借入金や貸付金をExcelで管理していると、契約が増えるほど返済・回収予定の確認、利息計算、残高管理、仕訳、決算資料の作成に多くの作業が発生します。借入金・貸付金管理システムを導入すれば、こうした情報を一元管理し、財務・経理業務をシステム上で処理できます。ただし、製品によって管理範囲は大きく異なるため、借入金だけを管理するのか、貸付金まで含めるのか、資金管理全体まで広げるのかを最初に整理することが重要です。
- 借入金・貸付金管理システムの役割と3つのタイプ
- 自社に必要なタイプとサービスを選ぶポイント
- 借入金・貸付金管理システム8製品の機能・料金・特徴
借入金・貸付金管理システムとは
借入金・貸付金管理システムは、借入や貸付に関する契約情報、返済・回収予定、利息、残高などを一元管理するためのシステムです。Excelで個別に管理している情報をまとめ、返済予定の作成や利息計算、仕訳、月次・決算資料の作成などをシステム上で処理できます。
借入先や貸付先、契約本数が増えるほど、Excelではファイルの分散や更新漏れ、計算ミスが発生します。複数の担当者やグループ会社が関わる場合は、権限管理や変更履歴の確認も必要です。借入金・貸付金管理システムは、こうした財務・経理業務の効率化と管理精度の向上を目的として利用されます。
製品は管理する範囲によって、大きく次の3タイプに分けられます。
借入金管理特化型
借入金管理特化型は、金融機関などからの借入金に関する業務を中心に管理するタイプです。借入契約ごとの借入額、金利、返済条件、返済予定、利息、残高などを登録し、返済スケジュールや帳票の作成まで行います。
製品によっては仕訳データや決算資料の作成にも対応します。貸付金や資金管理全体までシステム化するのではなく、現在Excelで行っている借入金管理を集約することが中心です。
借入金・貸付金管理型
借入金・貸付金管理型は、金融機関からの借入だけでなく、グループ会社や関係会社などへの貸付金も同じシステムで管理するタイプです。
借入金の返済予定と貸付金の回収予定、双方の利息や残高をまとめて管理できます。借入と貸付を別々のExcelで管理している企業では、財務情報を一元化できる点が大きな違いです。
借入金・貸付金を含む資金管理型
借入金・貸付金を含む資金管理型は、借入・貸付の管理だけでなく、資金繰りや預金、資金移動など財務部門の資金管理を広くカバーするタイプです。
製品によっては社債、外貨、デリバティブ、グループ会社間の資金管理にも対応します。借入金・貸付金を個別に管理するシステムではなく、企業やグループ全体の資金状況を把握し、財務業務を統合するための仕組みです。
借入金・貸付金管理システムの選び方
借入金・貸付金管理システムは、最初に自社が管理する範囲からタイプを決めることが重要です。借入金だけを管理する企業と、貸付金やグループ全体の資金まで管理する企業では、必要なシステムが異なります。タイプを決めた後は、そのタイプに該当するサービスだけを機能、連携、内部統制、費用などで比較します。
まず管理範囲からタイプを決める
最初に確認するのは、現在管理している借入金・貸付金の範囲です。将来的に管理対象が増える予定がある場合は、その範囲まで含めて選びます。
| タイプ | 管理範囲 | 主な管理機能 | 代表的なサービス |
| 借入金管理特化型 | 借入金 | 借入契約、 返済予定、 利息計算、 残高管理、 仕訳・決算資料など | ・WiMS/SaaS借入金管理システム ・借入金管理システム(さくら情報システム) ・freee会計 借入金管理アプリ ・ICAROS-V 借入金管理システム |
| 借入金・貸付金管理型 | 借入金 貸付金 | 借入・貸付契約、 返済・回収予定、 利息計算、 残高管理、 仕訳など | ・COURAGEUX |
| 借入金・貸付金を含む 資金管理型 | 借入金 貸付金 預金 資金繰りなど | 借入・貸付管理、 資金繰り、 資金移動、 金融商品、 グループ資金管理など | ・HUE Treasury、 ・Ci*X Treasury ・McFIT-21 |
借入金だけを管理する場合は借入金管理特化型が基本です。
グループ会社や関係会社への貸付も継続的に行う場合は、借入金・貸付金管理型を選びます。
