※この記事には一部PRが含まれます。
キャンペーン

販売促進(販促)とは?マーケティングとの違いや効果アップのコツ、業界ごとの事例を紹介

更新日:
販売促進(販促)とは?マーケティングとの違いや効果アップのコツ、業界ごとの事例を紹介のアイキャッチ画像
記事のURLとタイトルをコピーする

販売促進(販促)とは?

販売促進(販促)とは、商品の売り手が顧客の購買意欲を刺激し、商品を購入してもらうための一連の活動のことです。一般的にセールスプロモーションや販促と呼ばれることが多く、チラシやポスターなどの「販促に使うグッズ」は販促品といいます。

販売促進・マーケティング・営業(販売)の違い

販売促進と似た言葉に、マーケティングやPRなどがあります。それぞれの役割や特徴、担当部門などは次のとおりです。

 役割特徴・目的部門
マーケティング・PR認知・集客情報発信と潜在顧客のニーズ喚起マーケティング・広報部門
販売促進購買行動の誘発顕在顧客への動機づけ営業企画・マーケティング部門
営業・販売製品の購入・クロージング動機付けされた顧客の契約・販売営業・販売部門
販売促進と似た言葉の違い

マーケティングには宣伝や販売促進なども含まれます。これら一連の活動の総称がマーケティングです。

販売促進はマーケティングの一連のプロセスの中で「購買のきっかけ」を作る活動です。無料キャンペーンやクーポン配布など、新規・見込み客獲得を目的としたキャンペーン施策がイメージしやすいでしょう。

販売促進・販促活動が必要な2つの理由

販売促進・販促活動は売上拡大に欠かせないプロセスです。効果的な販促活動を行うことで、効率的に商品やサービスの認知を拡大したり、迷っている見込み客の背中を押したりできるでしょう。

マーケティング手法が多様化・複雑化した現代において、販促活動の重要性は増しました。その2つの理由を紹介します。

(1)多様化し続けるニーズと商品

価値観の多様化により消費者のニーズは複雑化し続けています。多様なニーズに応えるために企業は新しい商品やサービスを作り続けてきたことは、歴史を見ても明らかでしょう。

しかし、ここ数十年の加速度的なテクノロジーの進歩により、消費者のニーズもそれに応えるための商品も多様化の一途をたどっています。進化したテクノロジーが、多様な商品・サービスの開発と製造を可能にしたためです。

商品やサービスが多様化し、市場に飽和した状態では、自社の商品・サービスは埋もれてしまいます。自社製品と他社製品の違いを伝える以前に、まずは自社製品を消費者から認知してもらわなければなりません。

自社製品を知ってもらうためにも、競合製品との違いを伝えるためにも、販促活動が欠かせないのです。

(2)インターネットの普及

テクノロジーの進歩は商品やサービスだけでなく、情報も飽和させました。現代ではPCやスマホからインターネットにアクセスし、簡単に情報を集められる時代です。

インターネットの登場により、消費者は能動的に情報を集め、取捨選択できるようになりました。インターネットの登場により消費者は膨大な情報の中から、自らの興味・関心に合うものや信頼できるものを選べるようになったのです。

従来のテレビCMや雑誌広告などのような「企業から消費者への一方通行の情報提供」では、企業にとって都合のいい情報だけが消費者に届けられていました。このような背景もあり、消費者は基本的に企業をいきなり信用することはありません。

ネット広告・コンテンツSEO・SNS・アプリなど、広告の手法も増えました。これらの手法や媒体について理解を深め、効果的に活用していくことが、これからの販促活動では不可欠です。

販売促進・マーケティングの原則

現代社会の販促活動・マーケティングの原則は「消費者理解」にあります。彼らについて知り、その食指が動くように、自社の商品やサービスをプロモーションしなければなりません。そのために有効な2つのフレームワークを紹介します。

消費者視点の4C

4Cとは次の4つの文字の頭文字をとったもので、顧客価値に着目したフレームワークです。

  • (1)Customer Value(顧客価値)
  • (2)Customer Cost(顧客コスト)
  • (3)Convenience(利便性)
  • (4)Communication(コミュニケーション)

