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開業資金の融資は受けるべきなのか?資金調達のコツやおすすめの金融機関、審査クリアのコツを解説

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開業資金をどのように調達するか悩む人は多いでしょう。融資と自己資金のどちらを選ぶべきか、それぞれの特徴を理解したうえで判断すること、慎重に計画を立て自分に合う融資制度を選ぶことが大切です。

本記事ではそのために必要なこととして、開業資金の調達におすすめの融資制度や金融機関、融資の審査をクリアするコツを紹介します。

そもそも開業資金は融資を受けるべきなのか、自己資金でまかなうべきなのか

融資は自己資金を温存し、事業規模を拡大できる魅力的な選択肢です。しかし、利息や返済計画など、乗り越えるべきハードルも存在します。

その一方、自己資金には安心感がありますが、資金調達額や事業の可能性に制限が生まれるかもしれません。

どちらを選ぶべきか、正解はありません。自身の状況とリスク許容度によって、最適な選択は異なります。

ここからは融資と自己資金それぞれのメリットとデメリットを簡単に紹介します。どちらの選択肢が自分に合っているのか判断する参考にしてください。

融資のデメリットは利息と返済のリスク

融資を受けるメリットとデメリット

融資は、自己資金を温存できるという大きなメリットがあります。しかし、融資には必ず返済義務が伴います。計画通りに事業が軌道に乗れば問題ありませんが、計画通りに進まない場合、返済が困難になる可能性もあります。

さらに、利息というコストも発生します。これは、借りたお金に対する使用料です。利息を払い続けると、利益が圧迫され、事業運営が苦しくなる可能性もあります。

融資は、メリットだけでなく、デメリットも理解した上で慎重に検討する必要があります。

100%自己資金は安心だが、可能性を狭める

100%自己資金のメリットとデメリット

自己資金のみでの開業は、借金による負担を避けられる安心感があります。しかし、その安心感は、同時に可能性の扉を閉ざしてしまう可能性も秘めています。

資金調達に時間がかかるため、市場の変化に乗り遅れたり、事業規模を小さくせざるを得なかったりする可能性があります。また、資金不足によって事業が立ち行かなくなり、せっかくの夢が潰えてしまうリスクも存在します。

自己資金は確かに安全な選択ですが、そのリスクをしっかりと理解し、事業の可能性を最大限に活かす方法を検討することが重要です。

開業資金の調達におすすめの4つの創業融資

融資は、夢を現実へと変えるための強力な助っ人です。しかし、数ある融資制度の中で、自分に最適なものを選ぶのは容易ではありません。

ここからは、開業資金の調達におすすめの4つの創業融資を紹介します。

日本政策金融公庫の創業融資

日本政策金融公庫は、政府系金融機関として、創業融資に力を入れています。無担保・無保証人でも利用可能な制度もあり、多くの起業家にとって心強い味方となっています。

【公庫の創業融資のメリット】

  • 無担保・無保証人でも利用可能
  • 金利が比較的低い
  • 返済期間が長い
  • 融資額が大きい

【公庫の創業融資のデメリット】

  • 審査基準が厳しい
  • 審査に時間がかかる
  • 事業計画書など書類作成が必要
制度名審査期間金利返済期間借りられる金額
新創業融資制度約3週間1.35%~10年以内最大2,000万円
新規開業資金約2週間1.45%~12年以内最大7,200万円
女性・若者/シニア起業家支援資金約2週間1.25%~12年以内最大3,000万円
日本政策金融公庫の創業融資

地方自治体の創業融資

地方自治体も、地域活性化のために、様々な創業融資制度を設けています。地域によって制度内容は異なりますが、金利が低く、返済期間が長いなどのメリットがあります。

【自治体創業融資のメリット】

  • 金利が低い
  • 返済期間が長い
  • 地域の支援を受けられる

【自治体創業融資のデメリット】

  • 制度内容が自治体によって異なる
  • 審査基準が厳しい
  • 地域外からの利用は難しい場合がある
制度名審査期間金利返済期間借りられる金額
東京都創業融資制度約2週間1.0%~12年以内最大5,000万円
大阪府開業資金制度約1週間1.2%~10年以内最大3,000万円
福岡市創業支援資金約2週間1.3%~12年以内最大2,000万円
地方自治体の創業融資の例

