Squareのサブスク機能なら、初期費用・月額費用無料で月謝や会費の自動徴収を始められます。
この記事では、3つの機能の選び方から設定手順、手数料、解約方法まで、サブスク導入に必要なすべての情報を解説します。
Squareのサブスク(自動継続課金)とは?3つの継続課金機能の違い
Squareは月謝や会費の自動徴収に対応した3つの機能を提供しています。
- 定期請求書
- サブスクリプション
- リンク決済
それぞれ取引相手と利用者数の規模によって使い分けます。
項目 | 定期請求書 | サブスクリプション | リンク決済 |
決済手数料 | 3.75% | 3.6% | 3.6% |
取引相手 | 特定の顧客 | 不特定多数 | 不特定多数 |
想定利用者数 | 制限なし | 100人以下 | 100人以上 |
金額変更 | 可能 | 不可 | 不可 |
顧客側解約 | 不可 | 可能 | 可能 |
1. 定期請求書|特徴とメリット・デメリット
定期請求書は特定の顧客との取引に特化した機能で、個別対応が必要なビジネスに最適です。
顧客ごとに個別の請求書を作成でき、取引ごとに金額や内容を変更できる柔軟性が最大の特徴です。パーソナルトレーニングや個人コンサルティングなど、顧客のニーズに合わせてサービス内容や料金が変動するビジネスで威力を発揮します。
また、顧客のニーズに合わせてサービス内容を提案し、見積もりを提示してから請求書を送ることも可能です。請求書に契約書を添付することもでき、契約書はSquareの管理画面から無料で作成できるため、契約から請求まで一貫して管理できます。
メリットは取引ごとに金額や支払日を自由に変更でき、個別見積もりが必要なサービスにも対応できることです。また、顧客側からの一方的な支払い停止を防げるため、契約の安定性も保てます。
デメリットは決済手数料が3.75%とやや高く、請求書作成の手間がかかることです。また、顧客のメールアドレスが必須となります。
2. サブスクリプション|特徴とメリット・デメリット
サブスクリプションは不特定多数の顧客向けの定額制サービスに最適化された機能です。
事前にプランを設定し、そのプランに顧客が登録する仕組みです。決済リンクの共有だけで顧客獲得ができ、ホームページやSNSを活用したオンライン集客にも対応しています。スポーツジムや習い事など、料金プランが固定のサービスに向いています。
ただし、サブスクリプション機能は100人以下の利用者を想定した設計となっており、大規模な顧客数を抱えるビジネスの場合は、リンク決済の方が適しています。
メリットは決済手数料が3.6%と安く、顧客自身でキャンセルや一時停止ができることです。QRコードやWebリンクで簡単に顧客登録でき、無料トライアル期間の設定も可能です。
デメリットは一度作成したプランの料金や支払日は変更できないことです。料金変更時は新プラン作成と顧客の再登録が必要になります。
3. リンク決済|特徴とメリット・デメリット
リンク決済は100人以上の大規模な利用者を想定した機能で、オンライン中心のサブスクビジネスに最適化されています。
事前の顧客情報収集が一切不要で、リンクを共有するだけでサブスク申し込みを受け付けられます。全国展開のコーヒー豆定期便やオンラインセミナーなど、不特定多数への大規模展開に向いています。
メリットは決済手数料が3.6%と安く、SNSやメールでのリンク共有で即座に顧客獲得が可能なことです。QRコードの作成や印刷も簡単で、実店舗での申し込み受付にも対応できます。
デメリットは請求日や請求終了日の設定ができないことです。また、支払い前のリマインダー機能も利用できず、ファイル添付や詳細な顧客管理機能もありません。
どの機能を選ぶべきか?業種別の使い分け
業種と顧客数に応じて最適な機能を選択しましょう。
機能 | 定期請求書 | サブスクリプション | リンク決済 |
おすすめ | 個別対応が必要 契約書添付が必要 | 定額制・100人以下 月額料金が一定 | 大規模展開・100人以上 全国展開・SNS集客 |
業種 | 広告代理店 コンサルティング(BtoB) 個別指導塾 パーソナルトレーナー ウェブ開発会社 デザイン事務所 税理士業務 | スポーツジム フィットネス 習い事教室・音楽教室 コワーキングスペース オンラインサロン 配信サービス | オンラインセミナー・講座 コーヒー豆 パン定期便 |
Squareのサブスク(自動継続課金)の料金・決済手数料
Squareのサブスク機能は初期費用や月額費用が無料で、決済手数料のみで利用できます。ただし定期請求書とサブスクリプションで手数料が異なるため、コストも考慮して機能を選択しましょう。
定期請求書の手数料と対応カードブランド
定期請求書の決済手数料は3.75%です。手数料がやや高い理由は、加盟店側で金額や支払日の変更が可能なため、不正利用のリスクが高いと判断されているからです。
対応カードブランド
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- Discover
