売上分析とは?初心者にもわかりやすく解説
売上分析とは、売上の数字を分解し、原因を特定し、次の行動を決めるための考え方と手法です。単に数字を見ることではなく、「なぜこの結果になったのか」「どうすれば改善できるのか」を明らかにすることが目的です。
多くの企業や店舗では、毎月の売上を確認しています。しかし、売上が上がった・下がったという結果だけを見ても、本当の原因はわかりません。売上分析では、売上を構成する要素を分けて考えます。
たとえば売上は、次の式で表せます。
売上 = 客数 × 客単価
もし売上が下がった場合、
・客数が減ったのか
・客単価が下がったのか
・両方が影響しているのか
これを切り分けることで、打つべき施策が見えてきます。これが売上分析の基本です。
売上管理との違い
売上管理は「数字を把握すること」、売上分析は「数字の理由を考え、改善につなげること」です。
違いを整理すると、次のようになります。
| 売上管理 | 売上分析 |
| ・数字を記録 ・確認する ・目標との差を把握する ・過去の結果を見る | ・数字を分解して原因を探る ・なぜ差が出たかを考える ・次の行動を決める |
売上管理は重要ですが、それだけでは改善は起きません。売上分析は「行動につなげるための思考プロセス」だと理解すると分かりやすいでしょう。
なぜ今、売上分析が重要なのか
売上分析が重要なのは、市場環境が常に変化しているからです。
顧客ニーズの変化、競合の増加、広告費の高騰、人材不足など、ビジネスを取り巻く環境は年々厳しくなっています。感覚や経験だけに頼った経営では、安定した成果を出し続けることは難しくなっています。
特に近年は、データを簡単に取得できる環境が整っています。POSデータ、ECデータ、CRMデータなど、売上の裏側には大量の情報があります。それらを活用しないのは、大きな機会損失です。
売上分析は「勘」に頼らない経営を実現するための土台です。数字に基づいて判断することで、再現性のある売上向上が可能になります。
売上分析を行う5つのメリット
売上分析のメリットは、売上という結果を「コントロールできる状態」に変えられることです。数字を分解して原因を理解することで、再現性のある改善が可能になります。
1. 収益性の高い商品・顧客がわかる
売上分析を行うと、売上ではなく「利益」に貢献している対象がはっきりします。
売上が高い商品や顧客でも、原価や対応工数が多ければ、実際の利益は小さいことがあります。逆に、売上規模は小さくても、安定して利益を生む商品や顧客も存在します。
売上分析によって、「利益率が高い商品」「リピート率の高い顧客」「少ない工数で売上を生む取引」が可視化されます。
その結果、限られた時間や人手を、どこに集中すべきか判断できるようになります。
2. 売上アップの打ち手が明確になる
売上分析の強みは、「売上が悪い」という曖昧な状態を、原因レベルまで分解できる点にあります。
売上は、客数・客単価・リピートといった要素の組み合わせで成り立っています。どの要素が変化しているかを見れば、対策の方向性も自然に決まります。
たとえば、以下のように分析できます。
・客数が減っている → 集客施策の見直し
・客単価が下がっている → セット販売や単価アップ施策
・リピートが減っている → アフターフォローの強化
このように、数字の変化と施策が一対一でつながるため、行動に迷いがなくなります。
3. 市場や顧客ニーズの変化を把握できる
売上分析を続けると、数字の変化そのものが「市場からのサイン」として読めるようになります。
特定の商品だけ売上が落ちている場合は、ニーズが変わっている可能性があります。購入頻度や購入タイミングが変わっているなら、顧客の行動が変化していると考えられます。
こうした変化を早い段階で捉えられれば、「商品ラインナップの見直し」「価格や訴求内容の変更」「新サービスの検討」といった判断を、後手に回らず行えます。
売上分析は、変化に気づくための早期警報の役割も果たします。
4. 適切なKPI・目標設定ができる
