LINE公式アカウントとは?
LINE公式アカウントとは、企業や店舗などのビジネス用のLINEアカウントのことです。その企業や店舗の、まさに公式アカウントとして活用できるもので、友だち登録をしてくれたユーザーにクーポンやお知らせなどの配信ができます。
なお、以前はビジネス向けアカウント「LINE@」「LINEビジネスコネクト」などの複数のサービスがありましたが、2023年現在ではこれらはLINE公式アカウントに統一されています。
2種類のLINE公式アカウント
LINE公式アカウントには、LINE運営による審査があります。審査を受けなくてもLINE公式アカウントは作成・運用できますが、審査通過でより多くのことができるようになります。
審査を受けていない・通過していないアカウントが「未承認アカウント」、審査通過済みのアカウントが「認証済みアカウント」です。
未認証アカウント
審査を受けていない、もしくは審査を通過できなかったLINE公式アカウントが「未承認アカウント」です。基本機能は認証済みアカウントと変わりませんが、次のような違いがあります。
- アカウントに付くバッジの色がグレー
- サービス名や企業名での検索ができない
- 友だち追加広告を配信できない
- リサーチ機能の「自由形式」を利用できない など
「店舗やメルマガから友だち登録をしてもらえればいい」「リサーチ機能はあまり使う予定がない」という場合は未承認アカウントでも困らないでしょう。
大規模展開したい場合やリサーチ機能の「自由形式」で詳しいアンケート調査を実施したい場合は、審査を受け認証済みアカウントに切り替えることをおすすめします。
認証済みアカウント
審査を受け、通過したLINE公式アカウントが「認証済みアカウント」です。認証済みアカウントはアカウントに付くバッジが紺色になり、商品やサービス、企業名などでアカウントを検索することもできます。友だち追加広告の配信やリサーチ機能の自由形式も利用可能です。
商品やサービス、ブランドの知名度や信頼感アップ、質問項目を自由に設定したアンケートを実施できるなどのメリットがあります。
LINE公式アカウントの主な機能
LINE公式アカウントでは何ができるのか、主な機能を紹介します。
メッセージ配信
友だち登録をしてくれたユーザーにメッセージを配信できる機能です。通常のアカウントと同じくテキストやスタンプ、画像や動画などのメッセージのほか、カルーセル式で、画像やリンク付きのカードなどを左右にスライドしていく形式でのメッセージ配信もできます。
チャット
LINE公式アカウントでも、通常のLINEアカウントと同じく1対1でのチャットができます。
LINEは知人・友人や家族、仕事相手などとの連絡ツールとして多くの人が利用しています。慣れ親しんだLINEのチャットで問い合わせができれば、ユーザーにとっての利便性を高められるでしょう。
ただ、1対1のチャットで多くのユーザーに対応するのは難しいです。小規模のうちは手動で対応、規模が大きくなったら次に紹介する自動応答メッセージを活用するといいでしょう。
自動応答メッセージ
トークルームにメッセージが送られてきたとき、自動でメッセージを返す機能です。次の3つの応答形式があり、問い合わせ対応の自動化にも対応できます。
応答形式 | 概要・活用方法 |
一律応答 | 送られてきたメッセージに対して同じ内容のメッセージを一律で返します。 LINEで問い合わせ対応をしない場合、 「問い合わせ先はこちらまでお願いいたします」 のようなメッセージを配信することで、 問い合わせ用のチャネルへ誘導できるでしょう。 |
キーワード応答 | 特定のメッセージに対し、特定のメッセージを返す形式です。 たとえば「営業時間」というメッセージに対して「営業時間案内」を返したり、 「問い合わせ先」というメッセージに対して「問い合わせ用の電話番号やURL」を返したりできます。 なお、キーワードの合致形式は完全一致です。 「営業時間」というメッセージに対しては営業時間案内を返せますが、 「営業時間は?」「営業時間を教えてください」などでは返せません。 |
AI応答 | ユーザーから送られてきたメッセージの内容をAIが判別し、 メッセージの内容やタイプごとに、 決まったメッセージを返します。 キーワード応答よりも柔軟な対応ができ、 問い合わせ対応の一部自動化、効率化につながるでしょう。 |