さらに資金繰りや預金、グループ全体の資金まで一元管理する場合は、資金管理型が必要です。
社債、外貨建て借入、デリバティブなどを扱う企業は、タイプだけで判断せず、自社が扱う金融商品に対応しているかまで確認する必要があります。同じタイプでも管理できる金融商品の範囲は異なります。
対象サービスを比較するポイント
タイプを決めた後は、そのタイプに該当するサービスを同じ条件で比較します。特に重要なのは、現在Excelや手作業で行っている業務をどこまで置き換えられるかです。
| 比較項目 | チェックする内容 |
| 自動化できる業務 | 返済・回収予定の作成、利息計算、 残高管理、長短振替、仕訳、 月次・決算帳票まで対応しているか |
| 会計・ERP連携 | 利用中の会計・ERPと連携できるか。 標準連携、CSV、API、個別開発のどの方式になるか |
| グループ管理 | 複数法人の借入金、貸付金、資金情報を一元管理できるか。 法人別とグループ全体の両方で集計できるか |
| 内部統制 | ユーザー権限、申請・承認、操作履歴、変更ログなど、 監査や社内統制に必要な機能を備えているか |
| 導入費用 | 初期設定、データ移行、会計・ERP連携、帳票追加、 カスタマイズを含めて確認する |
| 運用費用 | 月額・ライセンス、ユーザー追加、保守、追加機能など 継続して発生する費用を確認する |
| 導入・運用サポート | 初期設定、データ移行、操作説明、運用設計、 本稼働後の問い合わせまでどこまで支援を受けられるか |
比較では、次の4点を特に重視します。
- 自動化範囲は機能数ではなく、現在の手作業がどこまでなくなるかで判断する
- 会計・ERP連携は「連携可能」だけでなく、必要な仕訳まで自動連携できるかを確認する
- 複数法人で利用する場合は、グループ全体の集計と権限管理まで確認する
- 料金は月額費用だけでなく、データ移行、連携、カスタマイズ、保守を含めた総コストで比較する
タイプと比較条件をここまで整理すれば、見るべきサービスはかなり絞れます。次章では、借入金・貸付金管理システム8製品を同じ項目で比較します。
借入金・貸付金管理システムおすすめ8選を比較
借入金・貸付金管理システムは、管理範囲によって必要な製品が大きく異なります。まず前章で決めたタイプに該当するサービスへ絞り、その中で自動化できる業務、会計・ERP連携、グループ管理・内部統制、導入・運用費用を比較するのが基本です。
| サービス | タイプ | おすすめの企業 | 主な管理範囲 | 自動化・会計連携 | グループ管理・内部統制 |
| COURAGEUX | 借入金・貸付金管理型 | 借入・貸付を一元管理し、決算業務や 内部統制まで効率化する中堅・大企業 | 借入金 貸付金 シンジケートローン コミットメントラインなど | 返済予定・利率変更の自動計算、 決算資料、仕訳、会計システム連携 | グループ会社管理 権限管理 監査対応などに対応 |
| WiMS/SaaS 借入金管理システム | 借入金管理特化型 | 複数会社の借入情報を一元管理し、 多様な資金調達手段まで管理する企業 | 借入金 社債 CP 当座借越 シンジケートローン 外貨借入など | 返済予定の自動作成、 金利変更、決算仕訳、 会計システムへの仕訳連携 | 複数会社管理 承認機能 ユーザー管理に対応 |
| 借入金管理システム (さくら情報システム) | 借入金管理特化型 | 借入金だけでなく、外貨・社債・ デリバティブまで管理する企業 | 長短借入金 当座借越 CP 外貨借入 金利・通貨スワップなど | 返済・利息予定の自動計算、 長短振替、決算資料、 仕訳データ作成、会計・ERP連携 | 管理対象や業務に応じた カスタマイズに対応 |
| freee会計 借入金管理アプリ | 借入金管理特化型 | freee会計を利用し、借入残高・返済予定 ・仕訳をシンプルに管理する企業 | 借入金 | 返済予定表を自動作成し、 元金・利息を計算。 freee会計の取引や資金繰りへ連携 | freee会計の利用環境を 前提に運用 |
| ICAROS-V 借入金管理システム | 借入金管理特化型 | 借入残高と返済予定を中心に 低コストで管理する企業 | 借入金 | 借入情報から返済予定を表示し、 一覧をExcel出力 | 高度なグループ管理・内部統制 より借入管理の簡素化を重視 |
