固定費が低い弁当屋はほかの飲食店に比べて儲かりやすいです。本記事では弁当屋が儲かる理由を社会情勢を踏まえて解説。弁当屋を開き、稼ぐために大切な3つのポイントや立地の選び方、未経験からリスクを抑えて開業できるフランチャイズも紹介します。
ほかの飲食店より弁当屋が儲かりやすい理由
弁当屋はほかの飲食店と比べて初期投資や運営費が低く抑えられる、収益性が高いビジネスです。競合が少ないため集客しやすく、現代社会の健康志向や忙しい生活スタイルに合ったサービスを提供できることも、弁当屋が儲かりやすい理由のひとつです。これらの「弁当屋が儲かる理由」について詳しく解説します。
固定費が低い
弁当屋は固定費がほかの飲食店に比べて低く、利益を上げやすいです。弁当屋はテイクアウトがメインのため、店舗スペースが小さく済み、賃料や光熱費を抑えられます。テーブルや椅子などの備品への投資も不要。接客を担当するスタッフが少ないため、人件費も最小限で済みます。
このように、弁当屋は全体的に固定費が低く抑えられるため、初期投資と運営費の面で優位性が高いです。
ライバルが少ない
弁当屋はほかの飲食店と比べてライバルが少ないため、競争も緩やかです。レストランやカフェなどの飲食店は、多くの業者がひしめき合っていますが、弁当屋はその競争から少し距離を置いているといえます。特に、オフィス街や住宅地などでは弁当屋の存在感が大きく、リピーターを獲得しやすいです。
社会的にニーズが高まっている
弁当屋が儲かるもうひとつの理由は、社会的にそのニーズが高まっていることです。
忙しい現代社会では、時間をかけて食事をとることが難しい人が増えています。そのため、手軽に食事を済ませられる弁当へのニーズが高まっています。テレワークの普及、学校や職場での行事など、家庭外での食事の機会が増えたことも、弁当のニーズを押し上げています。
また、個別包装で提供される弁当には衛生面で安心感があります。外食や飲み会の機会が減ったこともあり、コロナ禍以降の社会でニーズが高い業態といえます。
最近は健康志向の高まりにより、栄養バランスを考慮した弁当、低カロリー・高タンパク質のメニューなど、弁当屋へのニーズも多様化しました。新しいニーズを捉えることで、より儲かる弁当屋をつくっていけるでしょう。
弁当屋で儲けるために大切な3つの要素
弁当屋で成功するためには、売上を上げつつコストを抑えるための戦略が欠かせません。その中でも、店舗の立地、ビジネスのコンセプト、そして原価率の管理が特に重要です。これら3つの要素は、弁当屋のビジネスを安定させ、持続的な成長を実現するための基盤となります。
立地
弁当屋で儲けるためには、立地が非常に重要です。人通りの多い場所や、ターゲットとなる顧客層が集まるエリアに店舗を構えることが成功のカギです。駅前やオフィス街では、忙しいビジネスパーソンや通勤客が顧客となり、安定した売上を見込めます。住宅地では、家庭向けのニーズに対応した弁当が求められます。
立地を選ぶ際には、周辺の交通状況や駐車場の有無、近隣の競合店などを考慮し、多角的に考えましょう。二等立地のような家賃が低めの場所を選び、固定費を抑えつつ独自の集客戦略を展開することも可能です。
コンセプト
弁当屋で儲けるためには、店舗のコンセプトが大切です。明確なコンセプトがあると、顧客に自店の強みを伝えやすくなり、リピーターを増やす効果も期待できます。たとえば健康志向のコンセプトなら、低カロリーやオーガニック食材を使用したメニューが考えられます。ボリュームを求める顧客には、お得なセットや特盛サイズなどが魅力的でしょう。
弁当屋のコンセプトは、地域性やターゲット層に合わせて設定するのが効果的です。住宅地なら家族向けのメニューや子どもが好むおかずを取り入れると良いでしょう。オフィス街なら忙しいビジネスパーソン向けに、安価でサッと食べられる商品を提供するのがおすすめです。
原価率
弁当屋で儲けるために、原価率の管理は非常に重要です。原価率は売上に対する材料費の割合を示し、この比率が低ければ利益が出やすくなります。弁当屋の原価率は35%ほどが目安といわれています。
