ハフモデルとは
ハフモデルとは「消費者が、どの店舗で買い物をするかの確率を求める」ことであり、計算式などの数値を当てはめて算出していく方法となります。
大きい店舗ほど集客力があるなどの理由から1960年代のアメリカで生まれた考えであり、競合他社との競り合いなどに負けないためなどに活用されています。
ハフモデルの図解
上記の説明だけではイメージがしにくいと思いますので、ハフモデルを図解で表したもので詳しく確認していきましょう。
ハフモデルの考え方は「店舗までの距離が近く、魅力度の高い店舗ほど顧客を吸引できる」という仮定のもと、競合や顧客の位置関係を加味して需要予測を行います。
例えば、上図のような場合には「店舗の面積が大きく、かつ距離が最も近い」B店舗の吸引力が強く、来店確率が高くなります。
ハフモデルの計算式
ではハフモデルの計算式は下記となります。
吸引率=魅力度/距離α÷Σ(魅力度/距離α)
魅力度とは店舗の売り場面積+αのことでありαは距離抵抗数「1~2」、Σとは100のことです。
なので上記の図を参考にすると店舗Aの吸引率は
(1000/500)÷(1000/500)+(2000/1500)×100
となり店舗Bは
(2000/1500)÷(1000/500)+(2000/1500)×100
となります。
計算方法は難しいものではく中学生程度知識があれば計算できますので、初めてハフモデルを活用するという場合でも問題なく計算できるでしょう。
また直線距離ではなく道路距離や道路時間を用いたアドバンス・ハフモデルというものもあります。
ハフモデルの注意点・成功の3つのポイント
ハフモデルは商圏分析の手法としては、比較的容易に出来る手法ですが、成功させるために必要なポイントや注意点を紹介します。
魅力値の数値設定
「魅力のある店舗に消費者はいく」というのは間違いありませんが、偏った数字にしてはいけません。
売場面積が大きいと魅力度は上がりますが、それ以外にも質の面での評価や値段なども深く関わってくるため、魅力度の数値設定は非常に重要になります。
競合他社がいる場合は個人の所感は加味せず、データに基づいた正確な数値を設定するようにしましょう。
距離抵抗は柔軟に捉える
距離の近い店舗に消費者は行きやすいものですが、何を買いに行くかによって距離抵抗というのは変動していきます。
例えば日常生活でよく使うもの場合は、近場の売場で十分です。
一方で家電や車などの金額の大きな商品を購入する場合は、遠くても質の高い売場に足を運ぶこともあります。
それぞれのニーズやシーンに合わせて対応することが重要であり、距離抵抗はその度に変更するようにしましょう。
既存店舗から小さく検証する
手法は簡単ではありますが、いくつかパターンを試しながら精度を高めていく費用があるため、スモールスタートで実施しましょう。
新しく店舗を出店する場合などはまず既存店舗からハフモデル分析を行うことが大切で、確実なデータをとることができます。
既存の店舗ですと実績がわかっていますのですぐにハフモデル分析を行うことができ、分析結果から新規店舗への適用をすることができるでしょう。
無料商圏分析ツール3選
jSTAT MAP
- 総務省が公開
- レポート出力可能
- 国勢調査の数値も出力可
「jSTAT MAP」は、総務省が公開している政府統計の総合窓口「e-Stat」で公開されているツールです。国が公開しているものなので、安心して使用することが出来ます。
詳細はこちら:https://jstatmap.e-stat.go.jp/trialstart.html
地域経済分析システム「RESAS」
- 地方創生支援
- ビッグデータの集約
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地域経済分析システム「RESAS」は、地方創生を支援するために、経済産業省と内閣官房が提供しているシステムです。
時間帯ごと人の移動なども確認することが出来ます。
詳細はこちら:https://resas.go.jp/#/13/13101
QGIS
- オープンソース
- ブラウザ使用可能
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「QGIS」は、完全無料でありながら有料のシステムに近い機能や操作性を備えたソフトウェアです。オープンソースとなっており、機能の追加等は無料のプラグインでインストール可能。稼働もブラウザで行う事が出来る点が魅力です。
詳細はこちら:https://qgis.org/ja/site/about/index.html
高度な分析ができるおすすめ商圏分析ツール3選
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「Market Anlyzer」では、直感的なインターフェースによって多様なデータを扱うことが可能です。
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