フランチャイズの仕組みとは|直営店や代理店の違い
独立や開業を検討されている方にはフランチャイズという言葉をお聞きになった方もいるかと思います。
今回はフランチャイズとはどのような仕組みなのか、フランチャイズ加盟のメリット・デメリットに関してご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。
フランチャイズの仕組み – 本部は経営のノウハウ提供
フランチャイズとは、個人や法人が本部に対してロイヤルティや契約料を支払うことで、お店のブランドやノウハウなどを提供してもらうという仕組みです。
様々なマニュアルが用意もされており、どなたでもオーナーになることができ、利用者も安定したサービスを受けられるというメリットがあります。
直営店や加盟店との違いを比較
フランチャイズには大きく直営店と加盟店の2種類があります。直営店は本部が直接雇用、運営する店舗のことであり、加盟店のお手本となることが求められ、加盟店の開業前の研修などにも活用されます。
一方、加盟店は加盟金を支払うことでブランドや商標、ノウハウなどを提供してもらう権利を受ける形式の店舗です。フランチャイズ本部とは、別資本・別事業主となります。
フランチャイズの主な業種とロイヤルティ相場
フランチャイズには様々な業種があります。業種により加盟金やロイヤルティの割合や方式が異なります。ロイヤルティ方式には売上歩合方式・粗利分配式・定額式があります。
最も多いのが売上歩合式で売上に対して一定の割合のロイヤルティを支払うという形式です。続いて多いのが粗利分配方式であり、売上ではなく粗利の一定の割合のロイヤルティを支払うという形式です。
定額式は、売上関係なくロイヤルティ方式を支払う形式です。不動産サービスなどで活用されています。
定額式は売上に関係なくロイヤルティを支払うため、売上が大きい場合はメリットがありますが売上ゼロでもロイヤルティを支払わないといけないため注意しましょう。
業種・業界 | ロイヤルティ方式 | 費用相場 | 特徴 |
飲食店 | 売上歩合方式が一般的 | 3~10% | 人件費・原価率が高くロイヤルティは低め |
コンビニ | 粗利分配方式 | 30~60% | 契約方式や店舗の売上規模によって異なる |
学習塾 | 売上歩合方式が一般的 | 10~30% | 原価が発生しないためロイヤルティは高め |
リラクゼーション マッサージ | 売上歩合方式が一般的 | 3~10% | ロイヤルティ相場は休めの設定 |
不動産サービス | 定額方式が一般的 | 10~25万円/月 | 古くからある知名度の高い不動産会社がチェーン展開 |
フランチャイズ加盟のメリット・デメリットを整理
フランチャイズ加盟のメリットとデメリットに関してご紹介します。フランチャイズに加盟することの最も大きなメリットは、店舗運営ノウハウやブランド活用の提供があるため、未経験からでもオーナーになれるということです。
またそれ以外でも仕入れコスト、人員募集のサポートも受けられるため金銭的なメリットもあります。
一方デメリットとしては、他加盟店や本部で不祥事などがあった際にリスクを受ける可能性があったり、契約期間が定められていたりなど一定の制限があるというデメリットがあります。続いて詳しくご紹介します。
メリット | デメリット |
・店舗運営ノウハウの提供 ・経営指導が受けられる ・未経験からでもオーナーになれる ・本部が商品開発を行うため店舗業務に専念できる ・フランチャイズのブランドを活用できる ・仕入れコストを抑えられる ・銀行からの融資が受けやすい | ・不祥事でブランド毀損のリスクがある ・店舗運営方法や仕入れ先に制限がある ・売上状況に関わらずロイヤルティは発生する場合がある ・競合避止義務や契約期間が定められている |
店舗開業時のフランチャイズメリット
まずはフランチャイズで店舗を開業する際のメリットに関してご紹介します。
仕入れや接客ノウハウの提供・経営指導が受けられる
一番のメリットは、仕入れや積極のノウハウなどを提供されたり、店舗経営に関する指導を受けられるということです。
店舗を経営するためには、運営、仕入れ、接客など様々な領域の業務に携わります。もし、未経験の場合すべてを一人で運用するのはかなり大変です。
しかし、フランチャイズに加盟すると上記に関して本部からのサポート受けられるため未経験からでもスピーディーに対応できます。
また出店立地や仕入れに関しても他の加盟店の情報も含めて共有されるため、成功する確率も上がります。
未経験からでも店舗開業ができる
フランチャイズに加盟することで未経験からでも店舗開業に関わることができます。フランチャイズに加盟しない場合は、その業種での下積みが必要なこともあります。
しかし、フランチャイズの場合は経営・仕入れなどのノウハウが蓄積されていたり、マニュアル化されているため、経験がなくても店舗運営を始められます。
商品企画などは不要で店舗売上の拡大に専念できる
フランチャイズの場合、商品企画や開発は本部が行います。またそれ以外にもテレビなどのマスメディアの広告、マニュアル開発なども対応します。
そのためフランチャイズオーナーは、店舗売上の拡大だけに専念ができます。
運営面でのフランチャイズ加盟のメリット
続いて、開業後の運営面においてフランチャイズに加盟することのメリットをご紹介します。
フランチャイズ本部が確立したブランド力を活用できる
最も大きなメリットの一つがフランチャイズ本部のブランド力を活用できることです。
新しくブランドを立ち上げた場合には、ブランドの知名度を上げたり、イメージを形成したりするだけでも大変な労力がかかります。
