※この記事には一部PRが含まれます。
スマホ決済の大手サービス比較!導入方法と選び方を店舗向けに徹底解説のアイキャッチ画像

スマホ決済の大手サービス比較!導入方法と選び方を店舗向けに徹底解説

更新日:

スマホ決済とは?導入前に知っておきたい基礎知識

スマホ決済とは、スマートフォンを活用して行う電子決済の総称で、クレジットカード決済、QRコード決済、電子マネー決済の3つの方式があります。市場調査レポート※1によると、2025年の日本のモバイル決済市場は2,800億米ドルと推定され、2030年には1兆700億米ドルに達すると予測されています。

店舗にとってスマホ決済は、従来の現金決済に比べて会計業務の効率化、売上データの自動管理、衛生的な決済環境の提供といったメリットをもたらします。MMD研究所の調査※2によると、2025年1月時点でスマホ決済の利用率は49.8%に達しており、もはや店舗経営に欠かせない決済手段となっています。

クレジットカード決済の特徴と使い方

クレジットカード決済は、顧客のクレジットカードを専用端末で読み取り、カード会社を通じて決済処理を行う方式です。スマホ決済においては、専用のカードリーダーをスマートフォンやタブレットに接続することで簡単に導入できます。

決済手数料は3.24〜3.75%が一般的で、ICチップ対応やタッチ決済(非接触決済)にも対応しています。2025年3月から1万円を超えるカード決済では暗証番号入力が必須となるため、ポータブルな決済端末の重要性が高まっています。

QRコード決済の特徴と使い方

QRコード決済は、店舗に設置されたQRコードを顧客がスマホアプリで読み取る、または顧客のスマホに表示されたQRコードを店舗側が読み取る方式です。MMD研究所の調査※2では、QRコード決済サービスの利用率トップはPayPayとなっています。

最大の特徴は初期費用の低さで、QRコードを印刷するだけで導入できるサービスもあります。決済手数料は1.6〜3.24%と比較的安く設定されており、特にPayPayの直接契約では1.6%の低手数料を実現しています。

電子マネー決済の特徴と使い方

電子マネー決済は、ICチップを搭載したスマホや交通系ICカードを端末にタッチすることで決済する方式です。モバイルSuicaやiD、QUICPayなどが代表的なサービスで、決済手数料は3〜4%程度となっています。

少額決済に適しており、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでの利用が多いのが特徴です。また、事前にチャージが必要なプリペイド方式のため、利用者にとって使いすぎの心配がないメリットがあります。

スマホ決済導入の2つの方法

スマホ決済の導入方法には、マルチ決済端末を利用する方法とQRコード決済から始める方法の2つのアプローチがあります。飲食店の85.4%がキャッシュレス決済を導入しており、導入方法の選択が事業成功の鍵となります。

マルチ決済端末|1台ですべてのキャッシュレス対応

マルチ決済端末は、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済を1台で処理できる包括的なソリューションです。

サービス名端末イメージおすすめ評価初期費用月額費用決済手数料入金手数料入金サイクル導入目安契約条件端末費用周辺機器電子マネーQRコード対応OS屋外決済
stera pack 4.63
★★★★★ ★★★★★
0円初年度:0円
2年目以降:3,300円(税込)
直近1年間キャッシュレス売上
累計3,000万円以上で永年無料
クレカ:1.98%~
電子マネー:3.24%
QRコード:3.24%
三井住友銀行口座:
0円
その他金融機関:
220円(税込)
毎日締め(2営業日後払い)
月6回締め(2営業日後払い)
月2回締め(2 営業日後払い)
月2回締め(15日後払い)
最短約2週間契約期間:3年間
違約金:無料
※ 解約申請から45日以内に
端末の返却が条件
0円
※レンタル
レシートプリンター内蔵
電子サイン対応
交通系ICカード
iD/楽天Edy
nanaco/WAON
QUICPay
タッチ決済
PayPay
d払い/au PAY
楽天ペイ
メルペイ/ゆうちょPay
iOS
Android
Square 決済
4.69

