Threads(スレッズ)とは?
Threads(スレッズ)とは、FacebookやInstagramを運営するMeta社が開発したSNSです。X(旧Twitter)と似た機能を持つこと、Xの機能制限が増えた2023年7月にリリースされたことから、「Xの対抗馬」として注目されました。
Threadsの機能・使い方を、X(旧Twitter)と比較しながら紹介
ThreadsにはX(旧Twitter)に似た機能も多く、2023年7月6日というリリース時期(※)もあり、「Xの代わり」「Xに不満を持ったユーザーの移動先」として注目されました。
しかし、2023年8月現在では、XからThreadsに乗り換えたユーザーはそう多くないように見えます。リリース直後は勢いのあったThreadsも、7月下旬には利用者がピーク時の約7割に、平均利用時間も19分から4分に減ったというニュースもあります。
参考:スレッズ利用者、2週間で70%減 機能に不満か アクティブユーザー1300万人、ツイッターの約6分の1に
ただ、Meta社のCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏は「成長よりも安定を重視している」とコメントしています。今後Threadsのアクティブユーザーが着実に増え、Xに取って代わる可能性も十分にあるでしょう。
そこで、ThreadsはどのようなSNSなのかを、Xとの比較に重点をおいて紹介します。今のうちにThreadsの使い方を覚え、Xとの使い分けができるようにしておきましょう。
※イーロン・マスク氏がTwitterを買収して以降、「認証済みアカウントの有料化」「認証済みアカウントでは140字の文字数制限を撤廃」「未認証アカウントの1日の投稿閲覧数を300~600に制限」など、一般ユーザーの有料化を促進してきました。
しかし、これらの変更を「Xらしさをなくす改悪」と捉えるユーザーも少なくありません。
Xユーザーの不満が高まった時期に、DMや分析などの機能がない状態でThreadsがリリースされたことから、「Meta社でXのシェアを奪いに来た」「そのために不完全な状態でリリースした」と見る人も一定数いました。
もちろん真偽のほどはわかりませんが、マスク氏がMeta社訴訟の可能性を示唆したり、鳥のアイコンが「黒地に白文字でX」に変更されたり、両社がけん制し合っているように見える状況はたしかにあります。
Threadsの用語一覧
Threads公式では、Threadsの各機能の名称や用語を次のようにアナウンスしました。
機能 | Threadsでの名称 | X(旧Twitter)での名称 |
ホーム | フィード | タイムライン |
投稿 | ポスト | ツイート |
返信 | リプライ | リプライ |
返信のやり取り(ツリー) | スレッド | リプ欄 |
投稿の再投稿 | リポスト | リツイート |
引用付き再投稿 | クオート | 引用リツイート |
@(宛先付きの投稿) | メンション | メンション |
# | 将来的に実装予定 | ハッシュタグ |
個別メッセージ | 将来的に実装予定 | DM(ダイレクトメッセージ) |
フォロー | フォロー | フォロー |
ブロック | ブロック | ブロック |
これらの用語はあくまでThreads公式が発表したもので、アプリ内で確認できる機能名ではありません。ユーザーに浸透するかどうかも未知数でしょう。
ただ、2023年8月時点では再投稿をリポストやクオートでなく、Xと同じリツイートや引リツ(引用リツイートの略)と呼ぶThreadsユーザーも多く見られます。
投稿
ThreadsもXと同じく、テキストメインのSNSです。しかし、1投稿あたりの文字数や画像数などはThreadsの方が制限が緩く、人によってはXより使いやすいと感じるでしょう。
テキストは500字まで
1投稿に書ける文字数はThreadsが500字まで、Xが140字までです。Xの醍醐味として「言いたいことを140字にまとめあげること」「短い投稿がタイムラインにずらりと並んでいること」を挙げる人は多いでしょう。
しかし実際に使ってみると、文字数制限の緩いSNSでは表現の自由度も高く、投稿しやすいとも感じられます。
ここは人それぞれの好みと考えていいでしょう。
なお、Xでは有料プランに加入することで、最大1万字まで投稿できます。