金融機関の創業融資

銀行や信用金庫などの金融機関は、それぞれの独自基準に基づいた創業融資制度を提供しています。商品数は多く、金利や返済期間などの条件も様々です。

【金融機関創業融資のメリット】

  • 商品数が豊富
  • 審査が比較的早い
  • 金融機関との関係構築

【金融機関創業融資のデメリット】

  • 担保や保証人が必要になる場合がある
  • 金利が比較的高い
  • 審査基準が厳しい
制度名審査期間難易度金利返済期間借りられる金額
みずほ銀行創業融資約1週間難しい1.4%~10年以内最大1億円
三井住友銀行ビジネスセレクトローン約1週間やや難しい1.5%~10年以内最大5,000万円
ゆうちょ銀行創業・事業承継資金約2週間やや難しい1.35%~12年以内最大3,000万円
金融機関の創業融資の例

信用保証協会の制度融資

信用保証協会は、中小企業・小規模事業者向けの融資の保証を行う公的な機関です。金融機関からの融資を受けやすくするために、信用保証協会が連帯保証人となります。

【信用保証協会の制度融資のメリット】

  • 金融機関からの融資を受けやすくなる
  • 担保や保証人が不要になる場合がある
  • 金利が比較的低い

【信用保証協会の制度融資のデメリット】

  • 保証料が必要
  • 申請から資金調達までの期間が長い
制度名審査期間難易度金利返済期間借りられる金額
全国信用保証協会創業融資制度約2週間やや難しい1.35%~12年以内最大3,000万円
東京信用保証協会創業支援融資制度約1週間やや難しい1.2%~10年以内最大5,000万円
大阪信用保証協会チャレンジ創業融資約2週間やや難しい1.3%~12年以内最大2,000万円
信用保証協会の制度融資の例

開業資金の調達に利用できる日本政策公庫の融資制度

独立開業は、人生における大きな挑戦です。しかし、資金不足は夢への道を閉ざしてしまうこともあります。

そこでおすすめなのが、創業融資に力を入れている日本政策金融公庫です。無担保・無保証人でも利用可能な制度もあり、多く起業家にとって心強い味方となっています。

公庫の創業融資は、金利が低く、返済期間が長いなどのメリットがあります。具体的にどんな融資制度があるのか、開業資金の調達におすすめの制度を3つ紹介します。

新創業融資制度

新創業融資制度は、新たに事業を始める人や事業開始後2期以内の人を対象とした、日本政策金融公庫の融資制度です。最大3,000万円の融資を受けられるため、事業の立ち上げや初期投資に役立ちます。

【こんな人におすすめ】

  • 事業を新規に立ち上げる人
  • 事業開始後2期以内の人
  • 無担保・無保証人で融資を受けたい人
  • 金利を抑えたい人
  • 返済期間を長くしたい人

【特徴】

  • 無担保・無保証人
  • 金利:1.35%~
  • 返済期間:10年以内
  • 借りられる金額:最大3,000万円(運転資金は最大1,500万円)

新規開業資金

新規開業資金は、新たに事業を始める人や事業開始後7年以内の人を対象とした、日本政策金融公庫の融資制度です。最大7,200万円の融資を受けられるため、事業の拡大や設備投資に役立ちます。

【こんな人におすすめ】

  • 事業を新規に立ち上げる人
  • 事業開始後7年以内の人
  • 設備投資資金を調達したい人
  • 長期的な資金調達をしたい人
  • 金利を抑えたい人

【特徴】

  • 担保・保証人不要(一部条件あり)
  • 金利:1.35%~
  • 返済期間:12年以内
  • 借りられる金額:最大7,200万円(運転資金は最大4,800万円)

