信用を落としたりといった深刻な問題につながります。

職種ごとに労働条件が異なる

クリニックでは医師、看護師、受付スタッフなど、さまざまな職種のスタッフが働いています。職種ごとには異なる労働条件や待遇が必要ですが、労務担当者なしでこれらを適切に管理するのは難しいです。

就業規則がないクリニックも

小規模なクリニックの中には就業規則がないところもあります。クリニックに限らず、従業員数10名以下の事業所には就業規則の作成が義務付けられていません。義務がないからと、就業規則を作らないまま運営を続けてきたクリニックもあるでしょう。

就業規則はスタッフとクリニックの権利を守り、義務を明確にするために重要です。就業規則がなかったり不明確であったりすると、トラブルが起こりやすくなるでしょう。

労務管理が不十分なクリニックで起こり得るトラブル

労務管理が不十分なクリニックではどんな問題が起こるのか、3つの観点から具体的に紹介します。

就業規則がないことによるトラブル

先述のとおり、クリニックの中には就業規則がないところもあります。このようなクリニックではスタッフとクリニックの権利や義務が明確に定義されていないため、トラブルが生じやすくなるでしょう。スタッフやクリニック側の不満や誤解から、労働紛争や訴訟が起こる可能性もあります。

スタッフ目線では、就業規則がなければ待遇に不公平が生じやすく、不適切な処分を受けるリスクも高まります。特定のスタッフが贔屓されほかのスタッフが不満を抱えたり、不適切な処分を受けたと裁判沙汰になったりなどのトラブルが起こるかもしれません。

クリニック目線では、勤務態度や問題が改善されないスタッフに対処しづらくなるデメリットがあります。

待遇に関するトラブル

スタッフの給与や福利厚生、労働条件などに関するトラブルは、クリニックの信頼に影響を与えます。不適切な待遇に不満を持つスタッフは離職するだけでなく、クリニックのネガティブな口コミを広めるかもしれません。

このような悪い評判は求職者だけでなく、患者の耳に届くこともあります。採用面でも集客面でも、イメージダウンのダメージは大きいです。

人間関係のトラブル

労務管理がきちんとできていないとスタッフ間で不公平があったり、労働環境が悪化したりします。これらの問題はスタッフ間の人間関係にも悪影響を及ぼします。職場でのトラブルや対立が起きると、スタッフのモチベーションや業務効率は下がり、離職率は高くなるでしょう。

人間関係が悪くなればクリニック内にピリピリとした空気が流れ、患者にとっての居心地も悪くなります。労働力の低下だけでなく、集客にも悪影響が及ぶかもしれません。

クリニックが労務管理を見直すメリット

ここまで紹介してきたようなトラブルを防ぐためにも、クリニックの成長のためにも、労務管理の見直しは大切です。トラブル防止に留まらない、労務管理を見直す3つのメリットを紹介します。

従業員エンゲージメントの向上

労務管理を改善することは従業員エンゲージメントの向上につながります。従業員エンゲージメントとは、従業員の組織に対する「愛着心」「貢献心」のことです。一般的な企業に置き換えれば「愛社精神」となるでしょう。

従業員エンゲージメントはスタッフのモチベーションや仕事への満足度に直結する重要な要因です。より良いクリニックをつくろうと一所懸命働くスタッフ、改善のための提案をしてくれるスタッフが増え、離職率も下がるでしょう。

離職率の低下

労務管理の改善により公平に、安心して働ける環境づくりができれば、離職率を低下させることができるでしょう。離職率の低下は採用コストや教育コストを削減するためにも、ベテランスタッフのノウハウを活かしてサービス品質を向上させるためにも重要です。

離職率の低下はクリニックを安定経営するうえでの土台となります。

患者満足度の向上

ここまで解説してきたとおり、適切な労務管理を行うことでスタッフは安心し、一所懸命に仕事に取り組めるようになります。これはそのまま、患者満足度の向上につながります。再来院が増えることはもちろん、クリニックのポジティブな評判が広がり、新規患者の獲得にもつながるでしょう。

