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探偵に資格は本当にいらない?未経験から探偵を目指す人のための条件・スキル・始め方ガイド

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目次
探偵に資格は必要?探偵の資格の結論を先に知りたい人へ
探偵は国家資格・免許がいらないって本当?
資格より重要な「探偵業法」と公安委員会への届出とは
警察官・弁護士との違い|「資格職」としての探偵ではない点
探偵という仕事と「資格」の関係を正しく理解する
探偵の仕事内容と探偵業法で定義される「探偵業務」
違法調査にならないために必要な法律知識
依頼内容の線引き|受けてはいけない調査とは
探偵に求められる資格・スキル・適性
探偵に必須レベルのスキル(運転免許・尾行・張り込み・撮影)
報告書作成に欠かせないPCスキル・情報収集力
探偵に向いている人・向いていない人の特徴
年齢・経歴・性別はどこまで影響するか
探偵に役立つ民間資格・講座|探偵の資格はどこまで必要?
探偵業務資格認定とは|取得メリットと限界
探偵調査士検定など探偵の資格系民間資格の位置づけ
法律系・IT系など、評価されやすい関連資格
探偵学校・養成講座は行くべきか?選び方と注意点
未経験から探偵になるには|就職と開業、それぞれのステップ
探偵事務所に就職する方法(求人の探し方・応募条件)
アルバイト・見習いからスタートするルート
自分で探偵事務所を開業するために必要な準備と届出
就職ルートと開業ルートのメリット・デメリット比較
探偵の年収・働き方・キャリアパス
正社員・アルバイト・業務委託ごとの収入イメージ
実力・実績で年収が変わるポイント
独立・フリーランス探偵としてのキャリアプラン
将来性とリスク|長く続けるために押さえたい視点
探偵の資格を調べたあなたが次にやるべきこと
まず確認したい自分の適性・ライフスタイルとの相性チェック
資格取得・勉強を始めるなら何から手を付けるべきか
具体的な行動ステップ(情報収集→資格・スキル→求人・相談先)
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「探偵になりたいけれど、探偵 資格って本当に必要なのだろうか」。
そんな疑問や不安を抱えたまま、求人サイトや探偵学校の情報をなんとなく眺めていないでしょうか。探偵には国家資格が存在せず、名乗ろうと思えば誰でも名乗れてしまいます。しかし実際には、探偵業法に沿った届出、違法調査を避けるための法律知識、現場で通用するスキルが欠かせません。

この記事では、探偵 資格の有無からスタートし、探偵に求められる能力や適性、民間資格や講座の位置づけ、就職・開業それぞれのステップ、年収や働き方まで一連の流れで整理します。読み進めるうちに、「自分は本当に探偵を目指すべきか」「今どこから手を付ければよいか」が具体的に見えてきます。未経験から探偵を検討している方が、余計な遠回りを減らし、納得感のある一歩を踏み出すための道標として活用してみてください。

探偵に資格は必要?探偵の資格の結論を先に知りたい人へ

最初に、「探偵に資格が要るのか」だけをはっきりさせたい方も多いはずです。ここでは、国家資格の有無や最低限の条件を先に押さえたうえで、安心して次のステップに進めるよう整理していきます。

探偵は国家資格・免許がいらないって本当?

結論から言うと、日本で探偵として働くための国家資格や免許は存在しません。警察庁や都道府県警の案内でも、探偵業を営む際に「特別な資格等は必要ない」と明記されています。

理由は、探偵という仕事が弁護士や医師のような「独占業務」を持たない職業だからです。弁護士は資格がなければ法律業務を扱えませんが、探偵は法律上「他人の依頼を受けて特定人の所在や行動の情報を収集し、その結果を依頼者に報告する仕事」と定義されるにとどまります。

とはいえ「誰でも名乗れば今日から探偵」と考えるのは危険です。後述する探偵業法上のルールに従わなければ無届営業となり、懲役や罰金の対象になりますし、違法な調査手法に踏み込めば刑事事件へ発展するリスクもあります。

したがって、「国家資格は不要だが、法令とルールを守る前提で初めてスタートラインに立てる」というイメージを持つとよいでしょう。そのうえで、自分の強みを示せる民間資格やスキルを積み上げる発想が現実的です。

資格より重要な「探偵業法」と公安委員会への届出とは

探偵で一番重要な“条件”は資格ではなく、探偵業法で定められた届出です。探偵業を始める人は、営業開始日の前日までに、営業所ごとに管轄の都道府県公安委員会へ届出しなければなりません。