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性、若者/シニア起業家支援資金は、女性、35歳未満または55歳以上の起業家を対象とした、日本政策金融公庫の融資制度です。最大7,200万円の融資を受けられるため、事業の立ち上げや拡大、設備投資などに役立ちます。

【こんな人におすすめ】

  • 女性起業家
  • 35歳未満の若者起業家
  • 55歳以上のシニア起業家
  • 事業を新規に立ち上げる人
  • 事業開始後7年以内の人
  • 設備投資資金を調達したい人
  • 長期的な資金調達をしたい人
  • 金利を抑えたい人

【特徴】

  • 特別金利適用(女性、若者、シニアそれぞれ異なる)
  • 担保・保証人不要(一部条件あり)
  • 金利:1.35%~
  • 返済期間:12年以内
  • 借りられる金額:最大7,200万円(運転資金は最大4,800万円)

開業資金の融資を受けるときの注意点

融資は開業資金を調達する有効な手段ですが、いくつかの注意点があります。注意点を知り、計画的に利用することで、リスクを抑えて資金を調達できるでしょう。

利息を踏まえ無理のない返済計画を立てる

融資はあくまでも借金であり、返済義務が発生することを忘れてはいけません。利息を考慮せずに返済計画を立てると、予想以上に負担が大きくなる可能性があります。次のポイントを意識して、無理のない返済計画を立てましょう。

  • 事業の収益計画に基づいて、毎月の返済額を設定する
  • 返済期間を長くすると、利息の負担が大きくなる
  • 万が一の売上減少にも対応できる、余裕を持った計画を立てる
  • 金利だけでなく、手数料などの諸費用も考慮する

利用できる補助金・助成金を探す

融資は返済義務が発生する一方、補助金や助成金は返済不要な資金です。これらを活用することで、借入額を抑え、事業の初期費用を軽減できます。

補助金や助成金を探すには、経済産業省や中小企業庁のホームページで業種や地域に合ったものを検索したり、都道府県や市町村が独自に実施している補助金・助成金を調べたりする方法があります。専門家に相談するのもいいでしょう。

申請には書類作成や審査が必要なため、早めに準備を始めることが重要です。複数の補助金や助成金を組み合わせて利用することもできます。補助金や助成金の要件・内容は定期的に変わるため、最新情報に注意して見逃しがないようにしましょう。

融資の審査をクリアするコツ

融資は開業資金を調達するための有効な手段ですが、審査をクリアするのは簡単ではありません。準備不足で審査に落ちてしまうケースも多く見られます。

ここからは、融資審査をクリアするための5つのコツを紹介します。これらのコツを押さえることで審査通過率を高め、夢への一歩を踏み出しましょう。

開業資金の3分の1は自己資金で

金融機関は、融資したお金が返済されるかどうかを慎重に判断します。そのため、自己資金が少ないと、審査に通る可能性が低くなります。

一般的に、開業資金の3分の1以上の自己資金があると、審査に通る可能性が高くなるといわれています。自己資金は、事業への真剣度や計画性、返済能力を示す指標となるからです。

自己資金が不足している場合は、目標額の3分の1を目指して貯蓄したり、補助金・助成金やクラウドファンディングなどほかの資金調達方法を活用したりすることも考えましょう

現実的な返済計画・事業計画を立てる

融資審査において、金融機関は事業の成功可能性と返済能力を重視します。そのため、現実的な返済計画と事業計画を立てることが重要です。

返済計画では、売上予測に基づいて毎月の返済額を設定し、無理のない計画を立てましょう。事業計画書には、事業内容、市場分析、競合分析、収益計画などを具体的に記載する必要があります。

