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Web集客とは?認知拡大からロイヤルカスタマー育成までの方法をまとめて解説

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Web集客とは?

Web集客とはその名の通り、Webを使った集客方法のことです。Web集客の種類は大きく「自社(自店)でのメディア運用」と「Web広告」に分けられます。

自社・自店でのメディア運用

自社・自店でブログやSNS公式アカウントなどを運用すれば、広告費はかかりません。ブログ運営にはサーバー代がかかることもありますが、費用は月1,000円に満たないほどです。基本的には運用に割く人手やリソース、つまり通常の人件費だけでWeb集客ができます。

ただし、全くの素人がゼロからWeb集客をしても、なかなか成果は出ないでしょう。自社で作業をするのにも手間と時間がかかり、知識を身につけるための勉強時間も確保しなければなりません。

費用はかかるものの、コンサルタントやマーケティング会社に依頼すれば成果が出やすく、自社にノウハウも蓄積できます。まずはこれらの外部パートナーと協力しながら業務を進め、少しずつ内製化していくのがおすすめです。

Web広告

詳しくは後述しますが、Web広告にはリスティング広告やアフィリエイト広告、SNS広告などさまざまな種類があります。費用のかかり方や相場感も広告の種類ごとに異なりますが、それなりの集客効果を得るにはある程度の予算がかかるでしょう。

予算的にもフロー的にも、まずは自社・自店でメディア運営をして、ある程度のコンテンツ量(SNSやブログの投稿数)が増えてから広告に手をつけるのがおすすめです。これらのコンテンツが充実していれば、広告から自社のブログや公式SNSに人を流すこともできます。

「広告→来店」という流れが理想的ですが、「広告→自社メディアで興味付け→来店」という流れを意識した方が、成果は出やすいでしょう。自社メディアを経由することで、お店に親近感をもってもらいやすくもなります。

多くの企業がWeb集客に力を入れる理由

SNSを眺めてみたり、「〇〇(地域名) 居酒屋」などと検索してみたりすると、今は多くの企業がWeb集客に力を入れていることがわかります。2019年にはインターネット広告費がテレビ広告費を超えたと話題になりました。

Web集客に力を入れる企業が増えた理由にはインターネットとスマホの普及や価値観の多様化、市場の複雑化などさまざまなものがありますが、特に注目したいのが「SNS」と「Z世代」でしょう。

Z世代とは1990年代半ば~2010年頃に生まれた世代のことで、2023年現在で10~20代後半の若い世代のことです。彼らは物心ついた頃からインターネットがあり、中高生の比較的若い頃からスマホを持っています。そんな彼らは「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれます。

デジタルネイティブ、つまりデジタルが当たり前の彼らの生活の中心は、スマホとSNSです。外出時はスマホ1つだけを持っていく、出先で気になるものを見つけたらスマホで写真を撮ってSNSに投稿する。彼らはまるで息をするように、この一連の流れをこなします。

日本ではZ世代の数はそう多くありませんが、彼らにはほかのどの世代にも劣らない「圧倒的な拡散力」があります。Z世代が拡散したコンテンツ(飲食店の料理の写真や口コミなどの投稿)はZ世代だけでなく、ほかの世代にも広まっていくのです。

「Z世代がインターネットを介して、上の世代を連れてくる」という状況があり、これを活かすために、多くの企業がWeb集客に力を入れているといえます。

Web集客の方法・ツール

Web集客の重要性がわかったところで、次はWeb集客の具体的な方法・ツールについて理解していきましょう。

公式HP

公式HPは会社やお店の公式Webサイトのことです。

会社なら会社概要や企業理念、商品やサービスなどの事業紹介を掲載したWebサイトがこれにあたります。

個人経営の小~中規模のお店なら、お店の住所や連絡先、店内やメニューの紹介などを載せたWebサイトが公式HPです。

公式HPがあること、自社・自店について詳しい情報を載せていることは、現代社会で集客をする基本とすらいえます。公式HPが充実している企業ほど、消費者からの信頼を得やすいからです。

ブログ・オウンドメディア(コンテンツマーケティング)

ブログやオウンドメディアを使ったマーケティングを「コンテンツマーケティング」といいます。

具体的には自社の専門領域についてのオウンドメディアを作り自社のノウハウや考え方を発信すること、お店のブログを作ってメニュー開発や仕入れのこだわりについて紹介することなどが、これにあたります。

ちなみに、オウンドメディアは「自社保有のメディアの総称」ですが、特に「自社の理念やノウハウを発信する、ブログよりもややリッチなメディア」として活用することが多いです。

Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィールとは、Googleが提供する「ビジネス情報を掲載するプラットフォーム」のことです。

たとえばGoogle Chromeで「目黒区 居酒屋」と検索すると、画面の一番上に目黒区の居酒屋一覧が出てくるでしょう。気になるお店をクリック・タップすれば、そのお店の詳細が表示されます。これがGoogleビジネスプロフィールです。

