クレープ屋の3つの営業形態
クレープ屋の営業形態は、路面店・テナント・キッチンカーの3つに大別できます。それぞれの営業スタイルやメリット・デメリットについて、詳しく解説します。
路面店
路面店は主要な通りや商店街など、人通りの多い場所に出店します。店内での飲食が可能であり、客層も幅広く、観光客や地元住民などのさまざまな層にアピールできます。また、店舗面積や内装デザインなどの自由度が高く、独自のブランドや雰囲気を演出できます。クレープ以外のスイーツやドリンクメニューを充実させ、カフェとしての側面を持たせると、集客力や売上の向上につながるでしょう。
路面店は店舗用の土地や建物を用意しなければならず、開業資金を用意するのが大変です。しかし、フランチャイズのなかには店舗を本部が用意してくれるところもあり、このようなチェーンに加盟することで開業資金の問題をクリアできます。
テナント
テナントは商業施設やショッピングモール内に出店する形態です。ほかのテナントとの共存が特徴であり、多くの場合、同じ施設内の飲食店や小売店との相乗効果を期待できます。商業施設が持つ集客力を活かしやすく、来店客の層も多様です。内装や設備などの共通部分をシェアすることで、初期投資やランニングコストを抑えられるメリットもあります。
ただ、自由に営業できないデメリットもあります。テナント店は商業施設のルールに従わなければならず、営業時間や定休日を自由に設定できません。フランチャイズに加盟する場合、フランチャイズ本部と商業施設の両方のルールに縛られることになるため、不自由に感じる人もいるでしょう。
キッチンカー
キッチンカーは移動式の販売車両で出店する形態です。主にイベントやフェスティバル、商業施設の周辺など、人が集まる場所で営業します。販売エリアを自在に移動できるのが特徴で、立地が原因で廃業に追い込まれるリスクが低いです。土日祝日のイベント会場や駅周辺など、需要の高い場所に絞って出店することもできます。
また、店舗を構えないキッチンカーの初期費用は低く、フランチャイズなら200万~300万円ほどで開業できることが多いです。営業時間や出店日を柔軟に設定できることも多く、土日祝日のみの副業からスタートする人もいます。
他業種にはないクレープ屋のメリット
クレープ屋はほかの飲食業界のなかでも、コストやリスク、オーナーの負担を抑えて開業・運営できます。その理由を、ほかの飲食業にはないクレープ屋ならではの3つのメリットと併せて紹介します。
予算や働き方に合わせた業態を選べる
クレープ屋には予算や働き方に合わせた業態を選べるメリットがあります。クレープ屋には路面店、テナント、キッチンカーといった複数の営業形態があり、それぞれ必要な資金や働き方が異なります。特にキッチンカーは低コストで開業できること、営業時間を自由に決められることから、予算が少ない人やプライベート優先の働き方がしたい人におすすめです。
SNS映えの需要が高く、口コミで集客しやすい
クレープ屋はSNS映えの需要が高く、口コミで集客しやすいメリットがあります。カラフルなトッピングやデコレーションが施されたクレープはSNS映えしやすく、若い世代を中心に注目を集めます。SNSで口コミが広まることも多く、自然な形で集客効果を高めることができます。
特に既存のブランドを利用できるフランチャイズでは、はじめから高い集客力が期待できます。本部がSNSを運用し、ブランディングやマーケティングを行うことも多く、加盟店はこれらの施策の効果に乗って営業できます。
ほかの飲食店に比べてオペレーションが簡単
ほかの飲食店に比べて、オペレーションが簡単という点もクレープ屋のメリットです。クレープの調理は比較的シンプルで、熟練したスキルは必要ありません。そのため、従業員の教育や管理が比較的容易であり、オペレーションの効率化が図りやすいです。アルバイトだけでお店を回すのも簡単で、多店舗展開もしやすいです。
フランチャイズでクレープ屋を開業するメリット
クレープ屋は飲食業のなかでも開業しやすい業種です。フランチャイズを活用することで、開業のハードルをさらに下げ、リスクを抑えてお店を運営できるでしょう。フランチャイズでクレープ屋を開業するメリットを3つ紹介します。
チェーンのブランド力で集客できる
フランチャイズに加盟する最大のメリットとして、チェーンのブランドを活かして集客できることが挙げられます。フランチャイズに加盟することで、チェーン全体のブランド力、知名度や信頼度の高さを活かした集客ができます。
本部がSNSや自社HP、YouTube、テレビ番組などのメディアを使ってマーケティングやブランディングを行っているチェーンもあります。このようなチェーンに加盟すれば、本部の施策に乗り、加速度的に集客力と売上を高められるでしょう。
仕入れや仕込みが楽
仕入れや仕込みが楽という点もフランチャイズのメリットです。フランチャイズでは本部が一括で仕入れを行い、各加盟店に必要な材料や商品を提供します。この一括(大量)仕入れにより仕入れの単価が抑えら、個人店よりも低いコストで店舗を運営できます。
また、仕込みの工程やレシピも統一されており、加盟店側はこれらを独自に考える必要がありません。本部から調理済みの食材が提供されるチェーンも多く、効率的な運営が可能です。