| HUE Treasury | 借入金・貸付金を 含む資金管理型 | 借入・貸付だけでなく、グループ全体の 資金・財務業務を統合する大企業 | 借入金 貸付金 有価証券 デリバティブ 預金 資金繰りなど | 資金繰り、金融取引、 決算整理を効率化し、 ERP・会計システムへ仕訳連携 | グループ資金管理、ワークフロー、 業務ログ、入力・閲覧権限に対応 |
| Ci*X Treasury | 借入金・貸付金を 含む資金管理型 | 複数のグループ会社を持ち、資金管理と 財務ガバナンスを強化する大企業 | 貸借 資金繰り 口座 金融商品 有価証券 為替など | 資金繰り予測、貸借利息計算、 金融商品管理、周辺システム連携に対応 | インターカンパニーローン、 権限管理、ワークフローなどに対応 |
| McFIT-21 | 借入金・貸付金を 含む資金管理型 | グループ会社間の資金貸借、金融機関から の借入、資金集中まで一元管理する企業 | 借入金 貸付金 口座残高 資金運用 資金繰り グループ資金など | 元利・利息計算、利率更改、 決済、仕訳・会計まで連携。 SAPなど外部会計への仕訳連携はオプション | プーリング、総合口座、 グループ会社間の預貸、 出金・収支・振替の承認に対応 |
借入金と貸付金の両方を一元管理する場合はCOURAGEUX、借入金を中心に管理する場合は借入金管理特化型から選びます。借入・貸付に加えて資金繰りやグループ全体の資金まで統合する場合は、HUE Treasury、Ci*X TreasuryやMcFIT-21が対象です。
借入金管理特化型の中でも管理範囲には差があります。
WiMS/SaaS借入金管理システム、さくら情報システムは、多様な資金調達手段や決算・会計連携まで含めた管理に対応します。
一方、freee会計 借入金管理アプリとICAROS-V 借入金管理システムは、借入残高や返済予定を中心に管理する場合に選択肢を絞れます。
比較表で自社の管理範囲と運用条件に該当するサービスを絞ったら、次章で各製品の機能、料金、連携、導入時の確認事項を詳しく見ていきます。
COURAGEUX

借入・貸付から監査対応まで一元化
- 借入金と貸付金を同一基盤で管理
- 50種類以上の帳票を標準搭載
- 承認・ログ・変更履歴で監査対応
COURAGEUXは、借入金と貸付金をデータベース化し、返済予定、利息、残高、決算資料、仕訳まで一元管理します。グループ会社の借入・貸付も集約でき、Excelで分散していた財務情報を統合できます。
特徴は、日常的な借入管理だけでなく、資金調達の分析や内部統制まで標準機能でカバーする点です。将来の借入・貸付や利率変更を使ったシミュレーション、金融機関別の残高・平均レート分析、外貨管理、オールインコスト管理にも対応します。
導入後は、返済予定や利息計算、決算資料の作成、グループ会社からのデータ集計に伴う手作業を削減できます。承認、ログ、変更履歴、エビデンス添付もシステム上で管理できるため、決算業務の効率化と会計・IT監査への対応を同時に進められます。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | 借入金と貸付金を一元管理する中堅・大企業、 複数のグループ会社を管理する企業 |
| 管理範囲 | 借入金、貸付金、外貨借入・貸付、 シンジケートローン、コミットメントラインなど |
| 主な機能 | 返済予定、利息計算、残高管理、決算資料、 仕訳、帳票、資金調達予測・分析など |
| 会計・ERP連携 | 複数の会計システムとの標準連携実績あり |
| 内部統制 | 承認、ログ、変更履歴、エビデンス添付、 IPアドレス制限、SSO認証 |
| 料金 | 月額料金+初期費用 詳細は問い合わせ |
| サポート | 平日9:00~17:30の電話・メール、Web会議 導入支援・仕訳連携設定はオプション |
| 提供会社 | 株式会社アイディーエス |
公式サイトURL https://www.ids-soft.co.jp/brand/courageux/product-overview/
WiMS/SaaS借入金管理システム

多様な資金調達と複数会社を一元管理
- 社債・CP・外貨借入まで管理
