ゴーストキッチンとは|コロナ禍の成長市場・大手も参入の低資金開業・メリット・サービス5選・注意点

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ゴーストキッチンとは

ゴーストキッチンとは実店舗を保有せず複数のレストランが調理環境で共同利用し、デリバリー特化の無店舗型のビジネスモデルを指します。(別名ゴーストレストラン

コロナウイルスの感染が拡大するなかで、デリバリーサービステイクアウトといった中食需要は増加し、多くの飲食店でも利用されているでしょう。

今回は実店舗を持たず売上をあげていることで注目されているゴーストキッチンについて、仕組みや市場トレンドを踏まえ店舗開業の大手事例・メリット・デメリット(注意点)を解説してきます。

また後半ではゴーストキッチン開業におすすめのクラウドキッチンサービスについても紹介していきます。

ゴーストキッチンの仕組み・ビジネスモデル

ゴーストキッチンは上記のように、実店舗をもたずデリバリー販売のみを軸としているのが仕組みの特徴です。また1人での開業だけでなく、複数の料理人や店舗オーナーがレンタルキッチンをシェアすることでコストを抑えて開業ができます。

また顧客側はデリバリーアプリを利用し、注文から決済までをスマホで完結します。近年増加している事前スマホ注文フードデリバリーサービスを活用した無店舗型の運営手法といえます。

ゴーストキッチン・クラウドキッチンの違い・種類

両社の特徴としてはデリバリー販売に特化し実店舗を持たないのが共通点ですが、区分けをすると次のようになります。

  • ゴーストキッチン:無店舗型の総称(デリバリー専業)
  • シェア・クラウドキッチン:場所をレンタル・シェアする店舗形態

ゴーストキッチンから派生したシェアリング型の店舗運営がクラウドキッチンといえます。

シェア・クラウドキッチンの詳細やサービスについてはこちらの記事で紹介しています。

コロナ禍で急成長、ゴーストキッチン・デリバリーの市場動向

全世界では1兆ドル市場へ、急成長するゴーストキッチン

アメリカでの新型コロナウイルスによるパンデミックは、多くの飲食店にダメージを与えています。そうした中でデリバリーやテイクアウトといった無店舗型レストラン市場は大きく拡大しています。

市場調査会社『ユーロモニター』のリサーチャーであるマイケル・シェイファー氏は、2030年までにゴーストレストラン市場は1兆ドル(約103兆円)規模に成長すると推測しています。

店内の25%・テイクアウトは50%をリプレイス予測

またシェイファー氏は世界規模でのデリバリー売上は2014年~2019年の間で2倍に成長したと伝えており、店内飲食の25%・テイクアウトの50%をゴーストキッチンがリプレイスする可能性があると予想しています。

国内も追い風 – 無店舗型レストランの検索トレンド・資金調達企業

こうしたトレンドは日本国内でも上昇傾向にあり、デリバリーやゴーストレストランに関する検索数は1年で300%と大きく増加。コロナ禍の店舗戦略として注目度の高さがうかがえます。

海外でのゴーストキッチン企業への投資・資金調達も活発となっており、Uber創業者が率いるクラウドキッチンズは日本円で約420億の大型調達を実施しています。

国内でも2019年頃からゴーストレストラン関連のスタートアップ企業が増えはじめ、吉野家ホールディングスでは「軒先レストラン」の共同運営を行うなど大手外食チェーンも参入しています。

大手も参入するゴーストキッチン・開業事例

無店舗型カレー店 6curry

  • 運営会社:株式会社シックスカレー
  • 所在地:東京都渋谷区恵比寿3-42-13 シャトレヨシムラ1F

日本国内ではじめてゴーストレストランとして開業したといわれいるのが、6curryです。独自のキッチンを持たずにレストランの一部を間借りして出店スタートをしています。

デリバリーの大手UberEatsの専門店として東京でスタートし、メニューは野菜がとれるように工夫され女性から支持をえています。

TVでも話題沸騰 – 究極のブロッコリーと鶏むね肉

  • 運営会社:株式会社DORAYAKI
  • 店舗所在地:渋谷・五反田・恵比寿など

TVにも運営者が出演し有名になったのが、ブロッコリーと鶏むね肉のみのメニューを提供するQBTです。

「ストイックな低糖質食を誰もが継続して食べられるように」をコンセプトとして、メニューは1つながら味・栄養素が追求されています。

こちらも自店舗をもたずに運営しており、軒先物件を紹介しているNOKISAKIを活用してレストラン開業を目指すオーナーの募集もおこなっています。

シェアキッチンフランチャイズ – CRISPY CHICKEN n’ TOMATO

  • 運営会社:株式会社E-MATE
  • 店舗所在地:東京を中心に170店舗

少し変わった事例として紹介するのがCRISPY CHICKEN n’ TOMATOです。オンライン販売に特化したフランチャイズサービスを提供しており、開業ノウハウ・メニューも簡単につくることができます。