原価率を抑えるためには、効率的な仕入れが重要です。食材のまとめ買いや季節の特売品を活用するなど、費用を抑える工夫が欠かせません。
在庫管理やロスを最小限に抑えることも、原価率の改善につながります。天候やイベントの開催状況などを考慮しながら販売・在庫データを分析し、適切な在庫数を維持できるよう心がけましょう。
弁当屋で儲けるための立地選び
弁当屋で儲けるためには、立地選びが重要です。立地によってターゲットとなる顧客層や、ビジネスの展開方法が大きく変わるからです。駅前やオフィス街、二等立地など、弁当屋に適した立地について解説します。
駅前
駅前の立地は、弁当屋にとって非常に魅力的です。多くの人が行き交うため集客がしやすく、通勤・通学途中に弁当を購入する人をターゲットにできます。駅前はオフィスビルや商業施設が多いため、人々の流れが絶えず、早朝から夜まで幅広い時間帯で集客が可能です。
駅前ではランチタイムだけでなく、夕方や夜に仕事帰りの人々が利用することも期待できます。交通アクセスが良いため、新規顧客の獲得にも有利です。
これらのことから、駅前の立地は弁当屋にとって安定した売上を確保しやすい場所といえます。
オフィス街
オフィス街も、弁当屋にとって儲かる立地です。ビジネスパーソンが多く集まるため、ランチタイムに需要が集中する傾向があります。昼食時に短時間で多くの弁当を売ることで、効率的な営業が可能です。また、オフィス街では多くの企業が立地しているため、企業向けのデリバリーサービスも展開しやすいです。
オフィス街は定期的なリピーターを獲得しやすく、口コミや評判によって顧客を増やせるでしょう。最近は飲み会が減り、惣菜や弁当を買って自宅で晩酌をする人も増えたので、夕方の売上も期待できます。
二等立地
二等立地は、弁当屋にとってコストを抑えながらも安定した収益を得られる立地です。主要な通りや繁華街から少し外れた場所に位置するため、家賃が比較的低く、固定費を抑えられます。
このような立地の弁当屋は目立ちづらく人通りも少ないため、自然な集客は難しいかもしれませんが、工夫次第でリピーターを増やすことは可能です。看板や宣伝活動を強化したり、特定の顧客層にアプローチしたり、他店との差別化を図ることで十分な集客が見込めます。
また、土地が大きく駐車場のある二等立地は、車の利用者をターゲットにしやすいです。固定費を抑えつつ、地域に密着した弁当屋を目指すなら、二等立地は魅力的な選択肢といえます。
住宅地
住宅地は、弁当屋にとって家族や主婦層をターゲットにしたビジネス展開ができる立地です。子育て中の親はもちろん、近年増えた在宅ワーカーやフリーランスなどが主な顧客となります。
そのため、家庭向けのメニューやボリューム感のある弁当が好まれます。惣菜のラインナップを充実させるのもいいでしょう。夕食用に弁当を購入する人も多く、昼食時だけでなく夕方以降にも売上のチャンスがあるのが特徴です。
住宅地では、地域とのつながりを大切にすることが成功の秘訣です。地元のイベントに参加したり、地域限定のキャンペーンを実施したりして、コミュニティに溶け込むことを心がけましょう。また、口コミやリピーターを増やすために、温かみのある接客や特典を提供することが大切です。
これらの取り組みにより、安定した顧客ベースを築けます。地域に密着したビジネスとして長く続けられるでしょう。
デリバリー特化の場合
デリバリー特化型の弁当屋は、店舗の立地にとらわれずにビジネスを展開し、幅広い地域に顧客を持てます。
直接の来店客を想定しないため、店舗の面積を最小限に抑え、賃料や光熱費も削減できます。また、店内の装飾や接客のための人員が不要なため、固定費や人件費も低く抑えられます。
デリバリー特化型の弁当屋では、配送の効率性が重要です。デリバリー体制を整えること、オンライン注文システムや配達パートナーとの連携が欠かせません。
広告・宣伝も重要です。SNSやウェブ広告を活用して、デリバリー需要のある地域に効果的な宣伝を行うことで、集客力を高められます。
