- 楽天市場における転換率(CVR)の平均値と
- 自社の数値がどの位置にあるか判断するポイント
- 転換率が低くなると上げる方法
楽天市場における転換率(CVR)とは?
楽天市場の転換率とは、商品ページを閲覧したユーザーのうち実際に購入に至った割合を示す指標です。楽天の売上に直結する最重要指標のひとつであり、売上改善を考える上で必ず押さえておくべきポイントです。
転換率の定義と計算式
楽天市場の転換率は、一般的に
転換率=購入件数 ÷ 商品ページアクセス数 ×100
いう式で算出します。
たとえば、ある商品の商品ページに1,000人が訪れ、そのうち100個が購入された場合、転換率は10%となります。
100個 ÷ 1000人 × 100 = 10% ← 転換率(CVR)
つまり訪問者のうち何人が実際に買ってくれたのかを数値化することで、ページの改善ポイントが見えるというわけです。
楽天市場では集客がうまくできていても、商品ページが購入につながらなければ売上は伸びません。そのため転換率の数値を把握しておくことは、楽天運用において非常に重要です。
楽天市場の平均転換率(CVR)は1〜3%
楽天市場の平均転換率はおおよそ1〜3%程度と言われています。つまり100人がページを訪れた場合、そのうち1〜3人が購入するというイメージです。ただし、この数値はジャンルや価格帯によって大きく変動します。
たとえば、食品や日用品のようにリピート購入が期待できるジャンルは比較的高くなる傾向があります。一方、家電や家具など比較検討の多い商品は、転換率が低くなりやすい特徴があります。
また、楽天RMSの「データ分析(R-Karte)」では、同じジャンルの上位商品の平均転換率なども確認できます。自社商品の転換率が高いのか低いのかを判断するには、まず平均値と比較することがとても大事です。
ジャンルにより数値が変わるため、数字だけを見て一喜一憂するのではなく、自社商品のカテゴリ平均と比較しながら改善策を考えていきましょう。
楽天市場で転換率(CVR)が低い理由
楽天市場でCVRが伸び悩む原因は一つではありません。実際には複数の要因が複雑に絡み合って転換率を押し下げているケースがほとんどです。しかし、だからこそまずは原因を感覚ではなく数値で判断することが重要です。楽天RMSやR-Karteを使えば、どこがボトルネックになっているかを客観的に確認できます。ここでは典型的な原因とあわせて、どのデータを見れば当てはまるかが分かるようにまとめました。
購入を後押しする情報が不足している
商品ページを訪れたユーザーは、商品そのものだけでなく「購入して大丈夫か」を判断するための材料を探しています。たとえば、サイズ・素材・配送日・返品規定・保証など、意思決定に不可欠な情報が不足していると、購入を迷う確率が一気に高くなります。
つまりページがどれだけ見られていても、安心材料が揃っていない商品は購入されにくい傾向があります。特に競合商品が豊富なジャンルでは、情報量がそのまま信頼性になるため、情報が少ない=売れないという状態に直結します。
| 確認指標 | 判断の目安 |
| 商品PV数 | 高いのにCVRが低い→情報不足が濃厚 |
| CVR | カテゴリ平均より低い→購入不安が存在 |
口コミや販売実績が不足している
レビュー数や販売実績はユーザーにとって「信頼できる商品か」を判断する最も分かりやすい根拠です。レビューが少ないと、それだけで「まだ様子見しよう」と考えるユーザーが一定数存在します。
特に楽天市場はレビュー文化が強く、レビュー件数が多い商品は自然と安心感が増し、結果としてCVRも高まりやすくなります。逆にレビューが少ない状態のまま改善策を打ってもCVRは伸びにくく、まずレビューを増やすが優先事項になるケースも多いです。
| 確認指標 | 判断の目安 |
| レビュー件数 | 少ない=信頼性不足→CVR低下 |
| レビュー評価 | 評価が低い+CVRも低い=改善必須 |
購入につながる動線がわかりにくい
良い商品ページでも、購入導線が分かりにくいとユーザーはすぐ離脱します。ボタンが見えにくい、説明の途中に埋もれている、スマホではスクロールしないと出てこないなど、見た目上の問題も重要です。
