不動産管理システムとは?機能・料金・導入メリットとおすすめサービス一覧

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不動産物件管理システムとは|基本機能/仕組み/種類

不動産物件管理システムとは、不動産会社が扱う賃貸・物件管理・売買・顧客に関する情報を一元管理するツールです。各業務をサポートする豊富な機能が備わっていて、人手不足や集客率、ヒューマンエラーなどの課題解決に役立ちます。

今回は、不動産物件管理システムの基本機能と導入のメリット、事例、注目される背景、自社に合うシステムを選ぶポイントを紹介します。

物件管理システムの基本機能

不動産物件管理システムには、「物件情報管理」「賃貸管理」「不動産売買」「売上管理」「仲介業務管理」という5つの基本機能があります。それぞれの概要は以下の通りです。

  • 物件情報管理:物件や入居者の情報を管理する機能
  • 賃貸管理:賃貸物件の管理に関する機能
  • 不動産売買:マンションや戸建ての売買に関する機能
  • マンション売上管理:マンションの売買で発生する売上管理の機能
  • 仲介業務管理:不動産売買や、賃貸契約の仲介に関する機能

各機能の詳細は後述します。

物件管理システムの2つの種類

不動産物件管理システムは「クラウド型」と「オンプレミス型」の2種類です。現在のトレンドはクラウド型で、多くの不動産管理システムが利用しています。

<クラウド型>

各種情報をクラウド上で保存・管理します。自社サーバーが不要なため、初期費用が安価で導入までの日数も短いです。

<オンプレミス型>

「オンプレ型」とも呼ばれ、自社サーバーを必要とするタイプです。サーバーの構築が必要なため初期費用は高価ですが、システムの扱い方やセキュリティ面が優れています。

種類自社サーバー初期費用セキュリティ
クラウド型不要安価クラウドセキュリティが求められる
オンプレミス型必要高価強固なセキュリティ環境を構築できる

賃貸管理システムとの違い

同じ不動産業で扱うシステムに、賃貸管理システムがあります。賃貸管理システムは、自社が管理している賃貸物件に関する情報を一元管理し、入居者募集から退去までの業務を効率化できるシステムです。

それに対し物件管理システムは、賃貸・物件管理・売買・顧客情報と、不動産業務全般をフォローするシステムです。賃貸・不動産売買の両方を扱う不動産会社に適しています。

不動産物件管理システムの主な5機能

前述したように、不動産物件管理システムの主要機能は「物件情報管理」「賃貸管理」「不動産売買管理」「マンション売上管理」「仲介業務管理」の5つです。ここでは各機能の詳細を見ていきましょう。

物件情報管理

物件管理機能とは、扱う物件の詳細情報や居住者に関する情報、居住所へ渡す文書、成約状況などを管理する機能です。物件に関する情報は、賃貸物件の入居希望者や物件の購入希望者が閲覧するため、正確な内容の把握が欠かせません。

不動産会社で扱う物件数は非常に多く、紙やExcelだと管理が困難ですが、物件管理システムであれば本機能によってスムーズに管理できます。必要な情報を検索すると瞬時に表示されるため、作業効率も向上するでしょう。

賃貸管理

物件登録から入居者募集、契約、物件の管理、退去まで、賃貸物件に関わる業務をサポートする機能です。物件登録ではワンクリックで複数の不動産ポータルサイトへ登録できるため、一件ずつの入力よりも所要時間が短縮されます。

その他、契約や更新に関する各種書類の自動生成、物件や入居者に関する情報の管理など、各業務に役立つ機能が豊富です。

不動産売買管理

不動産売買管理は、マンションや戸建ての売買に関する情報を管理する機能です。扱う物件に関する情報や見込み客へのメール・DM配信、売り主への営業報告に加え、出稿した広告の分析や画像・証明書などの各種ファイルの社内共有などを行えます。

また、不動産売買では物件・売り手・買い手と、扱う情報が多岐にわたります。どれも大切な情報であり、紛失・流出は避けなければなりません。不動産管理システムであればデータは暗号化され、ログも保存されているため、セキュリティ面で安心です。

マンション売上管理

マンション売上管理は、ディベロッパーが扱うマンションの販売・管理における工程で発生する売り上げを管理する機能です。土地の購入・企画・販売・引渡しと、マンション開発における一連の業務を管理します。