デリバリー特化型の弁当屋は、デリバリーへのニーズが急増したこと、柔軟なビジネスモデルであることから注目されています。立地に縛られず、効率的に顧客を増やしたいなら、このモデルは有望な選択肢といえるでしょう。
フランチャイズの弁当屋が儲かる4つの理由
フランチャイズの弁当屋は、個人経営に比べて成功しやすいといわれています。ブランドの知名度や本部からのサポート、そしてスケールメリットを活用できるからです。これにより、集客力やビジネス運営の効率が向上し、安定した収益を得やすくなります。
フランチャイズの弁当屋が儲かる4つの理由について詳しく説明します。
チェーンの知名度で集客できる
フランチャイズの弁当屋が儲かる最大の理由は、チェーンの知名度を活かして集客できることです。有名なブランド名やロゴは多くの人に認知され、消費者はその名前に信頼感を感じます。そのため、新規開店時から一定の顧客を確保しやすく、口コミやリピーターも増えやすくなります。
また、チェーン店同士での情報共有や共同キャンペーンなども、集客の一助となります。こうした知名度の強みを活用することで、フランチャイズの弁当屋は、安定した売上を得られるのです。
本部による集客施策に乗れる
フランチャイズの弁当屋は、本部による集客施策に乗ることで、効率的にビジネスを展開できます。
本部はマーケティングの専門家を抱え、効果的な広告戦略やプロモーション活動を展開します。その結果、個々の店舗は自分たちで広告を打つ手間や費用をかけずに、効果的な集客が可能です。
また、本部の集客施策には、全体的なブランドイメージを向上させる役割もあります。たとえばテレビCMやSNSキャンペーン、イベントの開催など、本部の資本を活かした大規模な施策が可能です。
フランチャイズ店舗はこうした施策に参加することで、より多くの顧客にアプローチでき、売上を伸ばすチャンスが広がります。
ノウハウ提供やサポートがある
本部からのノウハウ提供やサポートがあるフランチャイズなら、飲食業や弁当屋の経験がなくても成功しやすいです。
フランチャイズ本部は長年の経験と実績から、弁当屋の経営に必要な知識やスキルを蓄積しています。儲かる仕組みも確立されています。加盟店は本部からの指導やトレーニングを受けることで、未経験からでも安心してビジネスをスタートできます。
具体的にはメニューの開発や食材の管理、衛生基準の遵守、顧客対応のスキルなど、弁当屋運営に欠かせないノウハウを提供してもらえます。開業準備やマーケティング、経営に関するアドバイスも受けられるため、初期段階から安定した経営を実現しやすいです。
スケールメリットにより仕入費を抑えられる
フランチャイズの弁当屋が儲かる理由として、スケールメリットによる仕入れ費用の削減が挙げられます。
フランチャイズ本部は、多くの加盟店と共に大量の食材や資材を一括で仕入れるため、単独で購入するよりも割引価格で調達できます。このスケールメリットによって、原材料費や包装資材などのコストを抑え、利益率の向上が可能です。
スケールメリットによる仕入れの安定性も魅力です。大量に仕入れることで、食材の供給が安定し、季節変動や価格変動の影響を受けにくくなります。これにより、一定のコストで品質の高い弁当を提供できるため、利益率だけでなく顧客の満足度も向上します。
儲かる弁当屋フランチャイズ3選
弁当屋フランチャイズのなかでも儲かるフランチャイズを、「知名度が高い」「儲かる仕組みが確立されている」などの視点から厳選して紹介します。
ほっかほっか亭
- 圧倒的な知名度と集客力
- 効率的な店舗レイアウトによる低資金開業
- リスクを抑えて開業できる直営店のレンタル制度
ほっかほっか亭は言わずと知れた弁当屋の大手です。まだ「中食」という言葉がなかった頃から中食ビジネスでフランチャイズシステムを導入し、サービス品質の向上とフランチャイズオーナーの儲かる仕組みづくりを追求してきました。