- 将来の借入を含め資金推移を予測
- 借入から決算仕訳まで会計連携
WiMS/SaaS借入金管理システムは、大企業・成長企業の借入金管理を支援するクラウドシステムです。銀行借入のほか、社債、コマーシャルペーパー、当座借越、シンジケートローン、外貨借入などを管理し、会社・拠点・借入先・資金使途など複数の切り口で集計できます。
特徴的なのが、現在の借入だけでなく将来予定している借入まで含めたシミュレーション機能です。利率変更によるキャッシュフローへの影響を確認できるほか、返済予定の自動作成、基準金利更新、前払・未払利息、長短振替、各種帳票にも対応します。
導入後は、複数会社に分散した借入情報をまとめ、返済・利息・決算仕訳まで一連の処理を標準化できます。会計システムへの仕訳連携によって二重入力を削減できるため、借入契約の管理本数や資金調達手段が多い企業ほど業務削減効果が大きくなります。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | 多様な資金調達手段や複数会社の 借入金を管理する大企業・成長企業 |
| 管理範囲 | 借入金、社債、CP、当座借越、 シンジケートローン、外貨借入など |
| 主な機能 | 契約管理、返済予定、金利更新、残高管理、 資金繰表、借入シミュレーション、決算帳票など |
| 会計・ERP連携 | 借入実行、返済、決算仕訳まで 一般会計システムへの仕訳連携に対応 |
| 内部統制 | 承認、入力締処理、ユーザー管理など |
| 料金 | 個別見積もり |
| サポート | 導入コンサルティング、 環境・システム設定、 運用後の継続支援 |
| 提供会社 | 株式会社ソリューション・アンド・テクノロジー |
公式サイトURL https://wims-saas.solty.co.jp/products/kariire.html
借入金管理システム(さくら情報システム)

借入・外貨・デリバティブを総合管理
- 外貨借入・社債・スワップまで対応
- 金利・為替変動をシミュレーション
- SAP・Oracleとの連携実績
さくら情報システムの借入金管理システムは、借入金とデリバティブ取引を総合的に管理する財務・経理向けパッケージです。長短借入金、当座借越、CP、社債、外貨借入に加え、金利スワップ、通貨スワップ、スワップションなど幅広い金融商品を扱えます。
特徴は、金融商品の管理とシミュレーションを同じシステムで処理できる点です。本番データを変更せず、将来の金利変動、為替変動、繰上償還などの影響を試算できます。月次の前払・未払処理、長短振替、外貨評価、仕訳用データ作成にも対応します。
導入後は、借入・返済・利払から決算処理まで同じ契約データを利用でき、複雑な金融商品の管理をExcelから切り離せます。SAP ERPやOracle E-Business Suiteなどとの連携実績もあり、大企業の財務業務と既存会計基盤をつなぐシステムとして利用できます。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | 外貨借入、社債、デリバティブなど 複数の金融商品を管理する企業 |
| 管理範囲 | 長短借入金、当座借越、CP、社債、 外貨借入、金利・通貨スワップなど |
| 主な機能 | 契約・異動管理、返済・利息計算、 月次・決算処理、仕訳、時系列分析、シミュレーションなど |
| 会計・ERP連携 | SAP ERP、Oracle E-Business Suiteなど 多数の会計システムとの連携実績 |
| 内部統制 | 問い合わせ |
| 料金 | 問い合わせ |
| サポート | 試行導入やカスタマイズを含め個別相談に対応 |
| 提供会社 | さくら情報システム株式会社 |
公式サイトURL https://www.sakura-is.co.jp/solution/ps-000-001.html
freee会計 借入金管理アプリ

freee会計で借入返済までまとめて管理
- 借入条件から完済まで自動計算
- 返済予定をfreee会計へ直接反映
- freee公式アプリとして無料提供
freee会計 借入金管理アプリは、複数金融機関からの借入残高と返済予定を管理するfreee公式アプリです。借入条件を登録すると、完済までの元金額と利息額を自動計算します。金融機関別の借入状況を確認しながら、freee会計での返済処理までつなげられます。
