この記事では、スマホ決済の種類や導入方法、メリット・デメリットを解説。おすすめスマホ決済サービスの料金・手数料の比較表、業種別の選び方や導入手順まで紹介します。
スマホ決済とは?
スマホ決済とは、来店客がスマートフォンを使って代金を支払うキャッシュレス決済のことです。
店舗側は専用端末やQRコードを設置することで、現金やカード以外の支払い手段に対応できます。
なお、スマホ決済は種類によって導入方法や必要機器が異なります。初期費用無料のサービスも多い一方で、決済手数料の相場や入金サイクルなどの条件はサービスごとに違いがあるため、事前に整理しておく必要があります。
スマホ決済の種類
スマホ決済は、来店客がスマートフォンを使って支払う決済方法の総称で、支払いの仕組みによって大きく「QRコード決済」と「非接触決済(タッチ決済)」に分けられます。
QRコード決済

QRコードやバーコードを使って支払う方式です。来店客が店舗のQRコードを読み取って支払う方法と、来店客のスマホ画面に表示されたコードを店舗側が読み取る方法があります。
代表的なサービスは以下の通りです。
- PayPay
- 楽天ペイ
- d払い
- au PAY
- メルペイ
- Alipay+
- WeChat Pay
非接触決済(タッチ決済)

スマホを端末にかざして支払う方式です。スマホに設定したウォレット機能や電子マネーを利用して決済が行われます。
代表的なサービスは以下の通りです。
- Apple Pay
- Google Pay
- モバイルSuica
- PASMO
- iD
- QUICPay
スマホ決済を導入する2つの方法
スマホ決済の導入方法は、大きく「QRコード設置型」と「決済端末型」の2つに分かれます。対応したい決済方法によって、選ぶべき導入方法が変わります。
QRコード設置型
店舗にQRコードを設置し、来店客がスマホで読み取って支払う方法です。紙のQRコードをレジ横に置くだけで始められるサービスもあります。
なお、この方法ではタッチ決済の受付はできず、非接触決済に対応するには別途専用の決済端末が必要になります。
代表的なサービスは以下の通りです。
- PayPay
- 楽天ペイ
- d払い
- au PAY
決済端末型(マルチ決済端末)
専用の決済端末を設置して支払いを受け付ける方法です。スマホ決済では、来店客のスマホに表示されたQRコードの読み取りや、タッチ決済の受付に対応します。
1台の端末でQRコード決済とタッチ決済の両方に対応できるため、複数の決済手段をまとめて導入したい場合に利用されます。
代表的なサービスは以下の通りです。

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済

クレジットカード/電子マネー/QRコード決済
スマホ決済サービスの選び方
スマホ決済サービスを選ぶ際は、初期費用だけでなく継続的な運用コストや機能面を総合的に評価することが重要です。特に手数料、入金タイミング、サポート体制の3つが選択の決め手となります。
導入方法を選ぶ|マルチ決済端末とQRコード決済の違い
マルチ決済端末とQRコード決済の最大の違いは、対応できる決済手段の幅と初期費用です。マルチ決済端末は一台で複数の決済手段に対応できます。一方、QRコード決済は初期費用は安いですが、特定の決済ブランドのみに限定されます。
マルチ決済端末は、幅広い年齢層の顧客を持つ店舗や客単価が高い業種に適しています。QRコード決済は、初期費用を抑えたい個人事業主や小規模店舗に最適です。
| 項目 | マルチ決済端末 | QRコード決済 |
| 端末 | 費用 | 不要(QRコードのみ) |
| 初期費用 | 18,800円〜(実質無料※) | 0円 |
| 対応決済 | 71種類 | 1〜数種類 |
| 決済速度 | 高速 | 中程度 |
| 管理の複雑さ | 一元管理 | 個別管理 |
| 顧客層 | 全年代 | 若年層中心 |
対応したい支払い方法