消費者の目線に立ち、彼らが何を求めているのかを知ることができなければ、効果的な販促活動はできないでしょう。

まずは消費者が何に価値を感じるのかを明らかにしたうえで、自社はどんな価値を提供できるかを考えなければなりません。

企業側視点の4P

4Pは次の4つの文字の頭文字をとった用語です。自社が消費者にどんな価値を提供できるのか、4つの視点から考えます。

  • (1)Product(製品)
  • (2)Price(価格)
  • (3)Place(流通)
  • (4)Promotion(販売促進・手段)

これら4つのPは、先述の4つのCと相関関係にあります。

相関するCとP企業が考えるべきこと
Customer Value(顧客価値)-Product(製品)商品やサービスを通して顧客にどんな価値を提供できるか

どんな悩みを解決したり、欲求を満たしたりできるか
Customer Cost(顧客コスト)-Price(価格)商品やサービスで提供する価値に対して、顧客はいくらまでのコストを支払ってくれるか

顧客が支払おうと思える範囲内で価格を設定できるか
Convenience(利便性)-Place(流通)商品やサービスをどこで販売するか、どのような経路・チャネルで顧客に届けるか

顧客目線で「手に入りやすいか」「必要なときすぐに買いにいけるか」を考える
Communication(コミュニケーション)-Promotion(販売促進・手段)自社の商品やサービスの情報をどんな経路・チャネルで顧客に届けるか

想定されるターゲット層に対し、どんな販促活動やプロモーションが有効なのか考える
4Cと4Pの関係性

販売促進は5W1Hにそって最適化する

具体的な販売促進について考えるときは、5W1Hのフレームワークを意識しましょう。5W1Hは次のそれぞれの頭文字をとった用語です。

  • When(いつ)
  • Where(どこで)
  • Who(誰に)
  • What(何を)
  • Why(なぜ)
  • How(どのような方法で)

5W1Hに沿うことで、どのように販促活動を進めるかを抜け漏れなく考えられるでしょう。

販売促進の目的と5つのステップ

販売促進のステップ
販売促進の5ステップ

新規顧客の獲得だけを考えていては、効果的な販売促進はできません。新規顧客にリピーターになってもらい、リピーターに自社のファンになってもらうことで、より効率的に売上アップを目指せるでしょう。

効率的な売上アップのために欠かせない、販売促進の5つのプロセスを紹介します。

(1)新規顧客の開拓

まずは新規顧客を獲得しましょう。これまで自社の商品やサービスを購入していたことがない消費者に、自社製品を買ってもらうのです。

新規開拓には「広告」「営業」「店頭」などさまざまな方法があります。業態やターゲット層に合わせてこれらの方法を効果的に組み合わせることで、販売促進の成果は高くなるでしょう。

(2)顧客単価のアップ(クロスセル)

顧客一人あたりからいくらの売上を得られるかは、「顧客単価×購入頻度」で決まります。

顧客単価をアップさせるには「自社製品の良さや必要性を理解してもらい、高額商品を購入してもらう方法(アップセル)」と、「ほかの商品とセット購入してもらう方法(クロスセル)」があります。

アップセルを目指すにはオウンドメディアやメルマガなどによる情報発信、営業による信頼関係の構築、低価格プランでサービスを気に入ってもらい、上位プランへの乗り換えを促すなどの方法が取れるでしょう。

クロスセルではこれらの方法に加え、店頭のPOPやネットショップでのレコメンド、セット割引などのキャンペーンが考えられます。

(3)リピートの促進

売上アップの計算式における「顧客単価×購入頻度」の購入頻度を高めるために、既存顧客のリピート(再購入)を促しましょう。

リピート率が悪ければ新規顧客を獲得し続ける必要があり、いつまでたっても売上が安定しません。マーケティングの世界には「1:5の法則」と呼ばれる法則があります。「新規顧客に商品やサービスを販売するためには、既存顧客の5倍のコストがかかる」という法則です。

顧客離れを5%改善すると、利益が25%改善されるという、「5:25」の法則もあります。

いずれにしても、新規獲得にかかるコストは大きいです。まずは既存顧客を大切にし、顧客離れや解約を防ぐこと。既存顧客と良い関係を築き、リピート率と客単価の向上を目指すことが重要です。