最大の特徴は、返済予定をfreee会計の取引や資金繰りに直接つなげられることです。完済までの返済予定取引を登録でき、資金繰りレポートにも長期借入金の返済予定を反映します。独立した財務システムではなく、freee会計を拡張する位置付けです。
導入後は、毎月返済額を確認して元金と利息を手入力する作業を減らせます。借入契約の管理から会計処理、資金繰り確認までfreee上で連続するため、すでにfreee会計を利用している企業では借入管理のExcelを切り離せます。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | freee会計を利用し、借入残高・返済予定 をシンプルに管理する企業 |
| 管理範囲 | 借入金 |
| 主な機能 | 借入契約、借入残高、返済予定、 元金・利息計算、返済取引登録、資金繰り反映 |
| 会計・ERP連携 | freee会計と直接連携 |
| 内部統制 | freee会計側の契約プラン・権限設定に準拠 |
| 料金 | 借入金管理アプリは無料 freee会計の利用料金は別途 |
| サポート | freeeの問い合わせ・ヘルプを利用 |
| 提供会社 | フリー株式会社 |
ICAROS-V 借入金管理システム

月額1,200円で返済予定をシンプル管理
- 初期費用0円・月額1,200円
- 金融機関別の返済予定を一覧化
- 提出用一覧で他行名を非表示
ICAROS-V 借入金管理システムは、複数金融機関からの借入状況と返済予定をWeb上で管理するサービスです。返済約定表の情報を登録すれば、金融機関ごとの返済予定を一覧で確認できます。複雑な財務機能を持たず、借入情報の管理に機能を絞っています。
特徴は、金融機関への提出まで考えたシンプルな帳票機能です。借入・返済状況をExcel形式で出力できるほか、提出先以外の金融機関名を伏せた一覧も作成できます。登録項目も絞られており、借入台帳として必要な情報を簡潔に管理する設計です。
導入後は、Excelで金融機関ごとに返済予定を更新する作業をシステムへ移行できます。今後の返済額を一覧で確認できるため資金繰りの補足情報にもなります。高度な会計連携より、低コストで借入残高と返済予定を管理することを優先する企業の選択肢です。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | 借入残高と返済予定を低コストで管理する企業 |
| 管理範囲 | 借入金 |
| 主な機能 | 借入情報登録、借入状況・返済予定一覧、 Excel出力、他行名非表示 |
| 会計・ERP連携 | 公式サイトに会計・ERP連携の記載なし |
| 内部統制 | データ暗号化、システム運営サーバーへのアクセス制限 |
| 料金 | 初期費用0円 月額1,200円(税別) ※申込初月無料 |
| サポート | 利用開始・解約は紹介金融機関を通じて手続き |
| 提供会社 | 竹橋経営コンサルティング |
公式サイトURL https://kariirekin.com/
HUE Treasury

大企業の資金・財務業務をまとめて統合
- 借入・貸付・金融商品を一元管理
- 資金繰りから決算仕訳まで連携
- キャッシュプーリングを標準搭載
HUE Treasuryは、ワークスアプリケーションズが提供する大手企業向け資金・財務管理システムです。借入金と貸付金だけでなく、預金、有価証券、デリバティブ、資金繰りなど財務部門が扱う情報を統合し、企業単体からグループ全体まで管理できます。
特徴は、借入・貸付管理を財務部門全体の資金管理へ広げられることです。資金繰り予実管理、金融機関別の残高・平残・利回り分析、キャッシュプーリング、ペイメントファクトリーを標準機能で扱い、ERPや会計システムへの仕訳連携にも対応します。
導入後は、銀行口座、金融取引、資金繰り、グループ会社から集めていたデータを一つの基盤へ集約できます。ワークフロー、業務ログ、入力・閲覧権限も備えているため、資金効率の改善と財務部門のガバナンス強化を一つのシステムで進められます。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | 借入・貸付を含め、グループ全体の 資金・財務管理を統合する大企業 |