仲介業務管理

仲介業務管理とは、不動産売買や賃貸契約における仲介業務をサポートする機能です。物件の不動産ポータルへの登録、広告・販売、契約内容の調整、各種書類の作成、物件の引渡しなど、仲介業務全般に役立つ機能があります。

不動産物件管理システムが解決に導く課題/導入メリット

不動産物件管理システムが多くの企業で導入されているのは、それだけのメリットがあるからです。ここでは物件管理システムの導入で解決できる課題と、導入メリットを紹介します。

人手不足 – 限られた人員でもスムーズに動ける

※出典:エン・ジャパン – 2022年「企業の人材不足」実態調査

少子高齢化が進む日本では、人手不足が問題になっています。不動産業界も例外ではなく、必要な人材が足りていない、後継者が見つからない企業も多く見られます。

2022年6月にエン・ジャパンが行った『2022年「企業の人材不足」実態調査』の設問「現在、貴社では人材が不足している部門はありますか?」の結果を見ると、不動産・建築関連で「ある」と回答した企業は81%という数値でした。

限られた人員で働くには、業務効率の向上が必須です。人手不足に悩む不動産会社が物件管理システムを導入すると、賃貸・物件管理・売買・顧客情報といった業務全般に役立つ機能が利用できるため、少ない人員でもスムーズに動けるでしょう。

集客/契約率 – 物件情報がより多くのユーザーの目に留まる

物件情報を自社ホームページに掲載しても集客率が芳しくなく、契約に至らないことに頭を抱える不動産会社も少なくありません。また、不動産ポータルへの投稿は一件ずつ行うと膨大な時間がかかり、掲載までに時間がかかります。

物件管理システムを利用すると、不動産ポータルへの一括掲載が可能です。入力補助機能があるシステムも多く、郵便番号からの住所入力や入力ミスの検知によって、よりスピーディーに、ミスのない投稿が実現します。

自社ホームページや不動産ポータルへの掲載スピードが上がると、入居希望者や買い主の目に留まりやすくなり、契約獲得率向上が期待できるでしょう。

また、検索エンジンに最適化した物件管理システムであれば、ホームページの検索順位を上げる施策を行えます。

ヒューマンエラー – 一元管理によってミスを防止できる

不動産会社では扱う物件数が多く、物件情報の更新時に打ち間違えをするリスクがあります。その他、Excelで管理している場合はファイルの紛失、更新時期の失念による案内忘れといった、さまざまなヒューマンエラーが起こりがちです。

物件管理システムは、不動産ポータルへの投稿時に入力補助機能がミスを指摘してくれるため、打ち間違えのリスクを軽減できます。

また、業務に関する情報はサーバー上に一元管理されるので、Excelのようにファイルを紛失する恐れがありません。更新時期が近い入居者の自動検出・通知機能によって、更新案内の漏れも防げます。

不動産物件管理システムの導入事例

不動産物件管理システムの導入を検討している際は、すでに利用している企業の声も参考になります。ここでは物件管理システムの導入事例を2つ紹介します。

導入事例 – 不動産管理の属人化からの脱却に成功

※出典:@Property – 導入事例「株式会社ヨックモックホールディングス

「ヨックモックグループ」は、洋菓子の製造・販売以外に不動産賃貸管理事業も行っていて、都内にある3棟の商業用不動産の運営・管理をしています。

しかし、同社のメイン事業は洋菓子の製造・販売であるため、不動産事業にかけられる人員・コストは限られています。元々は2名ほどの社員が携わっていましたが、1名での運用が続くこともあり、不動産事業に関する情報や業務内容は担当者しか把握していない状況でした。

同社は不動産事業の管理体制の見直しとともに、情報の一元化のために物件管理システムを導入をしました。導入後は各種情報をスピーディーに把握できるようになり、業務効率が改善しています。複数アカウントの発行により、担当者以外も情報が閲覧できるようになったことで、緊急時の対応もスムーズになりました。

導入事例 – 従来のシステム構築と比較して約3分の2のコストに

「日本生命保険相互会社」はシステム構築にかかる費用の抑制と、社内外システムと連携した業務の効率化を目指すため、物件管理システムを導入しました。

導入後は、会社・部署間の業務連携による新たな業務フローの確立により、業務効率が改善しています。また、従来の自社開発によるシステム構築費と比較して、約3分の2のコストに抑えられました。