「欲しいと思った瞬間に買える位置にボタンがあるか?」これは非常に大きなポイントです。特にスマホユーザーの増加によって、視認性と操作性の改善は避けて通れません。
| 確認指標 | 判断の目安 |
| ページ滞在時間 | 短い=購入導線が分かりにくい |
| スクロール率 | ボタンまで到達していない=離脱発生 |
競合他社に比べて見劣りしている
ユーザーは1つの商品だけで判断せず、複数商品を比較して決めます。つまり比較した結果、見劣りしてしまう商品ページは選ばれません。写真、情報量、保証内容、配送スピードなど、総合的な比較で判断されます。
つまり「自社基準で良いと思っている」だけでは不十分で、常に競合ページを意識して改善する必要があります。
| 確認指標 | 判断の目安 |
| カテゴリ平均CVR | 平均以下=競合に負けている可能性大 |
| 競合上位CVR | 差が大きい→優先改善領域 |
商品ページの回遊率が低い
最初の商品が購入につながらなくても、関連商品ページを回遊してくれれば購入されるチャンスは生まれます。つまり回遊が起きていない店舗は、そもそも購入のステップに移れていないということです。
特にユーザーは「比較→納得→購入」というステップを踏むため、商品ページだけで完結しない構造が必要です。
| 確認指標 | 判断の目安 |
| 店舗回遊率 | 低い=比較される前に離脱 |
| 関連商品クリック率 | 低い=興味が深まっていない |
外部要因の影響を受けている
季節商材、イベント依存商品、景気動向に影響されやすいジャンルでは、時期によって大きく数値が変わります。そのため短期間の変動で判断するのではなく、時期ごとの推移で改善状況を見る必要があります。
「一時的な下落なのか」「恒常的に低いのか」を分けて判断しないと、効果的な対策が取れません。
| 確認指標 | 判断の目安 |
| 月別CVR推移 | 季節変動か恒常的かを判断 |
| イベント時CVR | 上昇する=外部要因が強い |
もし自社だけで課題の特定や改善が難しい場合は、楽天市場のコンサル会社を比較した記事や運用代行まとめを参考にしてみてください。
楽天市場で転換率(CVR)を上げる施策
楽天市場で転換率を上げるためには、原因別の改善が必要です。つまり「とりあえず全部改善する」のではなく、どの原因が自店舗に当てはまっているかを数値で把握した上で、優先順位をつけて対策することがもっとも効率的です。以下では、よくある課題に対して有効な施策を分かりやすく整理しました。
転換率の低いページを把握する
まずはどの商品ページが売上に貢献できているのか、あるいは停滞しているのかを明確にすることが重要です。楽天RMSのアクセス解析を活用すれば、ページごとの訪問数と購入数が確認でき、どのページが改善対象か分かります。
| 確認指標 | 見るポイント |
| ページ別訪問数 | アクセスはあるか |
| ページ別CVR | 売れているか(購買に繋がっているか) |
改善対象を誤ると、手間だけ増えて成果が出ません。まずは数字で改善優先度を決めることが最重要です。
回遊率を高めるサイト作りを意識する
楽天は回遊すればするほど購入率が上がる傾向があるため、店舗全体の回遊率向上は非常に効果的です。関連リンクの設置やカテゴリ誘導、バナーなどを活用して、ユーザーが複数商品を見たくなる設計が必要です。
| 確認指標 | 見るポイント |
| 店舗回遊率 | 店舗内移動が起きているか |
| 関連商品クリック率 | 興味が深まっているか |
店舗の滞在時間が増えるほど、購入に至る可能性が高くなります。
レコメンド商品の設定を徹底する
レコメンド設定は、自動的に関連商品を訴求できるため、最も手軽で効果的な施策のひとつです。購入意欲を高めるだけでなく、追加購入やアップセルにもつながります。
| 確認指標 | 見るポイント |
| レコメンド表示率 | しっかり出ているか |
| レコメンド商品クリック率 | 提案が刺さっているか |
レコメンドを無視している店舗は、それだけで機会損失が生まれています。