売上目標だけを掲げても、現場は何を改善すればいいのかわかりません。
売上分析を行うことで、売上がどの要素で構成されているかが明確になります。たとえば、「月間客数」「平均客単価」「成約率」「リピート率」といった指標です。
これらをKPIとして設定すれば、「売上を上げるために、どの数字を動かすのか」が明確になります。
その結果、現実的で納得感のある目標設定が可能になります。
5. 組織の意思決定スピードが上がる
売上分析が共有されている組織では、判断の基準が数字で統一されます。
感覚や経験だけに頼ると、意見が分かれやすく、意思決定に時間がかかります。一方、売上分析の結果があれば、「この数字が落ちているから、この施策をやる」と話を進められます。
共通の数字をもとに議論できることで、迷いが減り、行動までのスピードが速くなる。これも売上分析の重要なメリットです。
売上分析で見るべき数字
売上分析では、数字を並べることが目的ではありません。重要なのは、この数字は何を表しているのか、どう見ればよいのか、どう活かすのかを理解することです。ここでは、初心者がまず押さえるべき基本指標を整理します。
売上高・粗利・利益率
この数字は、どれだけ売れていて、どれだけ利益が残っているかを示します。
| 用語 | 定義 |
| 売上高 | 一定期間に得た売上の合計金額 |
| 粗利 | 売上高から原価を差し引いた利益 |
| 利益率 | 売上高に対して利益が占める割合 |
まず確認すべきなのは、売上と利益が同時に伸びているかです。
売上が増えているのに利益率が下がっている場合、利益を削って売上を作っている可能性があります。
この数字は、「値引きやキャンペーンが適切だったか」「原価や仕入れ条件を見直す必要があるか」を判断するために使います。
売上だけを見るのではなく、利益が残っているかまで含めて判断するための数字です。
顧客数・客単価
この数字は、売上がなぜ増減したのかを分解するための数字です。
| 用語 | 定義 |
| 顧客数 | 一定期間に商品・サービスを購入した人数 |
| 客単価 | 1人の顧客あたりの平均購入金額 |
売上は「顧客数 × 客単価」で構成されています。
売上が下がった場合は、どちらが影響しているのかを切り分けます。
この数字は、「集客施策を強化すべきか」「セット販売や価格設計を見直すべきか」を判断するために使います。
原因に合った対策を選ぶための基本指標です。
リピート率・LTV
この数字は、売上が一時的か、積み上がる構造かを示す数字です。
| 用語 | 定義 |
| リピート率 | 一度購入した顧客が再度購入する割合 |
| LTV | 一人の顧客が取引期間中にもたらす総売上 |
リピート率が低い場合、売上は常に新規顧客に依存します。
リピート率やLTVが高い場合、既存顧客が継続的に売上を作ります。
この数字は、「新規獲得に力を入れるべきか」「既存顧客フォローを強化すべきか」を判断するために使います。
売上の安定性を見極めるための指標です。
前年比・成長率
この数字は、今の結果が良いのか悪いのかを客観的に判断するための数字です。
| 用語 | 定義 |
| 前年比 | 前年同期間と比べた増減割合 |
| 成長率 | 一定期間における売上や指標の伸び率 |
数字は単体では判断できません。過去と比べてどう変化しているかを見ることが重要です。
この数字は、「一時的な増減なのか」「継続的なトレンドなのか」を見極めるために使います。
短期的なブレに振り回されないための視点です。
チャネル別・地域別売上
この数字は、どこが売上を作り、どこに課題があるかを見つけるための数字です。
| 用語 | 定義 |
| チャネル別売上 | EC、店舗、営業など販売経路ごとの売上 |
| 地域別売上 | エリア・地域ごとに分けた売上 |
売上全体だけを見ると、強みや弱みが見えません。
分解することで、伸びている部分と落ちている部分が明確になります。
この数字は、「力を入れるチャネルをどこにするか」「改善すべき地域はどこか」を判断するために使います。
売上改善の優先順位を決めるための数字です。
