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クリニックの開業場所はどこがいい?4種類の立地と選び方、物件の選択肢

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クリニックの立地を選ぶ5つのポイント

クリニックに立地を選ぶ5つのポイントを紹介します。情報を集めデータに基づき立地を選ぶこと、気になる場所には実際に出向き、実地調査をすることが大切です。

1. 人口構成

クリニックを開業する立地を選ぶ際、その地域の人口構成を確認することが重要です。特に大切なのが、年齢層や性別ごとの人口を把握することです。たとえば小児科クリニックを開業するのであれば、子どもが多く住む地域が適しています。ターゲット層がどのくらいいるのかを調べ、提供したい医療サービスに合ったエリアを選びましょう。

2. アクセス

アクセスの良さはクリニックに限らず、実店舗の売上に直結する要因です。公共交通機関の便がよく、駐車場があり自家用車でも来院しやすい場所がおすすめです。

3. 競合

競合クリニックの存在も考えなければなりません。同じ分野のクリニックが周辺に多く存在する場合、競争が激しくなります。そもそも競合が少ない地域を選ぶこと、競合分析を行いほかのクリニックと差別化できる要素を考えることが重要です。

4. 周辺物件

立地選びにおいて、周辺の物件についても確認したいです。近隣に商業施設や学校、公園などがあるかどうか、患者が待ち時間を有効活用できる場所があるかなどを確認し、患者にとって便利で快適な環境を提供できる場所を探しましょう。

5. エリア種別

開業するクリニックの業態や特性によって、適したエリア種別が異なります。住宅街、駅前、ビジネス街、商業施設など、それぞれに適した業態やメリット・デメリットがあります。

クリニックの開業場所におすすめの4種類の立地、適した業態

クリニックの開業場所におすすめの4種類の立地について、それぞれの特徴やメリット・デメリット、どんな業態に適しているのかを紹介します。

1. 住宅街

住宅街は、家族向けのクリニックや小規模な診療所に適しています。患者は近隣に住んでいることが多く、通いやすいためです。

特徴や適した業態、ターゲット層

ターゲット:家族連れや高齢者が多いため、小児科、内科、歯科など家庭医療に適しています。

アクセス:車や公共交通機関、徒歩、自転車など、あらゆるアクセス手段が想定されます。

特徴:地域住民との信頼関係を築きやすく、長期的な患者関係を構築しやすい環境です。

メリット

住宅街では地域住民とのコミュニケーションが取りやすく、患者との信頼関係を築きやすいです。長期的な関係を構築でき、口コミによる集客やリピーター獲得もしやすいでしょう。

エリアにもよりますが他クリニックが少なく、地域において唯一のクリニックとして地域密着型の運営をしやすいです。

デメリット

住宅街は地域住民が主なターゲット層となり、それ以外の新規患者を獲得しにくいです。クリニックの成長に限界があり、既存患者の信頼を損なってしまった場合のダメージも大きいでしょう。

競合が少ないメリットはありますが、近くに新たなクリニックが開業しない保証はありません。集客に限界があることから、競合クリニックが開業したときのリスクは高いでしょう。

2. 駅前

駅前にクリニックを開業することで、多くの通行人にアピールできます。駅周辺には様々な人が集まるため、幅広い患者層を獲得できるでしょう。

特徴や適した業態、ターゲット層

ターゲット層:駅周辺は多くの通行人が行き交うため、新規患者の獲得に適しています。

アクセス:患者は通勤や買い物のついでに立ち寄りやすく、診療時間外にも利用されることがあります。

特徴:一般診療から専門的な診療まで、幅広い医療提供が可能です。

3. ビジネス街

ビジネス街に位置するクリニックは、近くで働くビジネスパーソンに向けた診療を提供できます。ストレスの多いビジネスパーソンが利用することが多いため、ストレス関連の診療に特化したクリニックに向いています。

特徴や適した業態、ターゲット層

ターゲット層:ストレス、健康管理、職場安全など、ビジネス関連の診療に対するニーズが高いです。

アクセス:勤務中やランチタイムに利用しやすく、忙しいビジネスパーソンに診療サービスを提供できます。

特徴:ビジネス街に位置することで、ビジネス関係の患者を通じたネットワーキングの機会が得られることも。取引先や他従業員に自院を紹介してもらいやすいでしょう。

メリット

ビジネス街は整体やマッサージ、針灸などの「身体の痛み」に関するクリニックに加え、内科に適した立地です。

現代のビジネスパーソンは長時間PC画面と向き合って仕事をすることが多く、慢性的な肩こりや腰痛を抱えている人も珍しくありません。彼らには「心身をリフレッシュさせ仕事のパフォーマンスを高めたい」という根強いニーズがあり、一度関係を築ければ、末永くクリニックに通ってくれるでしょう。