スマホ決済サービスを選ぶ際は、自店舗の顧客層がよく利用する決済手段を把握することが重要です。店舗の業種や立地、客層によって最適な決済手段は大きく異なります。
初期費用(端末費用)と月額料金
スマホ決済端末の費用は、端末購入費用と月額利用料の2つに分かれます。現在、多くのサービスで端末費用無料キャンペーンが実施されており、実質的な初期費用を大幅に抑えることが可能です。
月額利用料については、Square、STORES決済などは基本プランが無料で利用でき、決済手数料のみで運用できます。一方、PayPayは月額1,980円のライトプラン加入により手数料を1.76%に抑制できる仕組みとなっています。
決済手数料
決済手数料は売上に直接影響する重要な要素です。一般的な決済手数料は3%前後となっており、サービス間での大きな差はありません。
| 決済手段 | 手数料範囲 | 代表的なサービス |
| クレジットカード | 3.24〜3.75% | Visa、Mastercard、JCB |
| QRコード決済 | 1.6〜3.24% | PayPay、d払い、楽天ペイ |
| 電子マネー | 3.0〜4.0% | Suica、iD、QUICPay |
| タッチ決済 | 3.24〜3.75% | Visaタッチ、Mastercardコンタクトレス |
決済端末ではなく、PayPayどの直接契約では1.6%という業界最安値を実現していますが、月額料金とのバランスで実質コストを計算することが重要です。年商1,000万円の店舗では、手数料1%の差が年間10万円の違いとなるため、慎重な検討が必要です。
入金タイミング
入金タイミングは店舗の資金繰りに大きく影響します。Squareはみずほ銀行・三井住友銀行を利用することで最短翌日入金が可能で、振込手数料も無料となっています。※さらに「即時入金」サービスあり
| 順位 | イメージ | サービス名 | 入金サイクル |
| 🥇 1位 | Square全端末 | 最短即時入金 ※通常入金:最短翌日 | |
| 🥈 2位 | ![]() | STORES決済 | 最短翌々日 ※銀行問わず |
| 🥉 3位 | stera pack | 最短2営業日後 ※毎日締めの場合 ※新規申込時選択不可 |
飲食店など仕入れが頻繁な業種では、翌日入金サービスの利用価値が特に高く、資金効率の改善につながります。
スマホ決済の導入で得られるメリット
スマホ決済の導入により、店舗運営の効率化と売上向上の両方を実現できます。キャッシュレス決済は人手不足解消の有効な手段として経済産業省も推進しており、特に労働集約的な業種での効果が期待されています。
1. レジ業務効率化で人手不足解消
スマホ決済により、釣り銭の準備や計算業務にかかる時間を短縮でき、金額入力ミスや計算間違いを完全に防ぐことができます。また、売上集計が自動化されることで日締め作業時間も短縮し、現金過不足の確認が不要になるためレジ締め作業も大幅に簡略化されます。
帝国データバンクの調査によると、2025年1月時点で正社員の人手不足企業は51.4%に達しており、飲食店では非正社員の人手不足はとても深刻な状況です。
2. インバウンドや若者需要の取り込み
NIRA総合研究開発機構の調査によると、「できるだけQRコード決済で支払いたい」と回答した人が25%で、「現金で支払いたい」の19%を上回っています。また、若年層の過半数がキャッシュレス決済未対応を理由に店舗利用を断念した経験があります。
インバウンド対応では、Alipay(支付宝)、WeChat Pay、Union Payなどの中国系決済や、Visaのタッチ決済、Mastercardコンタクトレスへの対応が重要です。これらの決済手段に対応することで、訪日外国人の消費需要を確実に取り込むことができます。
3. 現金管理コスト削減
