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居酒屋開業・経営の方法|初期費用や資金・手順・必要な手続き・成功のポイント

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居酒屋開業で発生する平均的な資金

新しく居酒屋を開業したいと考えている人もいるのではないでしょうか。居酒屋を開業するためにどれくらいの資金が必要なのか・どのようなステップで開業するのかをご紹介します。

初期費用

居酒屋を開業するための初期費用としては、物件取得費と設備投資費が必要になります。

物件取得費に関しては家賃20万円と仮定した場合、初期費用で必要になるのが260万円程度です。一番大きな費用としては、保証金で家賃の6~12ヶ月で平均10ヶ月分です。

償却額が最初に設定されており、差額は退去時に返金されますが契約時に確認しておきましょう。もちろん物件により大きく異なるため、150万円から300万円程度用意しておくようにしましょう。

【物件取得費用】※家賃を20万円と仮定

費用項目平均金額
保証金(敷金)200万円
礼金20万円
仲介手数料20万円
前家賃20万円
合計260万円

設備投資費に関しては、店のレイアウトや内装、居抜き物件なのかなどにより異なります。具体的な費用としては、内装や外装費・厨房機器費用・POSレジ費用・それ以外の備品の費用です。

日本政策金融公庫によると全体の62.7%が設備投資費を占めるそうです。

【設備投資費用】

費用項目費用相場詳細
内装・外装居抜き:10~30万円
スケルトン:20~70万円
塗装・電気配線・水回り工事 各種設備の設置
厨房機器新品:~250万円
中古:~100万円
ガスコンロ・シンク・冷蔵庫
POSレジ導入費用~10万円前後
その他備品店舗によって変動食器・調理器具・制服 パソコン・タブレットなど

運転資金

開業以降は運営資金が必要になります。運転資金には、家賃・水道光熱費・人件費・材料費・広告宣伝費などが含まれます。

開業してすぐに売り上げが安定することも難しいため、6ヶ月分程度の資金を事前に準備しておくようにしましょう。

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 人件費
  • 材料費
  • 広告宣伝費

居酒屋開業に必要な資格や手続き

居酒屋を開業するためには様々な資格や手続きが必要になります。資格取得や手続きをお事あると違法での開業になってしまうため、しっかり把握した上で手続きを行うようにしましょう。

食品衛生責任者

食品衛生法51条の「公衆衛生上必要な措置の基準」で営業者に衛生管理の指示を行う人が食品衛生責任者です。

都道府県知事が実施する講習を得ることで資格を取得できますが、栄養士や調理師、製菓衛生士などは講習を受けることなく食品衛生責任者になることが出来ます。

講習を受ける場合は、東京都の場合受講料12,000円で、1日で完了しますが、定期的に受講する必要がある点は気をつけましょう。

飲食店営業許可

居酒屋を開業するためには保健所から「飲食店営業許可」を取得しなければいけません。

飲食店営業許可を取得するためには、営業許可申請書・施設構造や設備を示す図面・食品責任者の資格証明・水質検査成績書が必要です。

保健所に施設工事が完成する10日前程度に必要書類を提出し、検査を行われ許可証が交付されます。申請時にかかる手数料は、地域によって異なり16,000円~19,000円程度となっています。

  • 営業許可申請書
  • 施設の構造・設備を示す図面
  • 食品責任者の資格を証明するもの
  • 水質検査成績書(水道水・専用水道・簡易専用水道以外の水利用の場合)

30名以上の店舗は防火管理者

居酒屋の店舗の収容人数が30名以上の場合、防火管理者も必要になります。防火管理者になるためには、都道府県知事や消防長が実施する防火管理講習を受講する必要があります。

講習は、店舗の広さにより異なります。もし300㎡未満の場合は甲種か乙種防火管理者、300㎡以上の場合は甲種防火管理者の講習を受ける必要があります。

講習概要に関しては、乙種は約5時間、1日の講習で7,000円の受講料です。甲種は約10時間、2日の講習で受講料は8,000円になります。

居酒屋経営は難しい?成功率や失敗しないためのポイント

実際に開業する上で気になるのは居酒屋経営の難しさや成功率、リスクかと思います。居酒屋経営の現状から成功させるためのポイントをご紹介します。

2022年飲食業 業態小分類別倒産状況

飲食店は、開業はもちろんですが、廃業率も高く経営が難しいといわれる業種です。実際、東京商工リサーチの調べによると、2022年の飲食業の倒産件数の中で居酒屋は酒場・ビヤホールが120件で1位で最も多かったです。