(4)紹介顧客の促進

既存顧客からの信頼が得られると、彼らが新しい顧客を紹介してくれるようになるでしょう。消費者が企業を信用しづらくなっている現代において、紹介してもらえるというアドバンテージは大きいです。

既存の顧客にうまく販売促進を行い、「ここの商品は他よりもいい」「この会社は信用できる」と感じてもらうことで、ポジティブな評判を広めてもらうこともできます。このような実際のユーザーによる口コミは他の消費者からの信用が得やすく、自社発信の宣伝よりも高い効果が得られるでしょう。

(5)休眠顧客の掘り起し

ここまで解説してきたように、販売促進や売上拡大において既存顧客への働きかけは重要です。ただ、ここで見落としがちなのが「休眠顧客」です。自社製品を定期的に購入してくれる「アクティブな既存顧客」には客単価やリピート率アップのためのアプローチを、自社製品の購入をしばらくしていない、あるいは契約休止状態である「休眠顧客」には再購入(掘り起こし)のためのアプローチをしましょう。

アクティブな既存顧客へのアプローチに比べ、休眠顧客の掘り起こしは難しいです。アプローチが行き過ぎると「しつこい」と感じられ、掘り起こしどころか拒絶されたりネガティブな評判を広められたりするかもしれません。

このようなリスクを低くするためにも、効果的にアプローチするためにも、その顧客がなぜ休眠状態なのかを分析することが大切です。CRMや会員管理システムに蓄積されたデータ、休眠前のやり取りの履歴などを確認し、休眠状態になった理由を探ってみましょう。

具体的な手法・アイデア

販売促進はどのように行えばいいのか、具体的な手法を紹介します。

インターネット活用(HP・グルメサイトなど)

スマホが普及した現代において、インターネットを用いた販売促進は重要です。具体的には次のような媒体・手法が挙げられます。

手法主な目的・効果
自社HP企業HPを製作・公開することで顧客からの信用を得やすくなる

顧客は企業の所在地や代表者、問い合わせ先などがわかり安心できる
オウンドメディア自社の理念や自社で働く人などについて伝えるメディアを作り、ブランディングに活用する

デザインにもこだわったリッチなメディアを作ることで自社のファンを増やしやすくなるだけでなく、採用にもプラスに働く
コンテンツSEO自社が扱う商品やサービスに関する情報発信を行うWebサイトを作る

自社のターゲットになりうる消費者を集めたり、情報発信を通して自社製品の必要性を理解してもらったりできる
各種Web広告ブラウザの検索結果やブログをはじめとするWebメディア、動画サイトなどに自社製品の広告を出稿する

情報(広告)を届けたい層に対して効果的に情報発信ができるため、認知拡大や新規獲得に適している
グルメサイト

レビューサイト
グルメサイトやレビューサイトに自店舗のページを製作・掲載する

ユーザー数の多いプラットフォームに掲載することでお店を知ってもらいやすくなるのはもちろん、

既存客のレビューや口コミという「信頼されやすい情報」を増やし、販売促進に活用できる
インターネットを活用した主な販売促進

気になるお店があっても、来店する前にホームページやレビューサイトなどで情報を集める人は多いです。自社HPやレビューサイトへの掲載は、このような見込み客に安心感を与え、来店を促すことにつながります。まだ作成・掲載していないのであれば、まずは自社HPの作成とレビューサイトへの掲載からはじめてみましょう。