ただ、基本140字までのXのタイムラインに、数百~数千字のボリューミィな投稿が表示されても浮いてしまうかもしれません。ThreadsにしろXにしろ、ユーザーが読みたくなるようなキャッチーな書き出しをすること、読むことを面倒と感じさせないことを意識したいです。
画像は10枚、動画は5分まで
投稿に添付できる画像はThreadsが10枚、Xが4枚。動画はThreadsが5分、Xが2分20秒までです。
Meta社が提供する画像メインのSNS・Instagramでも、動画の長さは最大60秒です。5分という動画時間は、SNSの中でも長い方といえるでしょう。
投稿に複数の画像を添付した際の表示形式も、ThreadsとXで異なります。Threadsは画像を左右にスライド表示できる「カルーセル」、Xは画像枚数に応じた「分割表示」です。
返信
投稿への返信はThreadsもXも同じようにできます。返信の文字数制限や添付できる画像・動画の数は、通常の投稿と同様です。
再投稿
ThreadsもXも、投稿の再投稿は同じようにできます。ただ、Xでは再投稿の数や再投稿したアカウントの確認ができますが、Threadsではできません。
引用
投稿に引用をつけて再投稿することは、ThreadsもXも同じようにできます。
ただ、再投稿と同じくその数や内容の確認の可否が異なります。Xでは引用の数が元投稿のインサイトに表示され、どんな引用が付いたのかを一覧で確認できます。Threadsでは引用再投稿の数も、どんな引用が付いたのかも、元投稿から確認することはできません。
いいね
いいね機能はThreadsもXも同じように使えます。その投稿にいいねをつけたアカウントも、その投稿を閲覧できるユーザーなら誰でも確認できます。
ただし、Xのプロフィール画面には「いいねタブ」があり、そのアカウントがこれまでいいねした投稿を一覧で確認できます。Threadsにはいいねタブがなく、そのアカウントがいいねした投稿の一覧表示はできません。
フォロー・フォロワー
フォロー・フォロワー機能はThreadsもXも同じで、誰が誰をフォローしているのか、誰にフォローされているのかも確認できます。
ただ、Xのプロフィール画面にはフォロー・フォロワー数の両方が表示されますが、Threadsにはフォロワー数しか表示されません。フォロー数は、プロフィール画面の「フォロワー〇人」をタップして表示される画面の「フォロータブ」から確認できます。
URL添付
ThreadsでもXでも、投稿にURLを添付できます。添付されたURLはリンクとなり、タップすることでそのURLのWebページに遷移できます。
同じMeta社が運営するInstagramでは投稿へのURL添付に制限があり、これもThreadsとInstagramの大きな違いでしょう。
Threadsにはない機能
XにあってThreadsにない機能もあります。Threadsでできないことも、併せて確認しておきましょう(これらは2023年8月時点では無い機能であり、今後実装予定の機能も含まれます)。
下書き・予約投稿
Threadsでは投稿の下書き・予約投稿ができません。そのため、企業アカウントでは営業時間外の夜間や休日の投稿が難しいでしょう。
また、Threadsでは投稿内のテキストをコピーしたり編集したりすることもできません。投稿の内容や誤字脱字を直したい場合は、元投稿を見ながらテキスト手入力し、直したい部分を変更するしかありません。
広告
2023年8月現在、Threadsには広告機能がありません。ユーザーにとっては広告が表示されず、純粋な投稿だけを楽しめるストレスフリーなSNSといえます。
ただ、企業にとってはマーケティングに使いづらいSNSと感じるかもしれません。URLの添付ができるためThreadsからの集客やマーケティング自体は可能ですが、認知拡大やフォロワー獲得をブーストする広告が使えないのはデメリットでしょう。
もちろん、広告機能が実装される可能性はあります。ただ、同じMeta社が運営するInstagramを見る限り、広告過多の見づらいSNSになる可能性は低いでしょう。
分析・インサイト表示
Threadsで確認できるインサイト(数字)は「いいね数」「返信数」「フォロー・フォロワー数」のみです。再投稿や引用再投稿はもちろん、投稿の閲覧数も確認できません。そのため、どうすればフォロワーや閲覧が増えるのかの分析はしづらいでしょう。
もちろん、分析機能が実装されたり表示されるインサイトが増えたりする可能性はあります。
ただ、Instagramでは閲覧数をはじめとするインサイトの確認ができるのはビジネスアカウントのみです。Threadsも同じMeta社が運営しているため、Xほど自由にインサイトを確認できるようにはならないかもしれません。
