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飲食店の人手不足はなぜ深刻?9つの解決方法を採用・離職防止・仕組み化に分けて解説

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飲食店の人手不足が深刻な理由

飲食店の有効求人倍率は約3倍(求人数に対して応募者数が3分の1しかいない)であり、他業界と比べても深刻な人手不足であるといえます。人手不足を解決するには、その原因を知り、対策を立てなければなりません。飲食業界の人手不足がこんなにも深刻なのはなぜなのか、9つの理由を紹介します。

新型ウイルス流行による打撃

飲食業界は新型コロナウイルスの流行により、特に深刻な影響を受けました。ロックダウン、外出制限、感染拡大防止の規制により、多くの飲食店が一時的または長期的に営業を停止せざるを得なくなりました。これにより多くのスタッフが働けなくなり、転職していきました。業界全体で人手不足が一層深刻化したといえるでしょう。

2023年3月に政府がマスク不要の呼びかけをしたことで、コロナ禍は実質収束したといえます。しかし、一度辞めたスタッフは戻ってきません。飲食業界で働こうと考える人の不安も大きくなりました。

給与(時給)の低さ

飲食業界の労働条件は「他業界と比べて良い」とはいえません。給与が低く、労働時間が不規則であることが一般的です。働くうちにもっと条件の良いほかの職種や業界に転職したいと思うようになるスタッフも少なくないでしょう。

このような理由から、飲食業界では人材の流出が増加しています。特に、高い時給を提供する競合業界に比べて、飲食業界全体の賃金水準が低いことが問題です。

休憩や休日が取りづらい

飲食業界では、忙しい時間帯に休憩をとることが難しく、休憩中であっても仕事をしなければならないことも多いです。お店側は忙しい休日や週末ほど出勤してほしいと考えるのに対し、週末に予定を入れたいスタッフもいるでしょう。

スタッフのワークライフバランスが取りづらく、長期間勤務を続けることが難しくなるほど、離職率が上昇していきます。

スタッフの入れ替わりが激しい

飲食業界はスタッフの入れ替わりが激しいです。新人の研修や指導に時間を割かなければならないことを考えると、頻繁なスタッフの入れ替わりは経営にとって大きな負担となります。

スタッフからしても、気心が知れない相手と一緒に働くのは大変です。頼りにしていた先輩が辞めたのを機に、「自分も辞めようかな」と考えるスタッフもいるでしょう。

特に学生アルバイトには、バイト先で友だちや恋人をつくりたいと思っている人も多いです。このような層は定着率の高いバイト先へと移っていってしまうでしょう。

アルバイトの枠を超えた仕事量と責任

飲食店のアルバイトは、時にアルバイトの枠を超えた仕事量と責任を求められることもあります。ピーク時にはアルバイトスタッフも、フルタイムのスタッフと同じ業務量をこなさなければならず、休憩もまともに取れないことも少なくありません。

一部の飲食店では、アルバイトスタッフにも厨房業務やレジ業務など、本来の担当業務以外の仕事を任せることがあります。長くいるスタッフほど責任も大きくなり、料理やサービスの質を維持する役割を担わせられ、アルバイトを続けるのがつらくなるでしょう。

飲食店の採用を増やす3つのアイデア

ここまで紹介してきたさまざまな要因が組み合わさり、飲食店業界における人手不足が深刻化しています。次に、この問題に対処するための解決策について探りましょう。

1.採用媒体を増やす

飲食店がスタッフを増やすためにできる最も簡単な方法は、「採用媒体を増やす」ことでしょう。既存の求人広告に加えて、求人情報サイト、お店のHPやSNSの公式アカウントなど活用しましょう。

より多くの媒体で求人情報を発信することで、今までアプローチできていなかった層にアプローチできます。また、飲食業界向けの求人情報サービスを利用することも、採用活動をスムーズに進めるうえで役立ちます。

2.時給を周りのお店より少しだけ高くする

飲食業界は全体として時給が低い傾向がありますが、10円でも20円でも高い時給を設定することで、周りのお店との差別化が図れます。

何より、時給が高ければスタッフのモチベーションも上がるでしょう。離職防止はもちろん、スタッフ一人ひとりの動きが良くなる、友人・知人をアルバイトに誘ってくれるなどの効果も期待できます。

