コンビニ決済とは、払込票やオンライン発行の支払い番号などを使い、コンビニから商品やサービスの料金を支払う方法です。コンビニ決済の仕組みや人気の理由、導入メリット・デメリットについてまとめて解説します。
コンビニ決済とは?
コンビニ決済とは、払込票やオンライン発行する支払い番号などを使い、全国のコンビニエンスストアで商品やサービスの料金を支払う方法です。
いたるところにあるコンビニを使えること、24時間365日支払いを受け付けられることなど、ユーザーにとって利便性が高い支払い方法で、そのため事業者にとってはターゲット層拡大や売上アップなどのメリットがあります。
コンビニ決済の仕組み
先述の通り、コンビニ決済の支払い方法には「払込票」と「オンライン発番」の2つがあります。
払込票は、顧客に商品やサービスの料金支払いのための払込票を送り、それを使ってコンビニ(ドラッグストアやスーパーなど、コンビニ以外で使えるものもあります)で支払いができます。
電気やガスなど公共料金の支払いに使う、バーコードが入った用紙が払込票です。払込票はミシン目で区切られた3~4枚つづりになっており、支払い後に顧客は控えを受け取り、残りはコンビニから決済機関へと送付されます。
オンライン発番では、顧客は商品の注文やサービスの申し込み後に発行される番号を控えてコンビニに行きます。コンビニ店頭の券売機やATMなどに番号を入力すると、バーコードつきのレシートが発行され、それをレジに持っていき支払いをします。
払込票の送付が不要なため紛失や送り間違いも起こらず、入金状況もほぼリアルタイムで確認できるため便利です。
コンビニ決済の利用率はクレジットカードに次いで2位
グラフはインターネットで購入する際の決済方法について、総務省が調べたものです。コンビニ決済はクレジットカード払いに次いで、2番目に使われています。
詳しくは後述しますが、「コンビニ決済はクレジットカードを持っていなくても使える」「買い物や通勤のついでに支払いを済ませられる」など、消費者にとって利便性の高い決済方法です。代金引換と比べると、手数料も割安です。
このグラフは2014年のインターネットで購入する際の決済方法を調べたものです。代金引換が2位であり、この後コンビニ決済が逆転したことがわかります。
コンビニ決済は人気が高まっている決済手段です。このような決済手段を支払い方法に取り入れることで、ターゲット層の拡大や機会損失の防止などが期待できます。
コンビニ決済の支払いタイミング
コンビニ決済の支払いタイミングには前払いと後払いの2種類があります。
前払いタイプ
前払いタイプは商品やサービスの料金支払いの確認が取れてから、商品の発送やサービスの提供開始をするタイプです。仕組み上未回収が発生することがなく、安心して利用できます。
その反面、「今支払いに行くのが面倒」といった理由で購入や申し込みを見送られてしまうこともあるでしょう。
後払いタイプ
後払いタイプは商品やサービスの提供後、顧客に料金を支払ってもらう方法です。支払いは翌月初旬や月末などの決まったタイミングでまとめて行います。電気やガスなどの公共料金もこのタイプで、従量制の料金プランにも適した方法です。
商品の到着後に料金を支払えることから、顧客にとって安心感があります。手元に現金がなくても注文でき、支払いを後回しにできることから、客単価アップも期待できるでしょう。
商品の代金を決済代行会社に立て替えてもらえるサービスも多く、未回収リスクも低いです。
支払い方法にコンビニ決済を導入するメリット
支払い方法にコンビニ決済を導入することでユーザーにとっての利便性が高まり、それは「ターゲット層の拡大」「客単価アップ」などの事業者側のメリットにもつながります。コンビニ決済を導入する5つのメリットを紹介します。
ターゲット層の拡大
コンビニ決済を導入する1つ目のメリットは、「ターゲット層の拡大」です。
コンビニ決済は誰でも利用できます。クレジットカードを持っていない人やカード払いに抵抗がある人でも利用しやすく、銀行や郵便局などで支払いをするよりも手軽です。
コンビニ決済を導入することで、支払い方法がネックで購入や申し込みをためらっていた層を取り込めるでしょう。
売上・客単価アップ
コンビニ決済を導入する2つ目のメリットは、「売上・客単価アップ」です。
コンビニ決済の導入でターゲット層の拡大が期待でできるのは先述のとおりです。ターゲット層の拡大は、そのまま売上アップにつながります。
後払いタイプのコンビニ決済なら手元に現金がなくても利用でき、「来月なら買えるのに、今は手元にお金がなくて買えない」というユーザーからの注文が増えるでしょう。受注販売や期間限定販売などの商品には、特に適した支払い方法といえます。