40年以上にわたるチェーン運営のなかで改善を重ね、ほっかほっか亭の店舗は非常に効率的なレイアウトになりました。これにより坪数、つまり出店費用を抑えて出店できます。既存の直営店をレンタルして加盟できるFCライト制度もあり、リスクを抑えて弁当屋を開けます。
開業資金 | ロイヤリティ | 契約期間 | 加盟店舗数 |
FCS(業務委託)プラン:88.5万円 FCL(直営店レンタル型)プラン:237万円 FC(通常のフランチャイズ店)プラン:2,482万円前後 | 要問い合わせ | FCS(業務委託)プラン:3ヵ月(最長1年) FCL(直営店レンタル型)プラン:5年(更新後は3年、初回と合わせ最長8年) FC(通常のフランチャイズ店)プラン:5年(2回目以降の更新は3年ごと) | 要問い合わせ |
本家かまどや
- 独自の体制で加盟店を強力にサポート
- 選べる2つの加盟制度
- 固定ロイヤリティで売上アップの分がそのまま儲かる
本家かまどやは独自の体制と定額制のロイヤリティで、加盟店が儲かる仕組みを追求している弁当屋フランチャイズです。
一般的なフランチャイズと異なり、総本部と各地区の事業本部を同一資本とし、加盟店をサポート。これにより、加盟店の意思が本部の戦略・指導にスピーディに反映され、より効果的なバックアップを提供しています。
月間費用は定額制で月額9万9,000円。一般的な加盟プランのほかに、本部直営店で経営ノウハウを学んでから独立オーナーを目指せるプランも提供。開業のリスクを抑える加盟プラン、売上が高くなった分はそのまま儲けになるシステムで、稼ぎたい加盟店を応援しています。
開業資金 | ロイヤリティ(月間費用) | 契約期間 | 加盟店舗数 |
経営委託システム:150万円前後 独立オーナーシステム:450万~950万円程度 | ロイヤリティ:6万6,000円 宣伝広告費:3万3,000円 合計:9万9,000円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
まごころ弁当
- ニーズが高まる高齢者向け配食サービス
- 加盟金・ロイヤリティなしの「ゼロプラン」
- 本部社内から20名以上がFCオーナーとして独立
まごころ弁当は、近年ニーズが高まっている高齢者向け配食サービスのフランチャイズです。一般の高齢者向けメニューだけでなく、カロリーや塩分計算が必要な方向けのメニュー、嚥下困難な方向けのムース食などのメニューを提供。利用客のことを常に考えた事業にはやりがいがあり、固定客もつきやすいです。
加盟金・ロイヤリティのかからない「ゼロプラン」があり、店舗取得や厨房機器などの費用だけで開業できます。加盟後の月額費用は会費の3万円のみなので、売上が高くなるほど儲けも大きくなっていきます。
本部社内から20名以上がFCオーナーとして独立している、信頼できる企業です。
開業資金 | ロイヤリティ | 契約期間 | 加盟店舗数 |
加盟金:0円 保証金:0円(審査あり) システム料:0円 厨房機器:0円〜90万円 工事代:0円〜150万円 ※店舗取得料は含まず | 0円 ※会費:月3万円 | 5年 | 532店舗(2024年2月時点) |
儲かる弁当屋を開きたいならフランチャイズがおすすめ
儲かる弁当屋を開きたいなら、集客や仕入費削減に強みのあるフランチャイズがおすすめです。フランチャイズ本部は膨大な数の店舗を経営・支援してきた経験から、弁当屋はどうしたら儲かるのか、独自のノウハウを持っています。このノウハウを活用することで、立地選びからスタッフ教育、集客まで、未経験でも効果的な店舗運営ができます。
弁当屋のフランチャイズは多いです。どこにどんなお店を開きたいのか、自分と本部の相性など、加盟チェーンを多角的な視点から選ぶことが大切です。
本記事で紹介したフランチャイズのなかに気になるところがあったら、まずは公式HPをチェックしてみてください。初期費用や月額料金、詳しいサポート内容など、わからないことがあったら問い合わせをしてみましょう。なるべくたくさんのフランチャイズの情報を集め、自分と相性のいい本部、出店エリアに合うチェーンを選ぶことが重要です。