投稿の検索・ハッシュタグ
Threadsにも検索機能はありますが、検索できるのはユーザーのみです。投稿を検索することはできません。
気になる投稿を探すために便利な「ハッシュタグ(#)」機能もありませんが、少なくともハッシュタグは実装予定があるようです。
Meta社のアダム・モッセリ氏は「投稿の検索機能の開発にも取り組んでいる」とコメントしていますが、同時に「これらの開発には時間がかかる」としています。
DM
実装予定ではあるものの、2023年8月時点ではThreadsにはDM機能がありません。DM実装までは、Threadsに紐付けられたInstagramアカウントからDMをするか、リプライやメンションでメッセージを送ることになるでしょう。
Threadsの登録方法
Threadsのアカウントを作るには、Instagramのアカウントが必要です。Threadsのアプリをインストールしたら、「Instagramでログイン」をタップし、アカウント同士を連携させましょう。
その後、Threads側の情報登録やプロフィール作成、各種設定をすることでThreadsの登録が完了します。
なお、ThreadsのアカウントID・表示名はInstagramのものが反映されます。Threads側からは変更できないため、Instagramのプロフィール編集から変更しましょう。
Threads利用時の注意点
2023年8月現在、Threadsではまだまだできないことも多いです。アカウントはInstagramと紐付けられるため、特に企業アカウントの開設には慎重になった方がいいでしょう。
Threads利用時の注意点を紹介するので、頭の片隅に置いておきましょう。
【最重要】Threadsのアカウントを削除するには、Instagramのアカウントごと消さなければならない
ThreadsのアカウントはInstagramと紐付いています。Threadsのアカウントを削除するには、Instagramのアカウントごと削除しなければなりません。
利用中のInstagramアカウントからThreadsアカウントを作るのが不安なら、Threads用に新規でInstagramアカウントを開設するのもいいでしょう。
ただし、既存のInstagramアカウントからはフォローを引継ぐこともできます。既存アカウントからThreadsアカウントを開設すれば、Instagramでのフォロワーのうちフォローの引継ぎ設定をした人がそのままフォロワーになってくれます。
基本的にブラウザからは使えない
Threadsは基本的にブラウザからは使えません。アカウントごとのプロフィール画面は確認できますが、ブラウザからフィードを確認したり、投稿をしたりはできません。そのため、Threadsで発信する場合はスマホアプリが必須になります。
商業利用NGってホント?
「Threadsの商業利用や規約で禁止されている」という噂を耳にしたことがある人もいるでしょう。
しかし、Threadsは商業利用NGではありません。個人はもちろん、クリエイターから企業まで、誰でもThreadsを利用できます。
Threadsの商業利用NGという噂は規約の翻訳ミスにより広がったようです。正しくは「商用目的で悪用すること」が禁止されています。一般的な商業利用なら、Threadsでも問題なく行えます。
結局、ThreadsとX(旧Twitter)のどちらを運用すべき?
「企業やインフルエンサーはThreadsとXのどちらを運用すべきか」という疑問に対する明確な答えはありません。ただ、マーケティングや集客を強化したいなら、どちらも運用した方がいいでしょう。
「Xの対抗馬」として注目されたThreadsですが、機能やデザインの違いから、ThreadsがXに完全に取って代わることはまずないでしょう。
登録にInstagramアカウントが必須であることから、ThreadsのメインユーザーはあくまでもInstagramユーザーといえます。Threads用にInstagramアカウントを作ることもできますが、Xが好きな人の多くは、やはりXに残るでしょう。
ユーザー数や運営の歴史を考えるなら、少なくともXの運用をやめるべきではありません。Xをメインで運用しつつ、Threadsに割くリソースを少しずつ増やしていくのがいいでしょう。
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