電子レシートとは
電子レシートとは文字通り紙のレシートを電子化することで、店舗などでの配布が不要になるペーパーレスのサービスです。
例えば会計時のレシートをスマホにデータを送信するようなものがあり、政府が推進するキャッシュレス施策の1つでもあります。経済産業省が実証実験を行わったこともあり、注目が高まっています。
今回は電子レシートの仕組みや使い方を解説しながら、経済産業省の実験結果やサービス・導入事例を紹介します。
電子レシートの仕組み
電子レシートは従来紙で渡していたレシートを電子化し、スマホ経由で発行する仕組みです。

消費者はスマホをダウンロードし、会計の際にレジのアプリで会計アプリを読み込見込んでもらうことにより、スマホアプリにレシートの情報が送信されます。
電子レシートが目指す「個人を起点とした購買データの利活用」
電子レシートの普及が目指すのは、個人を起点とした購買データ活用を可能にすることです。

個人の購買データが蓄積されることにより、家計の管理がしやすくなるでしょう。また、購買データが個人に集まることで、企業によるデータの提供・活用も本人の許諾のもとで行われるようになります。
本人に許諾されて提供される情報を活用し、個人は正確な消費者理解や商品開発などに活用できます。
電子レシートサービスの使い方
ここでは、電子レシートサービスの利用方法を消費者側・事業者側に分けて説明していきます。
消費者側の電子レシートサービスの利用方法
電子レシートサービスを導入し、電子レシートを発行するまでのステップは大きく4つです。
- アプリのダウンロード・会員登録
- レジでバーコードの提示
- 支払いの完了
- スマホアプリでレシートの確認・管理
消費者はアプリをダウンロードし会員登録します。買い物時の会計でバーコードを提示し、読み込んでもらい支払うだけです。その後、いつでもアプリ内でレシートが確認できるようになり、アプリから家計を管理したり他サービスにデータ提供したりできます。一度アプリをダウンロードしてしまえば簡単に使えます。
事業者側の電子レシートサービスの利用方法
- 会員カード・アプリでのバーコード読み取り
- 指定した費用項目にレシートを割り振る
- 保証書・レシートを電子化
- クーポン・スタンプカードの選択
事業者が電子レシートを導入するのも簡単です。会計時にアプリまたは事前に登録しておいた会員カードなどを読み取ります。その後は商品を読み取り、レシートに費用項目を割り振ります。多くの場合、アプリ上が自動で割り振られレシートが発行されるため、慣れていないスタッフでも簡単でしょう。
その他、レシートに紐付いた保証書やスタンプカードの電子化なども可能です。
電子レシートのメリット

消費者と事業者、それぞれにとっての電子レシートのメリットを紹介します。
消費者にとってのメリット
消費者にとってのメリットは、まずは紙がなくなるということです。レシートが必要なく、すぐに捨てている人が多かったため、エコにつながります。
紙レシートは家計簿をつける際の管理も煩雑でしたが、電子レシートの場合は常にアプリ内で情報が管理できるためいつでも参照・整理できます。
レシートを使ったキャンペーンにも応募しやすくなるでしょう。従来の紙レシートはレシート読み込んだり、はがきに貼り付けたりなど応募するまでに手間がかかりました。
しかし、電子レシートならすべてがアプリ内で管理できているため、規定のポイントが貯まったら簡単に応募できます。
事業者にとってのメリット
事業者にとっての大きなメリットとして経費削減が挙げられます。レシート発行に使用される紙は年間で約5.4トン、費用としては960億円といわれています。紙レシートを発行する必要がなくなることにより紙の経費が減るだけでなく、レシートプリンターの修理代や発行にかかっていた時間も節約できるでしょう。
キャンペーンやクーポンの連携がより簡単になることで、販促活動をより効果的に行えるメリットもあります。
電子レシートのデメリット

消費者と事業者、それぞれにとっての電子レシートのデメリットを紹介します。
消費者にとってのデメリット
消費者にとって特に気になるデメリットは「セキュリティ問題」でしょう。電子レシートにより、これまで紙(アナログ)で管理していたデータは電子化され、ネットワーク上に流れることになります。これには第三者に個人情報が漏えいしてしまうリスクがあります。また、身近な人にスマホから家計を見られてしまうこともあるかもしれません。
事業者にとってのデメリット
事業者にとってのデメリットは、電子レシートを発行するためのレジを導入しなければいけないことです。従来のレジとは違い、電子レシートを発行するためにはインターネットとの接続が欠かせません。このように新たなレジの導入にはコストがかかります。
ただ、ITシステムや機器の導入には「IT導入補助金」を活用できることがあります。補助金を活用すればコストを抑えて新しいPOSレジを導入し、業務効率化や販促活動に活用できるでしょう。
電子レシートの支持率は高い
経済産業省が実施した電子レシートに関する実験とその結果を紹介します。
町田市で行われた電子レシートの実験概要