また、人間には未来の支出を小さく見積もる性質があり、これを行動経済学では「双曲割引」といいます。後払いタイプのコンビニ決済では双曲割引が働き、客単価が高くなることもあるでしょう。
ほぼリアルタイムの入金確認
コンビニ決済を導入する3つ目のメリットは、「ほぼリアルタイムの入金確認」です。
コンビニ決済では支払い完了後、メールやシステムの通知画面などにより、決済完了が事業者に知らされます。この入金通知は数分から1時間ほどで届くため、ほぼリアルタイムで入金確認が取れるでしょう。
銀行振込などに比べて入金を早く確認できる、通帳確認の必要がないなどのメリットがあります。入金確認がスピーディになれば商品発送も早くなり、顧客からの評価も高くなるでしょう。
未回収リスクの軽減
コンビニ決済を導入する4つ目のメリットは、「未回収リスクの軽減」です。
前払いタイプのコンビニ決済では支払い確認後に商品発送やサービス提供を行うため、未回収が起こりません。後払いタイプでも決済代行会社が料金を立て替えてくれるサービスがあり、このようなものを活用すれば未回収リスクをゼロにできます。
クレジットカードと異なり、不正利用や誤操作などによるチャージバック(ユーザーがクレジット決済に同意しない場合、その売上を取り消すこと)もあまり起こりません。
顧客にとっての利便性向上
コンビニ決済を導入する5つ目のメリットは、「顧客にとっての利便性向上」です。
コンビニ決済はクレジットカードはもちろん、銀行口座がなくても利用できます。いわゆるブラックリスト状態の人や、まだ銀行口座を開設していない未成年などでも利用できること、銀行振込よりも手軽なことから顧客にとっての利便性が高いです。
顧客からの評価向上はもちろん、これまで紹介してきた「ターゲット層拡大」「客単価アップ」などのメリットにもつながります。
ほかの支払い方法と比べたコンビニ決済のデメリット
コンビニ決済はたしかに便利な支払い方法ですが、クレジット決済やキャリア決済などと比べると不便な部分もあります。各支払い方法のデメリットを把握し、自社のターゲット層に合った支払い方法を導入することが大切です。
そのためにも、コンビニ決済の3つのデメリットを把握しておきましょう。
払込票タイプは郵送の手間がかかる
ほかの支払い方法と比べたコンビニ決済の1つ目のデメリットは、「払込票タイプは郵送の手間がかかる」ことです。
払込票の郵送には時間と費用がかかります。ターゲット層が若年層や機械に強い人なら、これらの事務コストを下げられるオンライン発番タイプの方がいいでしょう。
ただし、「Webで支払いをするのは不安」「コンビニでの機械操作がうまくできない」など、オンライン発番に抵抗をもつ人もいます。ターゲット層を見極め、払込票とオンライン発番のどちらにするかを考えることが大切です。
紛失や期限切れへの対応が必要
ほかの支払い方法と比べたコンビニ決済の2つ目のデメリットは、「紛失や期限切れへの対応が必要」なことです。
払込票にもオンライン発番した支払い番号にも期限があります。期限切れの際は払込票の再送や支払い番号の再発行など、対応が必要になります。
紛失や期限切れが起きないよう申し込み確認ページで注意を促したり、リマインドのメッセージを送ったりするといいでしょう。
支払い忘れが起こりやすい
ほかの支払い方法と比べたコンビニ決済の3つ目のデメリットは、「支払い忘れが起こりやすい」ことです。
口座振替のような自動で料金が引き落とされる方法と異なり、コンビニ決済は顧客自らコンビニに行き支払いを済ませなければなりません。手軽に支払いができることは便利ですが、「コンビニなんていつでもいけるから後でいいや」という気持ちもうまれやすくなります。
支払い忘れや未回収が不安なら、前払いタイプを導入するといいでしょう。先述の「確認ページへの注意書き」「リマインドメッセージ」などの工夫をするのもおすすめです。
コンビニ決済で発生する手数料
コンビニ決済の導入には初期費用や月額料金、手数料などがかかります。初期費用は5万円以内、月額料金は無料もしくは1万円ほどのサービスが多いです。
手数料は1回の取引金額により異なり、高額な取引ほど手数料率が低くなるのが普通です。手数料は決済代行会社や契約内容により異なりますが、1取引あたり4%以内または100~500円ほどが目安になります。
コンビニ決済は人気上昇中!機会損失を防ぐためにも早めの導入を
コンビニ決済は人気上昇中の支払い方法です。ターゲット層の拡大や機会損失の防止にはもちろん、特に後払いタイプは客単価アップも期待できます。
支払い方法の充実は売上アップに有効です。コンビニ決済をはじめ、クレジット決済や口座振替、キャリア決済など、ターゲット層に合った支払い方法を増やしていきましょう。
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