この届出が受理されると、「探偵業開始届出証明書」や受理番号が付与されます。警視庁や警察庁の案内でも、無届営業は6か月以下の懲役または30万円以下の罰金対象とされており、最初の一歩からコンプライアンスが問われる職種と言えます。

理由として、探偵の仕事は個人のプライバシーに深く関わるため、業務の適正化と権利利益の保護を目的として、法律で枠組みが組まれているからです。届出を出しても「特別な権限」が与えられるわけではなく、あくまで一般市民と同じ範囲で活動する立場のままです。

これから探偵を目指す方は、まず希望する事務所が「探偵業の標識」と受理番号を掲示しているかをチェックしましょう。転職を考える段階で、標識や番号を確認する癖を付けておくと、違法リスクの高い業者を早めに避けられます。

警察官・弁護士との違い|「資格職」としての探偵ではない点

探偵を目指す方が迷いやすいのが、警察官や弁護士との違いです。結論として、警察官や弁護士は「資格職」ですが、探偵は資格を持たない民間の調査業であり、公的権限は一切ありません。

警察官は、警察学校で訓練を受け、職務として捜査権限を与えられます。弁護士は司法試験などを経て弁護士登録を行い、法律業務の独占権を持ちます。一方で、探偵は依頼を受けて情報収集と報告を行う存在であり、強制捜査や取り調べ、逮捕などの行為は認められていません。

そのため、「警察官のように捜査権限を持てる仕事」と誤解して探偵を目指すと、現場で理想と現実のギャップに悩みやすくなります。探偵はあくまで民間サービスとして、法律の範囲内で証拠や情報を集め、依頼者の意思決定を支える立場です。

職業選びの段階では、「公権力を背景に動く仕事を望むなら警察官・検察官・自衛官」「民間の立場から調査スキルを活かすなら探偵」というように、自分がどちらに近い働き方を求めているのか整理しておくと判断しやすくなります。

探偵という仕事と「資格」の関係を正しく理解する

ここからは、探偵という職業そのものを整理しながら、「資格」との距離感を掘り下げます。仕事の中身を知るほど、どの能力に時間やお金を投資すべきかが見えてきます。

探偵の仕事内容と探偵業法で定義される「探偵業務」

探偵業法では、「探偵業務」を他人の依頼を受けて、特定人の所在や行動に関する情報を、面接・尾行・張り込みなどで実地調査し、その結果を依頼者へ報告する仕事と定義しています。

実務では、浮気・不倫調査、素行調査、人探し、結婚調査、企業の信用調査などが代表例です。厚生労働省の職業情報(job tag)でも、聞き込みや張り込み、写真撮影、報告書作成といった業務が整理されています。

この定義から分かるように、探偵の仕事には「人と接する力」「現場での判断」「地道な記録」が欠かせません。資格そのものよりも、現場で求められる行動パターンやスキルをイメージし、自分に合うかどうかを見極めたほうが現実的です。

仕事内容を知ったうえで、得意な部分・苦手な部分を整理すると、「どのスキルを重点的に伸ばすか」「どこを資格で補うか」といった投資の方針が立ちやすくなります。

違法調査にならないために必要な法律知識

探偵は法律のプロではありませんが、違法調査を避けるための法律知識は必須です。探偵業法の目的は「探偵業の業務の適正を図り、個人の権利利益を保護すること」とされ、調査対象の人権に配慮した運用が求められます。

実務で特に意識したいのは、住居侵入罪、窃盗、器物損壊、ストーカー規制法、迷惑防止条例、個人情報保護の各分野です。警視庁の案内でも、標的を見張るために近隣住民の敷地へ無断で入れば住居侵入罪になると明示されており、「依頼があるからやってよい」という発想は通用しません。

これから学ぶ方は、まず探偵業法の条文と警察庁・都道府県警が出しているガイドラインを読み、違法になりやすい行為の具体例を把握すると安心です。そのうえで、独学だけで不安が残る場合は、民間の資格講座や団体が行う法令研修を活用する方法もあります。

法律の全てを完璧に暗記する必要はありませんが、「明らかにアウトな行為」と「グレーゾーンに入る可能性」を見分ける感覚を身につけると、長く安全に仕事を続けやすくなります。