- 実施期間:平成30年2月13日-28日
- 実験場所:東京都町田市
- 委託事業者:東芝テック株式会社
- サンプル数:(アプリ登録者数)2708人
経済産業省による実証実験は、平成30年に町田市で行われました。ココカラファインやミニストップ、スーパーの三徳などの計27店舗が対象でした。実証実験中2708人がアプリをダウンロードし、約3割の815人が電子レシートを受け取りました。
支持率は約90%、電子レシートのアンケート結果

実証実験の結果、電子レシートを今後も受け取りたいと言う人が8割以上、「電子レシートと紙のレシートの両方を受け取りたい」を加えると9割近くの人が電子レシートを支持しており、電子レシートの需要が高いことがわかりました。
実験結果で見えた普及に関する”ユーザー利便性”の課題
実験結果により電子レシートの課題も見えています。電子レシートが今後普及していくか否かは、電子レシートの利便性がどこまで高められるかが課題です。
例えば、外部サービス連携などによりどのようなプラスのメリットが得られるかなど周辺サービスの連携が重要です。
電子レシートサービス4選
スマートレシート – 東芝テック株式会社

- バーコードを読み取るだけの簡単利用
- スマホでいつでも情報確認可能
- キャンペーン応募も簡単
東芝テック株式会社が提供するサービスが、スマートレシートです。町田市で行われた実証実験でも利用されました。バーコードを読み取るだけで簡単に利用でき、キャンペーンやクーポンなども簡単に利用できます。
詳細はこちら:https://www.smartreceipt.jp/
iReceipt(アイレシート) – 株式会社ログノート

- ペーパーレス
- 顧客データ管理
- レシートメディアの活用
株式会社が提供するのがiReceiptです。iReceipt の大きな特徴としては、電子レシート上をメディアとして活用できるため、メールマガジンなどなくても簡単に消費者にコミュニケーションが取れるという点です。
詳細はこちら:https://www.log-note.jp/
無料電子化サービス AllReceipts

- QRコードやタッチでレシート取得可能
- プリンタ連動で余計な手間なし
- 売上なども簡単に管理可能
スター精密株式会社が提供するサービスがAllReceiptsです。スター精密株式会社が提供しているプリンタを利用していれば、独自のミドルウェアを介して、無料で利用可能なサービスです。アプリを経由して確認できるため、今後レシートが消費者との新たなコミュニケーション手段です。
詳細はこちら:https://star-m.jp/cn/products/s_print/allreceipts/index.html
レシートメール

- レシートでメールを送信
- 紙で不可能なO2O送客が可能
- アフターサービスにも活用可能
レシートメールは、株式会社エイジアが提供するレシート情報をメールで送付するサービスです。購入直後にメールが送られるため開封率が高く、ECサイトなどへの誘導としても活用できます。またレシートを顧客に送れるため、きめ細かいアフターサービスが行なえ顧客満足度も高められます。
電子レシートの導入事例
電子レシートの導入事例を2つ紹介します。
渋谷PARCO – 電子レシートによるキャッシュレス導入
渋谷PARCOはリニューアルオープンにともない、複数のキャッシュレス決済の導入とともに、PARCOの公式アプリ利用者向けに電子レシートの提供をはじめました。
電子レシートはバーコードを読み取るだけで利用でき、アプリ内ではレシートの確認だけでなく集計も可能です。
アプリの利用データに加え、買い物データを分析することにより、公式アプリユーザーに来店前、来店中、来店後などにおすすめのコンテンツや商品の通知ができます。データ活用による集客強化、売上アップなどが期待できます。
かとりストア – 地方のスーパーでも効率化重視で導入
長崎県内のスーパーマーケットで初めて電子レシートを導入したのが「かとりストア」です。かとりストアは、紙削減や処理の人件費の削減など効率化を検討し、今後はお薬手帳との連携や多言語化などの対応も実施予定です。
電子レシート導入で始まる、小売マーケの新たな未来
電子レシートを活用することは、消費者にとっても事業者にとってもメリットがあります。事業者にとっては業務効率化や経費削減だけでなく、データを活用した集客・販促強化も期待できるでしょう。
電子レシートの普及により小売業や飲食業、サービス業などのマーケティングが変わろうとしています。いち早くこの流れに乗り、電子レシートを活用した集客・販促のノウハウを蓄積していきましょう。