★★★★★ ★★★★★
無料アカウント登録
0円
固定費全て0円クレカ:2.5%
電子マネー:3.25%
QRコード:3.25%
0円最短翌日最短翌日契約期間:なし
違約金:無料
0円POSレジアプリ
タブレット不要
レシートプリンター内蔵
電子サイン対応

電子レシート発行
交通系ICカード
Apple Pay
iD
QUICPay
タッチ決済
PayPay
d払い/au PAY
楽天ペイ
メルペイ
Alipay+/WeChat Pay
iOS
Android
Square リーダー4.60
★★★★★ ★★★★★
0円固定費全て0円クレカ:2.5%
電子マネー:3.25%
QRコード:3.25%
0円最短翌日最短翌日契約期間:なし
違約金:無料
4,980円(税込)スマホ・タブレット交通系ICカード
Apple Pay
iD
QUICPay
タッチ決済
PayPay
d払い/au PAY
楽天ペイ
メルペイ
Alipay+/WeChat Pay
iOS
Android
Square Terminal4.59
★★★★★ ★★★★★
0円固定費全て0円 クレカ:2.5%
電子マネー:3.25%
QRコード:3.25%
0円最短翌日最短翌日契約期間:なし
違約金:無料
39,980円(税込)タブレット不要
レシートプリンター内蔵
電子サイン対応

電子レシート発行
交通系ICカード
Apple Pay
iD
QUICPay
タッチ決済
PayPay
d払い/au PAY
楽天ペイ
メルペイ
Alipay+/WeChat Pay
iOS
Android
STORES 決済4.57
★★★★★ ★★★★★
0円 プランによる
0円〜3,300円
クレカ:1.98%~
電子マネー:1.98%~
QRコード:3.24%
0円最短翌々日最短3営業日最低契約期間:
スタンダード:1年
フリー:なし
違約金:
契約満了月分の月額費用
19,980円
※スタンダードプランで0円
プリンター、ドロアーなど
ネットショップで購入可
交通系ICカード
iD
QUICPay など
PayPay
d払い/au PAY
楽天ペイ
メルペイ/ゆうちょPay
Alipay+/WeChat Pay
FamiPayなど
iOS
Android
スマレジ・PAYGATE POS 4.55
★★★★★ ★★★★★
0円3,300円(税込)
※その他プランあり
クレカ:1.98%~
※割引キャンペーン
電子マネー:3.24%
QRコード:2.00~
問合せ・月2回
末締め翌15日払い
15日締め当月末払い
1~1.5か月最低契約期間:
1年間
違約金:
契約満了月分の月額費用
39,600円
※キャンペーンで0円
不要
レシートプリンター内蔵
交通系ICカード
iD/楽天Edy
WAON/nanaco
QUICPay
PayPay
楽天ペイ
d払い/au PAY
メルペイ
AliPay/WeChat Pay
Android
JMS4.53
★★★★★ ★★★★★
0円0円 ※無料クレカ:2.48%~
電子マネー:3.24%
QRコード:3.24%
0円〜198円・月2回
無料
・月6回
198円(税込)/振込毎
約4~6週間最低契約期間:なし
違約金:無料
0円タブレット不要交通系ICカード
Apple Pay/Google Pay
iD/楽天Edy
nanaco/WAON
QUICPay
タッチ決済
PayPay
d払い
楽天ペイ
Alipay+/WeChat Pay
Smart code
iOS
※J-Mups II Pocket
PayCAS Mobile4.36
★★★★★ ★★★★★
0円4,000円~
→1,980円
クレカ:2.48%(非課税)~
電子マネー:2.95%(税別)~
QRコード:2.8%(税別)~
0円・月2回
15日締め当月末払い
当月末締め翌月15日払い
1カ月最低契約期間:4年
違約金:問い合わせ
78,800円
※特別セットプランで0円
不要
レシートプリンター内蔵