昇給制度やインセンティブ制度を導入することも、スタッフのモチベーション向上につながります。

3.お店の雰囲気づくり

スタッフにとって働きやすい雰囲気をつくりましょう。飲食店の雰囲気や文化は、スタッフを「働き続けたい」「仕事をもっとがんばりたい」という気持ち訴えかけます。

スタッフ同士の協力やコミュニケーションを促進し、働きやすい環境を整えることが大切です。また、スタッフの声に耳を傾け、改善を続けることも重要です。

飲食店の離職率を下げる3つのアイデア

少子高齢化が深刻な日本では、新しく人を雇うのがそもそも難しいです。特に若いアルバイトメインで回している飲食店の場合、どんなにお金をかけて求人を出しても人が全く集まらないということもあるでしょう。

採用を増やすのも大切ですが、それ以前に、今いるスタッフの離職を防がなければなりません。飲食店の離職率を下げるアイデアを3つ紹介します。

1.まずは店長がいい雰囲気をつくる

飲食店の離職率を下げるためには、まずは店長や経営陣に「いい雰囲気をつくろう」という意識がなくてはなりません。経営陣がリーダーシップを発揮しポジティブな姿勢を示せば、スタッフはついてきてくれるでしょう。

スタッフに働きがいを感じさせるような働きかけを心がけることが大切です。スタッフを使うという意識ではなくサポートする意識を持つこと、コミュニケーションを円滑にする努力をすることが、離職率の低下につながります。

2.十分な研修期間を設ける

新入社員や新たなアルバイトに対して十分な研修期間を設けることは、スタッフのスキルと安心感を高めます。スタッフが仕事に慣れるまでの間、しっかりサポートすることで、仕事に対する不安やプレッシャーは軽くなります。特に早期離職が多いお店は、研修の期間や内容を見直してみましょう。

3.働きやすい環境をつくる

スタッフが快適に働ける環境を整えることも、離職率を下げるためには欠かせません。休日を取りやすくすること、休憩中に仕事のことを気にしなくていいことは、最低限心がけましょう。

ほかにも業務の負担がなるべく均等になるようにする、過剰サービスをやめてスタッフのストレスを軽くするなど、工夫次第で働きやすい環境がつくれます。

スタッフを増やさずに人手不足を解決する3つのアイデア

スタッフを増やせば、その分人件費や管理負担も大きくなります。求人を出しても応募がなかなかこないというお店も多いでしょう。離職率を下げるだけでなく、今いるスタッフで効率よくお店を回す工夫が必要です。

スタッフを増やさずに人手不足を解決する3つのアイデアを紹介します。

1.短期・日雇いバイトの活用(休憩室にバイト募集の張り紙

繁忙期と閑散期の差が激しい、急な離職でとにかくすぐに人手を確保しなければならないという場合、短期・日雇いバイトを活用するのがおすすめです。短期・日雇いバイトは通常のアルバイトよりも時給が高く、都合のいいときだけ働けるので、応募のハードルが低いです。

飲食店の忙しい時間帯に、短期間のアルバイトや日雇いのスタッフを活用することで、ピーク時の人手不足を解消できます。

利用するサービスの規約にもよりますが、休憩室にアルバイト募集の張り紙をしておくのもいいでしょう。短期・日雇いバイトでお店を気に入ってくれた人が応募してくれるかもしれません。「日払いOK」「交通費支給」など、短期・日雇いバイトに見劣りしない条件を設定しておくと効果的です。

2.セルフオーダーの導入

セルフオーダーシステムを導入することで、スタッフは会計業務から解放されます。その分、接客や配膳などの業務に人手を割けるようになるでしょう。

3.ITシステムやサービスの活用

予約管理や在庫管理、マニュアル共有などのITシステムを活用することで、店舗業務や人材育成を効率化できます。デリバリーサービスやテイクアウトなどの導入も、配膳や客席の片付けを減らし、人手不足を補う一助になります。

採用・離職防止・仕組み化…、工夫を凝らして飲食店の人手不足を解決しよう

飲食店の人手不足は深刻な問題ですが、適切な対策を講じることで克服できるでしょう。採用活動の強化はもちろん、離職率を下げるための努力、効率化の仕組みづくりなど、できることはたくさんあります。

これらの対策は人手不足の解消だけでなく、飲食店経営の安定・成功にもつながります。人手不足の課題に真剣に向き合い、工夫を凝らして解決策を見つけましょう。

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この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
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