クリニックの労務管理や働きやすい環境づくりに役立つシステム

労務管理の重要性がわかっていても、知識や人材の不足により、適切な管理・見直しができないというクリニックもあるでしょう。そこで、クリニックの労務管理や働きやすい環境づくりに役立つ5つのITシステムを紹介します。

勤怠管理システム

勤怠管理システムは、スタッフの出勤や退勤時間を記録するシステムです。給与を自動計算したり、長時間労働をしているスタッフがいるときにアラートを出したりできます。労働時間の集計や給与計算といった事務作業を効率化できるだけでなく、過労や労働時間に関する法的トラブルを避けるためにも役立ちます。

こちらの記事では勤怠管理の重要性やシステムの主な機能を紹介しています。アルバイト・パート向けのシステムも紹介しているので、非正規雇用が多いクリニックにもおすすめです。

【2023年最新版】アルバイト・パート向け勤怠管理システムおすすめ3選比較

労務管理システム

労務管理システムは従業員の入退社や給与管理、年末調整などに役立つシステムです。各種申請や書類の作成がオンラインで行えるようになり、手作業に比べて効率的に労務管理ができるでしょう。

こちらの記事では労務管理や給与計算に役立つシステムを紹介しています。すでにこれらのシステムを導入しているクリニックにおすすめの「年末調整に特化したコンパクトなシステム」も紹介しているので、システム選びの参考にしてください。

【アウトソーシングも!】年末調整システム9選|タイプ別の選び方と、バックオフィス・申請者ごとのメリット

予約管理システム

予約管理システムはオンライン予約の受付や、予約管理の効率化に役立つシステムです。

患者はスマホを使ってWebサイトやLINEなどから予約できるようになり、これらの予約はシステムにリアルタイムで自動反映されます。オンライン予約の導入により電話予約の数が減れば、これまで電話対応にかけていたリソースを大幅に削減できるでしょう。患者の利便性を高めるためにも、管理業務の負担を軽くするためにも役立ちます。

こちらの記事ではクリニック向けの予約システムを紹介しています。LINEから予約を入れたり、診療時間が近づいた患者にメッセージを出したりできるシステムもあり、「待合室の混雑緩和」「患者の待ち時間のストレス軽減」にも役立ちます。

【厳選5選】クリニック予約システムはLINE対応のものがおすすめ!主な機能や選び方を解説

セミセルフレジ

セミセルフレジは受付や会計などの業務を効率化するシステムです。患者が自分で情報を入力し、受付や会計を行うことができます。受付スタッフの負担を減らし、より重要な業務に集中しやすい環境をつくれるでしょう。

電話自動応答システム(IVR)

電話自動応答システムは電話対応を自動化・効率化するシステムです。システムを導入すると、音声ガイダンスとプッシュ番号により電話対応の一部を自動化できます。

患者は「診察予約は1を、予約変更は2を、…」のような音声ガイダンスに従い番号をプッシュしていくことで、予約を入れたり変更したりできるようになります。用件ごとに着信先を振り分けることも可能です。

「一台しかない電話に着信が殺到し、話中でなかなかつながらない」「電話対応で1日が終わるスタッフがいる」というクリニックに特におすすめできます。

電話自動応答システムのおすすめや機能については、こちらの記事で詳しく紹介しています。AIを活用し、まるで人間のスタッフと話しているような自動音声対話ができるシステムもあります。

【IVR・AI応答】電話自動応答システム6選|導入メリットや選び方、3段階の自動応答について解説

労務管理や業務効率化により、働きやすいクリニックをつくろう

クリニックの労務管理はスタッフや経営者はもちろん、患者にとっても影響がある重要な要素です。労務管理の見直しやシステムによる仕組み化は、スタッフのモチベーション向上、離職率の低下、患者満足度の向上につながります。

これらはクリニックの長期的な成長に欠かせません。労務管理の見直しとシステム活用により、スタッフが安心して働ける環境をつくりましょう。

この記事にはタグがありません。

この記事がよかったらシェアをお願いします!

クリニックの労務管理の問題と解決策、働きやすい環境をつくる5つのアイテムのアイキャッチ画像
この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
orend-stock

© 2024 STEP AROUND .Inc All Right Reserved