キッチンカーのレンタルや出店地の紹介がある
キッチンカーの場合、キッチンカーのレンタルや出店地の紹介など、加盟店をサポートする仕組みを持つチェーンも多いです。フランチャイズ本部がイベント会社と提携し、出店場所を紹介してくれることもあります。自力で出店場所を探す手間なく、集客できる場所にお店を出せるのです。
フランチャイズでクレープ屋を開業するデメリット
フランチャイズに加盟することで開業のリスクを下げられますが、フランチャイズ加盟により生じるリスク・デメリットもあります。
加盟金やロイヤリティがかかる
フランチャイズならではのデメリットとして、加盟金やロイヤリティがかかるという点が挙げられます。フランチャイズ加盟する際には、一定の金額を加盟金として支払う必要があります。また、売上の一部をロイヤリティとして本部に支払う必要もあります。これらの費用が利益を圧迫するかもしれません。
ただ、ブランド力を活かした集客や本部が確立した稼げる仕組みにより、個人経営よりも売上が高くなる可能性も大きいです。加盟金やロイヤリティよりも売上増加の効果が大きければ、手元に残る利益も大きくなります。
また、キッチンカーでは加盟金やロイヤリティがないフランチャイズも多いです。かかるコストとそれによるリターンを天秤にかけること、加盟金やロイヤリティを抑えられるチェーンを探すことで、フランチャイズ加盟のデメリットを解消することもできます。
個人店より自由度が低い
フランチャイズには個人店よりも自由度が低いという問題があります。フランチャイズ契約により、一定の規則や基準に従う必要があります。そのため、独自のアイデアや経営方針を自由に実践することが難しいです。後から「こんなはずじゃなかった」とならないよう、フランチャイズごとの規則や方針をよく確認しておきましょう。
他店や本部による風評被害のリスクがある
他店や本部による風評被害のリスクがあるという点も考慮すべきです。フランチャイズは個人店と異なり、チェーン全体で評価されます。ほかの加盟店や本部による失敗や不祥事によりチェーン全体のイメージが悪くなり、自店舗にも悪影響を及ぼすかもしれません。
他店による風評被害のリスクをゼロにするのは難しいです。接客や技術に関する指導がしっかりしているか、ブランドイメージを守るためにどのような取り組みをしているかなどを軸に、加盟候補を比較しましょう。
クレープ屋開業を成功させるための、フランチャイズの選び方
クレープ屋の開業を成功させるためには、適切なフランチャイズを選ぶことが重要です。そのための4つのポイントを紹介します。
まずは希望の働き方を明確にする
まずは、自分の希望する働き方を明確にすることが大切です。自分のライフスタイルや時間の使い方、ライフステージなどを考えて、どんな働き方が合っているかをしっかりと把握しましょう。
希望の働き方に合う業態を選ぶ
ワークライフバランスを充実させるには、希望の働き方に合った業態を選ぶことが重要です。路面店、テナント、キッチンカーなど、それぞれの業態には特性があります。自分のライフスタイルやビジネスモデルに合った業態を選ぶことで、経営がよりスムーズに進むでしょう。
たとえば小さなお店を開いて自分のペースで働きたいなら路面店が、集客力の高い場所に出店して売上を伸ばし、どんどん多店舗展開をしていきたいならテナントがおすすめです。プライベート優先で働きたい、まずは副業からスタートしたい人には、キッチンカーが適しています。
加盟金やロイヤリティの有無・金額を確認する
加盟金やロイヤリティの有無や金額はしっかり確認・比較しましょう。これらの費用は開業時だけでなく、経営に継続的な影響を与えます。よく調べ、現実的な収支計画を立てることが大切です。
出店場所の紹介があるか確認する
出店場所の紹介があるかどうかも確認することが重要です。特にキッチンカー形態の場合は、出店場所の確保が大きな課題となります。フランチャイズ本部が出店場所の紹介やサポートを行ってくれるかどうかを確認し、安定した立地を得ることが成功のカギとなります。
クレープ屋のおすすめフランチャイズ5選
未経験からの開業にもおすすめのクレープ屋フランチャイズを5つ紹介します。
マリオンクレープ
- 1976年創業の老舗クレープ店
- 2坪から開業可能
- 充実した研修制度
マリオンクレープは、日本で初めて紙で巻いたクレープを販売した老舗クレープ店です。1976年の創業以来、数種類の材料をブレンドしたオリジナルの生地を使い、バリエーション豊富なメニューを提供しています。
2坪のスペースがあれば開業できるため、空き区画や既存店舗の空きスペースなどを有効活用でき、家賃や人件費などのコストカットができます。また作り置きしない対面販売のため材料ロスも少なく、安定した利益率を確保できます。
長年培ってきた経験とノウハウをもとに、未経験でも開業できるようオープン前後の研修が充実しています。
開業資金 | ロイヤリティ | 契約期間 | 加盟店舗数 |
要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 約80店舗 |
マテリアクレープ
