エリアマーケティングとは|6つの手法とプロセス・無料ツール6選・戦略成功のポイント・事例

最終更新日:
2019/09/16

エリアマーケティングとは

エリアマーケティングとは全国で均一な戦略を行うのではなく、「店舗・地域(エリア)」ごとの特性に合わせたマーケティング戦略を考案・展開することを指します。

地域情報を正しく活用することで、より効果を見込むエリアマーケティング。

この記事では、エリアマーケティングの手法や戦略のポイントについて紹介します。

エリアマーケティングの4つの分析手法・活用方法

エリアマーケティングには、主に以下の4つの分析・活用法が存在します。

  • 出店・商圏分析
  • 売上・需要予測
  • 販売促進分析
  • 顧客分析・営業範囲の最適化

出店を検討する商圏エリアについて競合や世帯情報を分析し、出店時の売上や需要予測を行います。

しかし、実際に店舗を出す際は顧客が来店するかどうかも重要なポイントとります。そのため、販売促進の効果や営業結果の分析も可能です。

出店検討から結果も踏まえた分析を行うことで、売上の最大化を図ることがエリアマーケティングの目的であるといえるため、地域特性を知ることで効率的な戦略の構築が可能です。

「デジタル×オフライン」エリアマーケティング注目の理由

では、なぜエリアマーケティングが注目されているのでしょうか。

デジタルによる環境やユーザー行動の変化について見ていきます。

(1)スマホの普及:ユーザー行動の変化

引用:総務省 通信利用動向調査

スマートフォンの普及により、顧客の行動内容が大きく変わってきました。

より多く広い情報をユーザーが得られるようになったことで、その購買選択の幅が増加したのです。従って、その購買選択に対し具体的な戦略を練る必要が出てきました。

(2)デジタル技術の発達:ビーコン・店舗アプリなどITツールの登場

また店舗側にとっても、ビーコン店舗アプリなどのツールが登場・発達した事により、以前と比べ容易に多くの顧客特性データを獲得・管理する事が可能になりました。

必要コストやハードルが下がったことにより、多くの企業・店舗がデータを活用するようになってきたのです。

店舗アプリの詳細はこちら。

(3)マーケティングの変化:O2O・オムニチャネルなどのデータ活用

マーケティングの内容に関しても変化が出てきました。

スマホの普及によってネットとリアルとの距離が近づいた事により、「O2O(Online to Offline)」の手法が採用されるようになったのです。

アプリやクーポンの配布など、スマホ=オンライン上の行動喚起によって店舗=オフラインへと顧客を誘導することが可能になったのです。

こういったデータ活用を行う前提として、エリアマーケティング情報が必要になって来るのです。

O2Oの詳細はこちら。

エリアマーケティング成功の6つのポイントと必要なデータ

では、エリアマーケティングを成功させるにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか?

6つのポイント・マーケティングに必要となるデータに関してまとめていきます。

(1)エリア特性:人口・世帯特性や市場規模など

最初に必要となるのは、対象地域のエリア特性の把握です。どんな属性の人が暮らしいているのか、どのような世帯が多いのかを理解する必要があります。

また人口数が減っているのか増加しているのか。その世帯の年齢・性別割合、既存店舗等の市場規模を把握することもポイントです。

(2)需要特性:地域別の消費動向やライフスタイル

次に、エリア内の需要特性を把握します。

潜在顧客がどのような消費行動を行っているのか、どのようなライフスタイルが多いのか。

主な移動手段や、週末の行動内容といったデータを獲得し、それに伴う需要を洗い出します。

(3)チャネル特性:地域の商習慣

その地域では、買い物を行う際にどのような考え方がされやすいか、も把握する必要があります。

具体的に言えば、近場のコンビニやスーパーなどを用いる人が多いのか、ショッピングセンターなどまで出向く人が多いのかという内容です。

(4)競合特性:競合企業のマーケットシェア・提供サービス

競合となる企業がどの程度のシェアを誇っているか、も把握しなくてはいけません。

強固にシェアを獲得しているのか、そのサービス特性にはどのような特性があるかをとらえることで、対抗のためどのような戦略を取ればよいかを判断していくことが出来ます。

(5)文化や風習特性:生活習慣や地域の風習

地域ごとの文化や特性にも気を付ける必要があります。

具体的に言えば店舗出店を検討する際は、料理の味付け傾向や、各種年中行事が行われる時期の確認も必要です。

(6)商圏バリア:来店の障壁となる大型施設・河川

最も気をつけなければならない点として、商圏バリアの把握も必要です。

大型の施設や河川は、顧客の行動範囲を限定したり、狭めてしまったりします。地理的・心理的に来店までのハードルを上げてしまう要素=商圏バリアがあるかどうかは、必ず把握しましょう。