CRISPY CHICKEN n’ TOMATOのフランチャイズシステムの優れた特徴は、シェアリングブランドという考え方です。他社や個人営業の飲食店が既存店舗の看板やメニューを変更することなく、新たなメニューやブランドが展開できます。

飲食店の方はこちら:https://crispychicken.jp/sharing/

5坪のキッチンに7業態営業で月商500万円 – ゴーストキッチンズ

シェアレストランサービスを提供している「ゴーストキッチンズ」では、5坪の雑居ビルで7つの業態が飲食店を営業し、500万円/月の売上をあげています。

7業態すべてで一貫した”地域の台所”をコンセプトとして、コンビニをベンチマークとしながらも、コンビニには出せない無添加・無化調理を意識し手作りのおいしさを追求しています。

参考:https://food-stadium.com/feature/27782/

ゴーストキッチン参入の大手外食企業事例

初期コストを抑えて開業ができるメリットがあるゴーストキッチンですが、イタリアチェーンを展開するカプリチョーザが参入をはじめ、大手居酒屋チェーンのワタミも客足減少に伴い店舗閉鎖が相次ぐなか、100店舗以上の開店を目指すと発表しています。

また大手外食企業がゴーストレストランを支援する取り組みもはじまっています。シェアキッチンサービス「軒先レストラン」は吉野家ホールディングスと株式会社軒先が共同運営し、利用促進をめざしています。

ゴーストキッチン独立開業の4つのメリット・料金相場

(1)低コスト開業のゴーストキッチン – 初期費用・料金目安

レストランや飲食店を構えるためには家賃・内装費用・インフラ・厨房設備など、初期コストは1,000万円を超えるといわれています。

立地によっても異なりますが、基本的に物件価格は人通りの多いエリアが高くなり競合店舗も多くなります。

初期費用月額制時間制契約期間手数料
50万~200万円1万~10万円/月1,000円~2万円/時間1~6ヶ月売上×~10%

しかしシェア・クラウドキッチンの場合は上記のように低コストで、独立開業が可能なため初期コストをおさえてスタートが可能です。

初期費用や手数料については運営サービス会社ごとで料金プランがことなるため、上記はあくまでも目安とお考えください。詳細は最後に紹介していく各社のHPより確認ができます。

(2)人件費・家賃など固定費の大幅削減

また実店舗を構える場合は、アルバイトスタッフの時給や月額家賃・光熱費などの固定費も発生しますが、大幅におさえて独立開業が可能です。

飲食業界は一般的には離職率が高いといわれており、見えないコストとして採用・研修といった人材育成のコストも発生しています。

ゴーストレストランなどシェアキッチンを活用した無人型で行う場合は、接客はなくはデリバリーで行うため固定費も削減ができます。

(3)デリバリーニーズによる販売チャネルの拡大

消費者の変化に合わせたサービス提供も、ビジネスを行ううえでは重要なポイントです。

上記で紹介したようにデリバリー・宅配に関する市場は拡大傾向にあり、これまで顧客化できていなかった中食需要もターゲットにできます。

完全な無人店舗型の飲食店だけでなく、実店舗を構える企業でも新たな販売戦略・マーケティングチャネルの1つになるでしょう。

(4)コミュニティでのスキル・ノウハウ共有

またこうしたシェアリングサービスのメリットとしては、コスト削減だけでなくノウハウの観点でもアドバンテージがあります。

近しい業者が同じ空間に集まるため、普段はライバルでもありますが貴重な仲間としてノウハウ共有・スキルアップも望めるでしょう。

新しいことを始める時は不明点や不安がつきものですが、コミュニティとしての機能も果しています。

ゴーストキッチンの4つの注意点・成功ポイント

しかし開業コストが抑えられる一方で注意点もいくつかあります。ポイントを押させて成功するお店作りの意識が重要です。

(1)利益圧迫のコスト構造・大手デリバリーサイトの手数料一覧

店舗デジタル化の”今”を伝えるWEBマガジン『DIG-IN』をもとに作成

初期費用を抑えた独立開業がゴーストキッチンの特徴ですが、フードデリバリーサイトの料金体系は手数料型のため売上×%が発生費用です。

大手チェーンが利用の場合はボリュームディスカウントなど、手数料が引き下がる場合もありますが小規模店舗には難しい交渉といえます。

サービス名初期費用手数料
Uber Eats5万円(現在無料)売上×35%
出前館2万円(現在無料)サービス利用料:商品代金×10%
配達サービス料:商品代金×30%
menu無料売上×34%
LINEデリマ4.8万円売上×40%