- 珍しいコラボ商品で人気のクレープ店
- 2等立地、3等立地でも勝てる集客システム
- 営業時間やメニュー設定に自由度がある
マテリアクレープは、地元愛媛の老舗菓子店とコラボした商品や全国初の「ライスクレープ」を開発するなど珍しい商品で話題となっています。ティラミス専門店やベーカリーも展開しています。スイーツ男子の増加にも着目し、新たな戦略を考えています。
オリジナルの集客システムとバイラルマーケティングを活用し、2等立地、3等立地でも高い集客率を実現します。
開業する地域や立地、開業条件によって営業時間や定休日、メニュー設定を変更できます。
開業資金 | ロイヤリティ | 契約期間 | 加盟店舗数 |
加盟金:150万円 保証金:50万円 | 月8万円(税別) | 5年 | 要問い合わせ |
そらいろクレープ
- 素材、レシピすべてパティスリー基準
- デリバリーを有効活用
- メニューライセンス制の導入
そらいろクレープでは、ソース類から素材、レシピ、製造方法すべてパティシエ監修のもと、最上級のクレープを提供します。簡単なオペレーションのため、1人での運営も可能です。
デリバリーには不向きと言われるクレープですが、そらいろクレープではデリバリー需要も高く、店頭(テイクアウト)+デリバリーで売上アップが期待できます。
メニューライセンス制の導入で、既存店舗(飲食店)でそらいろクレープのメニューを提供することもできます。
開業資金 | 開業資金 | ロイヤリティ | 契約期間 | 加盟店舗数 |
店舗型 加盟金:143万円 テナント契約初期費用:45万円 内装工事費:300万円 厨房機器(中古):20万円 備品/その他:15万円 ロイヤリティ(初月分):7.7万円 運転資金:50万円 総計:580.7万円 ※参考値 | メニューライセンス型 加盟金:110万円 備品/その他:33万円 広告宣伝費(初月分):5.5万円 ロイヤリティ(初月分):4.4万円 総計:152.9万円 ※参考値 | 店舗型:7.7万円 メニューライセンス型:4.4万円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
Sweets HERO
- おしゃれなキッチンカーでのスイーツ・クレープの移動販売
- 低資金で独立開業ができる
- オリジナルの店名やメニューでの開業OK
Sweets HEROは、おしゃれでカラフルなキッチンカーでスイーツ・クレープの移動販売をするフランチャイズです。
加盟金・ロイヤリティは0円で、キッチンカー代と研修費のみで開業できます。キッチンカーの車両代もわかりやすい価格設定になっており、好みの車種タイプ、カラーを選べて世界で1台のキッチンカーで運営ができます。
店名も自由につけられて、オリジナルのメニューも販売できるなど、自由度の高い運営ができるのも魅力です。未経験でも安心して開業できるよう、出店場所確保のノウハウの提供や営業許可取得の研修などサポート体制も充実しています。
開業資金 | ロイヤリティ | 契約期間 | 加盟店舗数 |
加盟金:0円 キッチンカー:220万円〜 | 0円 | 要問い合わせ | 57店舗(2024.3月時点) |
COLOR CAFE
- クレープ・スイーツ専門のキッチンカー
- 本部による手厚いサポートと集客・宣伝
- 移動販売開業のフルパッケージ
COLOR CAFEは、クレープ・スイーツ専門のキッチンカーです。SNS映えする商品と、目を引く黄色のトラックで、抜群の集客力を誇ります。
本部が集客・宣伝に力を入れているのも特徴です。メディアへの出店実績が多数あり、フランチャイズ加盟からオープンまでの密着動画や現役オーナーの取材動画などを放送。公式サイトからこれらの番組を視聴することもできます。
イベント会場向けの「出店依頼フォーム」を公式HPに設置したり、YouTubeチャンネルの運営に力を入れたり、出店依頼を集めるためにさまざまな取り組みをしています。
車両を含め移動販売開業のすべてが揃うFC開業パックが用意されています。研修制度や開業前後のサポートも充実しており、未経験でも安心して始められます。
開業資金 | ロイヤリティ | 契約期間 | 加盟店舗数 |
290万円~ | なし | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
クレープ屋のフランチャイズは自分らしい働き方ができるか、本部の集客施策やSNS映えするかで選ぼう
クレープ屋のフランチャイズを選ぶ際には、自分らしい働き方ができるかどうか、本部の集客施策やSNS映えするかどうかを重視しましょう。自分のライフスタイルやビジョンに合った働き方ができるかどうかが、長期的な成功につながります。これらが揃っているフランチャイズを選ぶことで、クレープ屋開業の成功に近づけるでしょう。
本記事で紹介したフランチャイズのなかに気になるところがあったら、まずは公式HPをチェックしてみてください。加盟費やロイヤリティ、詳しいサポート内容など、わからないことがあったら問い合わせをしてみましょう。なるべくたくさんのチェーンの情報を集め、自分に合ったところを選ぶことが大切です。