不動産物件管理システム│注目される背景/トレンド

ここまで見てきたように、不動産物件管理システムは業務効率の向上に役立つ機能が多く、導入のメリットが豊富です。そのため、多くの企業が導入を進めていますが、その背景には補助金制度も関係しています。ここでは物件管理システムの普及率と、注目される背景を紹介します。

高い普及率 – 5割以上の店舗で導入済み

※出典:株式会社スペースリー「不動産業界のDX推進状況調査

2022年8月、株式会社スペースリーによって「不動産業界のDX推進状況調査」が行われました。各DXサービスの利用状況に関する設問では、52.3%が賃貸管理(不動産基幹ソフト)システムを「導入している・導入進行中」と回答しています。

これまで、不動産業界はアナログな手法が主流で、DXの浸透が遅れていました。しかし、コロナ禍や書面電子化の実現などにより、DXを活用する企業は増加しています。本調査で賃貸管理システムを「導入している・進行中」と回答した人が5割を超えていることが、不動産業界におけるDXの浸透を表しているでしょう。

不動産テックサービス – 1年間の傾向

2022年8月、一般社団法人不動産テック協会は「不動産テック カオスマップ第8版」を発表※しています。主な内容は次の通りです。

<不動産テックサービス1年間の傾向>

  • コロナ禍によってVR・ARが増加
  • 働き方の変化に応じ、スペースシェアリングが大幅に増加
  • 価格可視化・査定はプレイヤーが減少した一方、BtoBに向けたAPI提供企業が増加
  • 業務支援は大手企業も参入、機能追加、サービス間の機能連携が加速

不動産テック、つまり「不動産×テクノロジー」の分野でも、業務支援サービスの注目度が高まっています。

※出典:一般社団法人不動産テック協会「不動産テック カオスマップ第8版

IT導入補助金 – 制度の拡大、対象額は最大2年分まで引き上げ

不動産物件管理システムの導入には「IT導入補助金2022」が使えます。今年度「デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)」に名称が変更され、サービス利用料の対象額は最大1年分から2年分まで引き上げられるなど、補助の範囲が広がりました。

<対象になるもの>

  • 不動産物件管理システム
  • 予約システム
  • 電子カルテ
  • POSレジ本体機器
  • POSレジ周辺機器
  • バーコードリーダー
  • Wi-Fiルーター
  • 配送設置費
  • クラウド利用料 など

制度について、詳しくは公式ホームページをご確認ください。

不動産物件管理システムを選ぶポイント

不動産物件管理システムは複数の製品があるため、その中から自社に合うものを選ぶ必要があります。選び方に迷った時は、機能や操作性、サポート体制を重視するとよいでしょう。ここでは物件管理システムを選ぶ際の3つのポイントを紹介します。

自社の求める機能は備わっているか

不動産物件管理システムは機能が豊富ですが、使わない機能が多いと使い勝手が悪くなる恐れがあります。トータルサポートのシステムがある一方で、なかには賃貸管理や仲介業務に特化したものもあるため、自社の業務内容に適した製品を見つけることが大事です。

操作は簡単か

物件管理システムを選ぶ際は、作業効率を左右する操作性も重要なポイントです。自社で働くスタッフの中にはIT関係が苦手な人や、入社したてで不動産業界に関する知識が浅い人もいるでしょう。そのような人でも迷うことなく操作できるシステムが理想です。

なお、操作性を確認したい時は無料トライアルを利用し、実際の画面や操作のしやすさを試してみる方法もあります。

サポート体制は万全か

不動産物件管理システムの導入直後は、操作方法が分からず業務が滞ることが考えられます。また、システムエラーやメンテナンスなどもあるでしょう。

そのような時を想定して、物件管理システムを選ぶ際はサポート体制も確認したいところです。確認する際は、サポート方法は電話・メール・対面なのか、費用はかかるのか、対応時間は決まっているのかなど、詳細も忘れずにチェックしましょう。

不動産物件管理システムで業務の効率化を図ろう

不動産業務全般をフォローする物件管理システムは、賃貸・不動産売買を扱う不動産会社に欠かせないツールと言えます。不動産テックへの注目、DXの浸透なども踏まえると、今後も多くの企業が物件管理システムを導入するでしょう。業務効率の改善を目指している企業は、この機会に物件管理システムの導入を検討してはいかがでしょうか。