昨年までは新型コロナウィルスの影響などもあり、飲み会や接待が減少した影響をうけていると考えられます。

現在は少しずつ状況が変わってきていますが、価格高騰などの影響も受けてまだまだ厳しい状況は続いています。

経営が厳しいということを理解した上で失敗しないためにも工夫を行いましょう。特に検討すべきポイントをご紹介します。

順位業態倒産件数
1位酒場・ビヤホール120
2位専門料理店118
3位食堂・レストラン112
4位喫茶店40
5位宅配飲食サービス業32
業種別の倒産件数

開業する居酒屋のコンセプトを検討する

最初に考えるべきなのは居酒屋のコンセプトです。どのようなお客様向けに、どんな商品を提供するのか、どのような店の雰囲気にするのか、どれくらいの価格で提供するのかなどを検討しましょう。

その上で他の居酒屋との差別化ポイントを明確にするようにしましょう。

居酒屋開業の出店地選び

コンプトを検討できたら、出店場所を選びます。検討していたコンセプトとマッチするような場所を検討しましょう。

例えば、安くて回転率をあげたいのだったら駅の近くや繁華街であったり、クオリティーで勝負するなら立地が悪くてもいいかもしれません。

メニューに工夫を加える

利益率を上げるためにもメニューの工夫もしましょう。たとえば、メニュー表に工夫することでおすすめの商品を注文してもらったり、提供までに時間がかからないメニューも準備しておくことが大事でしょう。

全体のバランスと合わせて検討しましょう。

居酒屋経営者の成功事例を見る

居酒屋経営者の成功事例を参考にすることも重要でしょう。同じような立場からうまく行っている人の事例を参考にすることで検討することもわかります。

フランチャイズに加盟しノウハウ共有を受ける

居酒屋を開業するための選択肢の一つとして、フランチャイズに加盟することも可能性としてあります。

フランチャイズに加盟することで本部からのノウハウを共有してもらうことで、ブランド力を活用したり、集客のノウハウを得られたりすることが出来ます。

居酒屋開業の手順・ステップ

居酒屋を開業するためにはどのようにするのか、開業の方法とステップに関してご紹介します。

居酒屋開業の2つの方法

居酒屋開業するためには、個人でゼロから開業する方法と、フランチャイズで開業する方法の2つの方法をご紹介します。

  • 個人でゼロから居酒屋開業のメリット・デメリット

自分で開業する場合は、自分の思った通りのコンセプトの店舗を開けて、利益幅も大きくメリットがあります。

一方ですべてを自分で手配をしなければいけないため、手間がとてもかかるということやコンセプトが間違っていたら失敗してしまうリスクが高いです。

  • フランチャイズで居酒屋開業のメリット・デメリット

フランチャイズの場合は、フランチャイズ本部のネームバリューを利用できたり、営業マニュアルやメニューの支援などもあったり、手間が少なく出店できるメリットがあります。

一方で加盟金やロイヤルティなどの負担があるため利益率が低くなってしまう可能性があります。

続いて開業のステップをご紹介します。

コンセプトの決定

最初に行うのがコンセプトの決定です。どのような店舗にしたいのか、どのような商品やサービスを提供したいのか、どんなお店の雰囲気にしたいのかなどを検討しましょう。

コンセプト似合わせて出店先やメニュー内容、内装なども大きく異なります。そのため、コンセプトをしっかり決めておくことが重要です。

具体的な事業計画の立案

次に事業計画の立案をします。事業計画にはなぜ開業するのか・店名・資金計画・投資計画・営業計画の資金繰りなども含めて具体的な数字を持ってプランを作成します。

事業計画書は、金融機関から融資の審査を受けるために必要になります。そのためにも希望的観測だけでなく、現実的な数字で作成しましょう。

資金確認・調達

事業計画が作成できたら、資金の確認・調達を行いましょう。資金には開業資金や運転資金が必要です。経営の軌道が乗るまでには一定の期間がかかるため、少なくても6ヶ月ほど準備しておきましょう。

また資金調達には、自己資金と融資の組み合わせがあります。自治体の助成金や補助金などもあるため、色々なルールを含めて調べましょう。

物件の確保・設備の準備

資金が調達できたら物件の確保を行います。事業計画書やコンセプトをベースにどのような条件があるのかをチェックポイント化しておくことで効率化につながります。

またチェックポイントを作る際、どのポイントが譲れないのかなどを明確にしておきましょう。例えば、スケルトン物件なのかそれとも居抜き物件なのかによりも設備をどの程度必要なのかも異なります。資金繰りと合わせて検討しましょう。

