継続課金システムとは、決まったスパンで料金を支払い続けるビジネス、そのための決済システムのことです。本記事では継続課金の種類や似た料金形態との違い、メリット・デメリットを解説します。相性のいいビジネスモデルも紹介します。
継続課金システムとは?
継続課金システムとは、サービスや定期購入などの解約をしない限り、定期的な支払いが継続される決済方法のことです。(サブスク決済)
具体的にはフィットネスジムや教室といった習い事の月謝、オンラインサロンの会費、サプリメントや化粧品などの定期購入などがこれにあたります。水道や電気などの公共料金も継続課金といえます。
継続課金の支払いモデルを採用するには、口座振替や継続課金に対応した決済代行の導入が必要です。
2種類の継続課金モデル
継続課金には毎回同じ金額を支払う「定額課金」と、使った量に応じて料金が変わる「従量課金」があります。
定額課金
定額課金は利用の量や回数にかかわらず毎回同じ金額を支払うタイプです。月額制のサービスが多いですが、2ヵ月ごと、1年ごとなどのサービスもあります。月額払いのサービスを年間契約すると少しお得に使えることも多いです。
【定額課金の例】
従量課金
従量課金は利用の量や回数に応じて支払う金額が変わるタイプです。支払いの期間は一定ですが、中には「利用料の合計が3,000円を超えてから請求」のようなサービスもあります。
【従量課金の例】
- 携帯料金(従量課金プラン)
- 電気や水道などの公共料金
- コインパーキング など
継続課金と似た課金システム
継続課金と似た課金システムに「月額課金」や「サブスクリプション」があります。これらと継続課金との違いを、都度課金との違いと併せて解説します。
都度課金との違い
都度課金とは、商品を購入したりサービスを受けたりするたびに料金を支払うことです。ECサイトやマッサージ店などで一般的な支払い方法です。
月額課金との違い
月額課金は料金の支払いが毎月発生する課金方式です。公共料金やクラウドサービスなど、月額料金が発生するサービスがこれにあたります。
継続課金との違いは支払いのスパンです。継続課金には月額制のものもありますが、年額制のものやそれ以外のスパンで支払いが発生するものもあります。継続課金の一種として月額課金があると考えておきましょう。
サブスクリプションとの違い
英語のサブスクリプション(Subscription)には定期購読・継続購入などの意味があります。サブスクリプションも継続課金で提供されるサービスですが、継続課金とは目的が異なります。
サブスクリプションの目的はLTV(顧客が契約してから解約するまでの間に自社にもたらす利益の合計)の向上です。そのために、顧客のニーズや満足度を分析し、改善していきます。
一方、継続課金のサービスは顧客に決まった商品・サービスを提供することを目的とします。
支払いの方法は同じでも、両者には「サービスをただ提供するのか、より良いサービスを提供することで利益アップを狙うのか」という違いがあります。
継続課金の決済手段
継続課金の主な決済手段を3つ紹介します。
クレジットカード/デビットカード
クレジットカードは継続課金の代表的な決済手段です。自社への代金入金はクレジット会社が行ってくれるため、残高不足による未回収リスクがありません。
デビットカードは利用者からすればクレジットカードと近い決済手段ですが、口座残高から代金を引き落とします。事業者から見ると、クレジットカードに比べて未回収リスクをゼロにできないデメリットがあります。
口座振替
口座振替はクレジットカードを持っていない人、キャリア決済をはじめとするオンライン決済に抵抗感のある人でも利用できる決済手段です。公共料金の支払いに古くから使われてきた方法であり、老若男女問わず安心して利用できるでしょう。高齢者をメインターゲットにしたサービスでは、必ず導入しておきたい決済手段です。
ただ、口座振替の手続きは事業者側の負担も大きいです。スムーズに導入するために、こちらの記事で導入方法を確認しておきましょう。
キャリア決済
キャリア決済は携帯キャリアと連携した決済方法です。紐付けられた携帯キャリアのアカウントを使い支払いができます。