売上分析の進め方5ステップ【初心者向け】
売上分析が分かりにくく感じられる原因は、「次に何をすればいいのか」が見えないことです。ここでは、各ステップで何を見るのか、なぜそれを見るのか、その結果どう判断するのかが自然につながる順番で解説します。
1. 目的を明確にする
売上分析で最初に行うべきことは、この分析で何を判断したいのかを決めることです。目的が決まっていないまま数字を見ると、情報が多すぎて結論が出なくなります。
売上分析の目的は、次のように整理できます。
| 目的 | この分析で判断したいこと |
| 現状把握 | 今の売上は伸びているのか、落ちているのか |
| 課題発見 | 売上が伸びない原因はどこにあるのか |
| 目標設定 | 次に目指すべき現実的な数値はいくらか |
| 売上予測 | 今のペースで進むと将来どうなるのか |
ここで重要なのは、一度の分析ですべてをやろうとしないことです。
たとえば「今月売上が下がった理由を知りたい」のであれば、目的は課題発見だけで十分です。
この目的が決まることで、次のステップで「どのデータを集めればいいか」が自然に決まります。
2. 必要なデータを集める
このステップの目的は、判断に必要な材料をそろえることです。
目的が決まっていれば、集めるデータは多くありません。
たとえば売上が下がった理由を知りたい場合は、売上高の推移、顧客数の変化、商品ごとの売上、過去数か月分の実績といったデータがあれば、全体像を把握できます。
ここで大切なのは、使うか分からないデータまで集めないことです。
売上分析は、完璧なデータがそろってから始めるものではありません。
今すでに手元にあるデータから始めることで、分析は前に進みます。
3. データを整理する
集めたデータは、そのままでは分析に使えません。
このステップの目的は、同じ条件で数字を比べられる状態を作ることです。
売上分析では、数字の「違い」を見つけます。そのためには、違ってはいけない条件をそろえる必要があります。
たとえば月ごとの売上を比べたい場合、集計期間がそろっていなければ正しい比較はできません。また、同じ商品が別の名前で記録されていると、商品別の売上は正しく把握できません。
そのため、データ整理では、比較の軸を先に決め、その軸以外のブレを取り除きます。
具体的には、期間をそろえ、名称を統一し、今回の分析に不要な項目を除きます。
4. 分解・比較・可視化する
ここで初めて、売上の中身を見ていきます。
このステップの目的は、売上が変化した理由を特定することです。
まず、売上をそのまま見ずに分解します。売上は顧客数と客単価の掛け算で成り立っているため、どちらが変化しているのかを確認します。
次に、過去の数字や別の商品と比較します。今月と先月、今年と去年を比べることで、変化の方向が見えてきます。
最後に、表やグラフにして可視化します。数字を見える形にすることで、どこが大きく変わったのかが一目で分かります。
この流れを通すことで、「売上が落ちた」という結果が、「客単価が下がったために落ちた」といった原因のレベルまで分解できます。
5. 改善施策に落とし込む
売上分析のゴールは、次に何を変えるかを決めることです。
ここまでのステップで、売上が変化した原因は特定できています。
原因が客数にあるなら集客施策を見直し、客単価にあるなら価格や売り方を見直し、リピートにあるならフォロー方法を改善します。
重要なのは、分析結果をもとに「一番影響が大きいポイント」から手を付けることです。
こうして初めて、売上分析は数字を見る作業ではなく、売上を動かすための判断材料になります。
この5ステップを繰り返すことで、売上分析は継続的に使える武器になります。
売上分析に使える代表的なフレームワーク7選
売上分析のフレームワークは、「何をどう集計するか」が分からないと意味がありません。ここでは、それぞれの分析について、集計方法・使う場面・結果の見方まで分かるように整理します。
1. 要素分解(売上=客数×客単価)
要素分解は、売上が増えた・減った理由を最初に切り分けるための分析です。