店舗外への誘導を防ぐ
楽天では外部リンク設置が基本NGですが、ユーザーが別ページを探しに行く必要がある状態はそれ自体が離脱要因です。つまり、必要な情報は全部ページ内に入れておくことがCVR改善の基本です。
| 確認指標 | 見るポイント |
| クリック先 | 楽天外に出ていないか |
| 必要情報の掲載数 | 安心材料が揃っているか |
ページ内完結はCVR改善に直結します。
決済方法や利便性を充実させる
楽天では多様な決済方法が用意されていますが、自店舗がどこまで対応しているかは非常に重要です。決済方法が少ないと、それだけで購入を断念するユーザーが発生します。
| 確認指標 | 見るポイント |
| 決済手段数 | ユーザーの選択肢は十分か |
| 配送リードタイム | 届くまでが早いか |
とくに近年はスマホ経由の購入が増えているため、スムーズに決済できる環境は必須です。
レビューや販売実績を積み重ねる
レビューはCVRに直結する最重要要素の一つです。レビューが増えるほど店の信頼性も向上し、購入を迷うユーザーを後押しできます。
| 確認指標 | 見るポイント |
| レビュー件数 | 十分な数があるか |
| レビュー評価 | 信頼性を担保できているか |
レビューが少ない状態のまま他施策をやっても、成果が出にくいため優先順位は高めです。
スマホでも見やすい商品ページをつくる
ユーザーの閲覧の多くがスマホに移行しているいま、スマホ視点でのページ改善は必須です。ボタン位置、フォントサイズ、画像の見え方など、スマホ前提でデザインすべきです。
| 確認指標 | 見るポイント |
| スマホ率 | スマホが主流か |
| スマホ表示崩れ | 見づらさがないか |
PC前提のページは、それだけで離脱率が高くなります。
購入したくなる特典をつける
「今買う理由」を与えることは非常に効果的です。クーポンや期間限定特典はCVRを瞬間的に押し上げる力があります。
| 確認指標 | 見るポイント |
| 特典利用率 | 活用されているか |
| 特典表示率 | 十分に見えているか |
特にイベント時は特典の効果が跳ねやすいです。
目標値を設定し効果測定と改善を繰り返す
CVRは一度上がって終わりではありません。常に市場環境や競合状況が変わるため、こまめな測定と改善が必要です。
| 確認指標 | 見るポイント |
| CVR推移 | 改善が継続しているか |
| 数値変動要因 | 何が影響しているのか |
改善のPDCAを止めないことが、長期的な売上に直結します。
まとめ
楽天市場で転換率(CVR)を高めるためには、まず現在の数値を正しく理解し、どの部分に課題があるのかを客観的に把握することが出発点になります。感覚だけで改善ポイントを決めてしまうと、時間とコストをかけても成果につながらないケースが多くあります。
この記事で解説したように、RMSやR-Karteでは商品ページごとにPV・CVR・回遊率などが確認でき、どのページが売上を止めているのか、どの指標を改善すべきかが数字で判断できます。まずはここをしっかり押さえましょう。
次に、課題に応じて対策を実行していきます。例えば、情報不足なら商品説明の改善、レビュー不足ならレビュー獲得施策、動線が分かりにくいならレイアウト改善、競合に負けているなら情報量や訴求内容を強化するなど、原因に合わせた的確な施策が重要になります。
また、楽天ではユーザーが店舗内を回遊しやすい設計にすることでCVRが上がる傾向があるため、関連商品やレコメンド設定は必ず実装しておきたいポイントです。特典や決済方法の充実も、購入を後押しする強力な材料になります。
そして最後に、改善は一度では終わりません。市場環境、競合状況、季節要因などにより転換率は常に変動します。そのため、定期的に数値をチェックし、改善→検証→改善を繰り返すことが長期的な売上アップにつながる最短ルートです。
楽天市場で成果を上げる店舗は必ずこのサイクルを実践しています。自社でもぜひ今日から実践してみてください。
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