Android™ OS採用で
業務アプリ搭載可能
交通系ICカード
Apple Pay/Google Pay
iD
Waon/nanaco
QUICPay
PayPay
d払い/au PAY
楽天ペイ
メルペイ/J-Coin Pay
AliPay/WeChat Pay
ユニオン(銀聯)ペイ/JKOPAY
iOS
Android
Airペイ(エアペイ) 4.40
★★★★★ ★★★★★
0円0円 ※無料クレカ:2.48%~
電子マネー:3.24%
QRコード:1.08%~
0円・月6回
・月3回
1週間~1ヶ月最低契約期間:1年間
違約金:なし
20,167円
※キャンペーンで0円
iPad:0円
カードリーダー:0円
※条件を満たすと0円
レシートプリンター:別売
※2万円~
交通系ICカード
Apple Pay
iD
QUICPay
タッチ決済
PayPay
d払い/au PAY
LINE Pay/J-Coin Pay
Alipay/WeChat Pay
ユニオン(銀聯)ペイ
iOS
申請時に
書類必要
キャッシュレス決済端末の比較表
キャッシュレス決済端末の比較表について
※無料キャンペーンは各企業で期間と条件が設けられている場合があります。詳細は公式ページをご確認ください。
※おすすめ評価は、以下の10項目(使いやすさ、決済手数料、持ち運びやすさ、対応ブランド、初期費用、月額費用、入金サイクル、入金手数料、導入スピード、契約期間)について、0~100点で個別に評価。各項目に設定された重みに基づいて重み付き幾何平均を計算し、算出されたスコア(0~100)を100で割って0〜1の範囲に正規化。そのうえで、5点満点スケールに換算しておすすめ評価としています。(最終更新日:2025/6/25)

マルチ決済端末の導入により、顧客の多様な決済ニーズに対応でき、売上機会の拡大が期待できます。また、売上データの一元管理や在庫管理機能との連携により、業務効率の大幅な向上が可能です。

QRコード決済|まずは安く始める

QRコード決済は、初期投資を抑えてキャッシュレス化を始めたい店舗に最適な選択肢です。PayPay、d払い、楽天ペイなどの主要サービスがあり、QRコードを店頭に設置するだけで導入できます。

決済サービスイメージ初期費用月額費用決済手数料入金サイクル入金手数料
PayPay
無料プラン
無料無料1.98%・月末締め翌日
 ※PayPay銀行
・月末締め翌々営業日
 ※その他金融機関
・早期振込サービス
月1回無料
早期振込サービス:
0.38%+
PayPay銀行:20円
その他金融機関:200円
PayPay
マイストア
ライトプラン
無料1,980円1.60%・月末締め翌日
 ※PayPay銀行
・月末締め翌々営業日
 ※その他金融機関
・早期振込サービス
月1回無料
早期振込サービス:
0.38%+
PayPay銀行:20円
その他金融機関:200円
楽天ペイ無料無料2.95%~
新規加盟店は2.20%~
・毎日
(翌日入金)
 ※楽天銀行
・月1回
(末日締め翌月25日入金)
 ※その他銀行
楽天銀行:無料
その他銀行:330円/回
d払い
(メルペイ)
無料無料2.6%
(メルペイとの
共通QRコードの場合)
・月1回
・月2回
(1~15日分:当月25日入金
16~末日分:翌月10日入金)
無料(1万円以上)
1万円未満の場合:200円
au Pay無料無料2.6%・月1回
・月2回
(1~15日分:翌月15日入金
16~末日分:翌月末入金)
・早期振込サービス
無料(1万円以上)
早期振込サービス:
210円
QRコード決済比較表

特にPayPayは月額1,980円のライトプランに加入することで決済手数料が1.76%となり、業界最安水準を実現しています。また、スマホのアプリだけで決済処理が完結するため、端末の購入や設置工事が不要です。