資格取得と手続き

開業の準備ができたら、居酒屋を開業するための資格取得を行いましょう。必要な資格や手続きには、食品衛生責任者資格、防火管理者資格、飲食店営業許可があります。

メニューの検討

資格や手続きの準備ができたらメニューを検討します。メニューは居酒屋の顔ともいえます。自身が検討してきたコンセプトに沿った看板メニューの検討に加えて、利益向上の視点も含めて検討しましょう。

例えば、居酒屋ではアルコール飲料は利益率が高いメニューはもちろん、それ以外にも提供が早いメニューも検討してみましょう。

スタッフ採用・広告宣伝費の検討

営業前に必要なのがスタッフの採用です。スタッフには、調理スタッフと接客スタッフが必要です。スタッフの採用には1ヶ月から3ヶ月程度かかるのが一般的でオープン日から逆算して求人広告を出すようにしましょう。

また上記以外にも開店に向けて広告宣伝の検討も始めましょう。例えば、自社のSNSアカウントを立ち上げたり、ウェブサイトを開設したり、折込チラシをしたりなどがあります。

ただ待っているだけではお客様はいません。そのため、自分たちから積極的にキャンペーンを行いましょう。

POSレジや決済システムの導入

最後にPOSレジや決済システムを導入します。営業が準備できてもお会計が出来なければ利益はあがりません。営業開始の1ヶ月前くらいには準備しておきましょう。

居酒屋であれば決済システムで便利なのがPOSレジです。注文から会計までを一気通貫で行え、スマートフォンやタブレットも使える気軽さも魅力です。

その他、最近はキャッシュレスの決済が増えています。いらっしゃるお客様に合わせた決済方法を検討しましょう。

居酒屋開業・運営のメリット・デメリット

居酒屋開業・運営のメリット・デメリットをご紹介します。

居酒屋運営のメリット

居酒屋運営のメリットとしては、自分で開業する場合は自分の思った通りのコンセプトのお店が持てるということです。

また利益率も高く稼げます。一方、フランチャイズで加盟する場合は、未経験から開業できたり、ネームバリューを使えたりするというメリットがあります。

居酒屋運営のデメリット

一方でデメリットとしては、自分で開業する場合は開店前の準備作業が膨大になってしまったり、広告からスタッフの教育までも自分で行わなければいけません。

一方フランチャイズの場合は、本部にロイヤルティーや加盟金を支払わなければいけないため利益率が低いということや自由に運営できないというデメリットがあります。

居酒屋開業・経営で陥りがちな失敗例

最後に居酒屋開業・経営で陥りがちな失敗例をご紹介します。

ターゲットが甘い独りよがりな店舗運営

よくある失敗例として独りよがりな店舗運営になってしまうことです。自分のお店を作るというあこがれから自身の思い先行でお店を運営してしまいお客様がついてこないというケースがあります。

自身がやりたいことだけを検討するのではなく、どのようなお客に来てほしいのか、なども考えてバランスを意識しましょう。

また、そのようなことを避けるためにも先輩経営者からのアドバイスを貰うこともおすすめです。

計画性のない資金計画

居酒屋を運営するためにはどうしても様々な資金がかかります。例えば、物件取得費、内装工事、人件費、電気工事費、設備費などがかかります。

場合によっては1,000万円以上かかってしまう場合があります。開業以降の資金計画をきちんと作成しておかないと、資金繰りが困難になってしまうことがあります。

そのためにもちゃんと計画を持った資金計画を行いましょう。

工夫が少ない集客施策

居酒屋を運営していくためにも集客は大事です。今飲食店は飽和状態であり、ただ集客を行えばいいというものではありません。

自身の店舗のらしさをもって、ポスターやSNSなどを活用して集客も工夫しましょう。

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この記事の監修
中島 崚
中島 崚
慶応義塾大学商学部卒業。新卒でフロンティア・マネジメント株式会社に入社し、メーカーの中期経営計画や百貨店の再生計画策定に従事。その後、スマートキャンプ株式会社に入社し、事業企画として業務を担う。また、兼務でグループ会社であるマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社に出向し、アントレプレナーファンド「HIRAC FUND」でキャピタリスト業務に携わる。2022年7月よりこれまで副業で経営していたステップ・アラウンド株式会社を独立させる。
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