ステップ配信
ステップメールのLINE版です。友だち登録済みのユーザーに対し、友だち追加の経路や追加からの日数、ユーザー属性などの条件に応じてメッセージを配信します。見込み客の育成につながる機能です。
オーディエンス配信
友だち追加の経路や過去メッセージのクリックの有無などでオーディエンスを設定し、詳細なターゲティングのうえでメッセージを配信する機能です。メッセージ配信の費用対効果アップ、ブロック抑止などに役立つでしょう。
ショップカード
LINEのアプリ上でポイントカードの発行や管理ができる機能です。ポイントカードの紛失・忘れを防げるほか、利用データの分析もできます。
クーポン
お店で使えるクーポンを作成・配信できる機能です。キャンペーンの効果アップ、集客強化につながるほか、クーポンを起点に友だち登録を増やすこともできるでしょう。
リッチメニュー
トーク画面下部に「メニュー」「予約」「Q&A」などのメニューを表示する機能です。リッチメニューからポイントカードやクーポンを開いたり、外部サイトへのリンクを設置したりできます。
プロフィール
企業や店舗の住所や営業時間、連絡先などを、LINEアカウントのプロフィール画面に掲載する機能です。LINE公式アカウントのプロフィール画面に、会社・店舗HPのトップページのような役割をもたせられます。
LINEコール
通常のLINEアカウントと同じように、友だち登録をしたユーザーと音声・ビデオ通話ができる機能です。小規模ビジネスでの問い合わせ対応や予約受付などに利用できるでしょう。
リサーチ
ユーザーにアンケートを配信する機能です。ユーザーの生の声を集め、商品やサービス、マーケティング施策の改善に活かしましょう。
LINEのリサーチ機能については、こちらの記事で詳しく解説しています。
LINEでアンケートを作る方法を個人アカウント・公式アカウント別に解説!活用法と回答率アップのコツも紹介
LINE VOOM
LINEのタイムラインのような機能で、ショート動画や画像、テキストなどの投稿ができます。VOOMへの投稿は友だち以外のユーザーにも表示され、いいねやコメントなどのリアクションを付けられます。
メンバーシップ
LINE公式アカウントからサブスクリプションサービスを提供できる機能です。コンテンツの有料配信やファンクラブなどの運営に役立つ機能です。
LINE公式アカウントの料金プラン
LINE公式アカウントの料金プランは3つあり、プランごとにメッセージの配信数が決まっています。
コミュニケーションプラン | ライトプラン | スタンダードプラン | |
月額料金 | 無料 | 5,000円 | 15,000円 |
メッセージ通数/月 | 200通 | 5,000通 | 30,000円 |
追加メッセージ料金 | 追加不可 | 追加不可 | ~3円/通 (配信数により変動) |
個人営業の小規模な店舗・ビジネスなら、無料プランでも対応できるでしょう。まずは無料プランで使用感を試してみるのもおすすめです。
配信できるメッセージ数はプランごとに決まっており、スタンダードプラン以外は追加ができません。
なお、スタンダードプランの追加メッセージの料金単価は、追加配信数により決まります。配信数が多くなるほど単価は安くなり、お得に利用できるでしょう。
追加メッセージ配信数 | メッセージ単価 |
~50,000通 | 3.0円 |
50,001~100.000通 | 2.8円 |
100,001~200.000通 | 2.6円 |
200,001~300,000通 | 2.4円 |
300,001~400,000通 | 2.2円 |
400,001~500,000通 | 2.0円 |
500,001~600,000通 | 1.9円 |
600,001~700,000通 | 1.8円 |
700,001~800,000通 | 1.7円 |
800,001~900,000通 | 1.6円 |
900,001~1,000,000通 | 1.5円 |
1,000,001~3,000,000通 | 1.4円 |
3,000,001~5,000,000通 | 1.3円 |
5,000,001~7,000,000通 | 1.2円 |
7,000,001~10,000,000通 | 1.1円 |
10,000,001通~ | 要問い合わせ |
LINE公式アカウントの作り方