ただし、複数のQRコード決済サービスに対応する場合、それぞれ個別の契約と管理が必要になるため、業務効率を重視する場合はマルチ決済端末の検討をおすすめします。

スマホ決済のサービスの選び方|種類・料金・手数料・入金サイクル

スマホ決済サービスを選ぶ際は、初期費用だけでなく継続的な運用コストや機能面を総合的に評価することが重要です。特に手数料、入金タイミング、サポート体制の3つが選択の決め手となります。

マルチ決済端末とQRコード決済の違い

マルチ決済端末とQRコード決済の最大の違いは、対応できる決済手段の幅と初期費用です。マルチ決済端末は一台で71種類もの決済手段に対応可能な一方、QRコード決済は初期費用は安いですが、特定の決済ブランドのみに限定されます。

マルチ決済端末は、幅広い年齢層の顧客を持つ店舗や客単価が高い業種に適しています。QRコード決済は、初期費用を抑えたい個人事業主や小規模店舗に最適です。

項目マルチ決済端末QRコード決済
初期費用18,800円〜(実質無料※)0円
対応決済71種類1〜数種類
決済速度高速中程度
管理の複雑さ一元管理個別管理
顧客層全年代若年層中心
導入方式別の特徴比較

対応したい支払い方法

スマホ決済サービスを選ぶ際は、自店舗の顧客層がよく利用する決済手段を把握することが重要です。店舗の業種や立地、客層によって最適な決済手段は大きく異なります。

初期費用(端末費用)と月額料金

スマホ決済端末の費用は、端末購入費用と月額利用料の2つに分かれます。現在、多くのサービスで端末費用無料キャンペーンが実施されており、実質的な初期費用を大幅に抑えることが可能です。

月額利用料については、Square、STORES決済などは基本プランが無料で利用でき、決済手数料のみで運用できます。一方、PayPayは月額1,980円のライトプラン加入により手数料を1.76%に抑制できる仕組みとなっています。

決済手数料

決済手数料は売上に直接影響する重要な要素です。一般的な決済手数料は3%前後となっており、サービス間での大きな差はありません。

決済手段手数料範囲代表的なサービス
クレジットカード3.24〜3.75%Visa、Mastercard、JCB
QRコード決済1.6〜3.24%PayPay、d払い、楽天ペイ
電子マネー3.0〜4.0%Suica、iD、QUICPay
タッチ決済3.24〜3.75%Visaタッチ、Mastercardコンタクトレス

決済端末ではなく、PayPayどの直接契約では1.6%という業界最安値を実現していますが、月額料金とのバランスで実質コストを計算することが重要です。年商1,000万円の店舗では、手数料1%の差が年間10万円の違いとなるため、慎重な検討が必要です。

入金タイミング

入金タイミングは店舗の資金繰りに大きく影響します。Squareはみずほ銀行・三井住友銀行を利用することで最短翌日入金が可能で、振込手数料も無料となっています。

順位イメージサービス名入金サイクル
🥇
1位
Square全端末最短翌日
※みず​ほ銀行・三井住友銀行の​場合
🥈
2位
STORES決済最短翌々日
※銀行問わず
🥉
3位
stera pack最短2営業日後
※毎日締めの場合
入金サイクルの早さで比較!おすすめ決済端末ランキング

飲食店など仕入れが頻繁な業種では、翌日入金サービスの利用価値が特に高く、資金効率の改善につながります。

スマホ決済の導入で得られる3つのメリット

スマホ決済の導入により、店舗運営の効率化と売上向上の両方を実現できます。※3によると、キャッシュレス決済は人手不足解消の有効な手段として経済産業省も推進しており、特に労働集約的な業種での効果が期待されています。