依頼内容の線引き|受けてはいけない調査とは

探偵は、依頼されれば何でも調べてよいわけではありません。探偵業法は、犯罪行為や違法行為を助長する調査を禁じており、「犯罪を行うための調査」「違法な差別につながる身元調査」などは受任禁止とされています。

例えば、ストーカー行為に利用されるおそれがある「元交際相手の住所や勤務先を知りたい」といった依頼や、差別目的が疑われる「同和地区出身か調べてほしい」といった依頼は、法律や通達で明確に問題視されてきました。こうした案件に関わると、探偵側も責任を問われる可能性があります。

安全に働きたい方は、「受ける依頼のルール」を自分の中にも決めておくとよいでしょう。初めての事務所を選ぶ段階で、違法リスクのある依頼を断っているかどうか、契約書や重要事項説明書の内容が整っているかを確認する姿勢が、キャリア全体を守ることにつながります。

探偵に求められる資格・スキル・適性

ここからは、「資格が不要なら結局何が求められるのか」という疑問に答えていきます。求人票や業界団体の情報を踏まえ、現場で評価されやすいスキルや向き不向きのポイントを整理します。

探偵に必須レベルのスキル(運転免許・尾行・張り込み・撮影)

実務でほぼ必須と言えるのが普通自動車免許です。Indeedのキャリアガイドや求人を見ても、多くの探偵事務所が応募条件に「普通自動車免許(AT可)」を挙げています。尾行や張り込みで車を使う場面が多いので、運転スキルと安全意識は大きな武器になります。

さらに重要なのが尾行・張り込み・撮影の技術です。これらは机上の勉強だけでは身につきにくく、先輩に同行しながら現場で覚えるケースが一般的です。一部の探偵学校や研修では、実地訓練のカリキュラムを組み、初心者でも基本動作を体験できる環境を用意しています。

これから準備したい方は、運転免許を持っていない場合は取得計画を立てつつ、日常でも「人の動きや周囲の状況を観察する習慣」を意識してみてください。普段から観察力を鍛えると、尾行や張り込みのトレーニングに入ったときの吸収スピードが変わります。

報告書作成に欠かせないPCスキル・情報収集力

探偵の仕事は「現場で撮って終わり」ではありません。最後に依頼者へ提出する報告書の質が、そのまま評価へ直結します。業界団体や資格試験の案内でも、試験項目としてPCスキルや文書作成能力を挙げるケースが増えており、デジタル対応の重要度は年々高まっています。

求められるのは、WordやExcelを使った文章・表作成、写真の挿入、簡単なレイアウト調整などの基本操作です。また、地図アプリやSNS検索、公開情報の調査など、オンラインの情報収集力も欠かせません。

PCが苦手な方は、いきなり高度な資格に挑むより、タイピング練習やビジネス文書の基礎から整えたほうが現場で役立ちます。そのうえで、余力があればMOSなど一般的なPC資格にチャレンジすると、履歴書でアピールしやすくなります。

探偵に向いている人・向いていない人の特徴

探偵の向き不向きは、資格よりも性格や生活スタイルの影響が大きい仕事です。厚生労働省の職業情報や業界団体の解説を踏まえると、向いている人に共通するのは「粘り強さ」「観察力」「秘密を守る感覚」です。

長時間の張り込みや不規則な勤務が続くため、体力とメンタルの安定も欠かせません。一方で、すぐに飽きやすい人、注意散漫な人、守秘義務への意識が薄い人はストレスを感じやすい環境です。

自分に合うかどうかを確かめたい方は、生活リズムや健康状態、家族との時間をどう確保するかも一緒に考えましょう。いきなり退職して飛び込むのではなく、まず情報収集や職業相談を通じて現場のリアルを聞く機会を持つと、後悔を減らせます。

年齢・経歴・性別はどこまで影響するか

日本では探偵になるための年齢上限や学歴制限は法律で決められていません。ただし、探偵業法の欠格事由として、一定の前科がある人や暴力団関係者、成年被後見人などは探偵業者になれないと定められています。

現場レベルでは、求人票に「20〜40代活躍中」「普通自動車免許必須」「未経験歓迎」といった条件が並ぶ傾向があり、体力が求められる業務では若年層が採用されやすい雰囲気があります。一方で、聞き取りやカウンセリングに近い場面では、人生経験のある中高年や女性スタッフが評価される場面もあります。

キャリアチェンジを考えている方は、自分の年齢や経歴を弱点と捉えるより、「どの案件なら強みになりそうか」に視点を切り替えると道が見えやすくなります。コミュニケーション力や前職の経験を活かせる領域を探し、そのうえで体力面の準備や生活の見直しを進める流れがおすすめです。

探偵に役立つ民間資格・講座|探偵の資格はどこまで必要?