売上をそのまま見るのではなく、「客数」と「客単価」に分けて集計します。
この分析は、売上が動いた原因を大づかみに把握したいときに使います。
たとえば「売上が落ちたが、何から確認すべきか分からない」ときに、最初に行う分析です。
実際に集計すると、次のような表になります。
| 指標 | 先月 | 今月 |
| 売上 | 100万円 | 80万円 |
| 客数 | 100人 | 100人 |
| 客単価 | 10,000円 | 8,000円 |
この表で見るポイントは、どの数字が変わっていて、どの数字が変わっていないかです。
この例では、客数は変わっていませんが、客単価が下がっています。
つまり、売上が下がった原因は「人が来なくなったこと」ではなく、値引きや購入点数の減少など、1人あたりの購入金額が下がったことだと分かります。
この結果から、集客施策を強化するのではなく、売り方や価格設計を見直すべきだと判断できます。
2. ABC分析
ABC分析は、売上や利益への貢献度が高い対象を見極めるための分析です。商品や顧客を売上順に並べて集計し、どれが全体に強く影響しているかを把握します。この分析は、限られた時間や予算をどこに集中すべきか判断したいときに使います。
実際に集計すると、次のような表になります。
| 商品 | 売上 | 構成比 |
| 商品A | 1,000万円 | 70% |
| 商品B | 300万円 | 21% |
| 商品C | 50万円 | 9% |
この表で見るポイントは、上位とそれ以外の差がどれくらいあるかです。この例では、商品Aだけで売上の大半を占めています。つまり、商品Cを少し改善しても全体への影響は小さく、商品Aを改善したほうが売上全体に効くと判断できます。
この結果から、まずは商品Aを最優先で強化するのが合理的だと分かります。
3. RFM分析
RFM分析は、顧客ごとの状態の違いを数値で把握するための分析です。顧客単位で「最終購入日」「購入回数」「購入金額」を集計します。この分析は、顧客に同じ施策を打つべきか迷ったときや、リピート施策を考えたいときに使います。
実際に集計すると、次のような表になります。
| 顧客 | 最終購入 | 購入回数 | 購入金額 |
| Aさん | 今月 | 12回 | 15万円 |
| Bさん | 半年前 | 3回 | 3万円 |
| Cさん | 1年前 | 1回 | 5,000円 |
この表で見るポイントは、最近購入しているかどうかと、購入頻度や金額の差です。Aさんは最近も頻繁に購入しているため優良顧客と判断できます。一方でCさんは購入から時間が空いており、離脱予備軍と考えられます。
この結果から、優良顧客には特典や限定案内を行い、離脱しそうな顧客には再来店施策を行うなど、顧客の状態に応じて打ち手を変えるべきだと判断できます。
4. デシル分析
デシル分析は、売上がどの顧客層にどれくらい集中しているかを把握するための分析です。顧客を売上金額の高い順に並べて、全体を10等分する形で集計します。この分析は、売上が一部の顧客に依存しすぎていないかを確認したいときに使います。
実際に集計すると、次のような表になります。
| 顧客層 | 顧客数 | 売上構成比 |
| 上位10% | 10人 | 60% |
| 中位40% | 40人 | 30% |
| 下位50% | 50人 | 10% |
この表で見るポイントは、上位の少数顧客が売上のどれくらいを占めているかです。この例では、上位10%の顧客だけで売上の60%を占めています。
この結果から、売上が特定の顧客に強く依存している構造だと分かります。そのため、上位顧客の満足度維持が重要である一方で、中位層や下位層を育てないと売上が不安定になると判断できます。
5. クロス集計
クロス集計は、2つ以上の切り口を組み合わせて売上の特徴を把握するための分析です。商品別や地域別などを単体で見るのではなく、掛け合わせて集計します。この分析は、どこで何が売れているのかを具体的に知りたいときに使います。
実際に集計すると、次のような表になります。