1. レジ業務効率化で人手不足解消

2025年1月時点で正社員の人手不足企業は51.4%に達しており、飲食店では非正社員の人手不足も深刻な状況です。スマホ決済の導入により、以下の業務が効率化されます。

スマホ決済により、釣り銭の準備や計算業務にかかる時間を50%以上短縮でき、金額入力ミスや計算間違いを完全に防ぐことができます。また、売上集計が自動化されることで日締め作業時間を80%短縮し、現金過不足の確認が不要になるためレジ締め作業も大幅に簡略化されます。

特に飲食店では、2025年3月からPINバイパス廃止により、1万円超の決済で暗証番号入力が必須となるため、ポータブルな決済端末による席決済の重要性が高まっています。

2. インバウンドや若者需要の取り込み

NIRA総合研究開発機構の調査※4によると、「できるだけQRコード決済で支払いたい」と回答した人が25%で、「現金で支払いたい」の19%を上回っています。また、若年層の過半数がキャッシュレス決済未対応を理由に店舗利用を断念した経験があります。

インバウンド対応では、Alipay(支付宝)、WeChat Pay、Union Payなどの中国系決済や、Visaのタッチ決済、Mastercardコンタクトレスへの対応が重要です。これらの決済手段に対応することで、訪日外国人の消費需要を確実に取り込むことができます。

3. 現金管理コスト削減

現金管理には見えないコストが多く発生しています。スマホ決済の導入により、以下のコストを削減できます。

現金管理には現金準備の作業、レジミスによる損失などの作業や費用が発生します。また盗難・紛失リスクが減ることも考慮に入れる必要があります。

中小規模店舗でも年間10万円以上のコスト削減効果が期待でき、決済手数料を差し引いても十分なメリットがあります。

スマホ決済導入の3つのデメリットと注意点

スマホ決済の導入には多くのメリットがある一方で、適切に理解しておくべきデメリットや注意点も存在します。事前にリスクを把握し、適切な対策を講じることで、安心してスマホ決済を運用できます。

1. 決済手数料による利益への影響

決済手数料は売上の3%前後が一般的で、利益率の低い商品では大きな負担となる可能性があります。決済手数料分を値上げして、顧客に支払ってもらうことは利用規約で禁止されているため、店舗の利益が減ってしまいます。

ただし、現金管理コストや業務効率化によるメリット、集客力アップを総合的に考慮すると、多くの場合で導入効果がコストを上回ります。

2. 加盟店審査に落ちるリスク

スマホ決済サービスの導入には加盟店審査があり、業種や事業内容によっては審査に通らない場合があります。特に風俗関連業はほぼ全てのサービスで加盟不可となっており、パチンコ店や競馬場などのギャンブル関連は制限が多くなっています。また、貸金業や質屋などの金融サービス、アダルト系のデジタルコンテンツも加盟が困難な傾向があります。

審査期間は通常1〜2週間程度ですが、書類不備や追加確認が必要な場合は1ヶ月以上かかることもあります。複数のサービスに同時申込みすることで、リスク分散を図ることをおすすめします。

3. 通信環境トラブルと対策方法

スマホ決済はインターネット接続が必須です。多くはないですが、通信障害時には決済ができなくなるリスクがあります。年間数回程度の通信トラブルが発生する可能性があります。そのため、以下のような対策をしておくことをおすすめします。

  • 複数回線の確保: Wi-FiとモバイルWi-Fiの併用
  • 現金決済の併用: 緊急時の代替手段として維持
  • オフライン決済機能: 一部端末で利用可能な機能を活用
  • 定期的な接続確認: 営業開始前の動作テスト実施

また、決済端末の故障に備えて、予備端末の準備やサポート体制の確認も重要です。特にSquareでは24時間サポートを提供しており、トラブル時の迅速な対応が可能です。

スマホ決済導入時の端末選びと重要ポイント

QRコード単体の導入ではなくではなく、すべてのスマホ決済に対応できるマルチ決済端末がおすすめです。マルチ決済端末には大きく分けてポータブル型と据え置き型の2種類があり、店舗の業態や利用シーンに応じた選択が重要です。