エリアマーケティング戦略の5つのプロセス

一通りの説明をしたところで、具体的にどのようなプロセスで戦略を練れば良いのかをご紹介します。

地域・商圏特徴の把握

まずは地域ごとの人口分布や年齢層、昼夜の人口比といった情報を把握。

数年内の人口増減なども加味し、商圏の特徴を掴みましょう。

競合企業の分析

自店舗分布や、競合となる企業の情報をまとめましょう。

競合企業の強みはどこか、どういった点でなら優位性を持てるかをなどを把握し、地域情報とすり合わせましょう。

自社・自店舗の理解

自社と地域の需要は噛み合っているか、どのようにすれば噛み合うかを理解します。

この時、あまりに需要がかけ離れていた場合は出店は諦めた方が得策かもしれません。

エリアセグメントとアプローチ

出店等を決めたら、事前に獲得した情報を基に、エリアごとにチラシやポスティングといった内容でアプローチをかけていきましょう。

施策結果の確認とPDCA

販促活動を終えたら、その結果内容に関して確認しましょう。

地域情報や想定と食い違いがあれば修正し、次のアプローチに活かします。

これの繰り返しにより、顧客を確実に獲得していきましょう。

エリアマーケティング無料ツール6選

ではここからは、エリアマーケティングを行う助けとなる無料ツールを、6種紹介していきます。

GIS・商圏分析ソフトの比較まとめ詳細はこちら。

jSTAT MAP

●特徴

  • 総務省が公開
  • レポート出力可能
  • 国勢調査の数値も出力可

「jSTAT MAP」は、総務省が公開している政府統計の総合窓口「e-Stat」で公開されているツールです。

国が公開しているものなので、安心して使用することが出来ます。

詳細はこちら:https://jstatmap.e-stat.go.jp/jstatmap/main/base.html?1567934105591

地域経済分析システム「RESAS」

●特徴

  • 地方創生支援
  • ビッグデータの集約
  • 人の移動の可視化

地域経済分析システム「RESAS」は、地方創生を支援するために、経済産業省と内閣官房が提供しているシステムです。

時間帯ごと人の移動なども確認することが出来ます。

詳細はこちら:https://resas.go.jp/#/13/13101

QGIS

●特徴

  • オープンソース
  • ブラウザ使用可能
  • 無料でも多機能なツール

「QGIS」は、完全無料でありながら有料のシステムに近い機能や操作性を備えたソフトウェアです。

オープンソースとなっており、機能の追加等は無料のプラグインでインストール可能。

稼働もブラウザで行う事が出来る点が魅力です。

詳細はこちら:https://qgis.org/ja/site/index.html

ロケスマ

●特徴

  • チェーン店マップ機能
  • アプリで使用可能
  • データの別途購入も可能

「ロケスマ」では、全国各地のチェーン店情報をマップで知ることが出来ます。

無料アプリでの利用が可能で、競合となり得るチェーン店の情報を気軽に得る事が可能。データを別途で購入し、自由に活かすことも可能です。

詳細はこちら:https://www.locationsmart.org

e-Stat

●特徴

  • 政府統計の総合窓口
  • 業種や地域ごとに様々なデータを閲覧可能
  • 内容はほぼ全ての国勢調査

「jSTAT MAP」を公開する「 e-Stat」では、地図情報以外にも多くのエリア情報を得る事が出来ます。

統計データ量は政府サイトだけあって多岐に渡り、様々な観点から戦略に繋げることが出来ます。

詳細はこちら:https://www.e-stat.go.jp

統計ダッシュボード

●特徴

  • トレンド状況の確認
  • グラフによる視覚的に情報がわかる
  • 地域ごとのレーダーチャート

また 「e-Stat」では、「統計ダッシュボード」という機能も使用することが可能です。

これは各地の情報をグラフによって表示することが出来るシステムで、現在の市場がどのような状態になっているかを一目で確認することが出来ます。

詳細はこちら:https://dashboard.e-stat.go.jp

デジタル×エリアマーケティングの事例4選

多くのデジタル情報を処理して行われるエリアマーケティング。

では、実際にどのようなマーケティング事例があるのでしょうか?

4件の事例をご紹介します。

京浜急行電鉄:位置情報×販促による囲い込み

京急電鉄では、品川や横浜といった7駅を舞台として実証実験を行いました。

リクルートグループが提供するアプリユーザーに対し、位置情報を基に沿線のお得な情報を通知するというもので、「ホットペッパー」ユーザーに対し近隣の飲食店のクーポンを配布するなどし、リアルタイム性のある販促活動を行いました。

詳細はこちら: http://www.cerebrix-sampling.jp/pages/column/columndetail04/

アドダイセン:顧客データを活用したOne to Oneのダイレクトメール

「アドダイセン」では、「TerraMap」というシステムを用いることで、エリアごとの顧客シェアを号単位で把握。

結果、顧客となり得る範囲を絞ってダイレクトメールを送付することで、通常よりも高い成果を挙げたそうです。

詳細はこちら: https://www.mapmarketing.co.jp/donyu/adodaisen

ハローデイ:会員データを活用した出店・ドミナント戦略

「ハローデイ」では、会員データをエリアデータと合わせる事によって、競合店による影響などを把握。また、隣接する自店舗の情報をまとめて管理することによって、複数店舗の影響を合わせて把握し、単店舗だけでなく会社としての商圏を把握し、ドミナント戦略に生かしています。

詳細はこちら: https://www.mapmarketing.co.jp/donyu/pdf/d_hallow.pdf

カーセブン:顧客分析による効果的な販促戦略

「カーセブン」では、ネットを通した証券分析や査定依頼データを元に、顧客データを管理・活用しています。ファミリー層が多いエリアであればミニバンのような車、単身女性が多いならばコンパクトカーといった形で特性に合わせたポスティング戦略を練ることで、より高い効果を発揮しています。

詳細はこちら: https://www.mapmarketing.co.jp/donyu/pdf/d_car.pdf

エリアマーケティングのカギはデータ活用

上記の例などを見れば分かるように、効果的なエリアマーケティングを行うには、具体的なデータの活用が必要となります。

一体自社がシェアを得るためには、どのような情報が必要で、どのような戦略を練れば良いのか?

データと共に自社の特徴を洗い出し、より噛み合った戦略を立てる事が、今後のエリアマーケティングにおいて必須の事項となってくるでしょう。

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