現金管理には見えないコストが多く発生しています。スマホ決済の導入により、現金管理には現金準備の作業、レジミスによる損失などの作業や費用を減らせます。また扱う現金が減るため、盗難・紛失リスクが減ることも大きなメリットです。
スマホ決済を導入するときの注意点
スマホ決済の導入には多くのメリットがある一方で、適切に理解しておくべきデメリットや注意点も存在します。事前にリスクを把握し、適切な対策を講じることで、安心してスマホ決済を運用できます。
1. 決済手数料がかかる
決済手数料は売上の3%前後が一般的で、利益率の低い商品では大きな負担となる可能性があります。決済手数料分を値上げして、顧客に支払ってもらうことは利用規約で禁止されているため、店舗の利益が減ってしまいます。
ただし、現金管理コストや業務効率化によるメリット、集客力アップを総合的に考慮すると、多くの場合で導入効果がコストを上回ります。
2. 加盟店審査に落ちるリスク
スマホ決済サービスの導入には加盟店審査があり、業種や事業内容によっては審査に通らない場合があります。特に風俗関連業はほぼ全てのサービスで加盟不可となっており、パチンコ店や競馬場などのギャンブル関連は制限が多くなっています。また、貸金業や質屋などの金融サービス、アダルト系のデジタルコンテンツも加盟が困難な傾向があります。
審査期間は通常1〜2週間程度ですが、書類不備や追加確認が必要な場合は1ヶ月以上かかることもあります。複数のサービスに同時申込みすることで、リスク分散を図ることをおすすめします。
スマホ決済の導入に使えるマルチ決済端末の種類
QRコード単体の導入ではなくではなく、すべてのスマホ決済に対応できるマルチ決済端末がおすすめです。マルチ決済端末には大きく分けてポータブル型と据え置き型の2種類があり、店舗の業態や利用シーンに応じた選択が重要です。
ポータブル型端末の特徴とメリット
ポータブル型端末は持ち運び可能な小型軽量設計で、場所を選ばない決済対応が可能です。重量315g程度でポケットやエプロンに収まるサイズが主流となっています。
ポータブル型端末はクレジットカード、IC、QR、タッチ決済に対応したマルチ決済機能を備え、POS機能も標準搭載されているため売上管理、商品登録、在庫管理が一台で完結します。バーコードスキャナーが内蔵されており商品登録や在庫管理を効率化できるほか、耐水・耐塵設計により屋外イベントや移動販売でも安心して利用でき、1日中の連続使用が可能な長時間バッテリーを搭載しています。
特に飲食店では、2025年3月のPINバイパス廃止により、席決済での暗証番号入力が必須となるため、ポータブル端末の重要性が格段に高まっています。
据え置き型端末の特徴とメリット
据え置き型端末はレジカウンターに固定設置するタイプで、安定した処理能力と視認性の高い画面が特徴です。高級店や客単価の高い店舗では、端末の質感やデザインも重要な選択要素となります。
据え置き型端末は大画面ディスプレイにより操作性と視認性が向上し、大量の決済処理に対応可能な高速処理能力を備えています。レシートプリンターが内蔵された一体型で設置スペースを節約でき、POSレジ、在庫管理、顧客管理システムとの多機能連携が可能です。さらに物理的な盗難防止機能を搭載したセキュリティ強化により、安心して運用できます。
美容室や高級小売店では、店舗の雰囲気に合わせたデザイン性も重要で、Squareでは複数のカラーバリエーションやフォルムの異なる端末を選択できます。
業界別におすすめのスマホ決済の選び方を解説
イベント・移動販売では持ち運べる決済
イベント販売や移動販売では、電源やインターネット環境が限定的な中での決済対応が求められます。ポータブルなスマホ決済端末は、こうしたシーンで威力を発揮します。
イベント・移動販売での活用ポイント
- バッテリー駆動端末の活用:8時間以上の連続利用が可能
- モバイルWi-Fiとの併用:安定した通信環境を確保
- QRコード決済の併用:端末トラブル時の代替手段として
- 在庫管理連携:リアルタイムでの商品管理により売り切れを防止
