O2Oマーケティングとは
O2Oとは「Online to Offline」をの略称で、Webサイトやアプリなどのオンラインで顧客との関わりを持ち、店舗やイベントなどオフラインへ顧客を促すマーケティング手法です。
例えば、アプリでのクーポン発行をして店舗への来店を促すことがあげられます。
店舗アプリの詳細はこちら。
O2Oマーケティングについて理解を深めたいというマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。今回はオムニチャネルの違いについて解説しながら、事例やおすすめのツールについて紹介していきます。
O2O・オムニチャネルの違い
O2Oと混同しやすい言葉に「オムニチャネル」があります。
O2Oがオンライン(Webサイト・アプリ)で顧客と関わりを持ち、オフライン(店舗・イベント)を促すことを言うことに対してオムニチャネルは、いくつかあるチャネルを連携して顧客に対してアプローチすることを言います。
様々なチャネルから流入するO2O
O2Oが顧客の来店などを誘導することが主な目的であり、顧客接点のチャネルが多岐に渡ります。
- 検索画面でのプロモーション広告
- TwitterなどのSNSで他の投稿者の口コミ
- アプリでのクーポン発行
- マールマガジンについているクーポン
流入チャネルが複雑に入り交じるオムニチャネル
オムニチャネルはO2Oの様にオンラインからオフラインだけでなくオフラインからオンラインへと双方向に促すことを指す場合があります。
またO2Oに限らず顧客との関わり多岐にわたり、駅のポスター、SNS、TVCMなども顧客との接点になります。また、TVCMでホームページでキャンペーンの詳細を公開して利用に繋げることもあるため、複雑になりやすいです。
そのため、オムニチャネルは顧客を囲い込むことが大きなメリットといえます。
オムニチャネルの詳細はこちら。
改めてO2Oが注目される背景
5年ほど前から注目されるO2Oマーケティングですが、改めて注目されるきっかけは何でしょうか?
それは、O2Oマーケティングで消費をする市場の規模が年々増加傾向にあるからとされています。その要因としては以下のことが考えられます。
(1)5年で4倍!急速なスマホ普及
スマホの普及率が2017年のデータでは75%を超えています。年々増加傾向にある中でスマートフォンを利用して情報収集をしている人も増加傾向にあります。
また、個人スマホ保有率は2011年時点では14.6%でしたが、2016年には56.8%と5年間で4倍までに上昇しています。
(2)利用者数7,500万人、拡大するSNS利用
2つ目はSNSの普及です。アプリで利用することも多いSNSは、スマホの普及と合わせて利用者が大きく増え、マーケティングチャネルとして無視できなくなってきています。
引用:ITC総研
ネットユーザー全体に占める利用率は74.7%に達することが見込まれており、今後もさらに利用者は増加していくことでしょう。
(3)モバイル時代の新たな購買モデル「ARASL(アラスル)」
これまで消費者の購買行動の概念として提唱されてきた「AIDMA(アイドマ)」の法則。現在では、モバイルの登場で大きく変化をしました。O2Oが大きく影響する現在で はARASL(アラスル)(野村綜合研究所が提唱しています。)と表現されています。
- (1)Attention:注目
スマートフォンのGPS機能などを活用してアプリより現在地に近い店舗の情報を取得。
- (2)Reach:送客
スマートフォンで地図が表示されることやナビゲーション機能を利用し、店舗まで来店。
- (3)Action:行動
サービスを利用、もしくは購買する。アプリで利用できるクーポンを利用して購買・サービスを受ける。
- (4)Share:共有
SNSや検索サイトに利用した時の状況を書き込む、受けたサービスの内容や、購入したものについて投稿。
- (5)Loyal:再利用
サービスが気に入るなどがあれば、再来店をする。
この消費行動の中で特徴的なのは、SNSなどで「共有」された情報を見た人たちの「注目」を集めることで、行ってみたいと思った人がさらに訪れると循環が生まれます。
O2Oマーケティングの5つの種類・手法
O2Oマーケティングでよく利用される方法を5つ挙げてみます。
クーポン・アプリ活用
アプリなどを利用して、クーポンを発行して実店舗へ誘導する方法です。現在では、SNS(LINE@やFacebook)でもクーポンの発行ができるだけでなく、発行するためのアプリも登場しています。
店舗アプリの詳細はこちら
ECサイト連携
顧客の利便性をあげる目的で、ECサイトで注文したものが店舗で受け取ることができることや、ポイントを実店舗とECサイトで利用できるようにすることが挙げられます。
GPS(位置情報)活用
スマートフォンの標準機能であるGPSを利用して、特定の場所に行くとクーポンが発行されるなど、位置情報を利用した方法です。
位置情報を活用したビーコンの詳細はこちら
SNS活用
TwitterやFacebookなどの投稿が活発にされている現在利用されています。顧客を巻き込んだコミュニケーションがサービスの利用に繋がることもあります。
SNS集客のコツはこちら
ゲーミフィケーション型
ポイントがつく店舗で実施されていたシステムと連動をさせる方法です。ゲーム感覚で来店を促します。ポイントに応じてランクを設定することで、ポイントを貯めるために利用を促す手法です。
O2Oサービス・アプリ9選
バーコードプロモーション(メーカー向け)
特徴
- 商品のバーコードとレシートを活用したキャンペーン
- 購買データの活用も可能
- 低コストでの運用
料金
- 価格:要確認(見積もり無料)
消費者が購入後に商品のバーコードとレシートを入力すると抽選ができるなどのキャンペーンが利用でき、その消費者のデータが得られるなどのメリットもあります。