国内発行・海外発行カードの両方に対応しており、幅広い顧客層をカバーできます。
サブスクリプションの手数料と対応カードブランド
サブスクリプションの決済手数料は3.6%で、定期請求書より0.15%安く設定されています。プラン内容が固定されているため、リスクが低いと評価されているためです。
対応カードブランドは定期請求書と同様で、主要6ブランドすべてで決済が可能です。カードリーダーなどの決済端末は不要で、Web上でのカード情報登録のみで利用開始できます。
他社サブスク決済サービスとの手数料比較
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 決済手数料 | 振込手数料 |
Square ・定期請求書 | 無料 | 無料 | 3.75% | 無料 |
Square ・サブスクリプション ・リンク決済 | 無料 | 無料 | 3.6% | 無料 |
Stripe | 無料 | 無料 | 3.6% | 無料 |
PayPal | 無料 | 無料 | 3.6% + 40円/件 | 無料 |
STORES | 無料 | 3,480円 | 3.6%〜5% | 無料 |
Squareは振込手数料が無料で、売上金の入金サイクルも三井住友銀行・みずほ銀行なら翌営業日と早いのが特徴です。
Squareのサブスク(自動継続課金)設定方法・導入手順
Squareのサブスク設定はSquareアカウントの作成後、各機能の設定を行うだけで完了します。審査は最短15分で完了し、当日から利用開始できるケースがほとんどです。
定期請求書の設定手順と注意点
定期請求書の設定は顧客情報の入力と請求内容の設定の2ステップで完了します。
設定手順は以下の通りです。
- Squareデータにログインし「請求書」→「定期請求書」を選択
- 顧客情報(氏名・メールアドレス)を入力
- 請求書の詳細(件名・メッセージ・サービス提供日)を設定
- 定期送信のスケジュール(開始日・頻度・終了日)を設定
- 請求内容(商品名・単価・数量)を入力
- 「自動引き落とし」にチェックを入れる(重要)
- コミュニケーション方法を「メール」に設定
自動引き落としのチェックを入れ忘れると、毎回顧客が手動で決済する必要があります。また、リマインダー機能を使うためにはメール送信を選択する必要があります。
サブスクリプションのプラン作成と設定手順
サブスクリプションは事前のプラン作成が必須で、プラン設定後に顧客登録を行います。
プラン作成手順はこちらです。
- 「サブスクリプション」→「プランの作成」を選択
- プラン名と価格を設定
- 引き落とし頻度(毎週・隔週・月ごと・四半期・半年ごと・毎年)を選択
- プラン終了回数を設定(無期限も可能)
- 無料トライアル期間を設定(任意)
- 「お会計リンク」を有効化してオンライン登録を可能にする
- 顧客の一時停止機能の有無を設定
一度作成したプランの料金や支払日は後から変更できません。料金変更が必要な場合は、新しいプランを作成して顧客に再登録してもらう必要があります。
顧客のカード情報登録方法
登録方法 | 店舗で直接登録 | 請求書メール経由 | お会計リンク経由 |
必要情報 | 顧客の全カード情報 + カード保存同意書※ | 顧客の氏名 メールアドレスのみ | 顧客の自主登録 |
メリット | 即座に登録完了 | 安全、同意書不要 | 24時間登録可能 SNS活用可 |
デメリット | 同意書が必要 手間がかかる | 顧客の操作が必要 | 引き落とし開始日の設定不可 |
最も安全で推奨される方法は請求書メール経由での登録です。店舗でカード情報を扱うリスクがなく、同意書も不要になります。
リンク決済の設定手順と注意点
リンク決済は事前の顧客情報収集が不要で、最もシンプルにサブスク決済を開始できる機能です。
設定手順はこちらです。
- 「リンク決済」→「リンクを作成する」を選択
- 「支払いを受け付ける」をクリック
- 商品名・価格・請求頻度(毎週・隔週・月ごと・四半期・半年ごと・毎年)を設定
- 自動で発行されるリンクをコピー
- SNS・メール・ホームページでリンクを共有
リンク決済の注意点 リンク決済を利用する場合、特定商取引法に基づく表記が必要です。販売業者名、責任者名、連絡先などの必要項目を事前に準備し、適切に表記することが法的に義務付けられています。また、請求日や請求終了日の詳細設定ができないため、柔軟な請求スケジュール管理が必要な場合は他の機能を検討しましょう。
Squareのサブスク(自動継続課金)の停止・解約方法
Squareのサブスク停止方法は機能によって操作できる人が異なります。定期請求書は加盟店のみ、サブスクリプションは加盟店と顧客の両方で操作可能です。
定期請求書の停止手順(加盟店側)
定期請求書の停止は加盟店側でのみ実行可能で、顧客側からキャンセルすることはできません。
停止手順は以下の通りです。