ここからは、実際に存在する「探偵関連の民間資格」や講座にフォーカスします。資格が必須ではないと分かっても、「取ったほうが有利か」「費用に見合うか」は気になるポイントです。

探偵業務資格認定とは|取得メリットと限界

一般社団法人日本調査業協会(JISA)が実施する「探偵業務資格認定」は、業界内でも代表的な民間資格の一つです。同協会は内閣総理大臣認可の団体で、探偵業務取扱者・主任者・指導教育責任者・管理責任者の4区分に分けて認定試験を行っています。

この資格のメリットは、探偵業法や関連法令、調査倫理に関する体系的な知識を確認できる点です。試験は講習と40問の筆記試験で構成され、業務の適正化や個人の権利利益保護に配慮した内容になっています。

一方で、国家資格ではないため、この資格がないと探偵になれないわけではありません。また、取得しただけで仕事や顧客が自動的に増える保証もありません。今後のキャリアを考えるなら、「自社内での役職や信用度を高める手段」「コンプライアンス意識を示す材料」として位置づけると現実的です。

探偵調査士検定など探偵の資格系民間資格の位置づけ

一般社団法人日本探偵業協会が行う「探偵調査士検定」も、業界団体が主催する資格として知られています。試験は原則として探偵業の届出を行った人が対象で、筆記試験と技能試験、講習から構成されます。筆記では探偵業法や関連法令が出題され、技能試験では尾行・張り込み、PCやカメラ操作まで評価されます。

このような資格は、「一定レベルの基礎知識と技術を持っている」という指標にはなりますが、あくまで民間団体が認定するものです。取得を検討する際は、受験料や講習費、試験地への交通費などを含めたコストと、自分が狙うポジションやキャリアプランを照らし合わせて判断しましょう。

未経験からいきなり資格だけにお金をかけるより、まず業界のリアルな情報収集や職場見学、職業相談を通じて、自分が本当に探偵を続けていきたいかを確かめるステップを挟んだほうが安全です。

法律系・IT系など、評価されやすい関連資格

探偵専用の資格だけでなく、仕事に直結しやすい一般資格も存在します。たとえば、法律系では行政書士やビジネス実務法務検定などで法律リテラシーを示せますし、IT系やPC系ではMOSや情報処理系資格で基本スキルを裏付けられます。

求人票で「資格歓迎」とされるケースもありますが、実務では資格そのものよりも「使えるスキルかどうか」が重視されます。資格勉強を通じて得た知識を、契約書の理解や報告書作成、情報検索の精度向上など、具体的な業務にどうつなげるかを意識すると評価されやすくなります。

これから勉強したい方は、まず「探偵業法と関連法令」「PCと文書作成」の2軸を整え、そのうえで興味のある法務・IT資格でプラスアルファを狙う流れが効率的です。

探偵学校・養成講座は行くべきか?選び方と注意点

探偵学校や養成講座は、短期間で基礎を学びたい人にとって魅力的な選択肢です。中には、探偵業法や調査手法、尾行・張り込みの実技、報告書作成などをカリキュラム化しているスクールもあります。

ただし、スクール選びでは「就職の斡旋実績」「運営団体の信頼性」「講師の現場経験」「費用の妥当性」を必ず確認したいところです。安易な勧誘や過度な成功イメージだけを強調する宣伝には注意が必要です。

検討中の方は、複数校の説明会や体験講座に参加し、実際に質問してみると雰囲気がつかめます。そのうえで、「スクールに通わなくても得られる内容か」「自分の予算・時間に合うか」を冷静に比較したほうが後悔を減らせます。

未経験から探偵になるには|就職と開業、それぞれのステップ

ここでは、未経験者が探偵を目指す現実的なルートを整理します。大きく分けると「探偵事務所へ就職する道」と「自分で開業する道」がありますが、多くの人にとっては前者からスタートするほうが安全です。

探偵事務所に就職する方法(求人の探し方・応募条件)

未経験から探偵を目指す場合、最も現実的なのは既存の探偵事務所へ就職するルートです。求人は総合求人サイト、業界団体の情報、ハローワーク、各事務所の公式サイトなどで見つかります。