| 地域 | 商品A売上 | 商品B売上 |
| 都市部 | 500万円 | 200万円 |
| 地方 | 100万円 | 300万円 |
この表で見るポイントは、商品ごとに売れている地域が異なるかどうかです。この例では、商品Aは都市部で強く、商品Bは地方で強いことが分かります。
この結果から、全地域で同じ販促や売り方を行うのではなく、地域ごとに商品や施策を変える必要があると判断できます。売上の伸びしろや改善ポイントを具体的に見つけるために使う分析です。
6. アソシエーション分析
アソシエーション分析は、どの商品が一緒に購入されやすいかを把握するための分析です。購買データをもとに、ある商品を買った人が、どの商品を同時に購入しているかを集計します。この分析は、客単価を上げたいときや、セット販売を検討したいときに使います。
実際に集計すると、次のような表になります。
| 商品A購入者数 | そのうち商品Bも購入 | 同時購入率 |
| 100人 | 65人 | 65% |
この表で見るポイントは、同時購入率が高いかどうかです。この例では、商品Aを購入した人のうち65%が商品Bも購入しています。
この結果から、商品Aと商品Bは相性が良いと判断できます。そのため、売り場で近くに配置したり、セット商品として提案したりすることで、客単価を高められる可能性があると分かります。
7. 重回帰分析
重回帰分析は、売上のような結果に対して、複数の要因がそれぞれどれくらい影響しているかを数値で分けて見る分析です。売上を1つの結果として置き、影響しそうな要素を同時に扱います。
この分析では、売上などの結果を目的変数、売上に影響すると考えられる要素を説明変数として考えます。考え方を式で表すと、次の形になります。
売上 = a×顧客数 + b×受注数 + c×顧客単価 + d×販売チャネル + 誤差
a、b、c、d は、それぞれの要因が売上にどれくらい影響しているかを示す数値です。過去データを使って、この式が売上の動きを最もよく説明できるように計算されます。
計算結果は、次のように整理されます。
| 要因 | 売上への影響度 |
| 顧客数 | 高い |
| 受注数 | 中 |
| 顧客単価 | 低い |
| 販売チャネル | 中 |
この表が示しているのは、他の条件が同じと仮定したとき、どの要因を動かすと売上が最も動きやすいかです。この例では、価格よりも顧客数のほうが売上への影響が大きいと分かります。
そのため、値下げを検討するよりも、集客や新規獲得を優先すべきだと判断できます。
また目的変数を「来期の売上」に置き換えれば、売上予測にも使えるのが重回帰分析です。
売上分析のやり方
売上分析のやり方は、どのツールを使うかではなく、どう集計してどう判断するかが重要です。ここでは、実務でよく使われる2つの方法について、「何ができて、どういうときに向いているか」が分かるように整理します。
エクセルを活用した売上分析
エクセルでの売上分析は、まず全体像を把握したいときや、小規模で始めたいときに向いています。売上データを自分で加工しながら、「どの数字を見るか」を理解するのに適した方法です。
エクセルでは、売上データを月別や商品別、顧客別に集計します。ピボットテーブルを使えば、売上を切り口ごとに簡単に並べ替えられます。たとえば、商品別に売上を並べてABC分析を行ったり、月別に売上と客数を並べて要素分解を行ったりできます。
この方法のポイントは、数字がどのように集計され、どの順番で結果が出てくるかを自分の手で確認できることです。そのため、売上分析の考え方を理解する段階では非常に有効です。一方で、データ量が増えると管理が大変になり、更新や共有にも手間がかかります。
CRM/SFAを活用した売上分析
CRMやSFAを使った売上分析は、継続的に売上を管理し、チームで活用したいときに向いています。日々入力される顧客情報や商談データをもとに、売上分析が自動で行われます。
これらのツールでは、売上や成約率、顧客別実績などがあらかじめ集計され、ダッシュボードとして表示されます。要素分解やクロス集計、売上予測なども、設定するだけで自動的に更新されるのが特徴です。