キャリア決済で支払った金額は、携帯料金と合算して翌月以降に請求されます。手軽に使えること、携帯代と合算できるため管理しやすいことから人気の決済手段です。
継続課金システムを導入するメリット
商品やサービスの支払いに継続課金を採用するには、継続課金システムの導入が便利です。システムを活用することで、代金の回収や管理などの事務にかかるコストを抑えられるからです。継続課金システムを導入するメリットを3つ紹介します。
利便性と継続率の向上
継続課金システムを導入するメリットの1つ目は、「利便性と継続率の向上」です。都度課金のように、支払いのたびに手続きをする必要はありません。
また、料金が決まったスパンで自動で引き落とされる継続課金は、都度課金と比べて「料金を支払っている」ということが意識に浮かびづらいです。
都度課金では支払いのたびに手間がかかるうえ、「このサービスは本当に必要かな?」「解約しようかな?」と考える機会も多くなります。顧客にとっては利便性の、事業者にとっては継続率の向上が見込めるでしょう。
売上が安定し、予測しやすくなる
継続課金システムを導入するメリットの2つ目は、「売上が安定し、予測しやすくなる」ことです。継続課金のビジネスからは、毎月決まった売上が安定して得られます。
不祥事や強力なライバルの登場など不測の事態さえ起こらなければ、解約率も一定の水準を保つでしょう。売上も予測しやすく、将来の見通しも立てやすいです。
事務・管理コストの削減
継続課金システムを導入するメリットの3つ目は、「事務・管理コストの削減」です。都度課金では支払いのたびに顧客へ払込票を郵送したり、決済用のメールを送ったりしなければなりません。
支払いのタイミングも顧客ごとにバラバラで、入金サイクルも読みづらいでしょう。
継続課金システムを導入することで、請求や代金回収を自動化できます。入金サイクルも一定になるため、資金計画も立てやすくなるでしょう。
継続課金システム・ビジネスのデメリット
継続課金のビジネスモデルには、「初期段階の売上が低調になりやすい」というデメリットがあります。定期的な支払いを前提とする継続課金では、1回の支払い金額を低めに設定することになります。売り切り型の商品・サービスに比べ、投資の回収までに時間がかかるでしょう。
特に定期購入を前提とした商品では、在庫を抱えるリスクもあります。継続課金は売上の予測が立てやすく、そのため在庫の管理もしやすいですが、先述のとおり不測の事態で突然の解約が相次ぐこともあり得ます。
顧客が増え売上が安定するまではマーケティングにかける費用を抑えること、不測の事態も考えて在庫を管理することが重要です。
継続課金システムを導入すべきビジネスモデル
継続課金システムを導入すべきビジネスモデルには、「店舗系」「定期購入系」「コンテンツ系」の3タイプに大別できます。それぞれどんなビジネスが継続課金に適しているのか、例と併せて解説します。
店舗系のビジネス
フィットネスジムや習い事の教室など、月謝制のビジネスは継続課金と相性がいいです。
定期購入系のビジネス
次のような商材は定期購入を前提とするものも多く、継続課金と相性がいいです。
- サプリメント
- 健康食品
- 化粧品
- シャンプー・洗顔料 など
コンテンツ系のビジネス
次のようなコンテンツ配信がメインのビジネスは、継続課金と相性がいいです。
- オンラインサロン
- オンラインスクール
- ファンクラブ
- 有料メルマガ など
継続課金システムを導入し、売上の安定と事務の効率化を
フィットネスジムやコンテンツ配信、定期購入が前提の商品などは継続課金と相性がいいです。継続課金を導入することで、顧客が解約を意識する機会は減り継続率が向上、売上も予測しやすくなるでしょう。
継続課金には代金の回収や入金の管理など、事務にかかるコストを抑えるメリットもあります。継続課金に対応した決済代行会社、オンライン決済システムなどを活用すれば、バックオフィス業務をより効率化できるでしょう。
継続課金の導入にもおすすめのオンライン決済サービスは、こちらの記事で紹介しています。