Googleビジネスプロフィールには各店舗の営業時間や連絡先、レビューなどが表示されています。店内やメニューの写真を掲載することもできます。

Googleビジネスプロフィールの情報を充実させること、高評価・具体的な内容のレビューを集めることで、自社・自店の集客力はどんどん高まっていくでしょう。現代の消費者はその会社・お店を実際に利用した人の口コミこそ、参考にするからです。

SNS

SNSは手軽にはじめられて、少ないコストやリソースで継続できる集客ツールです。SNS広告を使ったり外部のコンサルタントやマーケティング会社に依頼したりしなければ、費用は一切かかりません。

ブログやオウンドメディアと異なり、一つひとつの投稿もしやすいです。投稿のボリュームはブログなら1,000字、オウンドメディアなら3,000字は欲しいですが、SNSなら数十~百数文字ほどのボリュームでサクサク投稿できます。

飲食店や雑貨店などのお店なら、新メニューや新商品の画像に短文をつけて投稿するのもいいでしょう。

ただ、SNSでの集客には時間がかかります。できれば毎日数回、決まった時間に、コツコツと投稿を続けていかなければなりません。

それでも、一つひとつの投稿にかかる時間と手間は小さく、本来業務の傍らで続けやすい集客方法といえます。

Web広告

先述の通り、Web広告には次のようなさまざまな種類があります。

広告の種類概要
リスティング広告Google ChromeやYahoo! JAPANなどの検索エンジンに掲載される広告。
クリックされた数で料金が決まるため、費用対効果を算出しやすい。
アフィリエイト広告WebサイトやSNSアカウントに広告を掲載してもらう方法。
「クリック発生」「申し込み発生」など費用(広告掲載者への報酬)発生の条件は自分で決められる。
SNS広告SNSに広告を掲載する方法で、主にユーザーのタイムラインに広告が表示される。
広告をどんなユーザーに表示するのかの「ターゲティング」の精度が高く、費用対効果が高い。
クリックや配信数、成果など、費用発生の条件はさまざま。
リターゲティング広告自社サイトに1回以上訪れたことがあるユーザーに自社の広告を配信する方法。
自社に一度でも興味を持ったユーザーに広告を表示できるため費用対効果が高くなりやすく、機会損失の防止にもつながる。
クリックまたは表示の回数で費用が決まる。
Web広告の種類

検索エンジンを使ったWeb集客の基礎知識

Google ChromeやYahoo! JAPANなどの「インターネット検索をするためのプラットフォーム」のことを「検索エンジン」といいます。検索エンジンへの対策をすることはWeb集客の基本ともいうべきことで、多くの企業が検索エンジンとSNSからWeb集客をはじめます。

検索エンジンを使ったWeb集客について、簡単に理解しておきましょう。

オーガニック流入について

検索エンジンから自社・自店のWebサイトにユーザーが訪れることを「オーガニック流入」といいます。オーガニックは「自然な」という意味で、オーガニック流入はそのまま「自然な流入」という意味です。

たとえば目黒区で居酒屋を探している人が、「目黒区 居酒屋」と検索したとしましょう。検索結果にはGoogleビジネスプロフィールに加え、「目黒区のおすすめ居酒屋〇選」のような記事や、口コミサイトなどが表示されるはずです。よほどの有名店、Web集客に力を入れているお店なら、お店の公式サイトが表示されるかもしれません。

この検索結果からユーザーが訪れるのがオーガニック流入です。ユーザーには「目黒区の居酒屋を探したい」という明確な目的があるため、Webページ閲覧から来店にいたる確率(確度)も高いです。

このオーガニック流入を増やすことが、検索エンジンを使ったWeb集客の基本といえます。なお、オーガニック流入はあくまでも「検索結果からの流入」であり、「検索結果に表示される広告(リスティング広告)からの流入」はこれに含まれません。

SEO

SEOは検索結果の上の方に自社・自店のWebページを表示させる施策のことです。「Search Engine Optimization」の略称で、日本語にすると「検索エンジン最適化」となります。自社のWebサイトを検索エンジンに最適化させることで、検索結果の上位表示を狙います。

SEOの基本は「1つの検索キーワードに対して、1つの記事を作る」ことです。ここではユーザーのニーズを理解し、それに答える記事を作ることが大切です。

たとえば「目黒区 居酒屋」のSEOなら、ユーザーのニーズは「目黒区のおすすめの居酒屋を知りたい」「目黒区の居酒屋に行きたい」のようになります。

このニーズに応えようとするなら、目黒区のおすすめ店をジャンル別に網羅して紹介したり、予算やメニュー、お店の雰囲気について詳しく伝えたりすることが重要です。

MEO

MEOはSEOのマップ版のようなもので、GoogleMAPや、Google ChromeのGoogleビジネスプロフィールが表示される部分に、お店の情報を上位表示させる施策です。