LINE公式アカウントは「LINE for Business」の公式ページから開設できます。
個人のLINEアカウントで公式アカウントを作成したい場合は「LINEアカウントで登録」を、メールアドレスで作成したい場合は「メールアドレスで登録」を選びます。複数人で運用することも考え、メールアドレスでの登録が便利でしょう。
登録後、管理画面にログインできたらアカウント作成は完了です。
アカウントの作成は下記Webページからできます。
LINE公式アカウント運用のコツ
LINE公式アカウントを開設したら、適切に運用し、集客やリピーター獲得に活用していきましょう。LINE公式アカウントの運用効果を高める3つのコツと、マーケティングにおけるLINEの特徴について解説します。
まずは友だちを増やそう
LINE公式アカウントを運用する1つ目のコツは、「まずは友だちを増やそう」です。
LINE公式アカウントの運用効果は、基本的に友だちの数に比例します。「友だち数×メッセージの開封率×メッセージの内容=運用効果」のように考えておくといいでしょう。
友だち登録を増やすには次のような方法が有効です。
- 実店舗にPOPやポスターを掲示する
- 他SNSでLINE公式アカウントを宣伝する
- 自社HPやオウンドメディアの目立つ位置にバナーを設置する など
「LINE登録で今日のお会計に使えるクーポンをプレゼント」「まずはLINEから気軽にお問い合わせ」など、公式アカウントを友だち追加するメリットを打ち出すとより効果的でしょう。
配信内容を定期的に見直そう
LINE公式アカウントを運用する2つ目のコツは、「配信内容を定期的に見直そう」です。
LINEに限らず、SNSやメルマガで配信した情報は見てもらえないと意味がありません。ユーザーの属性や友だち追加からの期間などに応じて、配信メッセージを変えていきましょう。運用効果を分析しながら、オーディエンスの設定やメッセージの内容をブラッシュアップしていくことも大切です。
ブロック率に気をつけよう
LINE公式アカウントを運用する3つ目のコツは、「ブロック率に気をつけよう」です。
LINEは日本で最も利用率の高いSNSで、多くの人が、日常の連絡ツールとして活用しています。そんなLINEのトーク画面に自社アカウントを表示し、メッセージを配信できるメリットは大きいです。
しかし、だからこそ「ブロック率」に気をつけなくてはなりません。毎日何度も開くLINEのトーク画面だからこそ、過剰なメッセージ配信は鬱陶しく感じられてしまいます。メッセージの配信ペースや内容を誤ると、むしろ自社のイメージダウンにつながりかねません。
ブロック率を常にチェックし、配信ペースや配信内容を見直しながら運用していきましょう。
LINEは認知拡大には向かない
前提として、LINEは認知拡大や新規獲得にはあまり向いていません。
LINEにも他SNSのタイムラインにあたる「LINE VOOM」がありますが、LINEの主な用途は「知人・友人や家族、仕事相手との連絡」です。LINE VOOMへの投稿にもある程度の効果は見込めますが、他SNSほどの高い効果は得られないでしょう。
認知拡大には拡散力の高いTwitterが、見込み客育成やファン獲得、顧客とのコミュニケーションなどにはInstagramが適しています。
これらのSNSの特徴や使い分けについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
SNSで集客って本当にできるの?SNS集客を始める企業が増えた理由と、主要SNSの運用テクニック
LINE公式アカウントはリピーター獲得に最適!他SNSや実店舗を使って友だちを増やそう
LINE公式アカウントはクーポンの配信やショップカードの管理などができるため、リピーター獲得に最適です。
認知拡大や新規獲得にはあまり向いていませんが、これらに強い他SNSと併用したり、実店舗から友だち獲得をしたりすることで高い効果が得られるでしょう。
LINE公式アカウントの運用を頑張ることも大切ですが、他SNSや実店舗などと戦略的に組み合わせていくことで、マーケティングの強化につながります。
こちらの記事も参考に、SNSの集客について今一度見直してみましょう。
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