| 管理範囲 | 借入金、貸付金、預金、有価証券、 デリバティブ、資金繰り、グループ資金など |
| 主な機能 | 資金繰り予実管理、金融取引管理、 残高・平残・利回り分析、キャッシュプーリングなど |
| 会計・ERP連携 | 銀行取引情報、ERP、会計システムとの連携、仕訳連携に対応 |
| 内部統制 | ワークフロー、業務ログ、入力・閲覧権限、財務リスク管理 |
| 料金 | 問い合わせ |
| サポート | 製品問い合わせ・導入相談に対応 |
| 提供会社 | 株式会社ワークスアプリケーションズ |
Ci*X Treasury

グループ資金を可視化し集中管理するTMS
- 貸借・口座・金融商品まで統合
- インターカンパニーローン対応
- 必要な機能から段階導入できる
Ci*X Treasuryは、電通総研が提供するグループ資金管理システムです。資金繰り、口座残高、貸借、金融商品、有価証券、為替などを一つの基盤で管理し、企業グループ全体の資金をリアルタイムで可視化します。2025年6月に提供を開始した資金管理製品です。
特徴は、グループ会社間の貸借と資金集中に関する機能が充実している点です。帳簿貸借、貸借利息計算、ネッティング、インターカンパニーローンに加え、口座残高、為替ポジション、金融商品、有価証券まで管理できます。必要な機能だけを選択するライセンス体系です。
導入後は、各グループ会社や銀行に分散していた資金情報を集め、資金の配置と将来リスクを同じデータから確認できます。きめ細かな権限管理やワークフローも備えているため、グループの資金効率向上と財務ガバナンスの強化を同時に進められます。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | 複数のグループ会社を持ち、 資金集中と財務ガバナンスを強化する大企業 |
| 管理範囲 | 貸借、資金繰り、口座残高、金融商品、 有価証券、為替、グループ資金など |
| 主な機能 | 資金繰り予測、口座残高、貸借利息、 ネッティング、インターカンパニーローン、為替・金融商品管理など |
| 会計・ERP連携 | Ci*X Journalizerによるマスタ・データ連携などに対応 |
| 内部統制 | 詳細な権限管理、ワークフロー、資金集中管理 |
| 料金 | 問い合わせ |
| サポート | 環境構築・運用を一体提供するCi*X PASも選択可能 |
| 提供会社 | 株式会社電通総研 |
McFIT-21

グループの借入・貸付・資金を一元管理
- グループ会社間の預貸を一括管理
- プーリングで余剰資金を有効活用
- 決済から会計まで一つの基盤で管理
McFIT-21は、グループ会社への資金の預貸、金融機関からの借入、余剰資金の運用、口座残高、日々の決済まで一元管理します。借入金・貸付金を個別に管理するだけでなく、グループ全体の資金をまとめて管理する製品です。
特徴は、約定管理から資金決済、会計まで同じシステム上で処理できることです。元利・利息の再計算、利率更改、償還スケジュール、残高証明書などに加え、プーリング、総合口座管理、全銀データ送受信、総勘定元帳などにも対応します。SAPなど外部会計システムへの仕訳連携もオプションで追加できます。
導入後は、グループ各社の借入・貸付・口座情報を集約し、余剰資金と不足資金をグループ内で調整できます。金融機関からの借入とグループ会社間の資金貸借、振込・振替、入出金、会計処理が分断されません。資金の集中管理と財務・経理業務の効率化を同時に進められる点が大きなメリットです。
| 項目 | 内容 |
| おすすめの企業 | グループ会社間の資金貸借と金融機関から の借入をまとめて管理し、資金集中まで行う企業 |
| 管理範囲 | 借入金、貸付金、口座残高、 余剰資金運用、資金繰り、グループ資金など |
| 主な機能 | 約定管理、元利・利息計算、利率更改、 償還スケジュール、プーリング、 総合口座管理、収支管理、FB管理、一般会計管理など |
| 会計・ERP連携 | システム内の一般会計管理に対応。 外部会計への仕訳連携はオプションで、SAPなどの実績あり |