この方法の強みは、分析結果がリアルタイムで共有され、意思決定にすぐ使えることです。分析の仕組みを一から作る必要がなく、現場での活用までを前提に設計されています。その一方で、分析の中身を理解せずに数字だけを見ると、判断を誤る可能性があります。
エクセルで考え方を理解し、CRM/SFAで継続的に回す。この使い分けができると、売上分析は実務で強い武器になります。
売上分析の結果をどう活かすか
売上分析の価値は、分析結果を見て終わらせず、次の行動を決められるかどうかで決まります。ここでは、分析結果をどのように実務に落とし込めばよいかを、具体的な使い方の視点で整理します。
売れている商品・売れていない商品をはっきりさせる
売上分析の結果は、商品ごとの役割を明確にするために使います。
商品別の売上や利益を分析すると、「売上も利益も作っている商品」「売上はあるが利益が薄い商品」「ほとんど動いていない商品」が分かれます。
この結果をもとに、主力商品はさらに強化し、利益が出にくい商品は価格や売り方を見直し、動いていない商品は縮小や撤退を検討します。
分析結果は、「全商品を頑張る」のではなく、注力と見直しの線引きをする判断材料になります。
力を入れるべきお客様・後回しでよいお客様を見極める
顧客分析の結果は、どの顧客に時間とコストをかけるべきかを判断するために使います。
RFM分析やデシル分析を行うと、売上を支えている顧客層と、ほとんど取引がない顧客層が見えてきます。
この結果から、優良顧客には継続利用を促す施策を行い、取引が少ない顧客にはコストをかけすぎない判断ができます。
分析は、すべての顧客に同じ対応をしないための根拠になります。
売上が伸びる営業・接客のやり方を見つける
売上分析は、成果につながっている行動パターンを見つけるためにも活用できます。
商談別や担当者別、接客方法別に売上や成約率を分析すると、「うまくいっているやり方」と「成果につながっていないやり方」が分かります。
この結果をもとに、成果が出ているやり方をチームで共有し、再現できる形に落とし込みます。
分析結果は、個人の経験を、組織のノウハウに変えるための材料になります。
ムダな販促・コストを減らす判断に使う
売上分析の結果は、やめるべき施策を判断するためにも重要です。
広告やキャンペーンごとの売上効果を分析すると、コストに対して成果が出ていない施策が見えてきます。
この結果から、効果の低い施策を止め、成果が出ている施策に予算を集中させます。
分析は、売上を増やすだけでなく、ムダな支出を減らす判断にも使えます。
次に何を改善すべきかをチームで共有する
売上分析の結果は、次の改善テーマを共通認識にするために活用します。
数字をもとに「どこが課題か」を示すことで、感覚や立場の違いによる議論を減らせます。
分析結果を共有することで、「今月はここを改善する」「次はこの数字を見る」といった行動がそろいます。
売上分析は、チームの動きをそろえるための共通言語として機能します。
まとめ|売上分析は「数字から行動を導く」ことがゴール
売上分析は、数字を細かく見ること自体が目的ではありません。数字を通じて、次に何を変えるかを決めることがゴールです。
売上が伸びた、下がったという結果だけを見ても、具体的な行動にはつながりません。売上分析では、売上を構成する要素に分け、どこが変化しているのかを明らかにします。その結果、集客を強化すべきなのか、売り方を見直すべきなのか、優先順位をつけて判断できるようになります。
また、分析は一度きりで終わらせるものではありません。分析を行い、施策を実行し、結果をまた数字で確認する。この流れを繰り返すことで、売上改善は再現性のある取り組みに変わります。
重要なのは、完璧な分析を目指さないことです。まずは身近な数字から分解し、気づいた点を1つでも行動に移すことが、売上分析を実務で活かす第一歩になります。
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