- Squareデータの「請求書」→「定期請求書」にアクセス
- 停止したい定期請求書の「…」メニューをクリック
- 「定期請求書を終了する」を選択
- 確認画面で再度「定期請求書を終了する」をクリック
- ステータスが「終了済み」になれば完了
停止処理は顧客に通知されないため、必要に応じて別途連絡することをおすすめします。
サブスクリプションの解約方法(加盟店・顧客側)
サブスクリプションは加盟店と顧客の両方で解約処理ができます。
加盟店側の解約手順はこちらです。
- 「サブスクリプション」メニューから対象を選択
- 「…」メニューから「サブスクリプションをキャンセル」を選択
- 確認画面でキャンセルを実行
- ステータスが「キャンセル予定」になれば完了
顧客側の解約手順はこちらです。
- 登録完了メール内の「管理する」をクリック
- 「サブスクリプションをキャンセル」を選択
- 「はい、サブスクリプションをキャンセルします」をクリック
どちらの方法でも顧客にキャンセル通知メールが自動送信されます。
一時停止機能の使い方と設定
サブスクリプションでは完全解約ではなく一時停止も可能です。休会制度のような使い方ができます。
加盟店側の一時停止手順は以下の通りです。
- 対象のサブスクリプションを選択
- 「一時停止」をクリック
- 停止期間を「期限なし」または「請求サイクル別」から選択
- 期間を設定して実行
顧客側の一時停止 プラン作成時に一時停止機能を有効にしている場合、顧客自身で最大3ヶ月間の一時停止が可能です。一時停止期間終了後は自動的に課金が再開されます。
返金処理の方法と手順
既に引き落とし済みの決済に対する返金は取引履歴から個別に処理します。
返金手順はこちらです。
- 「取引」メニューから返金対象の取引を選択
- 「…」メニューから「払い戻し」を選択
- 「払い戻し商品」または「払い戻し額」を選択
- 返金理由を選択して実行
返金に関する注意点として、取引日から1年以内の決済のみ返金可能で、返金手数料は無料ですが、一度実行した払い戻しは取り消しできません。返金完了まで2〜7営業日程度かかります。
Squareのサブスク(自動継続課金)利用時の注意点と制限事項
Squareのサブスク利用では特定継続的役務提供の制限と決済エラー時の対応が主な注意点です。事前に制約を理解しておけば、スムーズに運用できます。
特定継続的役務提供は使えない
エステ・学習塾・語学教室など特定の業種では、サービス期間と料金の組み合わせによってSquareのサブスク機能が利用できません。
業種 | 利用制限条件 |
エステティック・美容医療 | 料金50,000円超 + 期間1ヶ月超 料金50,000円以下 + 期間1年超 |
語学教室・家庭教師・学習塾・パソコン教室 | 料金50,000円超 + 期間2ヶ月超 料金50,000円以下 + 期間1年超 |
結婚相手紹介サービス | 料金50,000円超 + 期間2ヶ月超 料金50,000円以下 + 期間1年超 |
ただし、業種・期間・金額の3つすべてを満たした場合のみ制限対象となるため、条件を1つでも満たさなければ利用可能です。
決済エラー時の対応方法
カードの残高不足や期限切れで決済エラーが発生した場合、顧客側での対応が必要になります。
サブスクリプションの場合は3日おきに最大3回まで自動で再試行され、3回とも失敗した場合は顧客にエラー通知メールが送信されます。その後、顧客が新しいカード情報を登録する必要があります。一方、定期請求書の場合は自動再試行は行われず、エラー発生時点で顧客にメール通知され、即座にカード情報の更新が必要です。
審査・本人確認に必要なもの
Squareアカウント作成時の審査は書類提出不要で、申込フォームの入力のみで完了します。
審査に必要な主な情報はこちらです。
- 事業者名・代表者名
- 事業内容・業種
- 連絡先情報
- 銀行口座情報
審査は最短15分で完了し、通過後すぐにVisa・Mastercard決済が利用開始できます。JCB・American Expressなどその他のブランドは審査完了から数日後に利用可能になります。
特定商取引法の表記義務
リンク決済を利用したサブスクサービスでは、特定商取引法に基づく表記が必要です。これは法的義務なので必ず対応する必要があります。
表記が必要な主な項目はこちらです。
- 販売業者名・責任者名
- 住所・電話番号・メールアドレス
- 商品の販売価格・支払方法・支払時期
- 商品の引渡し・サービス提供時期
- 申し込みの撤回・解除に関する事項
- 定期購入の場合:定期的な支払いであること、契約期間、販売条件
特に定期購入やサブスクの場合は、定期的な支払いであることや解約ポリシーを明確に記載することが重要です。表記内容に不備があると法的問題に発展する可能性があるため、事前に専門家に相談することをおすすめします。
Squareのサブスク(自動継続課金)に関するよくある質問
Squareのサブスクでお客様のクレジットカードからいつ引き落とされますか?