しかし、フランチャイズ本部に加盟することですでに確立されたブランドの知名度やサービスイメージを活用できるため、開業タイミングからの集客が見込めます。
TVCMなど集客を本部が担ってくれる
フランチャイズの場合は、TVCMや新聞広告などの集客活動を本部が実施してくれます。また過去の広告宣伝の効果も受けられます。また、それ以外にもチラシなどのアドバイスも受けられる場合があります。
仕入れの面ではゼロから探す必要がなくスケールメリットがある
ゼロから独立する場合は仕入れ先を探したり、商品の確保をしたりするのを自分で行わなければなりません。
しかし、フランチャイズの場合は本部が商品や備品などの仕入れを一括で行ってくれるため、手間もかからず、価格も抑えられるためスケールメリットがあります。
ゼロからの独立でも最適な設備を利用できる
ゼロから独立する場合は商品の手配だけでなく棚やレジなども含めて自分たちで手配をしなければいけません。
しかし、大きく手間がかかってしまい、すべて取り揃えられないかもしれません。フランチャイズに加盟する場合は、今までのデータの蓄積から本部側が常に最適な設備を提供してくれるため利用することができます。
開業資金面でのフランチャイズ加盟のメリット
続いて、開業資金面でのフランチャイズ加盟のメリットをご紹介します。
銀行からの融資を受けやすい
1つは銀行からの融資を受けやすいという点です。フランチャイズ本部に加盟することで銀行融資に必要な情報も本部から共有されたり、既存の加盟店を参考に事業計画を作成できたりします。
その結果、ゼロから独立する場合に比べて銀行からの信頼も高くなり融資が受けやすくなります。
建物や設備など初期投資が低コストに抑えられるケースがある
店舗を開業するためには、建物の費用や設備の導入も含めて初期投資が必要になります。
しかし、フランチャイズによっては、建物や設備の費用を一部負担してくれる場合もありゼロから独立する場合よりもコストが抑えられる場合があります。
フランチャイズ加盟に関するデメリット
フランチャイズに加盟する前にフランチャイズのデメリットもちゃんと理解しておきましょう。フランチャイズの4つのデメリットに関してご紹介します。
運営方法や仕入れ先制限など経営の自由度が低い
メリットでもご紹介したようにフランチャイズの場合は、運営方針や仕入れなども本部が一括してくれる可能性があります。
一方、加盟店のオーナー側の自由度が減ってしまいます。例えば、地域のニーズに合わせたり、独自のメニューを立ち上げたいと思っている場合は不満に思ってしまうかもしれません。
不祥事などブランド毀損のリスクがある
フランチャイズは、ブランドの知名度やブランドイメージを活用できるのがメリットです。一方、本部や他店舗の不祥事やリスクが起きてブランドが毀損してしまう可能性があります。
その際には自店舗で問題が起きていなくてもマイナスの影響を受けることがあります。
ロイヤルティは店舗の経営状況関わらず発生する
フランチャイズ加盟するかわりにロイヤルティを支払う必要性があります。
そのため、売上が上がらないなど経営状況がどのような状況であったとしてもロイヤルティを支払う必要があります。そのため、ロイヤルティの設定をちゃんと確認するようにしましょう。
競合避止義務・一定の契約期間が存在する
フランチャイズに加盟すると契約期間や競合避止義務が発生します。例えば一度契約してしまうと途中で契約を破棄すると違約金が発生します。
また、契約を終了した後も同業他社への加盟を禁じている場合がほとんどです。そのため、中長期的な視点も見据えて加盟を検討しましょう。
フランチャイズ本部を検討する際の注意点・選び方のポイント
フランチャイズ本部を検討する際の注意点や選び方をご紹介します。
独立や開業の目的・自身の優先度を明確にしておく
最初に重要なのが、なぜ自分が独立を検討しているのか、なぜ開業したいのかという目的や優先度を明確にすることです。
独立をすることによって何を得たいのか、収入なのか、それとも自分の裁量でビジネスをしたいのかなどを明確にすることによってフランチャイズを選ぶ基準ができます。
一度フランチャイズに加盟すると一定の契約期間に縛られます。最終的な目標も含めて整理しておくようにしましょう。
初期投資が少ない業種や本部を選ぶ
初期投資にお金がかかりすぎると、いくら売上があっても回収するのに時間がかかってしまったり、途中で破産してしまったりする可能性もあります。
そのようなことを避けるためにも初期投資が少ない業種や初期投資に対してサポートをしてくれるような本部を選ぶようにしましょう。
中長期的に集客ができるフランチャイズであるか
フランチャイズのメリットは、ブランド力を活用して集客ができることです。集客が担保できる業種やブランドを選ぶことで初期投資を回収することができます。
本部のサポート内容・研修や営業指導内容を把握しておく
フランチャイズのメリットは、本部から経営マニュアルを受けられたり、サポートを受けられたりすることです。
大手のフランチャイズの場合はマニュアルなどが充実していますが、新しいフラチャイズの場合はサポート内容が薄いかもしれません。
未経験から始める場合は特に本部からどのようなサポートを受けられるのか、どのような研修を受けられるのかなどを把握しましょう。
フランチャイズ契約に関する条件はしっかり確認する
フランチャイズは、本部と加盟者の契約です。契約の中には契約期間や競合避止義務、違約金などが規定されています。
それが知らなかったといっても通用せず、違約金や賠償金などのトラブルとなる可能性があります。そのようなことを避けるためにも加盟をする前に契約条件を確認するようにしましょう。