SNSの活用

SNSは自社HPをはじめとするWebサイトを作るよりも手軽に、コストをかけずにはじめられます。販売促進に使いやすいSNSと、その特徴は次のとおりです。

SNSの種類特徴・得意分野
LINE(公式アカウント)日本で最も利用率が高く、一日に何度も開く「LINEのトーク画面」に自社アカウントを表示できる

通知や配信の見逃しが起こりづらい、「リッチメニュー」を活用したオンライン予約・問い合わせ対応なども可能

既存顧客の囲い込み、ファン育成に強いSNS
X(旧ツイッター)短文での投稿が前提のため、とにかく手軽に運用できる

リポストによる拡散はもちろん、フォロー外のアカウントのタイムラインに自社の投稿が表示されることもあり、拡散力は圧倒的

認知拡大に強いSNS
Instagram画像付きの投稿が前提のため、SNS映えを意識した飲食店、アパレルやコスメなどの商品の雰囲気を伝えたい業界に適している

統一感のある投稿を続けることで自社アカウントの世界観を表現したり、ストーリー機能でユーザーとコミュニケーションを取ったりもしやすい

ロイヤルカスタマーや自社のファンの育成に強いSNS
販売促進に役立つ3大SNS

これらのSNSの詳しい特徴や運用のコツ、マーケティングにおけるSNSの重要性などは、こちらの記事で解説しています。

SNSで集客って本当にできるの?SNS集客を始める企業が増えた理由と、主要SNSの運用テクニック

クーポン配信

クーポン配信は既存顧客のリピート促進はもちろん、新規獲得にも有効です。「セット割引クーポン」はクロスセルの促進に、「高額商品の高割引率クーポン」「上位プランへの乗り換え割引クーポン」などはアップセルの促進に役立つでしょう。

SNSやメルマガ、アプリなどで「期間限定の割引率が高めのクーポン」を配信すれば、来店や購入を迷っている見込み客の背中を押せるかもしれません。

クーポン配信の方法には「SNS」「アプリ」「メルマガ」「DM」などがあります。特にアプリでの配信はスマホに通知を出せるため、既存顧客へのクーポン配信に適しています。メルマガやSNSと比べて見逃しを防ぎやすいでしょう。

紙媒体などのオフライン施策

  • チラシ
  • 看板
  • カタログ

チラシや看板、カタログなどのオフライン施策にも、まだまだ効果があります。これらの販売促進の重要度は、インターネットの普及により確かに低くなりました。

しかし、機械やインターネットが苦手な人にとって、これらはメインの情報収集媒体です。店舗付近にエリアを絞り、届けたい相手に効果的に情報を届けられるメリットもあります。

チラシやカタログなどはただ配るのではなく、クーポンや見やすい地図などをつけることで、より高い効果が得られるでしょう。

販売促進の事例

ここまでさまざまな販売促進の手法を紹介してきましたが、どのように活用すればいいのか、イメージがわかないという人もいるでしょう。

そこで、業界ごとの販売促進の事例を紹介します。事例を参考に、自社にできそうなことを考えて見ましょう。

(1)飲食業界の事例

飲食業界の場合、「調理の工程をお客さまの目につきやすいようにする」という事例がよく見られます。道行く人の視覚や嗅覚に訴えかけ、食欲を、ひいては来店・購買意欲を高めようという方法です。

品数が少ないなどの一見ネガティブな要素も、「一つひとつ丹精込めて作っています」のような一言を添えるだけで、むしろ好印象につながるでしょう。

(2)アパレル業界の事例

アパレル業界ではインターネットを活用する事例が増えています。オンラインショップを開くだけでなく、「実店舗で測ったサイズをもとに、オンラインでオーダーメイドができる」「VR技術を活用してオンラインでの買い物をしやすくする」など、工夫を凝らした販売促進が行われています。

(3)EC・通販業界の事例

EC・通販業界では「店舗よりも安く購入できる」「ボタン一つで家まで届く」など、お得さ・便利さをアピールする販売促進が盛んです。

特に楽天市場やAmazonなどの大手ECモールは取り扱い商品が多く、実店舗よりもたくさんの商品を比較できると人気を集めてきました。

販売促進の目的を明確にすること、複数チャネルの組み合わせを意識しよう

販売促進の効果を高めるために、まずは「販売促進の目的」を明確にしましょう。たとえば認知拡大を目的にSNSで公式アカウントの運用やキャンペーンを行うなら、InstagramやLINEよりもX(旧Twitter)が適しています。実店舗なら、集客したいエリアへのポスティングも効果的でしょう。

認知拡大やリピート促進などの目的を明確にすることで、取るべき手法や活用する媒体が見えてきます。

もちろん、販売促進をひとつの手法・チャネルに限定する必要はありません。効果が高そうな手法やチャネルで販売促進を行い効果を比較・分析すること、複数の手法やチャネルを組み合わせることで、より高い成果が得られるでしょう。

この記事にはタグがありません。

この記事がよかったらシェアをお願いします!

販売促進(販促)とは?マーケティングとの違いや効果アップのコツ、業界ごとの事例を紹介のアイキャッチ画像
この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
orend-stock

© 2024 STEP AROUND .Inc All Right Reserved