引き落とし日は利用する機能によって決まり方が異なります。
定期請求書の場合、初回は顧客がカード情報を登録した日で、2回目以降は設定した開始日を基準とした定期日になります。一方、サブスクリプションの場合は、初回から設定した開始日に引き落としされ、その後も開始日を基準とした定期日に自動引き落としが実行されます。
例えば開始日を毎月25日に設定した場合、サブスクリプションでは初回から毎月25日に引き落としされますが、定期請求書では顧客のカード登録日が初回の引き落とし日となり、2回目以降が毎月25日になります。
Squareのサブスクでの売上はいつ入金されますか?
売上金の入金タイミングは振込先の金融機関によって異なります。
金融機関 | 入金サイクル | 対象期間 |
三井住友銀行 みずほ銀行 | 翌営業日 | 毎日0:00〜23:59の売上 |
その他の金融機関 | 週1回(金曜日) | 木曜0:00〜翌週水曜23:59の売上 |
入金は売上発生の翌営業日または翌週金曜日に自動実行され、振込手数料は金額に関係なく無料です。入金予定日はSquareデータの管理画面で随時確認できます。
Squareのサブスクを解約する際に手数料は発生しますか?
Squareのサブスク機能には解約手数料は一切かかりません。
定期請求書・サブスクリプションともに解約時の費用負担はなく、いつでも無料で停止できます。ただし、既に引き落とし済みの決済については、別途返金処理が必要で、返金の可否は契約内容や利用規約によって決まります。解約のしやすさも、顧客にとって安心材料の一つといえるでしょう。
Squareのサブスクでクレジットカード以外の決済方法は使えますか?
Squareのサブスク機能ではクレジットカード決済のみ対応しており、その他の決済方法は利用できません。
利用できない決済方法
- 銀行振込
- コンビニ決済
- 電子マネー(Suica・楽天Edyなど)
- QRコード決済(PayPay・LINE Payなど)
- 口座振替
ただし、デビットカードでの決済は可能です。クレジットカードを持たない顧客でも、デビットカード機能付きのキャッシュカードがあれば利用できます。
Squareのネットショップでサブスク機能は使えますか?
Square オンラインビジネスの有料プランにアップグレードすると、ネットショップからでもサブスク決済を受け付けられるようになります。
プラン | 月額費用 | 決済手数料 |
プラスプラン | 月額3,375円 (年一括払い40,500円) | 3.6% |
プレミアムプラン | 月額9,180円 (年一括払い110,160円) | 3.3% |
プレミアムプランでは決済手数料が3.3%に下がるため、決済金額が大きい事業者にはコストメリットがあります。無料プランではサブスク機能は利用できませんが、有料プランにアップグレードすることで、本格的なECサイト運営とサブスク決済を同時に実現できます。
まとめ:Squareのサブスク(自動継続課金)で効率的な定期決済を実現
Squareのサブスク機能を活用すれば、月謝や会費の自動徴収が簡単に実現できます。
初期費用・月額費用が無料で、最短15分で審査完了、振込手数料や解約手数料も無料という充実したサービス内容が魅力です。特定継続的役務提供に該当しない業種であれば、手軽に定期決済システムを構築できます。まずはSquareアカウントを作成して、自社に適した機能から始めてみてはいかがでしょうか。