トッププレイヤーやマネージャー、役員クラスになると少し風邪を引いたくらいでは休めないという人も多く、内科の需要も高いです。これはある会社の一例ですが、その会社の事業部長は忙しく疲労が溜まりやすく、体調不良以外でも「ニンニク注射」を打つことが多くありました。疲れが溜まっている従業員にニンニク注射を勧めることも多く、部下が彼が贔屓にしているクリニックに行くと「あぁ、〇〇さんの会社ね(笑)」と言われ、世間話もしながら施術を受けられたといいます。

このようにビジネス街にクリニックを構えることで、ビジネス関係の患者を通じてネットワーキングが構築され、紹介による来院が増えることもあります。

デメリット

ビジネス街の物件は企業への貸し出しを前提としているため賃料が高い傾向にあります。クリニックが集中しやすい立地でもあり、競合する分野の医院が近くにあると競争も激しくなります。経営コストがかさみやすいこと、競争が激しくなりやすいことから、経営が圧迫されるリスクも高いでしょう。

4. 商業施設

商業施設内にクリニックを開業することで、買い物ついでに相談や診察、施術が受けられる便利な場所として患者に利用されることが多いです。特に大型のショッピングセンターやモールは人通りも多く、認知されやすく来院者数を増やしやすい特徴があります。

特徴や適した業態、ターゲット層

ターゲット層:買い物のついでに健康診断・相談や施術を受けられ、患者にとって非常に便利です。

アクセス:商業施設内にあるクリニックは、来院者数が多いことが多く、集客力が高いです。

特徴:商業施設内では、ほかのテナントと協力して健康イベントを開催するなど、協力関係を築くことで集客機会が増えます。

メリット

買い物のついでに利用できるため、患者にとっての利便性が高いです。内科や耳鼻科などにはあまり適していませんが、歯科や整体、針灸などのクリニックでは集客がしやすいでしょう。

ほかにも施設内の広告媒体を使って効率的に宣伝ができること、テナントスタッフの継続的な来院が期待できることなど、集客に強いといえます。

基本的には競合も少ないでしょう。施設内にすでにクリニックがある場合、同じ分野の医院は出店しづらく、ライバルのいない環境で安定して運営を続けやすいです。

デメリット

ビジネス街と同じく、商業施設の家賃は一般的に高いです。固定のテナント料に加え、売上の何割かを施設に支払わなければならないこともあります。ほかの立地と比べ、経営コストが増加しやすい場所でしょう。

また、商業施設内では施設管理のルールに従う必要があり、自由度が低いことが多いです。売上不振が続くと施設側から撤退を求められることもあります。

クリニックの開業物件の3つの選択肢

クリニックを開業する際、立地だけでなく土地や建物などの物件も用意しなくてはなりません。物件は購入と賃貸の2つの選択肢があり、賃貸の場合は「建物1棟を丸ごと借りる」「複合施設の1室を借りる」という選択肢に分かれます。

1. 土地や建物を自前で用意する

クリニックを開くための土地を買ったり、自分で建てたりします。既存の建物を改装して使うこともできます。自分で所有する物件はカスタマイズが自由であり、将来的な拡張もしやすいです。ただし、初期投資や維持費が高くつくことがあります。

2. テナント(1棟)を借りる

テナントとして建物1棟を丸ごと借りる方法です。大きな看板を掲げられること、複合施設の1室を借りるよりも広いスペースが確保できることなどのメリットがあります。しかし、テナント契約には制約があることもあります。

3. テナント(1室)を借りる

テナントとして1室を借りる方法は、小規模なクリニックに適しています。大家や管理会社が設備のメンテナンスを行ってくれる場合もありますが、先述の2つの物件に比べてスペースは小さいことが多いです。

クリニックの物件の選び方

購入か賃貸(テナント)か、建物1棟を借りるか複合施設の1室を借りるか。これ以外にも物件選びのポイントはたくさんあります。クリニックの物件の選び方について、具体的なチェックポイントを紹介します。

1. 物件の種類

先述の3つの物件のうちどれが適しているのか、業態やターゲット層に合ったものを選びましょう。

2. 広さと高さ

クリニックの広さは、診療室や待合室、受付などを踏まえて考えましょう。車椅子の患者や介助が必要な患者のことも考え、出入り口や通路も広めに確保したいです。また、天井の高さは医療機器の設置に関わる重要な要素です。設置する医療機器を洗い出し、必要な天井高を明確にしておきましょう。

3. 各種設備

物件はバリアフリーで車椅子でも移動しやすいか、導入する医療機器に必要な電源を確保できるかを確認しましょう。

4. 契約条件

物件の契約条件も検討のポイントです。家賃や保証金、契約期間などはクリニックの経営コストに直接かかわる要素です。

クリニックのベストな開業場所は業態やターゲット層により変わってくる

クリニックの業態やターゲット層によって、ベストな開業場所は異なります。本記事の内容を参考に、まずは開業したいクリニックに合ったエリアと物件種別について考えてみましょう。これらを先に決めておくことで、物件候補をピックアップしやすくなります。

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この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
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