GoogleMAPでもGoogle Chromeでも、検索結果に「端末の位置情報」が反映されることがあります。たとえば目黒区にいる状態で、スマホを使って「居酒屋」と検索すれば、GoogleMAPやGoogle Chromeには目黒区の居酒屋が表示されるはずです(シークレットモードなど、位置情報を反映させないようにしている場合は除く)。

特にGoogleMAPで「居酒屋」のような検索をする場合、現在地の近くにある居酒屋を探している可能性が高いです。そのため、MEOは集客に直接的につながる施策として注目されています。

ちなみに、MEOは「Map Engine Optimization」の略称で、日本語では「マップエンジン最適化」となります。

Web集客におけるSNSの使い分け

Web集客における主要SNSとして、「Twitter」「Instagram」「LINE」の3つが挙げられます。これらのSNSはそれぞれ全く異なる特徴を持ち、集客に活用する場合、目的に応じて使い分けることが大切です。

拡散・認知拡大に強いTwitter

Twitterは全SNSの中でも圧倒的な拡散力を持ちます。そのため、集客においては認知拡大の目的で使われることが多いです。

Twitterには独自の機能「リツイート」「引用リツイート」があります。Twitterユーザーには当たり前の機能ですが、このような拡散機能をもつSNSはほかにはほとんどありません。

他SNSにもある「いいね」機能も、拡散力で見ればTwitterが圧倒的です。Twitterのタイムラインには「自分がフォローしているユーザーがいいねした投稿」が当たり前のように表示されますが、実はこれはTwitterならではの特徴なのです。

たとえばInstagramのタイムラインには自分がフォローしているユーザーの投稿しか表示されません。Facebookには自分がフォローしているユーザーがいいねした投稿が表示されますが、表示されるのは「最近やり取りをしたユーザーの上位4割」のみです。

リツイート機能を抜きにしても、Twitterの拡散力は圧倒的なのです。

加えて、Twitterは(現在では有料プランに加入することで制限を外せますが)文字数制限があり、短い投稿しかできません。裏を返せば気軽に投稿できるSNSであり、発信側にとっても閲覧側にとっても、利用のハードルが低いのです。

ファン化・ロイヤルカスタマー育成に強いInstagram

Instagramはユーザーのファン化・ロイヤルカスタマー育成に強いSNSです。集客において認知拡大には向きませんが、見込み客や一見さんの育成には大きな効果を発揮します。

Instagramのタイムラインに表示されるのは、先述のとおり「自分がフォローしているユーザー」のみです。

この特徴から拡散力が低く集客には向かないSNSに見えるかもしれませんが、裏を返せば、一度つながったユーザーとのつながりを強固にする力は強いといえます。タイムラインに余計な投稿(フォローしていないユーザーの投稿)が表示されないためです。

また、Instagramにはストーリー機能があり、画像や短い動画を簡単に共有できます。ストーリーへの投稿は24時間で消えてしまいますが、だからこそ、ユーザーの目には「今しか見られない限定コンテンツ」として映り興味を引けるでしょう。

フォロワーとの接触回数を増やしやすいこと、画像つきの投稿で親近感を与えやすいことから、ファン化・ロイヤルカスタマーに強いSNSといえます。

実店舗・リピーター獲得に強いLINE

LINEは実店舗やリピーター獲得に強いSNSです。認知拡大にはほぼ役立ちませんが、つながった(友だち登録した)相手との関係構築には圧倒的な効果を発揮します。

LINEは日本で最も使われているSNSであり、老若男女問わず、多くの人が連絡手段として利用しています。本記事の読者の方々も、知人・友人・家族・仕事相手との連絡手段としてLINEを使っている人、一日に何度もLINEを開く人がほとんどなのではないでしょうか。

多くの人が一日何度も開くLINEで友だち登録するということは、その相手の目に自分のアカウントや投稿が何度も触れるようになるということです。

ただ、LINEは基本的に連絡手段として利用されており、トーク画面以外の画面はあまり開かれません。LINEにもタイムライン機能はありますが、これをTwitterやInstagramと同じように使っている人はあまりいないでしょう。

ビジネスモデルやステージに合ったWeb集客の方法を選び、組み合わせよう

Web集客にはブログやオウンドメディア、SNS、広告などさまざまな手法があります。本記事で紹介したもの以外の手法もまだまだあり、すべてに対策をするのは難しいでしょう。

Web集客をこれから始めたいという場合、まずはSNSの公式アカウントを作ること、Googleビジネスプロフィールを登録することをおすすめします。

SNSはほかのメディアと比べて投稿にかかる労力が小さく、アカウントを認知してもらえるまでに時間がかかるからです。Googleビジネスプロフィールも登録はすぐにでき、レビューが集まるには時間がかかります。

まずはとにかくSNSの公式アカウントを作り、できるだけ毎日、コツコツ投稿していくことからはじめましょう。

SNS運用に慣れてきたらブログやオウンドメディアを作ってみてください。コンテンツの数が増えてきたら広告を打ち、SNSのアカウントやオウンドメディアへの送客を狙うのがおすすめです。

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この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
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