| 内部統制 | 出金承認、自動・個別収支承認、 入金承認、振替承認などに対応 |
| 料金 | 問い合わせ |
| サポート | McFIT-21の詳細なサポート条件は要問い合わせ。 提供会社ではシステムサポート・保守事業を実施 |
| 提供会社 | 株式会社アッドワン |
Excelから借入金・貸付金管理システムへ移行する流れと注意点
Excelから借入金・貸付金管理システムへ移行する際は、単に既存データを取り込むだけでは不十分です。管理項目の整理、データ精査、会計連携、権限設定、運用ルールまで事前に決めることが重要です。ここを曖昧にすると、新しいシステムを導入してもExcelとの二重管理が残ります。
1. 現在のExcelと管理項目を棚卸しする
最初に、借入金・貸付金の管理に使っているExcelファイルと項目をすべて洗い出します。借入先・貸付先、契約番号、借入額、金利、返済日、返済方法、残高、担保、資金使途など、現在管理している情報を一覧化します。
部署や担当者ごとに別ファイルを持っている場合は、同じ項目でも名称や入力方法が異なることがあります。どの情報を新システムへ移行するかを、この段階で統一します。
2. マスタと既存データを整理する
次に、金融機関名、取引先名、勘定科目、契約区分などのマスタを整理します。同じ金融機関が略称と正式名称で登録されている場合や、契約番号の付け方が担当者ごとに異なる場合は、移行前に統一します。
過去の完済契約や不要なデータまで無条件に取り込む必要はありません。現在の残高や今後の返済・回収に必要なデータを基準に移行範囲を決めることで、新システムのデータ品質を保てます。
3. 会計連携と仕訳ルールを決める
借入実行、返済、利払い、長短振替、未払利息などについて、どのタイミングでどの仕訳を作成するかを整理します。会計システムへ連携する場合は、勘定科目、補助科目、部門、取引先などのコード体系も確認が必要です。
システム間でコードが一致していないと、導入後も手作業による修正が残ります。借入金管理システムと会計システムのデータ項目を事前に対応付けることが重要です。
4. 利用者・権限・承認フローを設定する
複数の担当者で利用する場合は、誰が登録し、誰が承認し、誰が閲覧できるのかを明確にします。特にグループ会社を含めて管理する場合は、法人ごとの閲覧範囲と本社側の権限を分ける必要があります。
- 契約情報を登録できる担当者
- 変更・削除を承認する責任者
- グループ全体を閲覧できる管理者
- 会計・監査部門の閲覧権限
- 退職・異動時の権限変更ルール
権限設定は導入後ではなく、本稼働前に確定させます。内部統制や監査対応にも直結するためです。
5. Excelとシステムを並行運用して数値を照合する
本稼働前には、一定期間Excelと新システムを並行して運用します。借入残高だけでなく、返済予定、利息、仕訳、月次・決算帳票まで照合します。
特に金利変更、繰上返済、元金据置、外貨借入などは計算条件によって差が出るため、通常の契約とは分けて確認します。残高だけが一致していても、利息や仕訳が違えば移行完了とは判断できません。
6. 本稼働後の運用ルールを社内で統一する
システム稼働後は、契約登録、変更、承認、返済実績の更新、証憑保存などのルールを社内で統一します。Excelへの追加入力を認めると、再び情報が分散します。
担当者の異動や退職があっても同じ手順で運用できるよう、入力ルールや月次確認の担当範囲を文書化します。システム導入の目的はExcelを置き換えることではなく、借入金・貸付金管理を属人化させない運用へ変えることです。
移行前には、次の項目を確認しておきます。
- 現在使っているExcelと管理項目をすべて洗い出している
- 金融機関・契約・勘定科目などのマスタを統一している
- 会計連携と仕訳ルールを決めている
- 利用者ごとの権限と承認フローを設定している
- 本稼働後はExcelへ戻さない運用ルールを決めている
借入金・貸付金管理システムに関するよくある質問
借入金・貸付金管理システムを比較する際は、Excel管理を続けるべきか、借入金と貸付金を同じシステムで管理するべきかなど、導入前に判断が必要な点があります。ここでは、選定時に確認されることが多い疑問を整理します。
Excelで借入金を管理し続けても問題ない?