応募条件としては、普通自動車免許、基本的なPCスキル、土日祝や夜間を含む勤務に対応できる体制が求められるケースが多いです。学歴や経験不問の求人もありますが、面接では「守秘義務を守れるか」「体力とストレス耐性があるか」が重視されます。

これから動きたい方は、まず求人を一覧で眺め、どの条件が共通しているかを確認しましょう。そのうえで、履歴書・職務経歴書に「体力面のアピール」「PCスキル」「長時間の集中作業の経験」を盛り込むと採用担当者にイメージが伝わりやすくなります。

アルバイト・見習いからスタートするルート

いきなり正社員ではなく、アルバイトや見習い枠から入り、徐々に経験を積むパターンもあります。Indeedの求人や事務所サイトを見ると、撮影スタッフや調査補助などのポジションをアルバイトで募集する例も見られます。

このルートの利点は、探偵という仕事が本当に自分に合うかを低リスクで確かめられる点です。一方で、収入は安定しづらく、実務経験の短さから任される業務が限られる場合もあります。

検討する際は、生活費とシフトのバランスを冷静に計算し、「どの程度の期間なら見習いとして頑張れるか」を決めてから応募したほうが安心です。

自分で探偵事務所を開業するために必要な準備と届出

自分で事務所を開きたい場合、公安委員会への届出が最初の大きなハードルです。営業所ごとに所轄警察署を経由して届出を行い、欠格事由に該当しないことを証明する書類などを揃えます。

同時に、事務所の物件、車両、撮影機材、通信環境、広告・集客の仕組みなども整備しなければなりません。資金計画や事業計画を固めないまま開業すると、集客に苦戦して短期間で撤退するリスクが高まります。

未経験でいきなり開業を目指すより、まずは数年程度どこかの事務所で経験を積み、業務フローや集客構造、トラブル対応を学んだうえで独立を検討する流れがおすすめです。

就職ルートと開業ルートのメリット・デメリット比較

就職ルートのメリットは、初期投資が不要で、先輩から実務を学びやすい点です。給与は安定し、福利厚生がある事務所もあります。一方で、勤務時間が不規則になりやすく、案件や働き方を自分で選びにくい側面があります。

開業ルートのメリットは、料金設定や働き方を自分で決められる自由度です。うまく軌道に乗れば収入の上振れも期待できます。しかし、集客やクレーム対応、法令遵守の責任をすべて背負うことになり、資金繰りや広告費の負担も大きくなります。

自分に合う道を選ぶには、「どこまでリスクを取れるか」「どの程度の自由度を求めるか」という価値観を整理することが重要です。最初は就職で経験を積み、将来の独立可能性を頭の片隅に置いておくくらいが、多くの人にとって現実的なバランスでしょう。

探偵の年収・働き方・キャリアパス

仕事として探偵を考えるなら、収入と働き方も押さえておきたいところです。ここでは、雇用形態ごとの収入イメージや、キャリアの広がり方を整理します。

正社員・アルバイト・業務委託ごとの収入イメージ

Indeedなどの求人情報から見ると、探偵の正社員求人は月給制が多く、地域や事務所規模にもよりますが、固定給+歩合給の形をとるケースもあります。アルバイトの場合は時給制で、夜間や深夜帯の割増が適用されることもあります。

業務委託やフリーランスの立場では、案件単位の報酬となり、成果や稼働時間によって収入が大きく変動します。経験を積んで独立した人が、高額案件を中心に受けるケースもあれば、案件不足で苦戦する例も少なくありません。

求人を眺める段階で、「最低限いくら必要か」「残業や不規則勤務をどこまで許容できるか」など、自分の条件を先に決めておくと現実的な選び方がしやすくなります。

実力・実績で年収が変わるポイント

探偵の収入は、実力と実績によって差が出やすい職種です。調査スキルだけでなく、依頼者の話を丁寧に聞き、適切な調査プランを組み立て、トラブルなく完了させられる人は、事務所内での信頼が高まりやすくなります。

特に、報告書の質と説明力は重要です。裁判資料や交渉材料として使われる場面もあるため、写真の整理、時間軸の整理、法律に抵触しない範囲での表現など、総合的な「アウトプット力」が評価へ直結します。

年収アップを狙うなら、「人気のある調査ジャンルで実績を積む」「クレームを減らす」「紹介案件を増やす」といった視点が有効です。資格や肩書きは入口にすぎず、最終的には現場での信頼が収入を左右すると考えたほうが良いでしょう。