ポータブル型端末の特徴とメリット

ポータブル型端末は持ち運び可能な小型軽量設計で、場所を選ばない決済対応が可能です。重量315g程度でポケットやエプロンに収まるサイズが主流となっています。

ポータブル型端末はクレジットカード、IC、QR、タッチ決済に対応したマルチ決済機能を備え、POS機能も標準搭載されているため売上管理、商品登録、在庫管理が一台で完結します。バーコードスキャナーが内蔵されており商品登録や在庫管理を効率化できるほか、耐水・耐塵設計により屋外イベントや移動販売でも安心して利用でき、1日中の連続使用が可能な長時間バッテリーを搭載しています。

特に飲食店では、2025年3月のPINバイパス廃止により、席決済での暗証番号入力が必須となるため、ポータブル端末の重要性が格段に高まっています。

据え置き型端末の特徴とメリット

据え置き型端末はレジカウンターに固定設置するタイプで、安定した処理能力と視認性の高い画面が特徴です。高級店や客単価の高い店舗では、端末の質感やデザインも重要な選択要素となります。

据え置き型端末は大画面ディスプレイにより操作性と視認性が向上し、大量の決済処理に対応可能な高速処理能力を備えています。レシートプリンターが内蔵された一体型で設置スペースを節約でき、POSレジ、在庫管理、顧客管理システムとの多機能連携が可能です。さらに物理的な盗難防止機能を搭載したセキュリティ強化により、安心して運用できます。

美容室や高級小売店では、店舗の雰囲気に合わせたデザイン性も重要で、Squareでは複数のカラーバリエーションやフォルムの異なる端末を選択できます。

イベント・移動販売では持ち運べる決済

イベント販売や移動販売では、電源やインターネット環境が限定的な中での決済対応が求められます。ポータブルなスマホ決済端末は、こうしたシーンで威力を発揮します。

イベント・移動販売での活用ポイント

  • バッテリー駆動端末の活用: 8時間以上の連続利用が可能
  • モバイルWi-Fiとの併用: 安定した通信環境を確保
  • QRコード決済の併用: 端末トラブル時の代替手段として
  • 在庫管理連携: リアルタイムでの商品管理により売り切れを防止
  • 売上即時確認: イベント終了時に即座に売上集計が可能

屋外でも安心の耐水・耐塵設計(IP54)を備えた端末が登場しており、天候に左右されないイベント販売が可能となっています。

飲食店・バーでは席決済とPINバイパス廃止に対応

飲食店では2025年3月のPINバイパス廃止により、1万円を超える決済で暗証番号入力が必須となるため、席決済システムの重要性が高まっています。

飲食店での効果的な運用では、ポータブル端末による席決済で客席での暗証番号入力に対応し、テーブルオーダーシステムとの連携により注文から決済まで一元管理することが重要です。PayPayやd払いなどの割り勘機能を活用することで顧客満足度を向上させ、予約システム連携による事前決済で当日の混雑を緩和できます。さらにPOS連携により注文・決済・売上管理を自動化することで、大幅な業務効率化を実現できます。

飲食店の85.4%がキャッシュレス決済を導入済みで、席決済対応が競争優位の源泉となっています。

美容室・小売店ではお店の雰囲気を壊さない端末を導入

美容室や小売店では、店舗の雰囲気に合ったデザイン性のある端末を選ぶことが大切です。見た目もサービスの一部として重視されます。

SquareやSTORESなどは予約システムや在庫管理システムも提供しています。

予約システムと連携すれば、予約から決済までスムーズに対応でき、顧客管理機能を使えば一人ひとりに合わせた接客が可能になります。ポイントや会員機能を活用することで、常連客の獲得にもつながります。