計画が非現実的だと、金融機関は事業の成功可能性や返済能力に疑問を持ち、審査に通らない可能性が高くなります。

自分の信用情報に傷をつけない

融資審査において、金融機関は申込者の信用情報を確認します。信用情報とは、過去のクレジットカードやローンなどの利用状況が記録された情報です。

過去に延滞や債務整理などの事故があると、信用情報に傷がつき、審査に通る可能性が低くなります。

信用情報に傷をつけないために、次のようなことを心がけましょう。

  • クレジットカードやローンは、計画的に利用し、期日までに確実に返済する
  • 携帯電話料金や公共料金の支払いを遅延させない
  • 消費者金融やクレジット会社からの借入は極力避ける

万が一、信用情報に傷がついてしまった場合は、信用情報機関に開示請求を行い内容を確認しましょう。誤った情報が記載されている場合は、訂正手続きができます。

信用情報は、融資審査だけでなく、賃貸契約や就職活動などにも影響を与える重要な情報です。日頃から注意し、良好な信用情報を維持するように心がけましょう。

事業計画書を作りこむ

融資審査において、事業計画書は事業の成功可能性を伝える重要な資料です。金融機関は、事業計画書の内容に基づいて、融資の可否を判断します。

資料はわかりやすく、読みやすく作成しましょう。専門用語は避け、平易な言葉で書くことで、誰にとっても読みやすく理解しやすい資料になります。資料の説得力を高めるために、数字やグラフを活用し、客観的な根拠に基づいて説明することも大切です。

単に事業内容を羅列するのではなく、次のようなポイントを意識して作成することで、審査クリアの可能性を高められるでしょう。

【事業概要】

  • 事業の目的、理念、ビジョンを明確に伝える
  • 提供する商品・サービスの特徴、顧客ターゲット、競合分析を詳細に記述
  • 事業の強み、差別化ポイントを具体的に説明

【市場分析】

  • 市場規模、成長性、トレンドをデータに基づいて分析
  • 顧客ニーズ、競合状況を詳細に調査し、具体的な戦略を策定

【マーケティング・営業戦略】

  • 顧客獲得方法、販売促進計画、価格戦略を具体的に記述
  • 収益計画、損益計算書、資金繰り表を作成し、事業の収益性を明確に示す

【経営陣・チーム紹介】

  • 経営陣の経歴、経験、スキルを具体的に記述
  • チームメンバーの紹介、役割分担を明確にし、人材面での強みをアピール

【財務計画】

  • 資金調達計画、資金使途計画を作成し、資金繰りを明確にする
  • 収益計画、損益計算書、貸借対照表を作成し、事業の収益性、健全性を示す

専門家に相談・依頼する

融資審査は、書類作成や金融機関との交渉など、多くの時間と労力を必要とします。特に、初めて融資を受ける場合は、不安や疑問も多く、スムーズに進めることが難しいと感じるかもしれません。

そこで、専門家に相談・依頼することをおすすめします。豊富な知識と経験を持つ専門家に、金融機関の選定や事業計画書の作成をサポートしてもらうのです。

なお、専門家に相談・依頼するには費用がかかります。金額は相談内容や依頼内容によって異なりますが、数万円から数十万円ほどが一般的です。

開業資金に関する悩みがあるなら、フランチャイズへの加盟も考えよう

開業資金は、事業を成功させるために重要な要素です。自己資金や補助金・助成金、融資などを活用して準備を進める必要がありますが、多くの場合、資金調達には大きな課題が伴います。

資金調達に悩む人におすすめなのが、フランチャイズへの加盟です。フランチャイズの中には、開業資金のサポートをしてくれるチェーン、補助金・助成金や融資の申請をサポートしてくれるチェーンがあります。店舗用の土地や建物を本部が用意してくれるチェーンもあり、開業費用そのものを抑えられるかもしれません。

もちろん、フランチャイズにはデメリットもあります。本部へのロイヤリティ支払いが必要なこと、経営の自由度が制限されることなどを踏まえ、加盟するかどうかを考えましょう。

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