借入契約が少なく、担当者も限られている場合は、Excelでも管理できます。一方、契約数や金融機関が増え、返済予定、利息計算、仕訳、決算資料を複数のファイルで管理している場合は、システム化が必要です。
特に、担当者ごとに管理方法が異なる、更新漏れや計算ミスが発生している、監査時に履歴を確認できないといった状態は、Excel管理を見直す明確なサインです。
借入金と貸付金は同じシステムで管理したほうがよい?
グループ会社や関係会社への貸付が継続的に発生する企業は、借入金と貸付金を同じシステムで管理するべきです。返済予定と回収予定、借入残高と貸付残高をまとめて確認できるため、資金状況を一つのデータで把握できます。
一方、貸付がほとんどなく、金融機関からの借入だけを管理する企業では、借入金管理特化型で十分です。管理対象に貸付金が含まれるかどうかが、タイプを分ける基本条件になります。
既存の会計システムやERPと連携できる?
多くの借入金・貸付金管理システムは、CSV出力や仕訳データ作成などを通じて会計システムとの連携に対応しています。製品によってはAPI連携や特定のERPとの連携実績もあります。
ただし、「会計連携に対応」という表記だけでは判断できません。借入実行、返済、利払い、長短振替、未払利息など、自社で必要な仕訳まで連携できるかを確認する必要があります。個別開発が必要な場合は、導入費用にも影響します。
クラウド型とオンプレミス型はどちらを選ぶ?
標準機能を中心に利用し、サーバー管理の負担を減らす場合はクラウド型が基本です。環境構築や保守をベンダー側で行うため、自社でインフラを管理する必要がありません。
一方、既存の基幹システムと複雑な連携が必要な企業や、独自のセキュリティ要件・カスタマイズ要件がある場合は、オンプレミス型も検討します。
| 比較項目 | クラウド型 | オンプレミス型 |
| 初期構築 | サーバー構築の負担が少ない | 自社環境への構築が必要 |
| 保守 | ベンダー側で対応する範囲が広い | 自社または委託先で管理 |
| カスタマイズ | 製品仕様の範囲内が中心 | 個別要件へ対応できる製品が多い |
| システム連携 | 標準連携やAPIを中心に確認 | 個別連携を組み込みやすい構成もある |
| 選定基準 | 運用負担と標準化を重視 | 独自要件と既存環境への対応を重視 |
最終的には、導入形態だけで決めるのではなく、必要な機能、会計連携、セキュリティ、カスタマイズの条件を満たすかで判断します。
まとめ
借入金・貸付金管理システムは、管理範囲に合ったタイプを選び、その中で自動化できる業務、会計・ERP連携、内部統制、費用を比較することが重要です。
借入金だけなら借入金管理特化型、貸付金まで一元管理するなら借入金・貸付金管理型、資金繰りやグループ資金まで管理するなら資金管理型を選びます。
Excel管理に限界を感じている場合は、現在の業務と必要な管理範囲を整理したうえで、自社の条件を満たすシステムへ移行するのが基本です。