また、在庫管理との連携で商品と施術の管理を一元化でき、スタイリストごとの売上管理も簡単です。特に美容室では、施術中のスムーズな決済タイミングを工夫することで、顧客満足と業務効率の両立が図れます。

スマホ決済導入の手順と必要な書類

スマホ決済の導入は、適切な手順で進めることで最短1週間程度での運用開始が可能です。必要書類の事前準備により、スムーズな審査通過を実現できます。

導入手順と必要な書類

スマホ決済導入の基本的な流れは、書類準備、申込み、審査、端末設定、運用開始の5段階に分かれます。

基本的な導入手順

  1. 事前準備(1日): 必要書類の収集と整備
  2. オンライン申込み(30分): 基本情報の入力と書類アップロード
  3. 審査期間(3〜7日): 加盟店審査と与信確認
  4. 端末配送・設定(2〜3日): 機器の配送と初期設定
  5. 運用開始(即日): テスト決済と本格運用開始

必要書類の詳細

  • 法人の場合: 登記簿謄本(発行から3ヶ月以内)、印鑑証明書、代表者の本人確認書類
  • 個人事業主の場合: 開業届、確定申告書(直近1年分)、本人確認書類(免許証等)
  • 共通書類: 銀行口座情報、店舗賃貸契約書(該当する場合)、営業許可証(飲食店等)

審査を円滑に進めるため、書類の有効期限や記載内容の正確性を事前に確認することが重要です。

審査から利用開始まで

加盟店審査では、事業内容の適法性、財務の健全性、信用情報の確認が行われます。審査期間は通常3〜7日程度ですが、業種や提出書類によって変動します。

審査項目と対策

  • 事業内容の適法性: 営業許可証や資格証明書の提出
  • 財務状況: 売上実績や確定申告書による収益性確認
  • 信用情報: 代表者の信用情報照会(クレジットヒストリー等)
  • 店舗実態: 営業実態の確認(Webサイト、店舗写真等)

審査通過後は端末の配送と初期設定を行い、テスト決済を実施して問題がないことを確認してから本格運用を開始します。多くのサービスで電話やチャットによるサポートが提供されており、設定に不安がある場合でも安心して導入できます。

導入後の継続サポート

  • 24時間技術サポート: 決済トラブルや端末故障への対応
  • 売上データ分析: 月次・週次レポートによる売上分析支援
  • システムアップデート: 自動更新による最新機能の提供
  • 追加サービス: POSレジ、予約システム等の拡張機能

スマホ決済の導入は単なる決済手段の追加ではなく、店舗運営の効率化と顧客サービス向上を実現する重要な投資です。適切なサービス選択と計画的な導入により、競争力の強化と収益性の向上を同時に実現できます。

参考文献

※1「日本のモバイル決済市場| 業界シェア 市場規模 成長性 2025 – 2030年」https://www.gii.co.jp/report/moi1644817-japan-mobile-payments-market-share-analysis.html

※2「2025年1月決済・金融サービスの利用動向調査」https://mmdlabo.jp/investigation/detail_2413.html

※3「人手不足に対する企業の動向調査(2025年1月)」https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p250214.html

※4「キャッシュレス決済実態調査2023(速報)」NIRA総合研究開発機構https://www.nira.or.jp/paper/research-report/2023/212309.html

この記事の著者

木下 環|キャッシュレス決済端末オタク

木下 環|キャッシュレス決済端末オタク

「OREND」運営に携わるキャッシュレス決済端末と予約システムの専門家。実店舗(飲食店・スパなど)での店舗責任者としての運営経験と決済端末・予約システムなどの店舗ツールの利用経験を活かし、比較・活用法を発信。現場での試行錯誤をもとに、システム未導入の課題や本当に役立つ機能をリアルな視点で解説。
この記事がよかったらシェアをお願いします!
記事のURLとタイトルをコピーする
orend-stock

© 2025 STEP AROUND .Inc All Right Reserved