独立・フリーランス探偵としてのキャリアプラン

数年の実務経験を経て、自分の事務所を立ち上げる人もいます。独立後は、調査料金や対応エリア、業務範囲を自分で決められるため、自分なりのブランドを打ち出しやすくなります。

一方で、集客や広告、顧客対応、従業員の教育など、経営者としての役割が一気に増えます。特に近年はインターネット広告や口コミサイトの影響が大きく、オンラインでの評判管理も欠かせません。

これから独立を目指したい方は、「経営やマーケティングに興味が持てるか」「責任を一身に引き受ける覚悟があるか」を自問しながら、まずは今いる職場で“経営視点”を持って業務に関わってみるとよいでしょう。

将来性とリスク|長く続けるために押さえたい視点

探偵業界は、少子高齢化や価値観の変化、デジタル技術の進展などの影響を受けつつも、一定のニーズが続いている分野です。浮気・不倫調査、離婚や親権をめぐる証拠収集、企業の内部調査など、トラブルがある限り需要はなくなりません。

ただし、過当競争や料金の値下げ圧力、ネット広告費の高騰など、経営面のリスクも存在します。また、精神的に重い案件や危険を伴う現場もあるため、メンタルケアと安全管理が欠かせません。

長く続けたいなら、「すべての案件を無理に受けない」「危険な依頼は断る」「休息とリフレッシュの時間を確保する」といったセルフマネジメントが重要です。資格やスキルのアップデートと同じくらい、自分を守るルール作りに意識を向けておきましょう。

探偵の資格を調べたあなたが次にやるべきこと

最後に、探偵の資格を調べた読者が、この後どのようなステップを踏めばよいかを整理します。情報収集で終わらせず、無理のない範囲で小さな一歩を踏み出すことが、将来の選択に役立ちます。

まず確認したい自分の適性・ライフスタイルとの相性チェック

最初のチェックポイントは、自分の性格や生活と探偵の働き方がかみ合うかどうかです。夜間・休日を含む勤務、長時間の張り込み、不規則なスケジュールに耐えられるかを、家族やパートナーとの関係も含めて考えてみてください。

紙に「向いていそうな点」「不安な点」を書き出すと、頭の中だけで考えるより整理しやすくなります。不安が大きい部分は、後からスキルや環境調整で補えるのか、それとも根本的に合っていない可能性が高いのかを冷静に見極めるきっかけになります。

資格取得・勉強を始めるなら何から手を付けるべきか

勉強を始めるなら、いきなり高額なスクールや複数の資格に手を出す必要はありません。最初のステップとしておすすめなのは、以下の順番です。

  1. 探偵業法と警察庁・都道府県警が公開しているガイドを一通り読む
  2. PCの基本操作とビジネス文書作成を固める
  3. 運転免許が無ければ、取得計画を検討する

そのうえで、興味が湧いた民間資格(探偵業務資格認定や探偵調査士検定など)の内容や費用を調べ、「自分のキャリアプランと本当に合うか」を判断すると効率的です。

具体的な行動ステップ(情報収集→資格・スキル→求人・相談先)

最後に、今から数か月で進められる現実的なステップをまとめます。

  1. 情報収集
    • 公的機関の情報(警察庁・都道府県警のサイト、厚生労働省の職業情報)を読む
    • 業界団体(日本調査業協会、日本探偵業協会など)のサイトで資格や活動内容を確認する
  2. 資格・スキルの準備
    • 探偵業法の要点をノートにまとめる
    • PCスキルを強化し、簡単な報告書の型を自分で作ってみる
    • 運転に不安があれば教習や練習を計画する
  3. 求人・相談先のチェック
    • Indeedなどで探偵の求人を検索し、応募条件や給与レンジを把握する
    • 気になる事務所のサイトで、受理番号や業務内容、採用情報を確認する
    • 必要に応じて職業相談窓口やキャリアカウンセラーに相談し、第三者の視点を取り入れる

この流れを踏めば、「なんとなく気になる職業」から一歩進んで、「自分が本気で目指すべきか判断できる職業」という段階まで到達しやすくなります。資格の有無だけで迷うのではなく、「法令順守」「スキル」「働き方」の三つの軸で検討することが、探偵としてのキャリアを前向きに描く近道です。

この記事の著者

OREND FC運営事務局

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