詳細はこちら:https://r-n-i.jp/service/code/must-buy/
PCON(ピーコン)
特徴
- 位置情報と連動して情報を提供
- 最適なタイミングでの配信
- 顧客分析機能
料金
- 初期費用:単体店舗利用 ¥150,000
- 月額:¥5,000〜(利用個数によって変わります。)
詳細はこちら:https://pconbt.jp/
Giftee(ギフティ)
特徴
- メールやLINEを利用してギフト送付
- 個人間でも利用が簡単に
- ギフトを受け取った人は利用のためにお店に来店が必要
料金
- ギフトを購入するには100円〜
ギフトを受け取る方の登録は不要です。抽選でプレゼントなどにも活用ができま す。アプリもあります。
詳細はこちら:https://giftee.co/
GMOおみせアプリ
特徴
- ビーコンを利用したマーケティング
- スタンプラリーで複数のお店への来店を促進
- 顧客の来店状況もリアルタイムに把握
料金
- 要確認(資料請求は無料)
詳細はこちら:https://gmo-app.jp/
dodoポイント
特徴
- カードやスマホも利用しないでポイントを蓄積・管理
- LINE@との連携プランであれば、メッセージ配信も可能
- ポイントを付与するパターンを設計
料金
- LINE@連携 初期費用 ¥5,000
- 月額料金 ¥32,400
詳細はこちら:https://www.dodopoint.com/jp/
店舗アプリ
特徴
- システムを使って、店舗の公式アプリが作成
- コストの削減に繋がる
- キャンペーンで利用料がさらに安く
料金
- 初期費用 無料
- 月額料金 1店舗15,000円以下
詳細はこちら:http://tenpoapp.com/
Peatix (ピーティックス)(イベント向け)
特徴
- 会員350万への告知が可能参
- 加者とコミュニケーションが取れる機能
- チケットの販売や売上金の管理もお任せ
料金
- 初期登録料、月額使用料 無料
- 無料イベントの場合は無料
- 有料イベント(事前決済の場合) 販売手数料4.9%+99円
詳細はこちら:https://peatix.com/?lang=ja
Greeting Beacon
特徴
- 受付やイベント時の待ち時間を活用するプロモーションサービス。
- アーティストやアイドルのプロモーションに活用
- タイミングに応じたプロモーションを流せる
料金
- 要確認
詳細はこちら:http://greeting-beacon.yumemi.jp/
favy(飲食店向け)
特徴
- 利用者に検索をされるのを待つわけではなく、SNSでの情報発信
- 見込み客への配信
- 専門ライターが記事制作
料金
- ライト 7,000円
- ベーシック 15,000円
- プレミアム 30,000円〜
プランごとに受けられるサービスが違いますが、加入者が一番多いのがプレミアムです。
詳細はこちら:http://info.favy.jp/
O2Oマーケティング成功事例
ニトリ:POSデータ×アプリプッシュ
ニトリでは、ECサイトやPOSのデータを一元管理をし、そのデータを基にインター ネット広告の活用やアプリのプッシュ通知、メールを活用して店舗への集客、購買へと繋げるシステムを構築しています。
アプリでは、独自のサービス(手ぶらdeショッピング)の提供をしています。また、Googleのディスプレイ広告を利用することを中心として利用している。
DELISH KITCHEN:クーポン配信
レシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」を運営するエブリーは、カタリナ マーケティング ジャパン(以下、カタリナ)と業務提携し、カタリナが運営する「カタリナアプリ」を通してクーポンの発行を行っています。
エブリーは、1700万のユーザーへ付加価値を提供できることになり、カタリナは利用者が増えることを見込んでいます。
オンラインで動画を視聴しているユーザーをクーポンを発行した店舗へ誘導するO2Oマーケティングの事例です。
参考:https://markezine.jp/article/detail/30429
ヨドバシカメラ:ECポイントの実店舗利用
ヨドバシカメラは、ECサイトで購入した商品の受け取りを店舗でできるサービスを行っているだけでなく、ポイントもECサイトと実店舗で同様に利用が可能になっています。また、実店舗で商品を確認して、ECサイトで購入をすることができる利便性の高さが注目されたことがあります。
参考:https://japan.cnet.com/article/35029980/2/
” 点ではなく線”webとリアルを連携したブランド体験
O2Oマーケティングは、点として存在するECサイトと実店舗やアプリと実店舗を繋ぐことを基本としています。成功事例とあげられる無印良品は、ECサイトと実店舗だけでなく「MUJI Passport」(アプリ)の提供をはじめ、アプリのプッシュ機能を利用して良品週間の通知を行っています。
アプリでは、店舗情報や商品にまつわるコラムがあります。ブランドとして店舗や商品の情報を確認できるだけでなく、関連した情報を提供できるのも強みかもしれません。
スマホ時代の新たなデジタルマーケティング
スマホが普及をしたことにより、以前に比べると消費者についてのデータを集めることも容易になりました。データの分析をした上で、提案や訴求をしていくことが簡単になったとも言えます。
一方でオムニチャネル化していく過程で、顧客接点は複雑化しています。顧客がリピートしていくことを考えると、プロモーションシナリオは一連の流れを描き、購買行動に合わせたチャネル戦略を検討してみてはいかがでしょうか。