初期費用は無料のデリバリーサービスが多いですが、手数料は約30%前後となっています。デリバリープラットフォーム上では大手とは戦わない、独自のメニュー戦略やターゲティングも成長のポイントになるでしょう。

(2)東京や首都圏など限定的な開業エリア

またシェアレストランのような調理スペースのシェアサービスは、現時点では東京を中心とした首都圏での物件が多い状況です。

地方でのゴーストキッチン開業には、物件・仲間探しから始める必要があるかもしれません。

(3)プラットフォームで競合負けしない差別化・メニュー企画

またEC型モールと同様に集客はプラットフォームに依存してしまうため、他の出店企業に埋もれることも今後は考えられます。

そのため独自性のあるメニューの企画やコアファンをつくうSNS・webマーケティング戦略は差別化していくうえで重要となるでしょう。

(4)開業には飲食店営業の許可・食品衛生管理者資格が必要

飲食店の開業には実店舗でも同様ですが、下記の2つが必要となります。

シェアレストラン・キッチンサービスの場合は、飲食店営業の許可を取得している場合がほとんどですが、個人で物件探しを行い独立開業を検討の方は注意が必要です。

シェアキッチンの詳細はこちらの記事で解説しています。

飲食店の独立開業におすすめのゴーストキッチンサービス比較5選

それでは最後に独立開業におすすめのシェアキッチン・ゴーストレストランサービスを紹介していきます。

この記事では紹介しきれないサービスはこちらで紹介しています。

最短1ヶ月で開業 – Kitchen BASE

  • 運営会社:株式会社SENTOEN
  • 最短1ヶ月で開業できるクラウドキッチン
  • 低リスクでお店をオープン
  • デリバリーの集まるコミュニティ

Kichen BASEはデリバリーレストランを始めるための設備が整ったクラウドキッチンサービスです。業態に合わせて3つのプランを用意しており、同業者が同じ空間に集うコミュニティもポイントです。

詳細はこちら:https://kitchenbase.jp/

クラウド型キッチン Add Kitchen

  • 運営会社:株式会社アッドバディ
  • 飲食店運営のノウハウでサポート
  • Web・広告事業を通じたシナジー
  • デリバリーに特化したエリア選定

Add Kitchenは出店オーナーと売上・利益の最大化を目指すことをコンセプトにした、クラウド・シェアキッチンサービスです。

もともと自社でも店舗運営をおこなっており、ノウハウを提供しながら出店のサポートをしてくれます。またデリバリー特化のためエリアも選定基準を設けて出店しています。

詳細はこちら:https://addkitchen.jp/

独立型シェア・クラウドキッチン – DELICIOS FACTORY

  • 運営会社:株式会社フードテラス
  • 初期費用50万円からレストラン開業
  • 独立型シェアキッチン
  • 複数業態での出店も可能

DELICIOUS FACTORYは独立型のシェア・クラウドキッチンサービスです。出店の初期コストは50万円からスタートができ、スタッフ1人でも運営ができる収益性の高い店舗運営ができます。

詳細はこちら:https://delicious-factory.com/

フードデリバリー特化のシェアキッチン – BeChef

  • 運営会社:株式会社BeChef
  • 施設内に複数のキッチン完備
  • 販売促進・SNS運用もサポート
  • メニュー・ECサイト構築も支援

BeChefはフードデリバリー事業開始に特化した支援サービスです。シェアキッチンの貸し出しだけでなく、開業後に必要となるマーケティング・メニュー企画・オンラインサイト構築の領域まで支援してくれます。

詳細はこちら:https://bechef.jp/

X Kitchen(エックス・キッチン)

  • 運営会社:株式会社X Kitchen
  • 独自のフランチャイズノウハウ
  • 複数ブランドで独立開業を支援
  • 10万円からゴーストレストランを作れる

X Kitcheはゴーストレストランに特化したフランチャイズ展開を実施している、クラウドキッチンサービスです。独自のFC展開戦略で10万円以内から開業ができます。

コロナ時代の新たな無店舗型レストラン運営

Uber Eats・出前館などすごもり消費の需要喚起として拡大しているデリバリーサービス市場。実店舗を持たず売上を立てていく新たな飲食店開業は今後の注目トレンドといえます。

一方でシェアキッチンサービスは首都圏での利用スペースは多いものの、地方ではまだ普及しておらず出店エリアの課題はのこっています。

ゴーストキッチン市場への投資額も増加していくことで、今後のエリア拡大に期待しましょう。