- 売上即時確認:イベント終了時に即座に売上集計が可能
屋外でも安心の耐水・耐塵設計(IP54)を備えた端末が登場しており、天候に左右されないイベント販売が可能となっています。
飲食店・バーでは席決済とPINバイパス廃止に対応
飲食店では2025年3月のPINバイパス廃止により、1万円を超える決済で暗証番号入力が必須となるため、席決済システムの重要性が高まっています。
飲食店での効果的な運用では、ポータブル端末による席決済で客席での暗証番号入力に対応し、テーブルオーダーシステムとの連携により注文から決済まで一元管理することが重要です。
また、PayPayやd払いなどの割り勘機能を活用することで顧客満足度を向上させ、予約システム連携による事前決済で当日の混雑を緩和できます。さらにPOS連携により注文・決済・売上管理を自動化することで、大幅な業務効率化を実現できます。
美容室・小売店ではお店の雰囲気を壊さない端末を導入
美容室や小売店では、店舗の雰囲気に合ったデザイン性のある端末を選ぶことが大切です。見た目もサービスの一部として重視されます。
SquareやSTORESなどは予約システムや在庫管理システムも提供しています。
予約システムと連携すれば、予約から決済までスムーズに対応でき、顧客管理機能を使えば一人ひとりに合わせた接客が可能になります。ポイントや会員機能を活用することで、常連客の獲得にもつながります。
また、在庫管理との連携で商品と施術の管理を一元化でき、スタイリストごとの売上管理も簡単です。特に美容室では、施術中のスムーズな決済タイミングを工夫することで、顧客満足と業務効率の両立が図れます。
スマホ決済導入の手順と必要な書類
スマホ決済の導入は、適切な手順で進めることで最短1週間程度での運用開始が可能です。必要書類の事前準備により、スムーズな審査通過を実現できます。
導入手順と必要な書類
スマホ決済導入の基本的な流れは、書類準備、申込み、審査、端末設定、運用開始の5段階に分かれます。
基本的な導入手順
- 事前準備(1日):必要書類の収集と整備
- オンライン申込み(30分):基本情報の入力と書類アップロード
- 審査期間(3〜7日):加盟店審査と与信確認
- 端末配送・設定(2〜3日):機器の配送と初期設定
- 運用開始(即日):テスト決済と本格運用開始
必要書類の詳細
- 法人の場合:登記簿謄本(発行から3ヶ月以内)、印鑑証明書、代表者の本人確認書類
- 個人事業主の場合:開業届、確定申告書(直近1年分)、本人確認書類(免許証等)
- 共通書類:銀行口座情報、店舗賃貸契約書(該当する場合)、営業許可証(飲食店等)
審査を円滑に進めるため、書類の有効期限や記載内容の正確性を事前に確認することが重要です。
審査から利用開始まで
加盟店審査では、事業内容の適法性、財務の健全性、信用情報の確認が行われます。審査期間は通常3〜7日程度ですが、業種や提出書類によって変動します。
審査項目と対策
- 事業内容の適法性:営業許可証や資格証明書の提出
- 財務状況:売上実績や確定申告書による収益性確認
- 信用情報:代表者の信用情報照会(クレジットヒストリー等)
- 店舗実態:営業実態の確認(Webサイト、店舗写真等)
審査通過後は端末の配送と初期設定を行い、テスト決済を実施して問題がないことを確認してから本格運用を開始します。多くのサービスで電話やチャットによるサポートが提供されており、設定に不安がある場合でも安心して導入できます。
導入後の継続サポート
- 24時間技術サポート:決済トラブルや端末故障への対応
- 売上データ分析:月次・週次レポートによる売上分析支援
- システムアップデート:自動更新による最新機能の提供
- 追加サービス:POSレジ、予約システム等の拡張機能
スマホ決済の導入は単なる決済手段の追加ではなく、店舗運営の効率化と顧客サービス向上を実現する重要な投資です。適切なサービス選択と計画的な導入により、競争力の強化と収益性の向上を同時に実現できます。



